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*魔女の企みと因縁
魔女の企みと因縁#12
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-杏side-
またここに戻ってきてしまった
城の中を進んで行くと、かつてのルイスの玉座に座ってるリノン様の姿があった
大丈夫…恐怖に負けるな
私の運命にけりをつけて冬夜の所に帰らなきゃ
杏「…リノン様、ただいま戻りました」
リノン「お帰り杏
ずいぶん帰ってくるのが遅かったわね
心配したわよ」
何故だろう…リノン様の瞳を見れない
まるで見透かされてるような錯覚を覚える
杏「…リノン様にお話があります」
リノン「杏が話があるなんて珍しい事ね
もしかして華夜達の事かしら?」
心臓が高鳴った
驚きが隠せずリノン様を見ると不敵な笑みで私を見ていた
リノン「あら杏、どうしたの?
そんな驚いた顔をして…まさか私が知らないとでも思った?」
リノン様の鋭い眼光から瞳が離せない
立ち上がって1歩ずつ私に近づいてくる
本能が逃げろって…危ないって感じてるのに怖くて動けない…っ
杏「全部…知っていたのですか」
リノン「当然よ。私を誰だと思ってるの?
全部知ってるわ
貴方が華夜達と接触したことも、私の送り込んだ手下を一緒に倒したことも…そして杏、あんたが華夜達に心を開いてることもね」
そんな…まさか知ってたなんて…
リノン「だからあんたを泳がせてたのよ
そして私の所に戻って来るのも知ってたわ
そんなあんたが私に話なんて…まぁ、大体想像はつくけど」
足がすくむ…っ…怖い…!
"杏、俺達待ってるから"
冬夜…貴方が私を待っていてくれるなら私は恐れない
約束した。冬夜の所に戻るって
私が止めなきゃリノン様は華夜さん達を殺してしまうから…!
リノン「あら…臆病なあんたが随分と強い瞳をするようになったわね
それもあいつ等の影響なのかしら」
杏「…ご存知の通りです
私は華夜さん達と出会い、助けてもらいました
前にリノン様は華夜さんに恨みがあるって言っていたけど、私には華夜さんがリノン様の言うような悪い人だとは思えない
リノン様お願いです
華夜さん達を恨むような事はやめてください
どんな恨みがあるか知りませんが華夜さん達は見ず知らずの私を助けてくれた恩人です!」
言ってしまった…でももう後には戻れない
リノン「…私に口答えするなんて随分と生意気になったものね杏?」
ゾク…!
黒朱「失礼しますリノン様」
リノン「あら、戻ったの?
頼んでいたものはどうなったのかしら」
一瞬…リノン様の瞳に狂気が芽生えた
だけど悪魔のお陰で何とか…確か黒朱だっけ…頼んでいたものって…
だけどリノン様の問いかけに黒朱は顔を青ざめ震えていた
リノン「まさか失敗したなんて言わないわよね」
リノン様のよりいっそう低い声に黒朱だけじゃなく私も全身が凍りついた
黒朱「も、申し訳ありません!
もう1度チャンスを下さいっ…次こそはこの黒朱!リノン様の為に…!」
リノン「…分かったわ」
リノン様は笑みを浮かべて黒朱の方に歩み寄って行く
その笑みをみて黒朱も安心したのか軽く笑みを浮かべていた
違う…逃げて…リノン様がお許しになどするわけがない
リノン様は笑みを浮かべている時が一番恐ろしいのに…!
悪魔の癖に分からないの…!?
リノン様を中心にすさまじい狂気が肌が痛くなるほど感じてるのに…!
怖くて動けない…
私は甘かったかもしれない
説得すれば何とかリノン様を止められるんじゃないかって自惚れてた
今じゃ生き残った悪魔族でさえ支配下にしてるほどの魔力の持ち主…
逃げられる訳がなかった
だってリノン様は…裏切り者を生かしはしないもの
黒朱はまるで蛇に睨まれた蛙のように動けないまま震えていた
リノン「チャンス?何馬鹿な事を言っているの?
チャンスなんかないの
こんな事すらまともにできないできの悪い部下は私には必要ないの」
リノン様は何をする気なの…いや…怖い…やめて!
黒朱「ま、待ってください…っ…どうか命だけは…!」
リノン「さようなら、可哀想な黒朱」
次の瞬間、黒朱は粉々に吹き飛んでいた
一瞬で部屋に血が飛び散り血の匂いが充満する
飛び散った黒朱の血が私の頬から下に落ちていく
これは…悪い夢なの…?
怖くて逃げたいのに…黒朱が居たところから目が離せない
私の体は血まみれで動けないのにリノン様は血まみれでも平然としていた
リノン「あんな役立たずがルイス様の部下だったなんてルイス様が可哀想…
あーぁ、部屋も服も汚れちゃったわ
杏、後で掃除しといてちょうだい」
リノン様の言葉に強ばっていた体が反応した
それでも怖くて震えが止まらなかった
リノン「…不味い血ね
どうしたの杏?そういえば話の途中だったわね
なんだったかしら」
自分の体に付いた黒朱の血を舐めながら笑みを浮かべて私に話しかけてきた
覚悟したはずなのに怖くて震えが止まらない…声が出ない…っ
リノン「…ねぇ杏。さっきの黒朱の爆発、見事だったでしょ?
