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11*アリオン
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今日も遅い。
ダグと食べるつもりで帰りを待っていた。
でもいつもより遅い。
仲間と飲みに行ったにしても。
ああ、でもあいつも若いから歓楽街かもなと思い当たる。
そのうち帰ってくるとかまどの火を頼りに奥方に習った針仕事をして時間を潰した。
待つのは諦めて寝台に横になっていると朝方、どんどんと荒く玄関を叩かれた。
「開けろっ、早く」
「部隊長?」
動きの悪い足を引きずってすぐに玄関を開けた。
「ダグ?!」
部隊長の背中にぐったりと目をつぶっていた。
「どけ、お前には持てないだろうが」
引き取ろうとしてはねのけられた。
歯噛みしながら自分の体のせいだと納得し、奥の部屋に運ぶ後ろから付いていく。
朝方とはいえまだ暗い。
明かりをつけて側を照らした。
よく見たらシーツにくるまれている。
「何があったんですか」
賊か討伐か。
下級兵士のこいつに起こるとしたらそんなところ。
「……いつものことだ」
苦々しく答えた。
「ダグ、起きろ」
頬を軽く叩いた。
微かに呻いて声を出す代わりに手を挙げた。
「いてて、きっつぅ」
「医者は呼ぶか?」
「いらないです」
「必要なものは?」
手桶に水を入れて手拭いを頼んだ。
部隊長がすぐに走って持ってくる。
自分が動こうとして遅いからいいと止められた。
「あとの始末は自分でするんで。運んでくれてありがとうございます」
起きてシーツを自分で剥ぐと中は裸であちらこちらに赤い斑点と歯形とはっきり分かる痕。
胸元に集中して腹、背中、肩に広がっていた。
赤く痛々しい痕と日に焼けていないそこはぞわっと総毛立つほど白い。
初めて見るダグの体と激しい情交のあとに唖然とした。
「ダ、……ダグ、何があった?」
一目瞭然なそれを目の前に、私は無神経に問いかけた。
「新しい人がヘマしたみたいで。急にカナン様が、ちょっとね。分かってたら支度するのに。久しぶりだからこっちも固くて入らないんだよ」
いてて、とぼやきながら前のめりに動いてよつんばに。
ごぶっ、ぶぷっ、と音が聞こえてポタポタと足の間から白い精が滴った。
股間に濡らした手拭いを当てるが、ぺたりと体が潰れた。
「いてぇ」
「ダグ、貸せ」
「さーせん、うぉぉっ、いっ、てぇ」
部隊長が手拭いを取り上げて中の白い液を掻き出した。
突っ伏して顔を覆ってる。
「ぐっ、ううっ」
指が動く度にひくひくと背中がはねて、快楽より痛みを感じた声を漏らしている。
「突っ立てるだけのお宅はあっちへ行ってくれ」
茫然と見とれていた。
その一言にハッとしてやっと動き出す。
睨まれたが、私も手拭いを濡らしてダグの体を拭いた。
古くて少し黄ばんでいた手拭いに血の染みがにじんだ。
痛いよりましだと繰り返していたのは経験談だったかとぼんやり考えた。
ダグと食べるつもりで帰りを待っていた。
でもいつもより遅い。
仲間と飲みに行ったにしても。
ああ、でもあいつも若いから歓楽街かもなと思い当たる。
そのうち帰ってくるとかまどの火を頼りに奥方に習った針仕事をして時間を潰した。
待つのは諦めて寝台に横になっていると朝方、どんどんと荒く玄関を叩かれた。
「開けろっ、早く」
「部隊長?」
動きの悪い足を引きずってすぐに玄関を開けた。
「ダグ?!」
部隊長の背中にぐったりと目をつぶっていた。
「どけ、お前には持てないだろうが」
引き取ろうとしてはねのけられた。
歯噛みしながら自分の体のせいだと納得し、奥の部屋に運ぶ後ろから付いていく。
朝方とはいえまだ暗い。
明かりをつけて側を照らした。
よく見たらシーツにくるまれている。
「何があったんですか」
賊か討伐か。
下級兵士のこいつに起こるとしたらそんなところ。
「……いつものことだ」
苦々しく答えた。
「ダグ、起きろ」
頬を軽く叩いた。
微かに呻いて声を出す代わりに手を挙げた。
「いてて、きっつぅ」
「医者は呼ぶか?」
「いらないです」
「必要なものは?」
手桶に水を入れて手拭いを頼んだ。
部隊長がすぐに走って持ってくる。
自分が動こうとして遅いからいいと止められた。
「あとの始末は自分でするんで。運んでくれてありがとうございます」
起きてシーツを自分で剥ぐと中は裸であちらこちらに赤い斑点と歯形とはっきり分かる痕。
胸元に集中して腹、背中、肩に広がっていた。
赤く痛々しい痕と日に焼けていないそこはぞわっと総毛立つほど白い。
初めて見るダグの体と激しい情交のあとに唖然とした。
「ダ、……ダグ、何があった?」
一目瞭然なそれを目の前に、私は無神経に問いかけた。
「新しい人がヘマしたみたいで。急にカナン様が、ちょっとね。分かってたら支度するのに。久しぶりだからこっちも固くて入らないんだよ」
いてて、とぼやきながら前のめりに動いてよつんばに。
ごぶっ、ぶぷっ、と音が聞こえてポタポタと足の間から白い精が滴った。
股間に濡らした手拭いを当てるが、ぺたりと体が潰れた。
「いてぇ」
「ダグ、貸せ」
「さーせん、うぉぉっ、いっ、てぇ」
部隊長が手拭いを取り上げて中の白い液を掻き出した。
突っ伏して顔を覆ってる。
「ぐっ、ううっ」
指が動く度にひくひくと背中がはねて、快楽より痛みを感じた声を漏らしている。
「突っ立てるだけのお宅はあっちへ行ってくれ」
茫然と見とれていた。
その一言にハッとしてやっと動き出す。
睨まれたが、私も手拭いを濡らしてダグの体を拭いた。
古くて少し黄ばんでいた手拭いに血の染みがにじんだ。
痛いよりましだと繰り返していたのは経験談だったかとぼんやり考えた。
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