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第一章※本編
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いらない物は知り合いに全部渡した。
「これも、それもいらん。」
「石鹸をこんなにいいのか?」
「身軽になった方がいい。」
薬草類や薬研、乳鉢の方が大事だ。
「馴染みの女にでもやれ。」
多目に持っていた石鹸。
衣類も減らす。
制服は団長に返した。
最後に今まで面倒を見た患者の往診。
薬の作り方を教えるのに忙しかった。
花街の娘達にも別れを伝えた。
身請けされたり結婚するものがいたのでおめでとう、と声をかけた。
寂しがるが笑って送り出してくれるものが多く、よかったと心から思えた。
ハシントからも手紙をもらった。
“噂を聞いた、おめでとう。”
それだけだ。
返信はしなかった。
それでいい。
最後の日、休みの奴等に見送られた。
イルザンも混じってる。
「送る。」
外まで一緒にと言われて断る。
「いや、公爵から馬を借りてる。すぐに馬で出れる。」
預かって裏の厩舎に置いている。
ここからすぐに出立できる。
「最後なんだろ?俺達はここらで戻る。じゃあな、ムスタファ。」
ふと見るとまわりの奴等がぞろぞろと寮に戻っていく。
「厩舎までかな?」
「ああ。」
二人連れ立って裏に向かう。
休みの奴等以外は仕事だ。
人の少ない寮を出て中庭を抜ける。
「ムスタファ、最後だから。」
甘えた声。
人目もない。
腕を捕まえるので大人しく振り向く。
抱きつくのもキスするのも好きにさせた。
今朝もがっついていたが、嫌じゃなかった。
「ん、」
唇を舐める。
体をまさぐる手を掴む。
「もういいか?」
そう言うと悲しそうに顔を歪めた。
「うん。」
厩舎で馬の支度をした。
「いい馬だね。」
「ああ。公爵のご厚意だ。」
もっとも足の早い馬だと言っていた。
額に星の入った栗毛。
よく報いたとお褒めの言葉があった。
偏見もきつかったが、ケツがなぁ。
ハシントみたいな見た目ならともかく。
団長らもイルザンも、王都の奴等は変わってるとしか思えなかった。
どいつもこいつも最後にさせてくれと頼まれたが断った。
ちょいちょい触ってくるのも叩き落とした。
イルザンも同じだ。
キスしたり発散するのはいいが、触られたくねえ。
ハシントの主人からも手紙をもらった。
何かあれば来いという内容だった。
こちらとしては行かなくて済むようにしたい。
もう領地に引っ込むので縁もなかろう。
「ムスタファ。」
「なんだ?」
「これからはずっと領地にいるんだろ?」
「そのつもりだ。」
「じゃあ、会いに行くよ。」
「わかった。」
もう一回とねだられ頬にキスをした。
「口じゃないのか?」
「きりがない。」
このまま続けても泣くだけだろう。
多少、慣れたが泣かれると弱い。
こいつには笑って見送られたかった。
「そっけない。」
「お前には優しくしてるつもりだ。」
「まあね。」
他の奴等にこんなことしたことはない。
もたれてくるのを受け止めて肩に腕を回す。
「もう行く。」
「あと少し。」
厩舎の中だ。
いるのは馬だけ。
だが、馬の世話当番の奴等がそろそろ来る。
「人が来る。」
「まだ来ないよ。」
離れたがらないのをどう離すか思案した。
これで最後だ。
喧嘩はしたくない。
がさっと外から足音が聞こえて厩舎の扉の前で止まった。
「離れろ、イルザン。」
「なに?急に。やだよ。」
腕を掴んで外そうとしたら、そのまま絡んで壁に背中をぶつける。
「ばか、人が、」
「え?」