私の最高の魔術なの
私が作った呪いの玉、呪玉を黒朱の体内に埋め込んでおいたの
私の魔法で思いのままに動かせるの
もちろんさっきのように爆発させることも出来るのよ?」
呪玉…?なんでリノン様は今、私にそんな話を…
リノン「いい忘れてたけど杏、貴方の中にも呪玉はあるのよ?」
全身に寒気が走った
そして一瞬で私は悟った
全てはリノン様の思惑通り…
私はこの人から逃げられないのだと…
もしそんな裏切るようなことをすれば私も黒朱のようにいつでも殺せるのだと…
リノン「まぁあんな頭の悪い悪魔より杏はいい子だから私嬉しいのよ?
華夜達と仲良くなってくれたのは好都合
さすが私の杏ね
私を絶望させることがないもの」
リノン様の狂気の宿った目が従え、でなければ殺すと言っている
冬夜、私は貴方の所に戻ることは出来ない
一瞬でも希望を持ってはいけなかった
私は一気に絶望の闇に突き落とされた
何もかもが手遅れ…
リノン「あら、私ばっかり喋ってしまったみたい。それで杏、続きいいわよ」
杏「…な…んでもありません…生意気な事を言って申し訳ありませんでした…」
リノン様に従うしかない
怖い、逃げ出したい…でもそんなことしたら私も黒朱みたいに…
やだ…死にたくない…誰か…
リノン「ふふ、杏は本当にいい子ね
私は湯浴みに行ってくるからここお願いね」
そう言ってリノン様が私の横を通りすぎようとした時
リノン「杏が戻ってきてくれて嬉しいわ
これからよろしくね」
リノン様のその言葉の意味を私はすぐに理解した
私は利用されるのだと…冬夜達の敵になるのだと…
リノン様が部屋から居なくなり血まみれの床に膝を付いた
私は幼い子どもの頃に朱雀の里からリノン様に拐われた
リノン様は魔神族でも一二を争うほどの力を持った魔女…その力は絶対的なもの
リノン様は昔から華夜さんに恨みを持ってるみたいだけど、その理由は話してくれない
でも私が思ってる以上にリノン様は華夜さんを恨んでいる
こうなった以上私はあそこには戻れない
私の中に呪玉があるかぎり私は自由にはなれない
またここに戻ってきてしまった
城の中を進んで行くと、かつてのルイスの玉座に座ってるリノン様の姿があった
大丈夫…恐怖に負けるな
私の運命にけりをつけて冬夜の所に帰らなきゃ
杏「…リノン様、ただいま戻りました」
リノン「お帰り杏
ずいぶん帰ってくるのが遅かったわね
心配したわよ」
何故だろう…リノン様の瞳を見れない
まるで見透かされてるような錯覚を覚える
杏「…リノン様にお話があります」
リノン「杏が話があるなんて珍しい事ね
もしかして華夜達の事かしら?」
心臓が高鳴った
驚きが隠せずリノン様を見ると不敵な笑みで私を見ていた
リノン「あら杏、どうしたの?
そんな驚いた顔をして…まさか私が知らないとでも思った?」
リノン様の鋭い眼光から瞳が離せない
立ち上がって1歩ずつ私に近づいてくる
本能が逃げろって…危ないって感じてるのに怖くて動けない…っ
杏「全部…知っていたのですか」
リノン「当然よ。私を誰だと思ってるの?
全部知ってるわ
貴方が華夜達と接触したことも、私の送り込んだ手下を一緒に倒したことも…そして杏、あんたが華夜達に心を開いてることもね」
そんな…まさか知ってたなんて…
リノン「だからあんたを泳がせてたのよ
そして私の所に戻って来るのも知ってたわ
そんなあんたが私に話なんて…まぁ、大体想像はつくけど」
足がすくむ…っ…怖い…!
"杏、俺達待ってるから"
冬夜…貴方が私を待っていてくれるなら私は恐れない
約束した。冬夜の所に戻るって
私が止めなきゃリノン様は華夜さん達を殺してしまうから…!
リノン「あら…臆病なあんたが随分と強い瞳をするようになったわね
それもあいつ等の影響なのかしら」
杏「…ご存知の通りです
私は華夜さん達と出会い、助けてもらいました
前にリノン様は華夜さんに恨みがあるって言っていたけど、私には華夜さんがリノン様の言うような悪い人だとは思えない
リノン様お願いです
華夜さん達を恨むような事はやめてください
どんな恨みがあるか知りませんが華夜さん達は見ず知らずの私を助けてくれた恩人です!」
言ってしまった…でももう後には戻れない
リノン「…私に口答えするなんて随分と生意気になったものね杏?」
ゾク…!
