うちの妻はかわいい~ノンケのガチムチ褐色が食われる話~

うめまつ

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第二章※イルザン

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キスはできる。

毎日、毎朝毎夜好きあらば指でムスタファの唇をなぞるとキスを返してくれる。

マジでそれだけでイケる。

最高。

でも最初はそれでも満足だったけど、やっぱり物足りなくなる。

キスだけ。

それだけじゃ嫌だ。

もっとしたい。

何をって言われたら、ナニだ。

何かできねぇかな。

ケツを出すかと思ったが、それは違う。

俺はムスタファの中に突っ込みてぇ。

可愛いげのない見かけだが、こいつを見てるとムラムラする。

喘いでるところを見たい。

ねだるつもりでしれっと服の上から尻の割れ目をなぞると髪の束を引っ張られてキスを中断される。
 
「ケツはやめろ。」

じろっと睨まれて終わりだ。

キスも。

それは嫌だから我慢してキスの最中に体をまさぐるだけ。

腹回りや背中に手を回すのはいいらしい。

でも、胸や乳首を触ると手をどかされる。

ムスタファはダメが多い。

強行突破しようにもこいつの方が強いし、また以前みたいに怒らせてシカトされるとツラい。

こっちはキスだけで物理的に苦しくなるのに。

ヤろうって仄めかすと呆れた顔でため息を吐かれた。

「ケツが痛くて殺られたら洒落にならん。」

ぐうの音も出ない正論。

巡回中の喧嘩やら酔っぱらいの相手は日常茶飯事だ。

荒事もそれなりに多い。

「でも、このまま気持ちよくなりたい。」

ブスくれて文句を言うと、しばらく思案していた。

「…気が向けばな。」

「何したらやる気になる?」

前のめりに尋ねた。

今はベッドの上だ。

ムスタファの膝に座らせられてる。

がしっと顔を掴んで逃がさないようにした。

「あ?」

面倒そうな瞳は眉間にしわが寄る。

「知らん。」

「んだよ、それ。」

「キスは別にしてもいいが、お互いのケツをほじる程じゃない。したいなら降りろ。やめだ。」

「え、やだ。」

首にしがみついて抵抗したけど引き剥がされて隣に放り出された。

床に落とされなかっただけでも優しい方だが。

「…俺のケツなら良いわけ?使う?」

もう何でも良い。

「遠慮する。受け入れるのは負担がでかい。明日、お前が使いもんにならなくなるのも困る。」

「すっげぇ自信だな。」

「糞よりでかいの突っ込むんだ。足腰立たねぇだろ。」

「うえ、言い方。下品。」

その顔で言うな。

こっちは睨むのに、にぃっと笑ってる。

「そうだな。だか、やる気が削げたろ?」

わざと言ってると仄めかされるけど、ムスタファはバカだ。

死ぬほど潔癖なくせに。

あばずれを装うから余計ムラッとした。

「ここでも俺にケツ掘れって言ってくるのは後衛の補給や事務ばっかだ。前衛のお前が使うのは止めとけ。」 

「医者としての忠告か?」

「個人の意見だ。医者として言うならケツは排泄器官だ。入れるところじゃねぇ。」

「んだよ、結局ダメなんじゃん。」

「そうだな。」

くくっと笑うのを睨む。
 
もう一度にじりよって膝を跨ぐ。

「でも、キスはいいんだろ?」

「…キスくらいならな。」
 
一瞬、めんどくさいって顔したの分かったけど、諦めたように呟いた。

頬を撫でて親指で唇をなぞるとぺろっ舐めてきた。

「お前とするのは嫌じゃない。」

「俺は大好きだけど。ん、れろ、」

「ん、ふ、そうか。」

べろっと唇を舐めれば俺だけじゃなく、ムスタファも角度を変えて深く口の中を舐めてくる。

部屋にぴちゃぴちゃと粘っこい水の音が響く。

「ん、ふぅ、ああ、」

「舌、伸ばせ。」

べぇと舌を出すと吸われて、こりこりと噛まれてぞくぞくした。

「うあっ、はっ、んん、」
 
自分の喘ぎがでかくなる。

すっげぇ、昂る。

ムスタファの顔を見るとにぃっと笑って楽しそうに俺を見つめてた。

「いっ!」

いきなりがりっと強く噛まれて身を引いたが、がっしりと体を押さえられて逃げられなかった。
 
「いあいっ、いひゃい!」

痛くて頭を振って抵抗した。

こんなに強く噛まれたのは初めてで慌てた。

雪崩れるように体を倒したらムスタファも舌に噛みついたままベッドに寝転んでしつこく追いかけてきた。

噛まれたところをべろべろ舐めてくる。

押し返す俺の腕。

片方を掴んで引き下げる。

にぃっと目を細めて笑ったまま。

手を俺の膨らみに被せさせて上からごりごり擦ってくる。

「んっ、ううっ、あうあ、あっ、」

舌を噛んだまま離してくれない。
 
痛くて涙が出た。

でも下半身の刺激が気持ちいい。

腰ばきの紐を緩められてぶるん、とこぼれた。

「あ、あう、」

何するんだと舌を噛まれたまま叫ぶ。

ムスタファの手が俺のを触って思わず大きく叫んだ。

角度を変えて唇を塞がれて貪られる。

これ、たぶん黙れって意味だ。

手をまた引っ張られて竿を握らされる。

ムスタファの手は亀頭を揉んでる。

「ん、んんっ、う、う、」

ああ、くそ。

喘がせたいと思ってもこいつの方が上手だ。

喘がされるのはいつも俺だ。

“こういうのは惚れたら負け”

先輩の言葉が脳裏をよぎる。

本当にその通りだ。

好きすぎて噛まれても喜んじまった。

ねだるのはいつも俺。

好き勝手になぶられるのもいつも俺だ、ちくしょう。

キス以上のことを望んでるがこれじゃない。

主導権を取られたのが悔しくて睨む。

でも絶対惚けた顔してる。

睨めた気がしない。

ムスタファは楽しそうにするだけだ。

「あ、んう、ふううっ、」

息苦しい。

また目頭が熱い。

ふーふーと鼻で空気を入れるのに足りてない。

苦しい。

目尻が水っぽい。  

涙が出たんだ。

ああ、ちくしょう。

また泣かされた。

好きだとキスと片手だけでこんなどろどろにされるのかよ。

キスで塞がれたまま。

ムスタファの手を両手で掴んで必死で擦る。

いかされるまでくぐもった声で好きだと何度も言った。

主導権を取りたいのに。

なんかもう、いつもムスタファのされるまま。

何でだ。



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