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2*アリオン~新しい主人~
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こつ、こつ、と足音が聞こえて目が覚めた。
一人。
いや、二人。
……三人か?
強く踏みしめる堂々とした足音と残りの二つは小さくて軽い。
足音を控えている。
真っ暗なカビ臭い石壁の地下室で、血と汚物で汚れた石畳に寝かされた自分の耳に音が伝わってきた。
入り口には扉はない。
鎖に繋がれた私には必要がないから。
訪問者がここへたどり着く前に目を薄く開けて高窓から細く注がれる月明かりに目をならそうとした。
目が慣れて入口へ目を向けていたら思った通り、三人の訪問者。
先頭に立つのはこの牢屋の持ち主カナン・コルトナー伯爵。
細っこい男を二人連れている。
服装から見ると下級兵士と、男娼……?
なぜそんな者を連れている?
そして側で案内するのはここの拷問官。
何しに来たんだか。
じっと身動きせずに様子を伺う。
この五日間、そこの拷問官に手酷くやられて動けなかった。
ここに入れられたのも運が悪かった。
もとは騎士。
公爵家に代々仕える騎士だった。
もう主はいない。
一年前、主は国に対して反乱を起こした。
愚かにも王位簒奪を狙って。
どこから見つけたのか王家の血筋を担ぎ上げてその主軸となって。
国で戦争を起こした罪で公爵家は滅ぼされた。
私はその生き残り。
戦争にも参加しなかった。
今さらなぜここにと思うだろう。
戦争が起こる前に逃げたからだ。
代々仕えたからと主の愚行の巻き添えは冗談じゃないと思った。
あれだけ諌めたのに。
勝算も正義もない愚行だと。
最後は反対する私を捕らえて追随する他の家来と事を起こした。
反抗した私は怒りを買い、主から殺される前に逃げ出すしかなかった。
それでも止めたいと思って戦場へ追いかけても間に合わず制圧されたあとだった。
無念さにうち震えた。
しかし、代々仕えたからと言って黄泉まで付き合う気はなかった。
主の愚行の尻拭いも弔い合戦も私の選択肢にはない。
特に主として、もともと人を物としか思わない傲慢な人柄にうんざりしていた。
仕える主人として不足だった。
これも神の采配と思い、他国にでも逃げようと思ったのに。
街で偶然、この伯爵に顔を見咎められた。
背格好だけだがどうにも見覚えがあると声をかけられて、目深に被ったフードを外せと言われた。
常時、公爵に付き従っていた私を覚えていたのだ。
こちらもこの男がカナン伯爵だとひと目でわかり、彼の護衛に囲まれたその場は観念して拿捕された。
それからずっとこの牢屋で目的を吐けと拷問を受けている。
主への復讐を狙う悪漢として。
そうでなくても主の咎は私にもかかっている。
ばか正直に、主が死を幸いに他国へ逃亡するところと騎士の恥を言うわけにもいかず。
ただ宛もなくさ迷い、国家を揺るがすような悪心はないと訴えるしか出来なかった。
それも事実なのに信用は得られず、残党はどこだと毎日聞かれる。
そんなの知らん。
こっちは主と対立して殺されかけたのに。
いつまでもここでいたぶられて本当に自分の運の悪さを呪う。
「くさ、……カナン様ぁ、何ですかこれぇ?」
ヒラヒラした夜着の男娼がカナンにすり寄っている。
裾をたくしあげて汚れないように気を付けながら。
カナンの手には首根っこを掴んだ若い兵士。
見覚えがあった。
あの拿捕の日にもカナンの隣にいた。
珍しい濃い黒の持ち主だ。
整った顔とその色は下級兵士の甲冑を着て回りに埋もれていても逆に目立つ。
「うわっ」
急に首根っこを掴んでいた兵士を私の近くへ放り投げた。