気付いてないのか、しがみついて俺の顔を見ながらキョトンとしてる。
がらがらと開く。
「…お前ら。」
目に入ったのはコンドラットだった。
「発情期どもめ。」
「今日の当番か。」
「離れろ、イルザン。」
しがみついたまま会話を続けるのを止めた。
押し退けて離れた。
「コンドル!お前のせいだ。邪魔しやがって。空気読めよ。だからハゲなんだ!ハゲ頭のコンドル!」
「ふざけんな!俺は仕事に来たんだ!」
いつにもなくイラ立って荒い口調で突っかかる。
二人が争ってるうちに馬を外に出した。
ちょうど良かったかもしれん。
馬に乗ろうとすると、止められた。
「ムスタファ!このやろう!」
イルザンじゃなくてコンドラットに。
「もういなくなるんだ。突っかかるな。」
いつもこいつは黙って睨み付けてくる。
「最後まで水差しやがって。厩舎に戻れよ!」
「うるせぇ!こいつにはムカついてんだ!」
「イルザン、そいつを頼む。」
さっさと馬に乗って歩かせる。
「どけ!コンドル!このハゲ!」
「ああ!とっとと出て行け!あばずれのメス犬!」
「ふざけんな!ひがみが!」
ギャーギャー騒いでる途中で、イルザンの会いに行くからと叫んでいたのが聞こえた。
見えたかわからんが、先を進めながら手を振って応えた。
あとは馬を走らせる。
1日かかるところを半日に短縮させて。
馬に無理をさせていたが、限界ギリギリまで走らせた。
本邸に着くと、別邸へ回れと門の前で追い払われた。
偉そうな取り次ぎの態度にムッとしたが、お嬢様も別邸にいると聞き喜んだ。
別邸に着くと開かれた門扉に驚いた。
数人の門番に声をかける。
「兄さん、何か治療かい?」
「いや、違う。」
身元を説明し、お嬢様への取り次ぎを頼む。
「あんたか!だが、到着は明日と聞いていたが。」
「道中、急いだんだ。」
「はは!すげぇな。俺が案内するよ。」
「俺がするよ。」
「いいって、」
誰が案内するか揉めてるが、明るく笑う気さくな奴等に驚いた。
「この時間なら執務室か?」
「いや、患者の世話だろ?」
「気分次第だ。行けばいいよ。はは!」
案内されて本邸の半分ほどの屋敷の中へ。
外は領民らしき人間の往来が多くてまた驚かされた。
「患者がいるなら先にそちらの手伝いでも構わんが。」
そう呟くと門番と交代で案内している年上のメイドが振り返る。
「そうですか?お言葉に甘えて。」
「あ?」
「今日は街で馬が暴れて怪我人が多いんですよ。さ、こちらへ。」
足早に進むので慌てて追いかける。
女性にしては足が早い。
「仰っていただいて良かったです。人手が足らなくてお嬢様も看護に回ってます。」
「そうなんですか!?」
「はい、別棟に治療の為の棟がございます。屋敷の中なら回廊を抜けた方が早いので、このままついてきてください。」
駆け足となった女性の後を追う。
途中で木箱や麻袋、薬研やら大量の医学書が置かれた部屋を抜ける。
「ここは?」
「荷物置きです。」
そこを抜けて扉を開けると広い部屋にベッドが並べられて、多くの患者が寝かされていた。
「マックス!どこ!?マックス!」
「何?!姉さん!忙しいんだけど!」
怒鳴るマックスの声。
部屋の隅の衝立からイラ立った返答があった。
「あちらへ。あとはよろしくお願いいたします。」
それだけ言ってさっさと胸まで覆うエプロンをかけて行ってしまった。
衝立の裏に入る。
マックスが患者の処置をしているところだった。
「マックス、久しぶりだ。何から手伝ったらいい?」
「え?!ムスタファ!ちょうど良かった!あちらをお願いします。」
隣の衝立を指差すのでそこへ行く。
呻く患者を押さえるがたいのいい婆さんがいた。
声をかけようとしたが、手早い作業の動きに驚いた。
