梅雨と言えば。(短編集)

140文字SS

お題『濡れ羽色』

その者が顔をあげると、濡れ羽色の髪がさらりと肩に流れ落ちる。
その光景をただぼーと眺め、いや見惚れた。

ふと、此方に気付いて微笑する。
その姿さえも艶やかで色めかしい。

そして静かに姿を消して、あとに残るのは黒い羽。

あぁなんてことだ
俺もとうとう魅せられてしまった
あの美しい異形の者に。







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【あとがき】

念のため補足ですが異形の者は女性です。
このお題出た時、どうにかして魔王と王の魔王さまで書けないかと全然違う文章を考えましたが、魔王の単語使うと途端に陳腐になる気がしてやめました（笑）


魔王「うおいっ」