さがしびと〜英雄の弟(自称)が、家出した兄を探す旅に出るそうです〜

エコテト神話①

はじめ、世界はただひとつのものでできていた。

やがて、ただひとつのものは二つに分かれた。
ひとつは燃え盛る山「アラヤザ」。
ひとつは凍てつく海「アラヤミ」。

アラヤザとアラヤミは激しく争い、砕かれた体の欠片から、石の精霊達と泉の精霊達が生まれた。

精霊達は争いを止めるため、アラヤザとアラヤミの間に広大な平原エコテトを作った。
これにより争いは止み、山は鎮まり、海は穏やかとなった。

やがて精霊達は静か過ぎる世界に退屈し、平原に生き物達を育て始めた。その数は徐々に増え、平原は命で溢れていった。

増え過ぎて平原が狭くなった生き物達は、外の世界である山へ、海へと旅立とうとした。だがアラヤザもアラヤミも、これを許さなかった。

再び荒れ狂う山と海を鎮めるため、生き物の王達は知恵を出し合った。そして神殿を造り、祈りと供物を捧げた。

こうしてアラヤザとアラヤミは鎮まり、生き物達は外の世界で生きることを許された。