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*悲しき再会と闘う心
悲しき再会と闘う心#3
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-冬夜side-
冬夜「着いた…」
ここに杏が居るはずだ
まさかこんな所に身を隠してるなんてな
悪魔族アジトか…
かつて父さんが居た所だ
今じゃ生き残った悪魔しか居ないと思ってここは探さなかったけど…絶好の隠れ場所ってことか
ここまで来れば杏の魔力を確かに感じる
早いとこケリつけないとな
まずは杏を助け出すのが最優先だ
1歩1歩俺は敵のアジトに足を踏み入れた
油断するな…ここはもう敵の領地
リノン「…あらあら誰かと思えば貴方なの
憎き華夜の子…確か冬夜だったかしら?」
気付くと俺の前に1人の女が立っていた
俺にはすぐに分かった
こいつがリノンだと
俺が気づかないなんて…こいつ手練れだ
リノン「ふふふ、ようこそ我が城へ
歓迎しますわ。でも華夜の子である貴方がこんな辺境の地へ一体何のご用なのかしら」
この余裕っぷり…解せない
冬夜「…お前がリノンか?
答えろ、なんで母さんを狙う」
母さんが前に言っていた因縁ってなんなんだ
リノン「あら、華夜から聞いてないの?
あぁ、言えなかったのかしら」
冬夜「どういう事だ。何を隠してる」
リノン「ふふ、それも面白いわね
まぁこの際だから教えてあげる
華夜は私の婚約者を奪った上に殺したのよ
あんたにこの私の気持ちが分かる?
しかも子どもまで産んでね」
冬夜「…まさか」
リノン「それがあんたよ冬夜王子
私はあんたも憎い敵なのよ」
父さんがこいつの婚約者…!?
こいつが母さんに恨みを持つ理由はそういうことか
リノン「これで分かったでしょ?
華夜は最低な女なのよ」
冬夜「母さんを悪く言うのは許さない!
それに俺の父さんと母さんはそんな人じゃない!俺は俺を愛してくれた2人を信じる!」
リノン「…やはりあの女の子ね
目障りだわ。消えてちょうだい」
冬夜「杏はどこだ!」
リノン「杏はここには居ないわ」
冬夜「惚けるな、ここから確かに杏の魔力を感じる」
リノン「へぇ…さすがは華夜の子ってわけ?
でもここを通すわけにはいかない」
不敵な笑み、魔力が上がり狂気が渦巻く
やっぱりこいつを倒さなきゃ先には進めないみたいだな
俺は星蘭を抜いた
冬夜「押し通る!」
俺はリノンに真っ直ぐ立ち向かった
俺の刀とリノンの杖が力強くぶつかり合った
リノン「馬鹿な子
真っ正面から飛び込んでくるなんて
この私に勝てると思っているの?」
冬夜「…お前に勝てなきゃ何も守れない!」
リノン「戯れ言ね。なら望み通り殺してあげる!」
リノンは俺の刀を弾き、バランスを崩したところを杖で思いきり攻撃してきた
リノン「分身…!?それにこれは目眩まし…!」
悪いけど真っ正面から行くほど馬鹿じゃないんだ
それにその目じゃしばらく何も見えないだろ!この勝負俺の勝ちだ!
動けないリノンに俺は星蘭を振りかざすとリノンは一瞬で光となって散っていた
斬った…?
いや可笑しい…斬った手応えが無さすぎる
リノン「あれくらいの目眩ましで甘いわね」
振り返った時には土から出来た巨大な大蛇が俺の腹部に噛みつきそのまま俺ごと岩に激突した
冬夜「かはっ…!」
いつの間に背後に…いやそれ以前にあの目眩ましの中どうして動ける!
リノン「もうお終い?」
冬夜「ならこれでどうだ!雷爆・獅子玉!」
リノン「直進的な攻撃…避けるのはたやすい」
冬夜「避けれるもんなら避けてみろよ!」
この獅子玉はコントロール出来る!
取り囲んだ!避けれないだろ!