転ぶことはなかったが、前のめりにたたらを踏んだ。
「口が固い。吐かせてみろ」
「僕に出来るはずないでしょう?」
「役に立て」
戸惑う兵士にそう言うだけであとは黙った。
仕方ないと兵士は諦めて拷問官にどうしたらいいか相談を始めた。
「カナン様がここにおられるなら先に掃除します。あまりにも相応しくありません。御身が汚れるのでまた後日」
頭を下げた拷問官に明日と答える。
兵士はカナンの許可を得てブラシと桶を取りに向かった。
「清拭もしないと」
兵士の言葉に拷問官はやめとけと返す。
「危険だ。そいつはまだ余力がある。側には寄るな」
「え?そうなの?」
「こいつの清拭は諦めろ」
「そうかぁ。でも、少しでもしとくよ。大もとを綺麗にしないと掃除の意味がないし」
二人の会話に隣の若い男娼がカナンの腕にしなだれてクスクスと笑う。
「カナン様、こわぁい。もういらないからって新しくこんな汚い仕事をさせなくても。かわいそぉ、ふふ、あっ、カナン様っ」
気に入らなかったらしい。
腕の男娼を荒っぽく振り払った。
「邪魔だ。その図々しい態度の咎でお前もここで働くか?その男と並んでもいい。もうお前はいらん」
吐き捨てて牢屋を出ていく。
男娼は申し訳ありませんと必死で謝りながらあとを追いかけていった。
残った拷問官と兵士が牢屋の清掃を黙々と続けた。
**********
空が白み始めた頃、部屋の掃除は一段落ついた。
私に水をかけて汚れを流して、夏とは言え井戸から汲んだばかりの冷水に飛び上がり、濡れたままの体は寒さで少し震えた。
兵士が牢屋が綺麗になったからと寒がる私にボロいシーツをかけた。
水と血が布に染みていく。
大人しいから大丈夫と拷問官が止めるのに私の体を拭いた。
「ったく、この怖いもの知らずが」
呆れた拷問官に、そんなことないよと軽く答えると私の頭の水気を丁寧にぬぐう。
世話をされているのに暴れるつもりはない。
「あの若いの、今回はどのくらい続くかな?」
「さあ?カナン様は気まぐれだから。どうだろうねぇ」
「お前は本当に気にしねぇな」
ニヤニヤ笑う拷問官に兵士は薄く笑みを浮かべて淡々と相手している。
「カナン様はお前を俺にくれるのかなぁ?拷問官に育てろってことか?」
「何も仰ってなかったよ。でもその時はよろしく。そのベンチ、運ぶの手伝ってくれない?床濡れてるから」
側に置いてうつ伏せに寝かされた。
仰向けには眠れない。
背中が鞭のあとで痛かった。
「こんなにボロボロなのに、なんか危険あるの?」
「三人の拷問官がこいつの抵抗でやられた。一人死んだ。その体格ならこのくらいまだ動ける。寄りたくねぇ」
離れて鞭で叩くくらいしか出来ねぇ、と苦々しく呟く。
「えー、こわぁ」
そう言いながらも兵士は態度を変えずに世話のために私の側を離れなかった。
馬鹿なのか、この男は。
拷問官は適切な距離から槍を私の急所に当て用心している。
私も拷問官に賛成だ。
無気力なだけで動ける。
隣のこの凡庸な若い兵士の首を折るのも簡単だ。
ついでに槍を構えた拷問官も。
ただこいつらが鍵を持っていないから大人しくしてる。
足は床に短く繋がれて両手も鎖に封じられている。
用心深いこの拷問官は必ず鍵を鎖の届かない入口にかけて見せびらかす。
何かこの拷問官の油断を待つが機会がなかなか回ってこない。
「もういいだろ?終われよ」
分かったと兵士が濡れたシーツを丸めて立ち上がる。
「あとは夜だな」
「そうだけど、どうやって吐かせろってんだろ?」
「お前も鞭の練習するか?」
入口へ向かいながら二人の会話に耳を傾けた。
あの黒い男、拷問官より細い腕を思い出して今夜は楽な拷問になりそうだと頬が緩んだ。
一人。
いや、二人。
……三人か?
