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ムーンバレー地方
38.誰かいませんか!?(スピークルム)
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ううっ……何と言うことでしょう!
私、シルベーヌ様がお産まれになってから、お側を離れるのは初めてのことなのデス!
浅はかにも、お高いヒールでぬかるんだ小道を下ろうとするシルベーヌ様。
絶対コケるに違いない、無様に転げる姿をムフフと嘲笑ってやろう、と思ったのが運のツキ……。
危ないデス!とちゃんとお止めしていれば、今、私はこんな木の根っこに放り出されていないかもしれないんデスーー!
私がこんなに飛ばされるほど、激しく転げ落ちたシルベーヌ様は、恐らく……川に落ちたと思うのデス。
姿は見えませんでしたが、バシャン!という音が聞こえたのデス!
昨日からの雨で、川は濁流と化しているのデス………。
そんな所に落ちては、ヒョロガリのシルベーヌ様なんてポッキリ折れてしまうのデスよーー!
そして下流にて、水死体で発見されるのデス……。
あ、そういえば水死体は、水色で発光するんデス。
分かりやすいでしょ?
ああっ、幼い頃より私がお育てした(も同然の)美しいシルベーヌ様は、恋も知らないまま、水死体になってしまうのでしょうか、デスーー!
……………………………。
……………………………。
いや、ほんと、誰か助けて欲しいのデス。
散々冗談を言いましたが、私にとってシルベーヌ様は、我が子と同じ。
この身に代えてもお守りしたい存在なのデス………。
ううっ、誰かーー!!誰か、いませんかぁーーー!
「団長!こっちだ!」
ん?んん?この声は??
「どうした!?何か見つかったか?シルベーヌ様か!?」
造園師のロビーとかいうやつと、キラキラ団長デスか?
ロビーは木の根っこから、私を拾い上げ、団長に見せたのデス。
「これは……シルベーヌ様の……もしや!川に落ちたのでは!?」
団長の顔が、悲痛に歪んでいるのデス……。
川に落ちたのは間違いないと思うのデスよ。
早く救って欲しいのデスが……。
「クソッ!急いで川を捜索しろ!特に下流を重点的にだ!一刻の猶予もないぞ」
団長の声に、複数の男の声が被さって聞こえたのデスよ。
そして、団長は私を首にかけ、ぎゅうぎゅうと、握りしめたのデス!
ぐぇぇぇぇ…………。
「シルベーヌ様……俺が目を離したばかりにこんな事態に……ああ、君が死んでしまったら、俺も生きてはいられない!!」
………………あなた、もう死んでますよ?
ま、そんなことは、この際どうでもいいのデス。
私の思うに、キラキラ団長はシルベーヌ様のことを好きなのではなかろうか?
私としても?シルベーヌ様に色恋のあれこれがあるのは嬉しいのデスが、それは、最低でも《生物限定》だと思うのデス。
死んでいてもいい!と、シルベーヌ様が言うなら別デスけどね?
むー……男として、いい物件であるのは間違いないんデスけどねぇ、ええ、ほんとうに。
それから、団長は私を首に掛けたまま、ものスゴい勢いで下流を目指して走りだしたのデス。
その必死さに、私、愛を感じてしまいました、鏡のクセに……デス。
私、シルベーヌ様がお産まれになってから、お側を離れるのは初めてのことなのデス!
浅はかにも、お高いヒールでぬかるんだ小道を下ろうとするシルベーヌ様。
絶対コケるに違いない、無様に転げる姿をムフフと嘲笑ってやろう、と思ったのが運のツキ……。
危ないデス!とちゃんとお止めしていれば、今、私はこんな木の根っこに放り出されていないかもしれないんデスーー!
私がこんなに飛ばされるほど、激しく転げ落ちたシルベーヌ様は、恐らく……川に落ちたと思うのデス。
姿は見えませんでしたが、バシャン!という音が聞こえたのデス!
昨日からの雨で、川は濁流と化しているのデス………。
そんな所に落ちては、ヒョロガリのシルベーヌ様なんてポッキリ折れてしまうのデスよーー!
そして下流にて、水死体で発見されるのデス……。
あ、そういえば水死体は、水色で発光するんデス。
分かりやすいでしょ?
ああっ、幼い頃より私がお育てした(も同然の)美しいシルベーヌ様は、恋も知らないまま、水死体になってしまうのでしょうか、デスーー!
……………………………。
……………………………。
いや、ほんと、誰か助けて欲しいのデス。
散々冗談を言いましたが、私にとってシルベーヌ様は、我が子と同じ。
この身に代えてもお守りしたい存在なのデス………。
ううっ、誰かーー!!誰か、いませんかぁーーー!
「団長!こっちだ!」
ん?んん?この声は??
「どうした!?何か見つかったか?シルベーヌ様か!?」
造園師のロビーとかいうやつと、キラキラ団長デスか?
ロビーは木の根っこから、私を拾い上げ、団長に見せたのデス。
「これは……シルベーヌ様の……もしや!川に落ちたのでは!?」
団長の顔が、悲痛に歪んでいるのデス……。
川に落ちたのは間違いないと思うのデスよ。
早く救って欲しいのデスが……。
「クソッ!急いで川を捜索しろ!特に下流を重点的にだ!一刻の猶予もないぞ」
団長の声に、複数の男の声が被さって聞こえたのデスよ。
そして、団長は私を首にかけ、ぎゅうぎゅうと、握りしめたのデス!
ぐぇぇぇぇ…………。
「シルベーヌ様……俺が目を離したばかりにこんな事態に……ああ、君が死んでしまったら、俺も生きてはいられない!!」
………………あなた、もう死んでますよ?
ま、そんなことは、この際どうでもいいのデス。
私の思うに、キラキラ団長はシルベーヌ様のことを好きなのではなかろうか?
私としても?シルベーヌ様に色恋のあれこれがあるのは嬉しいのデスが、それは、最低でも《生物限定》だと思うのデス。
死んでいてもいい!と、シルベーヌ様が言うなら別デスけどね?
むー……男として、いい物件であるのは間違いないんデスけどねぇ、ええ、ほんとうに。
それから、団長は私を首に掛けたまま、ものスゴい勢いで下流を目指して走りだしたのデス。
その必死さに、私、愛を感じてしまいました、鏡のクセに……デス。
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