38 / 39
38*カナン
しおりを挟む
ダグの反応が良くなったことも。
腹が立つのに喜ばしいのは否めない。
「あ、はぁ、ああ、あぁっ」
キスひとつで目をトロッとさせて涙をにじませて喜んでいた。
光りを吸ってキラキラ輝く。
好んでするようになったことは予想外だった。
ぼろぼろとこぼす涙が頬や鼻筋を濡らす。
この表情に文句はない。
こうまでダグを変えたアリオンを処分したいと思うが、あの恨みの混じった瞳を思い出すと臆してしまう。
それにまた以前の頑なさに戻るかもしれないと躊躇していた。
閨の最中の甘える仕草も増えて可愛いげが増したことに喜びと悋気が複雑に絡む。
ダグとアリオンの扱いに考えあぐねた。
いつものガゼボで裸に剥いた四肢をテーブルに縫い付けて固いすぼまりに身を刺す。
痛みに最初は苦しむが、オイルを足してしばらくこねればすぐに喜びを見せるようになった。
ダグは私との閨を率先して楽しむようになったし、悋気が起きるが満足も大きい。
それに悋気以外にあれを処分するための理由も大義名分もない。
そうなれば手だてもない。
しばらくアリオンの件は目をつぶるかといら立ちながらそう考えていた。
「あ、これは申し訳ありません」
唐突に聞こえたアリオンの声に目を見開いた。
「団長にカナン様を呼びに行けと言われたもので」
アリオンは中庭のガゼボで私達の交合を見かけたのに軽く笑みを浮かべて余裕を見せる。
こちらは一瞬ぎくりとしたのに。
「あれ?アリィ?ん、ああ、はぁ、んっ、ふぅ、」
ダグは甘えた声を出したまま現れたアリオンへ微笑みを向けた。
「ダグ、持ち場にいないと思ったら可愛がられていたのか」
「あ、ふぁ、うん、カナン様にぃ、あ」
アリオンの微笑みを見た途端、きつく絞まり何も言えなくなった。
堪えるのに集中して前屈みに項垂れて怒ることも忘れた。
「ふふ、具合が良さそうだな、ダグは」
「ん、きもちぃーよぉ、んっ、ん、きゅうきゅうするぅ」
ダグもアリオンも気にしていなかった。
意味が分からない。
二人が愛し合うのなら私の存在を疎ましくなるはずなのに気にした風がない。
「カナン様、失礼します」
そう一言言って近づくと仰向けに貫いていたダグの胸を弄って昂らせ、手を出したことに叱ろうにも、ぎゅうぎゅうと締まりうねるそこに深く突っ伏してしまい、アリオンに退けと言いそびれた。
「カナン様、ダグの肉の具合はようございますか?」
「くっ、アリ、オン、……お、前っ」
睨むのに継ぎはぎの男振りを上げた顔を微笑ませて余裕綽々、私は悔しいが、ダグの激しい喘ぎとガクガクと痙攣する腰に言葉が出ない。
「あっ、ああっ、あああっ、ケツまんこも、おっぱいも、いいっ、気持ちいいぃっカ、カナン様。お、お願いですっ、まんこにちんちんずこずこしてくださいぃ。きゃあんっ!」
初めてそんな下品な物言いを。
どっと咄嗟に強く貫くと叫び激しく吐精しながら聞いたことのない喜びの混じった甲高い悲鳴をあげた。
「カナン様、うああっ、イクぅぅ!カナン様のちんこっちんこぉっ、好き!好きぃ」
続けて抜き差しをすれば私の名を呼びながら今までにない醜態を晒してあっという間に果てた。
「……ふっ、くっ」
いつもより早く私も。
搾り取られたと言っていい。
ダグは気をやって失神してる。
こいつが肉欲をねだって乱れて、しかも快楽だけでこんな姿を晒すのは初めてだ。
その原因はこいつかと腹が立つ。
息を乱しながら目の前で憎たらしく微笑む継ぎはぎの男を睨んだ。
「ダグが悩んでいました。どうするばカナン様のご期待に添えられるか、満足させられるか。奴隷の身で微力ながらお手伝いをいたしましたが、お気に召しましたでしょうか?」
堂々と手を出していると宣言するこいつの図太さ。
馬鹿にしてる。
そう感じてカッとなった。
整った身だしなみで腰に剣をかけていたら首をはねていた。
隠しようもないほどめらめらと滾る憎悪に包まれているのに、そんな私を見てアリオンが頬を緩める。
「お気に召しませんか?ならまた主人と閨の研究せねばなりませんね」
強気なせせら笑いにどうしてやろうか。
「ふてぶてしい。この羽虫が。首をはねさせるぞ」
「なぜ?次は何の咎で?」
ぼそっと脅しに呟けばアリオンは半笑いに肩をすくめた。
「たかが奴隷が主人の性欲処理をしているだけですよ。合法的に。そして主人の望み通り後孔は不可侵です」
失礼します、と手拭いを懐から出して目の前に膝まづいて私の始末をしようとするので手を叩いた。
「ダグにさせる」
「……無理でしょう」
ちらっとダグへ視線を向けて苦笑い。
「私は主人の奴隷です。それで堪えていただきたいのですが」