リノン「だから甘いって言ってるでしょ?」
避けた…!?しかも早い…!
真っ直ぐ飛び込んできたリノンに刀を構えた
でも意図も簡単に弾き飛ばされた
冬夜「星蘭が…!」
女なのに俺の刀を弾くなんてどんな馬鹿力!
しかもやられた…体が動かない…っ
冬夜「…何をした」
リノン「ふふ、動けないでしょ?
私の魔法陣を貴方の体に刻ませてもらったの」
あの戦いの中でいつの間に…!
リノン「敵の所に1人で乗り込んでくるなんて馬鹿な子…華夜の子って言うからどれくらい強いのかと思ったらがっかりだわ」
くそ…言い返せない
こいつの言う通りだ
俺は強くなったと勘違いして…無謀にも程がある
母さんが慎重になってた相手を甘く見ていた…!
リノン「さて、私も忙しいの
そろそろ終わりにする」
リノンの杖が剣に変わった…これも魔法の1つか
俺は…ここに死にに来たんじゃない
俺はまだ何も守れていない
冬夜「…っここまで来て諦めてたまるか!」
霊力を高め全身に力を入れた
リノン「その状態でまだ動けるの…
私の魔法は完璧のはずなのにどこからそんな力が…
でも無駄ね。これで終わりよ!」
鋭い刃が俺に向かって降り下ろされた
間に合わない…殺られる…!
キィン…!!
刃と刃がぶつかって擦れ合う音…
それにこの花の匂いは…
リノン「お前は…!!」
冬夜「母さん…!」
目の前には俺を庇いリノンの剣を防いでいる母さんが居た
華夜「…間に合って良かったわ」
リノン「華夜…!お前…!」
リノンの目付きが変わった!
あの馬鹿力じゃ押される!
だけど母さんはリノンを凪ぎ払った
リノンは一定の距離を保ってこっちを睨んでいた
華夜「リノン、私の子に手を出したら許さないわよ」
リノン「…ふん、残念だったわ
あと少しでそいつを殺して悲しみに嘆くあんたを見られたのに」
冬夜「母さん…」
華夜「全く1人で無茶して…今その魔法陣解いてあげる」
リノン「は!無理よ!私の完璧な魔法があんたに解けるわけないでしょ!?」
母さんは俺の体に刻まれたリノンの魔方陣に触れると簡単に消してしまった
冬夜「動ける…ありがとう母さん」
リノン「な!?私の魔法陣をどうやって…!」
華夜「下らない魔法ね
あの程度なら解くのは簡単だわ
それに忘れたの?私と貴方は1度戦っているのよ?」
リノン「なんですって…!」
リノンは真っ直ぐ母さんを睨んだまま目を離さない
さっきよりも狂気も魔力も桁違いに高い
今にも母さんを殺しに来そうな勢いだ
リノン「久しぶりの再開なのになめた口聞いてくれるじゃない
私からルイス様を奪った事、そしてあの時の屈辱は忘れたことがなかった!
あの時私を殺さなかったことを後悔させてやる!」
華夜「そうね…だから今度は貴方を殺す!
杏も返してもらうわ!」
母さんの瞳が赤くなっていく…
最初から全力でいくつもりだ
冬夜「母さん俺も一緒に戦う!」
華夜「冬夜、こいつは私の敵よ
貴方は先に進みなさい」
冬夜「待ってよ母さん!
これは俺の戦いだ!
全部俺が守るって決めたんだ!邪魔しないで!」
華夜「…冬夜自分を見失わないで
あの時、リノンを生かしこうなってしまったのは私の責任
リノンは私が倒さなきゃいけない
だから冬夜行きなさい
貴方はここへ何しに来たの?目的を見失わないで」
冬夜「杏…っ」
華夜「杏が貴方を待ってるわ
杏を助けられるのは貴方だけ
杏を助けてあげなさい」
母さんは優しく笑った
華夜「貴方は1人じゃない
私達を信じて真っ直ぐ進みなさい!」
冬夜「分かった!」
杏…今、助けに行く!
