蒼き瞳

秋月

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*交わる刃と離れた心

交わる刃と離れた心#5

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目を開けると見覚えのある天井が瞳に写った
さっきのは夢?
ううん…だって覚えてるもの
夜光の温もりを夜光の声を…
会いに来てくれたのね…
起き上がると自分の中の変化に気付いた
力がみなぎる…試してみましょうか
自分の封印を解くと今まで以上に霊力が安定していた
凄い…私にこれ程の力が眠っていたなんて…
しかもあれだけ制御するのに苦労していたのに、今は嘘みたいに浸透するように体を巡る
この状態ならもしかしたら神樹を操ることが出来るんじゃない?
ベッドから降りて窓を開ける
神樹を出した時をよく思い出して…
そしたら地面が割れてメキメキと神樹が出てきた

華夜「出来た…」

完璧って訳じゃないけど凄い進歩だわ

トントン

柚綺「華夜入るぞ」

窓を閉めると同時に柚綺が部屋に入ってきた

柚綺「…強い霊力を感じだと思ったらすげぇな
力が戻ったのか」

華夜「柚綺?どうしたの?どこか悲しそうよ」

そしたら柚綺は何も言わずに抱き締めた

柚綺「…華夜、必ず戻ってくる
だから待っていてほしい」

急にどうしたの…?

華夜「何処かに行くの?」

柚綺「…自分の運命にけりをつけてくる
そしたら全部話す」

華夜「…分かった。必ず帰ってきて。私の所に」

柚綺「約束する」

柚綺は深いキスをすると風と共に姿を消した
どうしてだろう…胸騒ぎがする
柚綺を行かせてはいけない気がした
貴方が遠くに行ってしまう…
もう2度と私の所には帰ってこない…そんな気がした

-柚綺side-

月から出て向かったのは忌々しいじじぃの所だ
俺は華夜を愛してる
何も残っていない、何も無かった俺の心にこんな気持ちを華夜は教えてくれた
俺は華夜と生きると決めた
だから全部けりをつける
華夜を取り巻く全ての有害物質を消してやる
そしてアジト…つまり俺の故郷に入った途端、本来部下であるはずの低級悪魔共に取り囲まれ、術によって拘束された

柚綺「何しやがる…この俺が誰だか分かってんだろうな
殺されたくなければ離しやがれ」

こんな雑魚共の拘束、振りほどこうと思えば出来るが、こいつ等がこの俺に楯突くとは…
ここは様子を見るか

悪魔「申し訳ありませんがそれは出来ません」

悪魔「ヨモギ様の御命令です。貴方を連行します」

じじぃの命令だと?
嫌な予感しかしねぇな…

柚綺「俺も丁度じじぃに話があったんだ
離せ。逃げたりしねぇ」

そう伝えると低級悪魔共は俺にかけた術を解き、俺の後ろを歩いて着いてきた
ちっ…本当に胸くそ悪いぜ
でもくそじじぃが呼んでるってことはまさか…
じじぃの部屋まで連れてこられると椅子に座って見下すように俺を見ていた

ヨモギ「やっと来たかルイス…待ちくたびれたぞ」

その透かした面が気に食わねぇ

柚綺「こんな手荒な事をして俺に何の用だくそじじぃ」

お前の前でいい子ぶんのはもうやめだ
お前のつらを見ると殺したくてウズウズする
華夜を殺せと命じたお前をな

ヨモギ「随分生意気な口を聞くようになったじゃないか柚綺」

じじぃは俺を睨み付けるがそんなので俺が屈すると思うなよ

ヨモギ「まぁいい…それよりもお前には聞きたい事があるのでな」

柚綺「丁度いい、俺もてめぇに聞きてぇ事があったんだよ」

ヨモギ「…柚綺、お前月の姫に恋してるそうだな」

…やっぱり華夜との事がバレてる
何処からそんな情報を手に入れたんだ
細心の注意を払っていたのに
まぁ、そんな事今更どうでもいい

柚綺「だったらどうした。それよりも答えろ
何故華夜の力が弱まってる事を知ってた」

ヨモギ「答える気はないな」

柚綺「てめぇの命令のせいで華夜が死にかけた
俺が許すと思うなよ」

ヨモギ「どうやら本当にあの女を好いているようだな
情けない。ルイスとあろうものが恋などに惑わされおって
わしを裏切り楯突いて…ただで済むと思うな柚綺」

柚綺「そりゃぁこっちのセリフだ
俺は頭にきてんだよ。ろくな魔力を持たねぇてめぇが俺に勝てると思ってんのか?
華夜に危害を加える奴は残らず殺す!
もちろんてめぇもだ、くそじじぃ」

………!?
術が発動しねぇだと!?

ヨモギ「馬鹿め。お前が来ると知っていてわしが何もしていないと思ったのか
この部屋にはお前の魔力だけ封じる結界を貼ってある
この部屋に入ってきた次点でお前はわしの手の中だ」

しまった…この部屋に入ったのが迂闊だった
俺の魔力だけを封じるすべだと?
こいつにそんな事が出来たのか?

ヨモギ「捕まえろ」

さっき俺を拘束した低級悪魔共がじじぃの命令でまた俺を拘束してきた

柚綺「離れろ…」

悪魔「ヨモギ様の御命令です」

俺は躊躇なく殴り飛ばすと2人は血を吐いて動かなくなった

柚綺「俺は機嫌が悪ぃんだよ
魔力を封じられただけでてめぇ等雑魚に俺が負けるかよ」

でも力技だけじゃ限界があるな
兎に角この部屋から出れば魔力は回復する
そしてこんな所全部ぶっ壊してやる

ヨモギ「やはりルイスの名を継ぐだけあるか
だがこの部屋からは逃がさん。やれ」

扉に向かっていた俺に真上から何者かに押さえつけられた

柚綺「ぐ…!」


くそ、床に顎をぶつけた…
誰だ、誰にしろこんな事して生きていられると思うな

マンダ「大人しくしていてくれませんかルイス様」

柚綺「マンダてめぇ…俺に逆らう気か」

どうりで振りほどこうと思ってもふりほどけねぇはずだ

マンダ「逆らうも何も俺は強いものに従う質ですよ」

柚綺「てめぇ…じじぃの手下に成り下がったか
まさか華夜の事もお前が…!」

マンダ「勘がいいな。天下のルイス様も呆気ないもんだぜ…中々の傑作だったよ」

柚綺「てめぇぶっ殺してやる!」

マンダ「やめとけよ。魔力を封じられてんなら俺でも押さえつけられる」

マンダは俺の腕に魔力封じの手錠をかけた

ヨモギ「牢屋に閉じ込めておけ
しばらくそこで頭を冷やすんだな柚綺」

柚綺「離せ!!」

約束したんだ
華夜が俺の帰りを待ってる
――…華夜!
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