「何か用かい?新しい患者かい?」
はきはきした物言いにはっとした。
「王都より戻りましたムスタファと申します。お忙しくされてるので力になりたいと。」
「外にまだ怪我人が転がってるからそっちを。とっとと走って。早くしな。邪魔だわ。」
顎をしゃくるので、返事をして慌てて外へ向かう。
荷物から前掛けを出して身支度を整える。
外に行く前にマックスに問いかけた。
「マックス、あの婆さんは?」
「うちのババ様ですよ。」
「あ?」
「ドル達からはネバと呼ばれてます。お嬢様はばあばと。」
噂の。
先生の一番弟子。
女だてらに暴れまわり、ドル達でさえ一目を置く女傑か。
「怒らせないでくださいね。怖いんで。」
「そうか。」
それだけ言って外の患者の対応へ。
外には軽傷者ばかりのようだった。
わっと騒ぐ一角があり、駆け寄る。
痛みで暴れる者が出たかと思った。
とっとと治療しろと尊大な声にたまにこういう奴が出ると舌打ちをする。
「黙って待ちなさい!それだけ元気ならあとからよ!皆に乱暴するなら追い出すからね!」
若い可愛らしいお声。
なのにドスが効いている。
「お、お嬢様?!」
「え?あー!ムスタファ!」
簡素なワンピースとエプロン。
黒い豊かな髪を一つに結び、こん棒を持っている。
治療の格好じゃない。
「やだ!見られた!」
さっと後ろにこん棒を隠して赤い顔で恥ずかしがった。
「どうせいずれバレますよ。」
先程の案内人の女性が男に拘束具をはめて転がした。
「この人もそれなりにひどい怪我ですけどね。興奮してしまって、どうしようもない。あ、この人から診ますか?」
穏やかそうな笑みに黙って頷いた。
見るとその女性の腰にもこん棒と縄がぶら下がっている。
小袋には治療に関するものを入れてるようで包帯やガーゼを取り出す。
「他に必要な物はございますか?」
「今はいい。それで充分だ。」
再開を喜ぶ暇もなく慌ただしく働いた。
「これも、それもいらん。」
「石鹸をこんなにいいのか?」
「身軽になった方がいい。」
薬草類や薬研、乳鉢の方が大事だ。
「馴染みの女にでもやれ。」
多目に持っていた石鹸。
衣類も減らす。
制服は団長に返した。
最後に今まで面倒を見た患者の往診。
薬の作り方を教えるのに忙しかった。
花街の娘達にも別れを伝えた。
身請けされたり結婚するものがいたのでおめでとう、と声をかけた。
寂しがるが笑って送り出してくれるものが多く、よかったと心から思えた。
ハシントからも手紙をもらった。
“噂を聞いた、おめでとう。”
それだけだ。
返信はしなかった。
それでいい。
最後の日、休みの奴等に見送られた。
イルザンも混じってる。
「送る。」
外まで一緒にと言われて断る。
「いや、公爵から馬を借りてる。すぐに馬で出れる。」
預かって裏の厩舎に置いている。
ここからすぐに出立できる。
「最後なんだろ?俺達はここらで戻る。じゃあな、ムスタファ。」
ふと見るとまわりの奴等がぞろぞろと寮に戻っていく。
「厩舎までかな?」
「ああ。」
二人連れ立って裏に向かう。
休みの奴等以外は仕事だ。
人の少ない寮を出て中庭を抜ける。
「ムスタファ、最後だから。」
甘えた声。
人目もない。
腕を捕まえるので大人しく振り向く。
抱きつくのもキスするのも好きにさせた。
今朝もがっついていたが、嫌じゃなかった。
「ん、」
唇を舐める。
体をまさぐる手を掴む。
「もういいか?」
そう言うと悲しそうに顔を歪めた。
「うん。」
厩舎で馬の支度をした。
「いい馬だね。」
「ああ。公爵のご厚意だ。」
もっとも足の早い馬だと言っていた。
額に星の入った栗毛。
よく報いたとお褒めの言葉があった。