冬夜「着いた…」
ここに杏が居るはずだ
まさかこんな所に身を隠してるなんてな
悪魔族アジトか…
かつて父さんが居た所だ
今じゃ生き残った悪魔しか居ないと思ってここは探さなかったけど…絶好の隠れ場所ってことか
ここまで来れば杏の魔力を確かに感じる
早いとこケリつけないとな
まずは杏を助け出すのが最優先だ
1歩1歩俺は敵のアジトに足を踏み入れた
油断するな…ここはもう敵の領地
リノン「…あらあら誰かと思えば貴方なの
憎き華夜の子…確か冬夜だったかしら?」
気付くと俺の前に1人の女が立っていた
俺にはすぐに分かった
こいつがリノンだと
俺が気づかないなんて…こいつ手練れだ
リノン「ふふふ、ようこそ我が城へ
歓迎しますわ。でも華夜の子である貴方がこんな辺境の地へ一体何のご用なのかしら」
この余裕っぷり…解せない
冬夜「…お前がリノンか?
答えろ、なんで母さんを狙う」
母さんが前に言っていた因縁ってなんなんだ
リノン「あら、華夜から聞いてないの?
あぁ、言えなかったのかしら」
冬夜「どういう事だ。何を隠してる」
リノン「ふふ、それも面白いわね
まぁこの際だから教えてあげる
華夜は私の婚約者を奪った上に殺したのよ
あんたにこの私の気持ちが分かる?
しかも子どもまで産んでね」
冬夜「…まさか」
リノン「それがあんたよ冬夜王子
私はあんたも憎い敵なのよ」
父さんがこいつの婚約者…!?
こいつが母さんに恨みを持つ理由はそういうことか
リノン「これで分かったでしょ?
華夜は最低な女なのよ」
冬夜「母さんを悪く言うのは許さない!
それに俺の父さんと母さんはそんな人じゃない!俺は俺を愛してくれた2人を信じる!」
リノン「…やはりあの女の子ね
目障りだわ。消えてちょうだい」
冬夜「杏はどこだ!」
リノン「杏はここには居ないわ」
冬夜「惚けるな、ここから確かに杏の魔力を感じる」
リノン「へぇ…さすがは華夜の子ってわけ?
でもここを通すわけにはいかない」
不敵な笑み、魔力が上がり狂気が渦巻く
やっぱりこいつを倒さなきゃ先には進めないみたいだな
俺は星蘭を抜いた
冬夜「押し通る!」
俺はリノンに真っ直ぐ立ち向かった
俺の刀とリノンの杖が力強くぶつかり合った
リノン「馬鹿な子
真っ正面から飛び込んでくるなんて
この私に勝てると思っているの?」
冬夜「…お前に勝てなきゃ何も守れない!」
リノン「戯れ言ね。なら望み通り殺してあげる!」
リノンは俺の刀を弾き、バランスを崩したところを杖で思いきり攻撃してきた
リノン「分身…!?それにこれは目眩まし…!」
悪いけど真っ正面から行くほど馬鹿じゃないんだ
それにその目じゃしばらく何も見えないだろ!この勝負俺の勝ちだ!
動けないリノンに俺は星蘭を振りかざすとリノンは一瞬で光となって散っていた
斬った…?
いや可笑しい…斬った手応えが無さすぎる
リノン「あれくらいの目眩ましで甘いわね」
振り返った時には土から出来た巨大な大蛇が俺の腹部に噛みつきそのまま俺ごと岩に激突した
冬夜「かはっ…!」
いつの間に背後に…いやそれ以前にあの目眩ましの中どうして動ける!
リノン「もうお終い?」
冬夜「ならこれでどうだ!雷爆・獅子玉!」
リノン「直進的な攻撃…避けるのはたやすい」
冬夜「避けれるもんなら避けてみろよ!」
この獅子玉はコントロール出来る!
取り囲んだ!避けれないだろ!
リノン「だから甘いって言ってるでしょ?」
避けた…!?しかも早い…!
