魔王と王の育児日記。(下書き)

花より団子よりもお茶が好き。

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第三章

名は体を表す18

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「少し痩せたか?いや大きくなったのか?まだ数ヵ月しかたたないのに子供の成長は早いな。お前がいきなりいなくなったから皆心配していたぞ。元気にしていたか?まさか苛められてはいないだろうな?」

アルデラミンはマールがお兄ちゃんと呼ぶあの青年より五つか六つは年上だ。
だが流れるようにかけられる言葉に返事をする間もなく、あの青年のようにマールに近付き触ろうとしたので、思わずサッと交わす。
ただ以前のように頭を撫でようとしていただけの手は寂しげに空を切り、予想外の相手の行動になかばショックを受けそのまま固まった。

「ご、ごめん触らないで」
「マール」

怯えたように言うその姿にそんなに嫌われていたのだろうかと思ったが、マールの瞳は彼を拒絶してはいないようだった。

「なるほどな。すまないどうやら私が迂闊だったようだ」

アルデラミンはもう触ろうとはしないさと手を引っ込める。

「ごめんなさい。オレの手だけなら大丈夫なんですけど、あとさっきは有り難うございました」
「気にするな。ただ人探しをしていたら出くわしただけだからな。それにコソコソと盗みを働いていた者達は取り逃したようだ。あれはお前の知り合いか?」

マールはギクリと肩を震わせる。
気付かれていないと思ったが、どうやら彼は見ていたらしい。悪さを働く悪魔の子達と、それを見て驚いたマールを。

「ア、アル様!あの悪魔の子達はそのまだ子供で!えっとこの事はちゃんと報告してきちんと言って聞かせますから今回の事はどうか見逃してあげて下さいお願いします!!」

慌てて許しをこうマールをアルデラミンは不思議そうに見詰める。

「悪魔?魔族とは違うのか?なんだか分からないがどうせ取り逃した相手だ。私も忙しいし今から追うつもりもないさ。だが次はないと思えと、その子らにせめて伝えておけ」

マールはほっと胸を撫で下ろしてお礼を言うと、ところでこんな所で誰を探していたのか尋ねる。すると彼の男らしくも清潔感のある綺麗な面立ちは、苦虫を噛み潰したようにぐしゃりと歪み、不機嫌さを露にした。

「見れば分かるだろう見れば。俺が平民の格好でこっそりやって来て探すと言ったらこの世に一人しかいない。なぁそうだろマール!」

すっかり地が出てしまっている。

「えっと、実はその事でお話が」
「待て」

話の内容を察し、ここで話す事ではないと、二人はその場から移動した。

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