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*魂を狩る者
魂を狩る者#7
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突然のバンパイアの軍勢襲来だったけど、誰1人怪我もなかったし良かった
辺りにはバンパイアの青白い魂が幾つも浮遊していた
死体が残らないのが救いだよなぁ
残っていたら死体の処理をしなきゃいけないし、想像したくない
リーダー「ふぅ…なんとか終わったな」
リーダーも安堵の表情で胸を撫で下ろしていた
陽香「見て!魂がこんなに!」
一時はどうなるかと思ったけど、予想もせずバンパイアの魂が一気にこんなに手に入った
バンパイアって単独行動が多いから中々魂狩りも進まないんだよね
集団になってもそこまで人数は多くないし…
あとは繁殖期の時くらいかな
依月「これで91個!!
残りの魂はメンバーの子達に分けよう」
リーダー「いいのか?」
陽香「いいの
皆、大変な思いしてるし、早くこの因果を無くしてあげたい」
依月「だからいいの」
メンバーの中には狩りが苦手な人や戦いたくない人も居る
だから戦えて狩りができる私達が少しでも役に立ちたい
リーダー「ありがとうな
それよりお前」
リーダーは蓮斗に目を向けた
もしかして戦いの中飛び出してきた蓮斗を怒るのかな…
蓮斗「な…なんですか?」
蓮斗も何処と無く構えてるみたい
だけどリーダーの反応は私達の想像とは違った
リーダー「さっきのお前の剣さばき凄かったな!
見直したよ」
蓮斗「え?…ありがとうございます」
依月「蓮斗は剣道部の主将だもん」
蓮斗が褒められると私も嬉しい
リーダー「なんで依月が得意気なんだ
剣道部の主将と言ってもバンパイア相手に素人があそこまで活躍するとは思えない
こいつには元々才能があるんだろう
これだけの逸材なら…どうだお前、俺達と一緒に組織に来ないか?」
蓮斗「え…!?」
蓮斗が組織に…!?
依月「ちょっとリーダー!?
そんなの私絶対認めないからね!」
いくら才能がありそうだからって、この件に無関係のこれ以上蓮斗を巻き込みたくない
バンパイアとの戦いは常に死と隣り合わせ
蓮斗にはただ普通の世界で幸せに暮らしてほしい
リーダー「冗談さ、俺も無関係の人間をこれ以上巻き込もうとは思ってないさ
俺は組織に連絡する」
そう言ってリーダーは少し離れて組織に連絡し始めた
蓮斗「唯奈どうしてだよ
俺でも役に立つなら組織に…
それに唯奈と一緒に居られるなら…」
依月「駄目
確かに蓮斗は強くて組織には貴重な逸材かもしれない
だけど自分の立場を思い出して
蓮斗は一般人なの
秘密が外に漏れたとバレたら今度こそ本当に殺される
それに私の為だけに他の全てを切り捨てられるの?」
家族や友達皆…
生活だって一変する
私達は受け入れるしか無かったけど…
蓮斗「それは…」
迷ってるって事はそうゆうことだよ蓮斗
自分でも分かってるんでしょ?
いきなりそんな決断出来ないもん
いいんだよ蓮斗、それで
私は嬉しかったからそれで充分
リーダー「悪い、待たせたな
組織に報告は終わった
それから陽香、依月に新しい別荘も用意したそうだ
そろそろ行くぞ」
今まで暮らしていた家は爆発と火事でボロボロ
それにバンパイアに場所を知られてしまった以上、ここに留まることも出来ないから…
依月「これで本当にお別れだよ蓮斗…」
蓮斗「お別れって…なんでだよ唯奈!」
依月「これで少し分かった筈でしょ?
この世界がどんなに危険か
ましてや蓮斗は何の関係もない一般人
これ以上この世界に居ちゃ駄目なの」
蓮斗「そんなのっ関係無くないだろ!
俺は唯奈を…っ」
依月「蓮斗…蓮斗はあの世界でまだ生きてるの
私は事実上もう死んでこっちの世界の人になった
私が蓮斗とそっちで一緒にいることもこっちの世界で一緒いることもどっちも叶わない
本当にもう…私には関わっちゃいけないの
蓮斗…私の最後の我が儘だよ
蓮斗はそっちの世界に戻って?
そして私の事ももう忘れてただ平穏に幸せに暮らしてほしい…」
気が付くと私は蓮斗に抱き締められていた
蓮斗ももうどうすることも出来ない事が分かったみたい
蓮斗「本当に行くのか…?」
依月「うん」
蓮斗「そっか…分かった
でも唯奈の事は絶対忘れないから」
真っ直ぐな目で蓮斗は私にそう言った
泣きそうになってしまったけどグッと堪えた
依月「馬鹿なんだから…」
蓮斗「それともう1つ
もし…また何処かで唯奈と出会ったら、その時は…声かけていいか?」
依月「…そうだね
蓮斗には簡単に見つかっちゃうかもね…
そろそろ行かなきゃ
蓮斗…幸せになってね」
蓮斗「唯奈も絶対死ぬなよ…」
そして私は振り替えること無く蓮斗と永遠の別れを果たした
――…振り向かず真っ直ぐ進んでいく唯奈の後ろ姿をただ黙って見つめていることしか出来なかった
それが唯奈を見た最後だった
それから唯奈がどうしているか俺は知らない
今日も今ももしかしたらあいつ等と戦って居るのかもしれない
そんな過酷な毎日を過ごしているのかもしれない
だけど俺は信じてる
唯奈はどこかで生きてる
そんな気がしながら俺は空を見上げて今日も平穏な1日をただ過ごすだけだった
辺りにはバンパイアの青白い魂が幾つも浮遊していた
死体が残らないのが救いだよなぁ
残っていたら死体の処理をしなきゃいけないし、想像したくない
リーダー「ふぅ…なんとか終わったな」
リーダーも安堵の表情で胸を撫で下ろしていた
陽香「見て!魂がこんなに!」
一時はどうなるかと思ったけど、予想もせずバンパイアの魂が一気にこんなに手に入った
バンパイアって単独行動が多いから中々魂狩りも進まないんだよね
集団になってもそこまで人数は多くないし…
あとは繁殖期の時くらいかな
依月「これで91個!!