強く踏みしめる堂々とした足音と残りの二つは小さくて軽い。
足音を控えている。
真っ暗なカビ臭い石壁の地下室で、血と汚物で汚れた石畳に寝かされた自分の耳に音が伝わってきた。
入り口には扉はない。
鎖に繋がれた私には必要がないから。
訪問者がここへたどり着く前に目を薄く開けて高窓から細く注がれる月明かりに目をならそうとした。
目が慣れて入口へ目を向けていたら思った通り、三人の訪問者。
先頭に立つのはこの牢屋の持ち主カナン・コルトナー伯爵。
細っこい男を二人連れている。
服装から見ると下級兵士と、男娼……?
なぜそんな者を連れている?
そして側で案内するのはここの拷問官。
何しに来たんだか。
じっと身動きせずに様子を伺う。
この五日間、そこの拷問官に手酷くやられて動けなかった。
ここに入れられたのも運が悪かった。
もとは騎士。
公爵家に代々仕える騎士だった。
もう主はいない。
一年前、主は国に対して反乱を起こした。
愚かにも王位簒奪を狙って。
どこから見つけたのか王家の血筋を担ぎ上げてその主軸となって。
国で戦争を起こした罪で公爵家は滅ぼされた。
私はその生き残り。
戦争にも参加しなかった。
今さらなぜここにと思うだろう。
戦争が起こる前に逃げたからだ。
代々仕えたからと主の愚行の巻き添えは冗談じゃないと思った。
あれだけ諌めたのに。
勝算も正義もない愚行だと。
最後は反対する私を捕らえて追随する他の家来と事を起こした。
反抗した私は怒りを買い、主から殺される前に逃げ出すしかなかった。
それでも止めたいと思って戦場へ追いかけても間に合わず制圧されたあとだった。
無念さにうち震えた。
しかし、代々仕えたからと言って黄泉まで付き合う気はなかった。
主の愚行の尻拭いも弔い合戦も私の選択肢にはない。
特に主として、もともと人を物としか思わない傲慢な人柄にうんざりしていた。
仕える主人として不足だった。
これも神の采配と思い、他国にでも逃げようと思ったのに。
街で偶然、この伯爵に顔を見咎められた。
背格好だけだがどうにも見覚えがあると声をかけられて、目深に被ったフードを外せと言われた。
常時、公爵に付き従っていた私を覚えていたのだ。
こちらもこの男がカナン伯爵だとひと目でわかり、彼の護衛に囲まれたその場は観念して拿捕された。
それからずっとこの牢屋で目的を吐けと拷問を受けている。
主への復讐を狙う悪漢として。
そうでなくても主の咎は私にもかかっている。
ばか正直に、主が死を幸いに他国へ逃亡するところと騎士の恥を言うわけにもいかず。
ただ宛もなくさ迷い、国家を揺るがすような悪心はないと訴えるしか出来なかった。
それも事実なのに信用は得られず、残党はどこだと毎日聞かれる。
そんなの知らん。
こっちは主と対立して殺されかけたのに。
いつまでもここでいたぶられて本当に自分の運の悪さを呪う。
「くさ、……カナン様ぁ、何ですかこれぇ?」
ヒラヒラした夜着の男娼がカナンにすり寄っている。
裾をたくしあげて汚れないように気を付けながら。
カナンの手には首根っこを掴んだ若い兵士。
見覚えがあった。
あの拿捕の日にもカナンの隣にいた。
珍しい濃い黒の持ち主だ。
整った顔とその色は下級兵士の甲冑を着て回りに埋もれていても逆に目立つ。
「うわっ」
急に首根っこを掴んでいた兵士を私の近くへ放り投げた。
転ぶことはなかったが、前のめりにたたらを踏んだ。
「口が固い。吐かせてみろ」
「僕に出来るはずないでしょう?」
「役に立て」
戸惑う兵士にそう言うだけであとは黙った。
