約束の果てに

秋月

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*愛おしくて

愛おしくて#9

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-蓮side-

お会計を終えてお店を出ると、当たり前のように繋がれる手
たったその小さな触れ合いが嬉しく感じた
最初の頃はこれだけでも恥ずかしく感じたけど、今はずっとこうしていたいくらい心地良い

蓮「ふふっ」

琉「何笑ってんの」

私が不意に笑うと不思議に感じた琉がそう聞いてきた

蓮「ううん、ご飯美味しかったね」

琉「満足した?」

蓮「すっごく♪琉のお陰でどっちも食べれたし♪
ここでしか食べれないなんて残念だなぁ
こっちにも同じご飯あれば良いのに~」

琉「またこっち来た時に食べれば?」

さらっと言ったけど、またってことは次もあるって事だよね?
また一緒に行ってくれるんだ…

琉「どうした?」

蓮「んーん、何だか嬉しいことばっかりだなぁと思って」

琉「そっか」

柔らかく笑みを溢す琉
琉も今日は良く笑うな…

琉「次はどこ見たい?」

蓮「お土産も見たいから~、あ!でも食後だからやっぱり甘いものかな♪」

私が指差す方に目を向ける琉
何のお店か分かると少し呆れ顔を見せる
ついつい辺りを見渡したら美味しそうな抹茶ドリンクが目に入ってしまった

琉「早速かよ…食べ終わったばかりだろ」

蓮「抹茶ドリンクは飲み物だから♪」

琉「都合いいな」

ということで早速、抹茶ドリンクを買って早速頂いた

琉「美味しいか?」

蓮「うんっ、抹茶が濃い!
しかもね、わらび餅入ってるから食感ももちもちしてて美味しい♪
やっぱり抹茶も食べて見たかったから嬉しい♪」

抹茶ドリンクを堪能して、漸く私達は雑貨屋さんやお土産屋さんに立ち寄った
可愛い和柄の製品やちりめん細工が沢山
お菓子も美味しそうなものばかりだし、この飴なんてカラフルで見た目も華やかで可愛い♪

蓮「前回は華さん達に何もなかったから、今回はちゃんと買っていかないとね~」

琉「や、父さんと母さんのなら俺が買うし、お前が買う必要ないから」

蓮「私は私であげたいの
こうゆうのは気持ちと形が大事だからね」

琉「そ、特に母さんが喜ぶだろうな
母さん、蓮の事好きだから」

蓮「私も華さん好きだよ
これは絶対喜んで貰える物を選ばなくちゃ♪」

あげるにしてもセンスが大事だからね
真剣に選ばないと…
そして琉と色々とお店を巡りながら、お土産を決めていく
頭を悩ませる私とは反対に琉はもう自分の分の買い物は終わったみたい

蓮「琉って判断早くて羨ましい…
私遅いし付き合わせてごめんね?」

琉「謝ることじゃないのに謝んな
お前の場合、それだけ相手の事を考えてる証拠だろ」

文句も嫌な顔1つせずいつも付き合ってくれる琉は本当に優しいと思う
むしろ一緒に悩んだり助言してくれたりするから余計に
毎日、時間が進む度、接していく度、優しさに触れる度にどうしようもなく琉を好きな気持ちが大きくなる気がする
そんな事を思うとまた、無性ににその想いを伝えたくなる
でも…さすがにこんなところで伝えるのは恥ずかしいし勇気がいるや…
そんな気持ちを静かに終いこんで、お土産に再び頭を悩ます
純と遥、なおと琴美、陸人さんと華さん、そしてお父さんとお母さんの物は選んだ

琉「菓子とかは買わないわけ?」

蓮「あ、食べ物は明日にしよっかなって
ここでしか買えない物だけ今のうちにね」

琉「…それ、もしかして桜の?」

私の手に持ってるものを見てそう呟いた琉

蓮「凄い、何で分かったの?」

琉「なんとなく、かんざしにすんの?」

蓮「うん、天国でもお洒落して欲しいから
桜に似合うと思うし♪
けどね、この飴玉みたいなかんざしとちりめん細工のかんざし、どっちにしようか迷っちゃって…
どっちも捨てがたいんだよね…」

もちろん桜にはどっちも似合うだろうけど…うーん…やっぱりどっちかと言うと…

蓮「こっちかな」
琉「こっちだろ」

私達の声が重なって、しかも2人共おんなじ飴玉みたいなデザインのかんざしを選んだ
思わずお互いに顔を見合わせて私は笑ってしまった

蓮「ほぼ同時に同じもの選ぶなんて凄い奇跡」

琉「そうだな」

蓮「琉はどうしてこっち選んだの?」

琉「それ聞く?」

蓮「え、駄目だった?」

琉「桜って名前のイメージからもそっちのちりめん細工の方のイメージになりやすいし、大体、蓮も意外とそうゆう方を選ぶ傾向あるだろ
あいつのイメージだと落ち着いた花柄ってゆうより、そっちだと思っただけ」

確かにいつも桜柄だったり桜のモチーフだったりすることが多い
だからたまには違う方にしようかなって思ったけど、琉も桜の事、考えて選んでくれたんだ

蓮「桜も喜んでくれるね
琉も一緒に選んでくれたって知ったら」

琉「あいつの場合、蓮が選んでくれた事に喜ぶだろ」

蓮「でもちゃんと言うよ~
琉も選んでくれたって」

琉「あいつの反応が頭に思い浮かぶな」

蓮「あははっ」

のんびりとしたお店巡りを楽しみながら、時間が過ぎていく

蓮「あ!あれ美味しそう!
見て見て、可愛いアイスクリーム!」

見た目も華やかで美味しそう♪
メニュー表に目を向けていると琉が呟いた

琉「蓮、流石に食べ過ぎ」

蓮「う…そうだっけ…?」

琉「抹茶ラテにきな粉パフェ、団子もさっき食べただろ
夕食入らなくなるぞ」

確かに欲望の赴くまま食べてしまってたかも…

蓮「琉、呆れちゃった…?」

それぞれ小さいサイズで頼んで食べてたから量はそこまで多くない…筈だけどやっぱり食べ過ぎな気がするよね?

琉「呆れてない
ただ心配してるだけ
夕食もあるし、明日だってあるんだからそれくらいにしておけって」

蓮「うん、そうする
華さんが手配してくれた旅館の料理食べれなくなるのも嫌だしね♪」

琉「ん、それで母さんからさっき連絡来てさ
16時半からチェックインで宿の名前と地図送られてきた」

琉の携帯をヒョコっと覗くと、地図と丁寧に行き方まで書かれてる

蓮「華さん丁寧だね、分かりやすい
それにやっと宿の名前分かったね
××亭…へぇ、どんな所なんだろう」

琉「なんか企んでるみたいだったからな…
1度調べてみるか?」

蓮「んー、ううん、このまま向かお
華さんがここまで秘密にしてサプライズしてくれてるわけだし、行ってからのお楽しみって事で」

琉「そ、なら、駅に向かうか」

蓮「どんな所か楽しみだね~」

私達はそのまま駅へ向かい宿へと足を運んだ
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