うちの妻はかわいい~ノンケのガチムチ褐色が食われる話~

うめまつ

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第一章※本編

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すっげぇ気持ちいい。

なんだこれ?

「あ、あ」

指を探るように動かすが頭の後ろに固定されて動けない。

頭がくらくらして上と下もわからない。

何が起きてるんだ。

「…なん、だ、あ、あ」

ぐちゃぐちゃ言う音。

頭を撫でられて気持ちいい。

「あ、気持、ちいい…あ、」

足が動かない。

両足とも胴体に畳まれてそっちも固定されてる。

開いたまま。

下半身のむず痒さに閉じたくて力が入る。

ぎちぎち言うだけだ。

胴体に太ももがくくられてる。

動くと胴回りまでぎちっと縄の圧迫を感じた。

足先はぶらぶらと揺れる。

「あっ、ああっ、まて!い、いくっ、あ!ああ!」

不意に下半身の刺激に堪えきれず、痙攣したと思ったらびゅるっと勢いよく果てた。

自身の飛んだそれが俺の口まで届いた。

「あ、あ」 

惚けて口が閉まらない。

苦いそれが口に入って出したいのに。

指らしきものがそれを頬から掬って塗り広げ、口の中へ。

頬肉をぐにぐにと撫でまわされる。

「あ、んう、」

長い指はするっと口から抜けた。

相手の指に金具。

指輪をはめてる。

あいつか。

心当たりは1人だ。

真っ暗な部屋。

何も見えない。

開いた足の間に誰かいて、息遣いは聞こえる。

思い出せない。

なんで、俺はこんなことをしてる。

気持ちよくて考えがまとまらない。

長い指がぐにぐにと竿と尻を弄って喘がされてる。

刺激にひくついて体が揺れる。

もっと奥に欲しくて自分から揺らした。

「あ、あっ奥に、もっと、ほしい、」

指はぐるぐる回されて焦らされてる。

「くれ、きもちいい、あ、あ」

しこりに、長い指の関節がこすれて気持ち良かった。

「いいよ。ほしいだけあげる。」

くくっと含んだ笑いが聞こえる。

なぜか俺まで嬉しい。

口許がにやけてるのがわかる。

「あ!ああ、きもちいい、」

頭が白くなる。

もっとほしい。

こんな気持ちいいの初めてだ。

なんで、俺がこんなことしてると考えてもどうでもよくなった。

今は夢みたいな快楽が嬉しくてもっと気持ちよくしてくれと必死でねだった。

ぼんやりと、なんでこうなったんだっけと思い出しながら。





こいつと同行して半年がたった。

手足の指を会わせても足りないくらいの山村を巡り、次は領内で2番目に大きな街へ着いた。

こいつの近道にも慣れたが、ロープを垂らしてもらわないと行けないのは悔しかった。

「他の奴等はローブを垂らしても遅い。」

「そうか。」

正直に話すとニコニコと嬉しそうに笑っていた。

順調にいつものペースで進んでると喜んでいた。

何度か野盗と遭遇したが、慣れてきて討伐も楽になった。

役所から依頼も受けながら進んでいる。

「一人で討伐もしながら巡回していたのか?」

「いや、そんなにしない。今は君がいるからね。」

「ふぅん。」

「あいつらは公爵領を腐らす虫だよ。処分しなきゃ。お嬢様の為に。」

「そうだな。」

こいつの思考の根源もお嬢様だ。

分かりやすい。

「そのうち君も周回だよ。」

巡回なら決められたルートを。

周回なら自由に動ける。

ドル達は周回だ。
 
こいつもいつもは周回らしい。

確かにこいつは有能だ。

医術も体術も。

俺がいないうちにこんな奴がいたのかと妬む気持ちが出るが、それ以上に感心させられる。

街に着いたらお嬢様に予定の滞在期間と報告書を役所に預けて届けさせる。

街を出る前に報告を入れる。

何か知らせが来ていたら受けとるという流れだ。

しばらくここを拠点に動く。

「何か来ていたか?」

手紙の束を見て尋ねた。

お嬢様への返信は役所の一角を借りてその場で返す。

「お嬢様から。こっちは君に。」

受けとるとそれはイルザンからだ。

読むとあいつも退役してリトグリ公爵領を回ってるそうだ。

「誰?」

「軍の知り合い。」

「ふぅん。」

興味なさげに返事が返ってきた。

「仲良かった?」

「仕事の相棒だった。」

イルザンもこの大きな街に滞在してると書かれていたので、手紙をその場で書く。

「だいぶ仲が良かったみたいだね。」