仕方ないと兵士は諦めて拷問官にどうしたらいいか相談を始めた。
「カナン様がここにおられるなら先に掃除します。あまりにも相応しくありません。御身が汚れるのでまた後日」
頭を下げた拷問官に明日と答える。
兵士はカナンの許可を得てブラシと桶を取りに向かった。
「清拭もしないと」
兵士の言葉に拷問官はやめとけと返す。
「危険だ。そいつはまだ余力がある。側には寄るな」
「え?そうなの?」
「こいつの清拭は諦めろ」
「そうかぁ。でも、少しでもしとくよ。大もとを綺麗にしないと掃除の意味がないし」
二人の会話に隣の若い男娼がカナンの腕にしなだれてクスクスと笑う。
「カナン様、こわぁい。もういらないからって新しくこんな汚い仕事をさせなくても。かわいそぉ、ふふ、あっ、カナン様っ」
気に入らなかったらしい。
腕の男娼を荒っぽく振り払った。
「邪魔だ。その図々しい態度の咎でお前もここで働くか?その男と並んでもいい。もうお前はいらん」
吐き捨てて牢屋を出ていく。
男娼は申し訳ありませんと必死で謝りながらあとを追いかけていった。
残った拷問官と兵士が牢屋の清掃を黙々と続けた。
**********
空が白み始めた頃、部屋の掃除は一段落ついた。
私に水をかけて汚れを流して、夏とは言え井戸から汲んだばかりの冷水に飛び上がり、濡れたままの体は寒さで少し震えた。
兵士が牢屋が綺麗になったからと寒がる私にボロいシーツをかけた。
水と血が布に染みていく。
大人しいから大丈夫と拷問官が止めるのに私の体を拭いた。
「ったく、この怖いもの知らずが」
呆れた拷問官に、そんなことないよと軽く答えると私の頭の水気を丁寧にぬぐう。
世話をされているのに暴れるつもりはない。
「あの若いの、今回はどのくらい続くかな?」
「さあ?カナン様は気まぐれだから。どうだろうねぇ」
「お前は本当に気にしねぇな」
ニヤニヤ笑う拷問官に兵士は薄く笑みを浮かべて淡々と相手している。
「カナン様はお前を俺にくれるのかなぁ?拷問官に育てろってことか?」
「何も仰ってなかったよ。でもその時はよろしく。そのベンチ、運ぶの手伝ってくれない?床濡れてるから」
側に置いてうつ伏せに寝かされた。
仰向けには眠れない。
背中が鞭のあとで痛かった。
「こんなにボロボロなのに、なんか危険あるの?」
「三人の拷問官がこいつの抵抗でやられた。一人死んだ。その体格ならこのくらいまだ動ける。寄りたくねぇ」
離れて鞭で叩くくらいしか出来ねぇ、と苦々しく呟く。
「えー、こわぁ」
そう言いながらも兵士は態度を変えずに世話のために私の側を離れなかった。
馬鹿なのか、この男は。
拷問官は適切な距離から槍を私の急所に当て用心している。
私も拷問官に賛成だ。
無気力なだけで動ける。
隣のこの凡庸な若い兵士の首を折るのも簡単だ。
ついでに槍を構えた拷問官も。
ただこいつらが鍵を持っていないから大人しくしてる。
足は床に短く繋がれて両手も鎖に封じられている。
用心深いこの拷問官は必ず鍵を鎖の届かない入口にかけて見せびらかす。
何かこの拷問官の油断を待つが機会がなかなか回ってこない。
「もういいだろ?終われよ」
分かったと兵士が濡れたシーツを丸めて立ち上がる。
「あとは夜だな」
「そうだけど、どうやって吐かせろってんだろ?」
「お前も鞭の練習するか?」
入口へ向かいながら二人の会話に耳を傾けた。
あの黒い男、拷問官より細い腕を思い出して今夜は楽な拷問になりそうだと頬が緩んだ。
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