変わらず笑みを乗せたまま上目遣いにこちらの機嫌を取る。
「もとは高い身分な上に私からの拷問を受けたお前を信用しろと?しかもこいつに集る虫だと言うのに」
いつまでもこの男の前で無防備でいたくない。
自分のハンカチで拭って身支度を整えた。
「ふふ、私は弁えていますので」
「触るなっ!」
ダグの始末に手拭いを当てるアリオンを怒鳴り付けた。
「ではこのまま飾っておきますか?私はあなた様の迎えに来たので団長のもとへお連れせねばなりません。無防備な主人を残してどうなるか不安なのですが」
困ったと眉を下げる男にいら立つ。
手拭いを取り上げてダグの腹と太ももを拭ってやる。
こんなことをしたのは初めてだ。
腹が立つのに喜ばしいのは否めない。
「あ、はぁ、ああ、あぁっ」
キスひとつで目をトロッとさせて涙をにじませて喜んでいた。
光りを吸ってキラキラ輝く。
好んでするようになったことは予想外だった。
ぼろぼろとこぼす涙が頬や鼻筋を濡らす。
この表情に文句はない。
こうまでダグを変えたアリオンを処分したいと思うが、あの恨みの混じった瞳を思い出すと臆してしまう。
それにまた以前の頑なさに戻るかもしれないと躊躇していた。
閨の最中の甘える仕草も増えて可愛いげが増したことに喜びと悋気が複雑に絡む。
ダグとアリオンの扱いに考えあぐねた。
いつものガゼボで裸に剥いた四肢をテーブルに縫い付けて固いすぼまりに身を刺す。
痛みに最初は苦しむが、オイルを足してしばらくこねればすぐに喜びを見せるようになった。
ダグは私との閨を率先して楽しむようになったし、悋気が起きるが満足も大きい。
それに悋気以外にあれを処分するための理由も大義名分もない。
そうなれば手だてもない。
しばらくアリオンの件は目をつぶるかといら立ちながらそう考えていた。
「あ、これは申し訳ありません」
唐突に聞こえたアリオンの声に目を見開いた。
「団長にカナン様を呼びに行けと言われたもので」
アリオンは中庭のガゼボで私達の交合を見かけたのに軽く笑みを浮かべて余裕を見せる。
こちらは一瞬ぎくりとしたのに。
「あれ?アリィ?ん、ああ、はぁ、んっ、ふぅ、」
ダグは甘えた声を出したまま現れたアリオンへ微笑みを向けた。
「ダグ、持ち場にいないと思ったら可愛がられていたのか」
「あ、ふぁ、うん、カナン様にぃ、あ」
アリオンの微笑みを見た途端、きつく絞まり何も言えなくなった。
堪えるのに集中して前屈みに項垂れて怒ることも忘れた。
「ふふ、具合が良さそうだな、ダグは」
「ん、きもちぃーよぉ、んっ、ん、きゅうきゅうするぅ」
ダグもアリオンも気にしていなかった。
意味が分からない。
二人が愛し合うのなら私の存在を疎ましくなるはずなのに気にした風がない。
「カナン様、失礼します」
そう一言言って近づくと仰向けに貫いていたダグの胸を弄って昂らせ、手を出したことに叱ろうにも、ぎゅうぎゅうと締まりうねるそこに深く突っ伏してしまい、アリオンに退けと言いそびれた。
「カナン様、ダグの肉の具合はようございますか?」
「くっ、アリ、オン、……お、前っ」
睨むのに継ぎはぎの男振りを上げた顔を微笑ませて余裕綽々、私は悔しいが、ダグの激しい喘ぎとガクガクと痙攣する腰に言葉が出ない。
「あっ、ああっ、あああっ、ケツまんこも、おっぱいも、いいっ、気持ちいいぃっカ、カナン様。お、お願いですっ、まんこにちんちんずこずこしてくださいぃ。きゃあんっ!」
初めてそんな下品な物言いを。
どっと咄嗟に強く貫くと叫び激しく吐精しながら聞いたことのない喜びの混じった甲高い悲鳴をあげた。
「カナン様、うああっ、イクぅぅ!カナン様のちんこっちんこぉっ、好き!好きぃ」
続けて抜き差しをすれば私の名を呼びながら今までにない醜態を晒してあっという間に果てた。
「……ふっ、くっ」
いつもより早く私も。
搾り取られたと言っていい。
ダグは気をやって失神してる。
こいつが肉欲をねだって乱れて、しかも快楽だけでこんな姿を晒すのは初めてだ。
その原因はこいつかと腹が立つ。
息を乱しながら目の前で憎たらしく微笑む継ぎはぎの男を睨んだ。
「ダグが悩んでいました。どうするばカナン様のご期待に添えられるか、満足させられるか。奴隷の身で微力ながらお手伝いをいたしましたが、お気に召しましたでしょうか?」
堂々と手を出していると宣言するこいつの図太さ。
馬鹿にしてる。
そう感じてカッとなった。
整った身だしなみで腰に剣をかけていたら首をはねていた。
隠しようもないほどめらめらと滾る憎悪に包まれているのに、そんな私を見てアリオンが頬を緩める。