残りの魂はメンバーの子達に分けよう」
リーダー「いいのか?」
陽香「いいの
皆、大変な思いしてるし、早くこの因果を無くしてあげたい」
依月「だからいいの」
メンバーの中には狩りが苦手な人や戦いたくない人も居る
だから戦えて狩りができる私達が少しでも役に立ちたい
リーダー「ありがとうな
それよりお前」
リーダーは蓮斗に目を向けた
もしかして戦いの中飛び出してきた蓮斗を怒るのかな…
蓮斗「な…なんですか?」
蓮斗も何処と無く構えてるみたい
だけどリーダーの反応は私達の想像とは違った
リーダー「さっきのお前の剣さばき凄かったな!
見直したよ」
蓮斗「え?…ありがとうございます」
依月「蓮斗は剣道部の主将だもん」
蓮斗が褒められると私も嬉しい
リーダー「なんで依月が得意気なんだ
剣道部の主将と言ってもバンパイア相手に素人があそこまで活躍するとは思えない
こいつには元々才能があるんだろう
これだけの逸材なら…どうだお前、俺達と一緒に組織に来ないか?」
蓮斗「え…!?」
蓮斗が組織に…!?
依月「ちょっとリーダー!?
そんなの私絶対認めないからね!」
いくら才能がありそうだからって、この件に無関係のこれ以上蓮斗を巻き込みたくない
バンパイアとの戦いは常に死と隣り合わせ
蓮斗にはただ普通の世界で幸せに暮らしてほしい
リーダー「冗談さ、俺も無関係の人間をこれ以上巻き込もうとは思ってないさ
俺は組織に連絡する」
そう言ってリーダーは少し離れて組織に連絡し始めた
蓮斗「唯奈どうしてだよ
俺でも役に立つなら組織に…
それに唯奈と一緒に居られるなら…」
依月「駄目
確かに蓮斗は強くて組織には貴重な逸材かもしれない
だけど自分の立場を思い出して
蓮斗は一般人なの
秘密が外に漏れたとバレたら今度こそ本当に殺される
それに私の為だけに他の全てを切り捨てられるの?」
家族や友達皆…
生活だって一変する
私達は受け入れるしか無かったけど…
蓮斗「それは…」
迷ってるって事はそうゆうことだよ蓮斗
自分でも分かってるんでしょ?
いきなりそんな決断出来ないもん
いいんだよ蓮斗、それで
私は嬉しかったからそれで充分
リーダー「悪い、待たせたな
組織に報告は終わった
それから陽香、依月に新しい別荘も用意したそうだ
そろそろ行くぞ」
今まで暮らしていた家は爆発と火事でボロボロ
それにバンパイアに場所を知られてしまった以上、ここに留まることも出来ないから…
依月「これで本当にお別れだよ蓮斗…」
蓮斗「お別れって…なんでだよ唯奈!」
依月「これで少し分かった筈でしょ?
この世界がどんなに危険か
ましてや蓮斗は何の関係もない一般人
これ以上この世界に居ちゃ駄目なの」
蓮斗「そんなのっ関係無くないだろ!
俺は唯奈を…っ」
依月「蓮斗…蓮斗はあの世界でまだ生きてるの
私は事実上もう死んでこっちの世界の人になった
私が蓮斗とそっちで一緒にいることもこっちの世界で一緒いることもどっちも叶わない
本当にもう…私には関わっちゃいけないの
蓮斗…私の最後の我が儘だよ
蓮斗はそっちの世界に戻って?
そして私の事ももう忘れてただ平穏に幸せに暮らしてほしい…」
気が付くと私は蓮斗に抱き締められていた
蓮斗ももうどうすることも出来ない事が分かったみたい
蓮斗「本当に行くのか…?」
依月「うん」
蓮斗「そっか…分かった
でも唯奈の事は絶対忘れないから」
真っ直ぐな目で蓮斗は私にそう言った
泣きそうになってしまったけどグッと堪えた
依月「馬鹿なんだから…」
蓮斗「それともう1つ
もし…また何処かで唯奈と出会ったら、その時は…声かけていいか?」
依月「…そうだね
蓮斗には簡単に見つかっちゃうかもね…
そろそろ行かなきゃ
蓮斗…幸せになってね」
蓮斗「唯奈も絶対死ぬなよ…」
そして私は振り替えること無く蓮斗と永遠の別れを果たした
――…振り向かず真っ直ぐ進んでいく唯奈の後ろ姿をただ黙って見つめていることしか出来なかった
それが唯奈を見た最後だった
それから唯奈がどうしているか俺は知らない
今日も今ももしかしたらあいつ等と戦って居るのかもしれない
そんな過酷な毎日を過ごしているのかもしれない
だけど俺は信じてる
唯奈はどこかで生きてる
そんな気がしながら俺は空を見上げて今日も平穏な1日をただ過ごすだけだった
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