真っ直ぐ飛び込んできたリノンに刀を構えた
でも意図も簡単に弾き飛ばされた
冬夜「星蘭が…!」
女なのに俺の刀を弾くなんてどんな馬鹿力!
しかもやられた…体が動かない…っ
冬夜「…何をした」
リノン「ふふ、動けないでしょ?
私の魔法陣を貴方の体に刻ませてもらったの」
あの戦いの中でいつの間に…!
リノン「敵の所に1人で乗り込んでくるなんて馬鹿な子…華夜の子って言うからどれくらい強いのかと思ったらがっかりだわ」
くそ…言い返せない
こいつの言う通りだ
俺は強くなったと勘違いして…無謀にも程がある
母さんが慎重になってた相手を甘く見ていた…!
リノン「さて、私も忙しいの
そろそろ終わりにする」
リノンの杖が剣に変わった…これも魔法の1つか
俺は…ここに死にに来たんじゃない
俺はまだ何も守れていない
冬夜「…っここまで来て諦めてたまるか!」
霊力を高め全身に力を入れた
リノン「その状態でまだ動けるの…
私の魔法は完璧のはずなのにどこからそんな力が…
でも無駄ね。これで終わりよ!」
鋭い刃が俺に向かって降り下ろされた
間に合わない…殺られる…!
キィン…!!
刃と刃がぶつかって擦れ合う音…
それにこの花の匂いは…
リノン「お前は…!!」
冬夜「母さん…!」
目の前には俺を庇いリノンの剣を防いでいる母さんが居た
華夜「…間に合って良かったわ」
リノン「華夜…!お前…!」
リノンの目付きが変わった!
あの馬鹿力じゃ押される!
だけど母さんはリノンを凪ぎ払った
リノンは一定の距離を保ってこっちを睨んでいた
華夜「リノン、私の子に手を出したら許さないわよ」
リノン「…ふん、残念だったわ
あと少しでそいつを殺して悲しみに嘆くあんたを見られたのに」
冬夜「母さん…」
華夜「全く1人で無茶して…今その魔法陣解いてあげる」
リノン「は!無理よ!私の完璧な魔法があんたに解けるわけないでしょ!?」
母さんは俺の体に刻まれたリノンの魔方陣に触れると簡単に消してしまった
冬夜「動ける…ありがとう母さん」
リノン「な!?私の魔法陣をどうやって…!」
華夜「下らない魔法ね
あの程度なら解くのは簡単だわ
それに忘れたの?私と貴方は1度戦っているのよ?」
リノン「なんですって…!」
リノンは真っ直ぐ母さんを睨んだまま目を離さない
さっきよりも狂気も魔力も桁違いに高い
今にも母さんを殺しに来そうな勢いだ
リノン「久しぶりの再開なのになめた口聞いてくれるじゃない
私からルイス様を奪った事、そしてあの時の屈辱は忘れたことがなかった!
あの時私を殺さなかったことを後悔させてやる!」
華夜「そうね…だから今度は貴方を殺す!
杏も返してもらうわ!」
母さんの瞳が赤くなっていく…
最初から全力でいくつもりだ
冬夜「母さん俺も一緒に戦う!」
華夜「冬夜、こいつは私の敵よ
貴方は先に進みなさい」
冬夜「待ってよ母さん!
これは俺の戦いだ!
全部俺が守るって決めたんだ!邪魔しないで!」
華夜「…冬夜自分を見失わないで
あの時、リノンを生かしこうなってしまったのは私の責任
リノンは私が倒さなきゃいけない
だから冬夜行きなさい
貴方はここへ何しに来たの?目的を見失わないで」
冬夜「杏…っ」
華夜「杏が貴方を待ってるわ
杏を助けられるのは貴方だけ
杏を助けてあげなさい」
母さんは優しく笑った
華夜「貴方は1人じゃない
私達を信じて真っ直ぐ進みなさい!」
冬夜「分かった!」
杏…今、助けに行く!
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