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房※

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被せただけの鎧の下で私の手がもぞもぞと動いて胸当てが上下する。
捲れた肌着の隙間に両手を突っ込み、薄くすべすべの腹を滑らせればその上のたぷたぷの柔肌を両手で掬い上げる。
想像以上に重量のある柔肌の果実を両手にそれぞれ掴むと、しっとり汗ばんだ湿り気のある房の表面はもっちり指に絡む。
その感覚に唇を舐めた。
ゆさゆさと揺すると肩まで揺れて、持ち上げたり寄せたりたぷたぷと波打たせた。
私の大きな手に余るほどふくよかな房の真ん中にぷっくり腫れた二つのしこりをそれぞれ見つけて指に挟んで転がすとひくひくと静かに身体が揺れた。
「ぁ、はっ、」
「団長、もう、」
「肌が吸い付く。それに二人のおかげでただの飾りがよく熟れた実に育ったようだ。反応もそそられる」
ヤンの止めようという気配に私が遠回しに嫌味に言うと青ざめて固まり動けなくなった。
「いい仕事をしたな、ヤン」
「はっ、くっ、」
息苦しそうに震えている。
私はそれをただ笑って片付けた。
快楽に弱いのは二人のせいではなくどう考えても夢魔の魔人化の影響だ。
この短時間で力任せなだけの若い二人に初物のエヴが仕込めるはずがない。
「ひあっ、ひぃん、ひぃっ、」
人差し指と親指に挟んで二つとも強弱をつけて捏ねれば、果てた身体は逃げることも出来ず震えて刺激に合わせて息も絶え絶えに悲鳴だけあげた。
「魅力的なのは分かる。こんなに乱れたら、我慢出来ないな。そう思わないか、ダリウス」
「う、しまっ、」
ダリウスが急に顔を下げたと思ったら鼻を抑えて懐から出した手拭いに顔を埋めた。
血の匂いから鼻血だと分かった。
それでも視線は外さない。
見逃したくないのだ。
魅とれる二人を横目にエヴの反応を見せびらかす。
無我夢中で貪っただけの二人に対抗したくなった。
比べようのない程の乱れた反応に二人の生唾を飲む気配と妬む視線に優越感を得る。
「はっ、はぁっ」
小さく、は、は、と息を吸って喘ぎ、声に合わせて房についた突起を親指と中指で揉みながら人差し指で擦ると、ふるふると揺れて脱力しているのに腰もがくがくと揺れた。
「だが、精力を注ぐだけなのにここまでしなくていい」
手を離すが、名残惜しさに人差し指で二つともピンと引っ張って弾くとエヴは苦しげに叫んで身体が跳ねた。
二人とも欲を孕んだ顔をしながら、ヤンは罪悪感から顔をしかめ目を反らし、ダリウスは何も見落とすまいと爛々と光る目でエヴを見つめていた。
「しばらく起きそうにない。寝室に運ぶ。こちらで合ってるか?」
抱き上げて先を促すとヤンがぎこちなくソファーから降りて続き部屋の寝室へ案内をする。
「少し、お待ちを。この装いのままではベッドが汚れるので」
鼻を押さえたダリウスが掛け布団を剥がしてヤンが予備から持ってきた違うシーツを新たに敷いていた。
少し汚れのついたそれは鎧のまま眠る時に汚れ避けに使っているらしい。
「もう、ここまで脱がしたなら脱がせばいい」
その一言に顔を真っ赤に歪めてヤンが首を振った。
「し、しかし」
恥じて狼狽えるダリウスが手拭い越しにくぐもった声で異を唱える。
「持ってこい。そのくらいなら私がするから大丈夫だ」
まだ罪悪感と欲に駆られて混乱しているのだろう。
私の淡々とした物言いに促されるまま愁傷に頷きタンスへと向かった。
緩んだ胴回りの鎧を脱がせ手足の甲を緩める。
ダリウスがヤンに持たされたシーツをどうするか舜巡し、カーテンを引いた薄暗い部屋で手探りにヤンはタンスを開けて動いてるようだ。
私はダリウスの持っていたシーツを受け取って、上から身体に被せ手探りでエヴを裸に剥いた。
かいた汗や足に絡んだ蜜がベタベタと手につく。
丸めた服で軽く拭ったがまだ残っている。
きれいに拭いてやりたいが今は手元に何もない。
「どうぞ」
手渡されたシミーズの下着と寝巻きを頭から被せて着替えを終える。
椅子を引いてベッドの横に腰かけた。
「団長?何を、」
「二人は発散してこい。見張りは引き受けた」
どちらも羞恥で一瞬息を飲んで小さく呻いた。
「あれの後だ。二人は若いから」
図星を刺され狼狽えた様子に、慣れないからしかたがないことだと追い討ちをかけて外へ追い出した。
「ヤン、顔の汗を拭いてやりたいが手拭いと湯を頼んでいいか?」
出る前に一言頼んだ。
涎と鼻水、顔から出るもの全てで汚れている。
「…分かりました。すぐに、ご用意します」
しばらく戻ってこないと思ったら意外と早くヤンが戻ってきた。
ダリウスは戻る余裕がないらしい。
「発散はいいのか?」
そのまま部屋に残るので、そう言ってからかうと真っ赤な顔でたじろぐから面白い。
「まあ、いい。目が覚めて怒り狂うエヴを宥めるのは手間だから、居てくれると助かる。ああ、そうだ。それかエドへ伝言を頼みたいんだがいいか?」
思い付きに逃げ場を作ればすんなり頷いた。
ヤンもエヴとどう顔を会わせればいいのか分かないのだろう。
適当なところで戻ってこいと言うと恥ずかしそうに顔を伏せて頷いた。
伝言もヤンを遣るほどの大した内容でもない。
ラウルの見張りを交代するから戻りは遅くなると伝えるだけだ。
結婚を後押しするエドも番の側にいる理由なら何でもいいと言うことで、夜間に彼らと魔人の見張りに出ることも許容している。
普通なら団長の地位で他領の令嬢のためにわざわざ夜間の見張りなどしない。
たとえ陛下の直令でも他の団員らに任せればいいことで私のする仕事ではない。
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