偏見もきつかったが、ケツがなぁ。
ハシントみたいな見た目ならともかく。
団長らもイルザンも、王都の奴等は変わってるとしか思えなかった。
どいつもこいつも最後にさせてくれと頼まれたが断った。
ちょいちょい触ってくるのも叩き落とした。
イルザンも同じだ。
キスしたり発散するのはいいが、触られたくねえ。
ハシントの主人からも手紙をもらった。
何かあれば来いという内容だった。
こちらとしては行かなくて済むようにしたい。
もう領地に引っ込むので縁もなかろう。
「ムスタファ。」
「なんだ?」
「これからはずっと領地にいるんだろ?」
「そのつもりだ。」
「じゃあ、会いに行くよ。」
「わかった。」
もう一回とねだられ頬にキスをした。
「口じゃないのか?」
「きりがない。」
このまま続けても泣くだけだろう。
多少、慣れたが泣かれると弱い。
こいつには笑って見送られたかった。
「そっけない。」
「お前には優しくしてるつもりだ。」
「まあね。」
他の奴等にこんなことしたことはない。
もたれてくるのを受け止めて肩に腕を回す。
「もう行く。」
「あと少し。」
厩舎の中だ。
いるのは馬だけ。
だが、馬の世話当番の奴等がそろそろ来る。
「人が来る。」
「まだ来ないよ。」
離れたがらないのをどう離すか思案した。
これで最後だ。
喧嘩はしたくない。
がさっと外から足音が聞こえて厩舎の扉の前で止まった。
「離れろ、イルザン。」
「なに?急に。やだよ。」
腕を掴んで外そうとしたら、そのまま絡んで壁に背中をぶつける。
「ばか、人が、」
「え?」
気付いてないのか、しがみついて俺の顔を見ながらキョトンとしてる。
がらがらと開く。
「…お前ら。」
目に入ったのはコンドラットだった。
「発情期どもめ。」
「今日の当番か。」
「離れろ、イルザン。」
しがみついたまま会話を続けるのを止めた。
押し退けて離れた。
「コンドル!お前のせいだ。邪魔しやがって。空気読めよ。だからハゲなんだ!ハゲ頭のコンドル!」
「ふざけんな!俺は仕事に来たんだ!」
いつにもなくイラ立って荒い口調で突っかかる。
二人が争ってるうちに馬を外に出した。
ちょうど良かったかもしれん。
馬に乗ろうとすると、止められた。
「ムスタファ!このやろう!」
イルザンじゃなくてコンドラットに。
「もういなくなるんだ。突っかかるな。」
いつもこいつは黙って睨み付けてくる。
「最後まで水差しやがって。厩舎に戻れよ!」
「うるせぇ!こいつにはムカついてんだ!」
「イルザン、そいつを頼む。」
さっさと馬に乗って歩かせる。
「どけ!コンドル!このハゲ!」
「ああ!とっとと出て行け!あばずれのメス犬!」
「ふざけんな!ひがみが!」
ギャーギャー騒いでる途中で、イルザンの会いに行くからと叫んでいたのが聞こえた。
見えたかわからんが、先を進めながら手を振って応えた。
あとは馬を走らせる。
1日かかるところを半日に短縮させて。
馬に無理をさせていたが、限界ギリギリまで走らせた。
本邸に着くと、別邸へ回れと門の前で追い払われた。
偉そうな取り次ぎの態度にムッとしたが、お嬢様も別邸にいると聞き喜んだ。
別邸に着くと開かれた門扉に驚いた。
数人の門番に声をかける。
「兄さん、何か治療かい?」
「いや、違う。」
身元を説明し、お嬢様への取り次ぎを頼む。
「あんたか!だが、到着は明日と聞いていたが。」
「道中、急いだんだ。」
「はは!すげぇな。俺が案内するよ。」
「俺がするよ。」
「いいって、」
誰が案内するか揉めてるが、明るく笑う気さくな奴等に驚いた。
「この時間なら執務室か?」
「いや、患者の世話だろ?」
「気分次第だ。行けばいいよ。はは!」
