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王都
114.頼もしい助っ人?
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私はすぐに入ってきた地獄の門を開けようと試みた。
外から鍵が掛けられていた門は、引いても押してもびくともしない。
ざっと部屋を見渡しても、この門の他に、別の出口の存在は確認出来なかった。
「ねぇ、隠し扉とかないのかしら?」
『隠し扉、ではありませんが、空洞の存在が確認出来るのデス』
「空洞?どこかに大きな空間があるってこと?」
『はいデス。直接ここから行けないので、扉がないのデス。一旦門から出てから左に回り込んでまっすぐ行った先デス』
「困ったわね。大きな閂が外から掛けられているから門を開けるのは無理だわ」
完全な行き止まりになっている部屋。
堅牢な地獄の門を破壊するのは無理だし、他に扉はない。
「スピークルム……どうしよう」
ため息のような呟きに、従者は明るく答えた。
『おや?これは!?もしや?』
「何?」
『思わぬ人が助けにやって来たようデス!』
その声と同時に、門の閂がゴトンと音を立てる。
地獄の門はギギギと不気味な音を鳴らしながらゆっくりと開き、半分ほど開いたところで見知った顔が現れた。
「アリエル!?」
「はいはいはい、どうもお待たせしてすみません!」
アリエルは桃色の美しいドレスの裾をたくしあげ、更に腕捲りをしてにこやかに一礼する。
その一仕事終えたような出で立ちに、私は目を丸くした。
「どぉして!?てっきり奥の箱庭に監禁されてると思ったのに!?」
「あー………監禁はされてましたけど。隠し持っていた装備品でなんとか」
装備品??
首を傾げた私に、アリエルはドレスを太股まで捲し上げ、そこに革のバンドで止めた無数の小瓶を見せた。
「なっ!何なのこれは!?」
まるで、暗殺を生業とする人のようよ!?
「うふふ。私の可愛い薬品の数々です。これらを調合することによっていろんなものが作れるのですよ??」
アリエルはいい笑みを浮かべた。
そういえば、子爵邸でアリエルの経歴を見たとき、夫を毒殺したと書いてあった……。
その後撲殺したらしいけど、ひょっとしてその薬品類で事に及んだ……?
私の複雑な表情をどうとったのか、アリエルは恥ずかしそうに笑った。
いや、あのね、感謝はしてるけど、決して褒められることではないよ!?
わかってる?
「あ!それどころではないですね!こちらへ、他の姫君達の所へ行きましょう!早く脱出しませんと!」
「そっ、そうね!!そうだわ!」
アリエルに促され、私達は行き止まりの部屋を出た。
門の脇には、二人の私兵が気絶しており……気絶よね?死んでないよねぇ!?
私兵とアリエルを交互に見て、答えを求めたけど、それを彼女はまるっきり無視をした。
《その件に関しては、お答え出来かねます》
アリエルの顔にはそう書いてあるようだった。
外から鍵が掛けられていた門は、引いても押してもびくともしない。
ざっと部屋を見渡しても、この門の他に、別の出口の存在は確認出来なかった。
「ねぇ、隠し扉とかないのかしら?」
『隠し扉、ではありませんが、空洞の存在が確認出来るのデス』
「空洞?どこかに大きな空間があるってこと?」
『はいデス。直接ここから行けないので、扉がないのデス。一旦門から出てから左に回り込んでまっすぐ行った先デス』
「困ったわね。大きな閂が外から掛けられているから門を開けるのは無理だわ」
完全な行き止まりになっている部屋。
堅牢な地獄の門を破壊するのは無理だし、他に扉はない。
「スピークルム……どうしよう」
ため息のような呟きに、従者は明るく答えた。
『おや?これは!?もしや?』
「何?」
『思わぬ人が助けにやって来たようデス!』
その声と同時に、門の閂がゴトンと音を立てる。
地獄の門はギギギと不気味な音を鳴らしながらゆっくりと開き、半分ほど開いたところで見知った顔が現れた。
「アリエル!?」
「はいはいはい、どうもお待たせしてすみません!」
アリエルは桃色の美しいドレスの裾をたくしあげ、更に腕捲りをしてにこやかに一礼する。
その一仕事終えたような出で立ちに、私は目を丸くした。
「どぉして!?てっきり奥の箱庭に監禁されてると思ったのに!?」
「あー………監禁はされてましたけど。隠し持っていた装備品でなんとか」
装備品??
首を傾げた私に、アリエルはドレスを太股まで捲し上げ、そこに革のバンドで止めた無数の小瓶を見せた。
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まるで、暗殺を生業とする人のようよ!?
「うふふ。私の可愛い薬品の数々です。これらを調合することによっていろんなものが作れるのですよ??」
アリエルはいい笑みを浮かべた。
そういえば、子爵邸でアリエルの経歴を見たとき、夫を毒殺したと書いてあった……。
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いや、あのね、感謝はしてるけど、決して褒められることではないよ!?
わかってる?
「あ!それどころではないですね!こちらへ、他の姫君達の所へ行きましょう!早く脱出しませんと!」
「そっ、そうね!!そうだわ!」
アリエルに促され、私達は行き止まりの部屋を出た。
門の脇には、二人の私兵が気絶しており……気絶よね?死んでないよねぇ!?
私兵とアリエルを交互に見て、答えを求めたけど、それを彼女はまるっきり無視をした。
《その件に関しては、お答え出来かねます》
アリエルの顔にはそう書いてあるようだった。
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