黒朱「失礼しますリノン様」
リノン「あら、戻ったの?
頼んでいたものはどうなったのかしら」
一瞬…リノン様の瞳に狂気が芽生えた
だけど悪魔のお陰で何とか…確か黒朱だっけ…頼んでいたものって…
だけどリノン様の問いかけに黒朱は顔を青ざめ震えていた
リノン「まさか失敗したなんて言わないわよね」
リノン様のよりいっそう低い声に黒朱だけじゃなく私も全身が凍りついた
黒朱「も、申し訳ありません!
もう1度チャンスを下さいっ…次こそはこの黒朱!リノン様の為に…!」
リノン「…分かったわ」
リノン様は笑みを浮かべて黒朱の方に歩み寄って行く
その笑みをみて黒朱も安心したのか軽く笑みを浮かべていた
違う…逃げて…リノン様がお許しになどするわけがない
リノン様は笑みを浮かべている時が一番恐ろしいのに…!
悪魔の癖に分からないの…!?
リノン様を中心にすさまじい狂気が肌が痛くなるほど感じてるのに…!
怖くて動けない…
私は甘かったかもしれない
説得すれば何とかリノン様を止められるんじゃないかって自惚れてた
今じゃ生き残った悪魔族でさえ支配下にしてるほどの魔力の持ち主…
逃げられる訳がなかった
だってリノン様は…裏切り者を生かしはしないもの
黒朱はまるで蛇に睨まれた蛙のように動けないまま震えていた
リノン「チャンス?何馬鹿な事を言っているの?
チャンスなんかないの
こんな事すらまともにできないできの悪い部下は私には必要ないの」
リノン様は何をする気なの…いや…怖い…やめて!
黒朱「ま、待ってください…っ…どうか命だけは…!」
リノン「さようなら、可哀想な黒朱」
次の瞬間、黒朱は粉々に吹き飛んでいた
一瞬で部屋に血が飛び散り血の匂いが充満する
飛び散った黒朱の血が私の頬から下に落ちていく
これは…悪い夢なの…?
怖くて逃げたいのに…黒朱が居たところから目が離せない
私の体は血まみれで動けないのにリノン様は血まみれでも平然としていた
リノン「あんな役立たずがルイス様の部下だったなんてルイス様が可哀想…
あーぁ、部屋も服も汚れちゃったわ
杏、後で掃除しといてちょうだい」
リノン様の言葉に強ばっていた体が反応した
それでも怖くて震えが止まらなかった
リノン「…不味い血ね
どうしたの杏?そういえば話の途中だったわね
なんだったかしら」
自分の体に付いた黒朱の血を舐めながら笑みを浮かべて私に話しかけてきた
覚悟したはずなのに怖くて震えが止まらない…声が出ない…っ
リノン「…ねぇ杏。さっきの黒朱の爆発、見事だったでしょ?
私の最高の魔術なの
私が作った呪いの玉、呪玉を黒朱の体内に埋め込んでおいたの
私の魔法で思いのままに動かせるの
もちろんさっきのように爆発させることも出来るのよ?」
呪玉…?なんでリノン様は今、私にそんな話を…
リノン「いい忘れてたけど杏、貴方の中にも呪玉はあるのよ?」
全身に寒気が走った
そして一瞬で私は悟った
全てはリノン様の思惑通り…
私はこの人から逃げられないのだと…
もしそんな裏切るようなことをすれば私も黒朱のようにいつでも殺せるのだと…
リノン「まぁあんな頭の悪い悪魔より杏はいい子だから私嬉しいのよ?
華夜達と仲良くなってくれたのは好都合
さすが私の杏ね
私を絶望させることがないもの」
リノン様の狂気の宿った目が従え、でなければ殺すと言っている
冬夜、私は貴方の所に戻ることは出来ない
一瞬でも希望を持ってはいけなかった
私は一気に絶望の闇に突き落とされた
何もかもが手遅れ…
リノン「あら、私ばっかり喋ってしまったみたい。それで杏、続きいいわよ」
杏「…な…んでもありません…生意気な事を言って申し訳ありませんでした…」
リノン様に従うしかない
怖い、逃げ出したい…でもそんなことしたら私も黒朱みたいに…
やだ…死にたくない…誰か…
リノン「ふふ、杏は本当にいい子ね
私は湯浴みに行ってくるからここお願いね」
そう言ってリノン様が私の横を通りすぎようとした時
リノン「杏が戻ってきてくれて嬉しいわ
これからよろしくね」
リノン様のその言葉の意味を私はすぐに理解した
私は利用されるのだと…冬夜達の敵になるのだと…
リノン様が部屋から居なくなり血まみれの床に膝を付いた
私は幼い子どもの頃に朱雀の里からリノン様に拐われた
リノン様は魔神族でも一二を争うほどの力を持った魔女…その力は絶対的なもの
リノン様は昔から華夜さんに恨みを持ってるみたいだけど、その理由は話してくれない
でも私が思ってる以上にリノン様は華夜さんを恨んでいる
こうなった以上私はあそこには戻れない
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