「まあな。」

付き合いは7年近い。

「それよりお嬢様はなんと?」

「はい。」

渡されて読む。

「君のことだよ。気にかけてる。」

「そうだな。」

嬉しくて顔がほころぶ。

報告書とは別に私信としてお返事を書いた。

「宿は?」

「ここは所有の一軒家がある。そこに寝泊まりする。」

「へえ、豪勢だな。」

「薬作りにね。臭いが。大きな街ならどこもそうだよ。」

「昔と違うな。」

旅先で薬が足りなくなったら街で買うか、届けてもらうしかなかった。

「昔はね。作った方が早いときもあるし、宿じゃ疲れるだろうって。お嬢様が待遇を良くしてくださった。」

「そうか。」

「近所の人に洗濯や掃除を頼めるよ。ご飯も届けてくれる。申請しとく?」

用紙をぺらっと見せてくる。

「洗濯だけでいい。お前はいるか?」

家に人が入るのは嫌いだ。

でかい街なら屋台が多い。

飯の心配はない。

「僕もそれでいいよ。」

大きな街だ。

貧民街もある。

今回、俺達は貧民街で仕事をした。

怪我人や病人。
 
子供や年寄り。

女も男も区別なく。

長期の治療が必要な者は拠点の治療院へ送る。

お金の心配はない。

治れば何かしらの労働を義務付けてるだけだ。

身内がいればそいつらに割り振る。

年寄りや子供でも出来る仕事もある。

その辺りはお嬢様が公爵家の経営する農園や薬草園に人手を渡す。

農園の他にもいくつか工場を所有してる。

お嬢様は人手が足りて生産が増えたと喜んでいた。

隠れていた山間の小さな村が多く見つかり、納税をしている所には安く薬を渡すので、税収も上がったそうだ。

手紙には気遣う内容の他に、良民を害する賊は叩け、村はどんどん見つけ出せとのご命令。

幼い頃に比べたら好戦的で商売っけが出て普通の令嬢より抜け目ないお嬢様になられたように思う。

それさえも逞しくなったと嬉しく感じた。

「ムスタファ!久しぶりだね!」

「イルザン?」

その日も貧民街に向かう予定だった。

朝から玄関の戸を叩く音に開けてみたら、イルザンが立っていた。

がっと抱き込まれて頬ずりされて急いで引き剥がした。

「え?だめ?」

「やめろ。連れがいる。」

「え?」

「…どうも。誰かな?」

背後から機嫌の悪い声が聞こえた。

こういうのは嫌いなようだ。

「昔の相棒だ。」

「初めまして、イルザンです。」

「どうも、ビスです。」

どちらもにこっと愛想よく笑っていた。

ビスが愛想のいいイルザンに合わせただけのようだが。

夜、飲みに行く約束をしてその場は別れた。

愛想がいいビスが話に混ざって3人で飲みに行く。

「珍しいな。酒飲むのか?」

こいつが酒を飲むのは見たことがなかった。

「ザルだから普段は飲まない。今回は面白そうだし。お邪魔するね。」

「ああ、構わない。あいつは愛想がいいから話しやすいだろう。」

「そうだね。仲良くできそう。」

3人で花街に出掛けた。

こいつとイルザンは意外と話が合うようでよくしゃべってる。

軍時代の、昔の話になるのは嫌だったが。

「男にばっかりモテて大変だったよ。」

「へえ、そうなんだ。」

「やめろ。」

「だーって本当のことだよ!」

酒を飲んで上機嫌なイルザンがべらべらしゃべる。

「蹴散らしても群がるって感じだった。モテすぎるから俺も必死で尽くして、あ、いや、女に!女にね、頑張って尽くして。盗られないように!負けたくなくてさ!」

いらんことを言いそうになり頭を掴んだ。

「ふうん、そうなんだ?」

ニコニコと知らぬふりして笑うが、こいつなら察したかもしれん。

ザルというのは本当らしい。

イルザンも俺も酔ってるのに、こいつだけいつも通り。

顔色を変えてない。

途中、便所に立つとイルザンもついてきて、影でこっそりキスをした。

この時にいつもよりかなり酔っていると自覚した。

「ん、ふ、ああ、ムスタファ、会いたかった。好きぃ、好きだよ。」

「そうか。は、ふ、」

とろけた顔に笑った。

追いかけてきたのかと思えば可愛く思えた。

「もうやめろ。あいつを待たせてる。ん、」

「はぁ、ああ、わかった。」

口のまわりについた涎を拭った。

「長かったね、具合悪い?」

「いや、つい話し込んだ。待たせて悪い。」

「いいよ、お邪魔してるのは僕だから。」

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