案内されて本邸の半分ほどの屋敷の中へ。
外は領民らしき人間の往来が多くてまた驚かされた。
「患者がいるなら先にそちらの手伝いでも構わんが。」
そう呟くと門番と交代で案内している年上のメイドが振り返る。
「そうですか?お言葉に甘えて。」
「あ?」
「今日は街で馬が暴れて怪我人が多いんですよ。さ、こちらへ。」
足早に進むので慌てて追いかける。
女性にしては足が早い。
「仰っていただいて良かったです。人手が足らなくてお嬢様も看護に回ってます。」
「そうなんですか!?」
「はい、別棟に治療の為の棟がございます。屋敷の中なら回廊を抜けた方が早いので、このままついてきてください。」
駆け足となった女性の後を追う。
途中で木箱や麻袋、薬研やら大量の医学書が置かれた部屋を抜ける。
「ここは?」
「荷物置きです。」
そこを抜けて扉を開けると広い部屋にベッドが並べられて、多くの患者が寝かされていた。
「マックス!どこ!?マックス!」
「何?!姉さん!忙しいんだけど!」
怒鳴るマックスの声。
部屋の隅の衝立からイラ立った返答があった。
「あちらへ。あとはよろしくお願いいたします。」
それだけ言ってさっさと胸まで覆うエプロンをかけて行ってしまった。
衝立の裏に入る。
マックスが患者の処置をしているところだった。
「マックス、久しぶりだ。何から手伝ったらいい?」
「え?!ムスタファ!ちょうど良かった!あちらをお願いします。」
隣の衝立を指差すのでそこへ行く。
呻く患者を押さえるがたいのいい婆さんがいた。
声をかけようとしたが、手早い作業の動きに驚いた。
「何か用かい?新しい患者かい?」
はきはきした物言いにはっとした。
「王都より戻りましたムスタファと申します。お忙しくされてるので力になりたいと。」
「外にまだ怪我人が転がってるからそっちを。とっとと走って。早くしな。邪魔だわ。」
顎をしゃくるので、返事をして慌てて外へ向かう。
荷物から前掛けを出して身支度を整える。
外に行く前にマックスに問いかけた。
「マックス、あの婆さんは?」
「うちのババ様ですよ。」
「あ?」
「ドル達からはネバと呼ばれてます。お嬢様はばあばと。」
噂の。
先生の一番弟子。
女だてらに暴れまわり、ドル達でさえ一目を置く女傑か。
「怒らせないでくださいね。怖いんで。」
「そうか。」
それだけ言って外の患者の対応へ。
外には軽傷者ばかりのようだった。
わっと騒ぐ一角があり、駆け寄る。
痛みで暴れる者が出たかと思った。
とっとと治療しろと尊大な声にたまにこういう奴が出ると舌打ちをする。
「黙って待ちなさい!それだけ元気ならあとからよ!皆に乱暴するなら追い出すからね!」
若い可愛らしいお声。
なのにドスが効いている。
「お、お嬢様?!」
「え?あー!ムスタファ!」
簡素なワンピースとエプロン。
黒い豊かな髪を一つに結び、こん棒を持っている。
治療の格好じゃない。
「やだ!見られた!」
さっと後ろにこん棒を隠して赤い顔で恥ずかしがった。
「どうせいずれバレますよ。」
先程の案内人の女性が男に拘束具をはめて転がした。
「この人もそれなりにひどい怪我ですけどね。興奮してしまって、どうしようもない。あ、この人から診ますか?」
穏やかそうな笑みに黙って頷いた。
見るとその女性の腰にもこん棒と縄がぶら下がっている。
小袋には治療に関するものを入れてるようで包帯やガーゼを取り出す。
「他に必要な物はございますか?」
「今はいい。それで充分だ。」
再開を喜ぶ暇もなく慌ただしく働いた。
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