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王都
132.アリエルは問う
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私がディランに対しての言い訳を考えている間に、戦闘はあっさり終了した。
力の差?能力の差?
全てが圧倒的に違いすぎる戦闘は、きっと戦う前から勝負はついていたんだと思う。
私兵が全て倒れるなか、敵で立っていたのは変態王だけ。
ディランは王の鼻先に刃を向け、その気迫に気圧された王は膝から崩れ落ちた。
「王よ……いや、最早王ではないな。レガリアをもたないお前はただの変た……犯罪者だ」
えーと、突っ込んでいい?
ただの変態って言おうとしたよね?
「くっ………」
王は整った顔を無様に歪め、俯いて動かなくなった。
その王に向かってディランが何か言おうとした時、地下の扉からアリエルが叫びながら現れた。
「すみませんっ!ちょっと待って下さい!!」
「エレ……いや、もうアリエルでいいな……どうかしたか?」
「少し時間を下さい!聞きたいことがあるんです!」
アリエルは太股に隠し持った小瓶の1つを取り出して、王に見せた。
そして、屈んでこう尋ねた。
「この小瓶をあなたはどこで見つけましたか?」
聞こえているのかいないのか……王は顔を上げない。
すると、痺れを切らしたアリエルが、その胸倉をグッと掴んだ。
「どこで見つけたかって聞いてるんだよ!」
「ぐうっ!」
締め上げられて王は苦悶の表情を浮かべる。
だけど、自分を締め上げているのがエレナであるとわかると、不敵な笑みを浮かべた。
「バカな娘、簡単に操られるとは……この小瓶の毒は王立図書館の地下、過去の犯罪資料館から拝借したのだ。毒の魔女が作った素晴らしい芸術品……」
「この大バカ変態野郎!!」
人形のように美しい女は、太股までドレスをたくしあげたまま、鬼の形相で王を罵倒した!
あの顔からこの言葉!?
周りもびっくりしてるけど、一番驚いているのは王だ。
「へ…………?」
と、間抜けな声を上げ、ポカンとアリエルを見上げている。
そんな彼に向かって、アリエルは侮蔑の表情で言った。
「芸術品だって!?これは失敗作だ!これで夫を殺そうとしたが失敗したんだよ。だから咄嗟に鍋蓋で……よくもよくも!こんな失敗作をまた世に出したな!」
アリエルは拳を握りしめ、今度は憤怒の表情を浮かべた。
失敗作………失敗作?
なんだろう、このもやもやした感じ。
何か大事なことを気付いてないような……。
「アリエル……」
ディランは、立ち竦み怒りに震えるアリエルに声を掛ける。
彼女はハッと我に返り、怒りを逃すように深呼吸をした。
「すみませんっ、つい怒りにまかせてしまい……聞きたいことは聞けました。もう、いいです」
「そうか……」
ディランがこちらをチラリと見た。
ああ、そうね。
アリエルを落ち着かせるのは、きっと私の方がいい。
そう思い、ロビーの後ろからそっと出てアリエルに向かって歩き始めた。
力の差?能力の差?
全てが圧倒的に違いすぎる戦闘は、きっと戦う前から勝負はついていたんだと思う。
私兵が全て倒れるなか、敵で立っていたのは変態王だけ。
ディランは王の鼻先に刃を向け、その気迫に気圧された王は膝から崩れ落ちた。
「王よ……いや、最早王ではないな。レガリアをもたないお前はただの変た……犯罪者だ」
えーと、突っ込んでいい?
ただの変態って言おうとしたよね?
「くっ………」
王は整った顔を無様に歪め、俯いて動かなくなった。
その王に向かってディランが何か言おうとした時、地下の扉からアリエルが叫びながら現れた。
「すみませんっ!ちょっと待って下さい!!」
「エレ……いや、もうアリエルでいいな……どうかしたか?」
「少し時間を下さい!聞きたいことがあるんです!」
アリエルは太股に隠し持った小瓶の1つを取り出して、王に見せた。
そして、屈んでこう尋ねた。
「この小瓶をあなたはどこで見つけましたか?」
聞こえているのかいないのか……王は顔を上げない。
すると、痺れを切らしたアリエルが、その胸倉をグッと掴んだ。
「どこで見つけたかって聞いてるんだよ!」
「ぐうっ!」
締め上げられて王は苦悶の表情を浮かべる。
だけど、自分を締め上げているのがエレナであるとわかると、不敵な笑みを浮かべた。
「バカな娘、簡単に操られるとは……この小瓶の毒は王立図書館の地下、過去の犯罪資料館から拝借したのだ。毒の魔女が作った素晴らしい芸術品……」
「この大バカ変態野郎!!」
人形のように美しい女は、太股までドレスをたくしあげたまま、鬼の形相で王を罵倒した!
あの顔からこの言葉!?
周りもびっくりしてるけど、一番驚いているのは王だ。
「へ…………?」
と、間抜けな声を上げ、ポカンとアリエルを見上げている。
そんな彼に向かって、アリエルは侮蔑の表情で言った。
「芸術品だって!?これは失敗作だ!これで夫を殺そうとしたが失敗したんだよ。だから咄嗟に鍋蓋で……よくもよくも!こんな失敗作をまた世に出したな!」
アリエルは拳を握りしめ、今度は憤怒の表情を浮かべた。
失敗作………失敗作?
なんだろう、このもやもやした感じ。
何か大事なことを気付いてないような……。
「アリエル……」
ディランは、立ち竦み怒りに震えるアリエルに声を掛ける。
彼女はハッと我に返り、怒りを逃すように深呼吸をした。
「すみませんっ、つい怒りにまかせてしまい……聞きたいことは聞けました。もう、いいです」
「そうか……」
ディランがこちらをチラリと見た。
ああ、そうね。
アリエルを落ち着かせるのは、きっと私の方がいい。
そう思い、ロビーの後ろからそっと出てアリエルに向かって歩き始めた。
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