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王都
136.意気投合?
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「地上の殲滅はもう変えられん。これは、運命なのだ」
父はフードを被ると、ディランの光を遮りながら言った。
「どうしてそこまで地上を侵攻したいのです?シルベーヌ様は貴方の大切な娘のはず。それを、変態……ラシュカ王の妃にしてまで……」
ディランは珍しく眉間にシワを寄せた。
「妃になることはないだろうと思っていた。あれは変態のたわけだろう?シルベーヌの良さがわかるはずはないからな」
「なるほど。それは納得です。シルベーヌ様の溢れ出る尊さや美しさ!自然に滲み出る心根の優しさ!時折見せるコミカルな魅力があの変態にわかるはずはない!!」
「だろう?……ふむ、君はなかなか話のわかる男だな?」
「いえいえ、本心を言ったまで」
父とディランはなぜか打ち解けた。
さっきまでの険悪な雰囲気はどこへやら……今は、同士のように和やかな雰囲気に包まれている。
なんなの、これ?
「いやいや、うちの娘の良さがわかるなんて、きっと君は優秀な指導者であろうな」
「恐れ入ります。ですが、優秀なのは騎士団全員であって、私は助けられているに過ぎませんよ」
「なんと!謙遜するとは器が大きいな!益々気に入った!」
おっと!
これ、いい感じじゃない?
このまま、ディランのことを気に入れば、ひょっとしたら地上殲滅、無しになるかも?
ディランも同じ様に感じたのか、ここで父に申し入れた。
「ルーマンド様、どうか地上から撤退しては頂けませんか?」
「断る」
即答ですか、そうですか……。
それとこれとは話が別、という顔をして、父はキッパリハッキリ断言した。
「何故です?わけを聞かせてください!そうでないと滅ぼされる我々も納得行きません」
ディランも食い下がる。
そうよね、ここで負けたら終了だもん。
話を延ばしつつ、妥協点を見つける。
今出来る最良の作戦だと思うわ。
あ、そういえば、こんなのが得意そうなメガネはどこへいった!?
ずっと見てないけど。
そんな私の胸中をよそに、会話は続いている。
「確かに。君の言うことも一理ある。何も知らぬまま滅ぼされるのも、口惜しかろう」
「はい」
「よかろう。私はな、地上の宝石が欲しいのだ」
「……宝石?」
「そうだ。ある時、冥府に地上からの使者が来た。その者が持ってきた宝石……それは見事なものだった。あれを手に入れたい」
父は夢見るような表情をする。
「それはどんな宝石ですか?」
「紅く燃えるような……それでいて内には青く澄んだ光が見える。そんな宝石だ」
「それは……こういった感じのものでは?」
ディランは私の首元を見た。
つられて父が視線をこちらに向けると、次の瞬間目を見張った。
「………な……そうだ……これ……これだ」
父の目は私の首元に釘付けになった。
父はフードを被ると、ディランの光を遮りながら言った。
「どうしてそこまで地上を侵攻したいのです?シルベーヌ様は貴方の大切な娘のはず。それを、変態……ラシュカ王の妃にしてまで……」
ディランは珍しく眉間にシワを寄せた。
「妃になることはないだろうと思っていた。あれは変態のたわけだろう?シルベーヌの良さがわかるはずはないからな」
「なるほど。それは納得です。シルベーヌ様の溢れ出る尊さや美しさ!自然に滲み出る心根の優しさ!時折見せるコミカルな魅力があの変態にわかるはずはない!!」
「だろう?……ふむ、君はなかなか話のわかる男だな?」
「いえいえ、本心を言ったまで」
父とディランはなぜか打ち解けた。
さっきまでの険悪な雰囲気はどこへやら……今は、同士のように和やかな雰囲気に包まれている。
なんなの、これ?
「いやいや、うちの娘の良さがわかるなんて、きっと君は優秀な指導者であろうな」
「恐れ入ります。ですが、優秀なのは騎士団全員であって、私は助けられているに過ぎませんよ」
「なんと!謙遜するとは器が大きいな!益々気に入った!」
おっと!
これ、いい感じじゃない?
このまま、ディランのことを気に入れば、ひょっとしたら地上殲滅、無しになるかも?
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「ルーマンド様、どうか地上から撤退しては頂けませんか?」
「断る」
即答ですか、そうですか……。
それとこれとは話が別、という顔をして、父はキッパリハッキリ断言した。
「何故です?わけを聞かせてください!そうでないと滅ぼされる我々も納得行きません」
ディランも食い下がる。
そうよね、ここで負けたら終了だもん。
話を延ばしつつ、妥協点を見つける。
今出来る最良の作戦だと思うわ。
あ、そういえば、こんなのが得意そうなメガネはどこへいった!?
ずっと見てないけど。
そんな私の胸中をよそに、会話は続いている。
「確かに。君の言うことも一理ある。何も知らぬまま滅ぼされるのも、口惜しかろう」
「はい」
「よかろう。私はな、地上の宝石が欲しいのだ」
「……宝石?」
「そうだ。ある時、冥府に地上からの使者が来た。その者が持ってきた宝石……それは見事なものだった。あれを手に入れたい」
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「紅く燃えるような……それでいて内には青く澄んだ光が見える。そんな宝石だ」
「それは……こういった感じのものでは?」
ディランは私の首元を見た。
つられて父が視線をこちらに向けると、次の瞬間目を見張った。
「………な……そうだ……これ……これだ」
父の目は私の首元に釘付けになった。
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