「お気に召しませんか?ならまた主人と閨の研究せねばなりませんね」
強気なせせら笑いにどうしてやろうか。
「ふてぶてしい。この羽虫が。首をはねさせるぞ」
「なぜ?次は何の咎で?」
ぼそっと脅しに呟けばアリオンは半笑いに肩をすくめた。
「たかが奴隷が主人の性欲処理をしているだけですよ。合法的に。そして主人の望み通り後孔は不可侵です」
失礼します、と手拭いを懐から出して目の前に膝まづいて私の始末をしようとするので手を叩いた。
「ダグにさせる」
「……無理でしょう」
ちらっとダグへ視線を向けて苦笑い。
「私は主人の奴隷です。それで堪えていただきたいのですが」
変わらず笑みを乗せたまま上目遣いにこちらの機嫌を取る。
「もとは高い身分な上に私からの拷問を受けたお前を信用しろと?しかもこいつに集る虫だと言うのに」
いつまでもこの男の前で無防備でいたくない。
自分のハンカチで拭って身支度を整えた。
「ふふ、私は弁えていますので」
「触るなっ!」
ダグの始末に手拭いを当てるアリオンを怒鳴り付けた。
「ではこのまま飾っておきますか?私はあなた様の迎えに来たので団長のもとへお連れせねばなりません。無防備な主人を残してどうなるか不安なのですが」
困ったと眉を下げる男にいら立つ。
手拭いを取り上げてダグの腹と太ももを拭ってやる。
こんなことをしたのは初めてだ。
10
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
俺をハーレムに組み込むな!!!!〜モテモテハーレムの勇者様が平凡ゴリラの俺に惚れているとか冗談だろ?〜
嶋紀之/サークル「黒薔薇。」
BL
無自覚モテモテ勇者×平凡地味顔ゴリラ系男子の、コメディー要素強めなラブコメBLのつもり。
勇者ユウリと共に旅する仲間の一人である青年、アレクには悩みがあった。それは自分を除くパーティーメンバーが勇者にベタ惚れかつ、鈍感な勇者がさっぱりそれに気づいていないことだ。イケメン勇者が女の子にチヤホヤされているさまは、相手がイケメンすぎて嫉妬の対象でこそないものの、モテない男子にとっては目に毒なのである。
しかしある日、アレクはユウリに二人きりで呼び出され、告白されてしまい……!?
たまには健全な全年齢向けBLを書いてみたくてできた話です。一応、付き合い出す前の両片思いカップルコメディー仕立て……のつもり。他の仲間たちが勇者に言い寄る描写があります。
可愛い男の子が実はタチだった件について。
桜子あんこ
BL
イケメンで女にモテる男、裕也(ゆうや)と可愛くて男にモテる、凛(りん)が付き合い始め、裕也は自分が抱く側かと思っていた。
可愛いS攻め×快楽に弱い男前受け
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)
君が好き過ぎてレイプした
眠りん
BL
ぼくは大柄で力は強いけれど、かなりの小心者です。好きな人に告白なんて絶対出来ません。
放課後の教室で……ぼくの好きな湊也君が一人、席に座って眠っていました。
これはチャンスです。
目隠しをして、体を押え付ければ小柄な湊也君は抵抗出来ません。
どうせ恋人同士になんてなれません。
この先の長い人生、君の隣にいられないのなら、たった一度少しの時間でいい。君とセックスがしたいのです。
それで君への恋心は忘れます。
でも、翌日湊也君がぼくを呼び出しました。犯人がぼくだとバレてしまったのでしょうか?
不安に思いましたが、そんな事はありませんでした。
「犯人が誰か分からないんだ。ねぇ、柚月。しばらく俺と一緒にいて。俺の事守ってよ」
ぼくはガタイが良いだけで弱い人間です。小心者だし、人を守るなんて出来ません。
その時、湊也君が衝撃発言をしました。
「柚月の事……本当はずっと好きだったから」
なんと告白されたのです。
ぼくと湊也君は両思いだったのです。
このままレイプ事件の事はなかった事にしたいと思います。
※誤字脱字があったらすみません
イケメンに惚れられた俺の話
モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。
こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。
そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。
どんなやつかと思い、会ってみると……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる