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番外編
僕の初めての友達③
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それから、僕とたみおくんはよく遊ぶようになった。
待ち合わせをして山へ行ったり、川で魚をとったり。
他の人間に見つかったらいけないから、大抵は誰もいないところで遊んでいた。
もちろん、兄さまや次郎兄には内緒。
お堅い兄さまや自分大好きな次郎兄には友達なんていないから、きっと僕のことを妬んで頭ごなしに怒るに違いない。
だから、たみおくんのことは誰にも言ってないんだ。
ある時、僕達は山の上にある寂れた御堂を発見した。
たみおくんは「大発見だね!」とワクワクしていたけど、僕は御堂があるのも出来た経緯も知っているから、黙って話を合わせていた。
その昔、水神様を祀るために建てられたんだけど、どうやら建てる場所を間違えたらしくて、途中で放棄されてしまったものだ。
僕達はその御堂の中に入り込み、いろんな宝物を持ち寄って見せ合ったりした。
その時、たみおくんが持ってきた宝物の中に、綺麗な桃色の髪飾りがあるのを見た。
「たみおくん、これは?」
僕は髪飾りを摘まんで問いかけた。
どう考えても、丸刈りのたみおくんが使うものじゃない。
いや、例え丸刈りじゃなくても、男の子だから多分使わないと思ったんだ。
「……あ、うん」
目を伏せたたみおくんは、悲しそうな表情をした。
聞いたらいけなかったかな?
そう僕が反省していると、たみおくんがポツリと語りだした。
「妹が、産まれたんだけど、ね……」
「う、うん……」
とっさに相槌を打った。
「でも、産まれてすぐ死んじゃって……その髪飾り、妹にあげようと思ってお小遣いためて買ってたんだけど……」
ああ……。
僕のバカ!やっぱり聞いちゃいけなかったんだ。
目の前で悲しく笑うたみおくんに、なんて声をかければいいかわからない。
はっ……もしかして、出会ったとき泣いていたのって……。
「たみおくん。僕と会った時泣いてたのって、そのこと?」
「……うん。ちょうどあの日の朝だった……」
「そっか……ごめんね。悲しいこと思い出させちゃったね……」
僕はどうすればいいかわからず俯いた。
「ううん。あの日、三左くんが来てくれて本当に良かった。だって、衝撃的過ぎて悲しみがぶっとんだから……」
たみおくん……「別に」って言ったのに、驚いてたんだね。
そんなことを冷静に考えながら、一方で、たみおくんの悲しみを軽く出来たことを嬉しく思っていた。
「そうだ!三左くん。この髪飾り、貰ってくれない?」
「ええっ!!だって大事なものでしょ!?」
「うん。だから……三左くんの銀色の髪にピンクの髪飾り、凄く似合いそうな気がするんだよねー。あ、でも興味ないか……」
「そ、そんなことないっ!」
申し訳なさそうに言ったたみおくんに、僕は大声で叫んだ。
実は、凄く興味があるんだ!
僕は可愛いものや、綺麗な物が大好きで、たくさん集めている。
ここに持ってきている宝物も、キラキラで可愛いものばかりだ。
「桃色……ピンクの髪飾り、可愛いと思うよっ!でも、大事なものだし、申し訳なくて……」
「三左くんに使って貰えたら、妹も喜ぶよ。もちろん僕もだけど!あ、そうだ、付けてあげる!」
たみおくんは、僕の正面に座り、お皿の少し下にちょこんと髪飾りを付けた。
そして、一歩離れて「うん」と頷いた。
「似合うよ!」
僕は真っ赤になって照れた。
……カッパが真っ赤になったら、何色になるんだろう。
なんてことも少し脳裏を掠めたけど、そんなことすぐに忘れた。
「ほ、ほんと?」
「凄く可愛いと思うよ!」
たみおくんはニッコリと笑い、僕もつられて笑ったんだ。
待ち合わせをして山へ行ったり、川で魚をとったり。
他の人間に見つかったらいけないから、大抵は誰もいないところで遊んでいた。
もちろん、兄さまや次郎兄には内緒。
お堅い兄さまや自分大好きな次郎兄には友達なんていないから、きっと僕のことを妬んで頭ごなしに怒るに違いない。
だから、たみおくんのことは誰にも言ってないんだ。
ある時、僕達は山の上にある寂れた御堂を発見した。
たみおくんは「大発見だね!」とワクワクしていたけど、僕は御堂があるのも出来た経緯も知っているから、黙って話を合わせていた。
その昔、水神様を祀るために建てられたんだけど、どうやら建てる場所を間違えたらしくて、途中で放棄されてしまったものだ。
僕達はその御堂の中に入り込み、いろんな宝物を持ち寄って見せ合ったりした。
その時、たみおくんが持ってきた宝物の中に、綺麗な桃色の髪飾りがあるのを見た。
「たみおくん、これは?」
僕は髪飾りを摘まんで問いかけた。
どう考えても、丸刈りのたみおくんが使うものじゃない。
いや、例え丸刈りじゃなくても、男の子だから多分使わないと思ったんだ。
「……あ、うん」
目を伏せたたみおくんは、悲しそうな表情をした。
聞いたらいけなかったかな?
そう僕が反省していると、たみおくんがポツリと語りだした。
「妹が、産まれたんだけど、ね……」
「う、うん……」
とっさに相槌を打った。
「でも、産まれてすぐ死んじゃって……その髪飾り、妹にあげようと思ってお小遣いためて買ってたんだけど……」
ああ……。
僕のバカ!やっぱり聞いちゃいけなかったんだ。
目の前で悲しく笑うたみおくんに、なんて声をかければいいかわからない。
はっ……もしかして、出会ったとき泣いていたのって……。
「たみおくん。僕と会った時泣いてたのって、そのこと?」
「……うん。ちょうどあの日の朝だった……」
「そっか……ごめんね。悲しいこと思い出させちゃったね……」
僕はどうすればいいかわからず俯いた。
「ううん。あの日、三左くんが来てくれて本当に良かった。だって、衝撃的過ぎて悲しみがぶっとんだから……」
たみおくん……「別に」って言ったのに、驚いてたんだね。
そんなことを冷静に考えながら、一方で、たみおくんの悲しみを軽く出来たことを嬉しく思っていた。
「そうだ!三左くん。この髪飾り、貰ってくれない?」
「ええっ!!だって大事なものでしょ!?」
「うん。だから……三左くんの銀色の髪にピンクの髪飾り、凄く似合いそうな気がするんだよねー。あ、でも興味ないか……」
「そ、そんなことないっ!」
申し訳なさそうに言ったたみおくんに、僕は大声で叫んだ。
実は、凄く興味があるんだ!
僕は可愛いものや、綺麗な物が大好きで、たくさん集めている。
ここに持ってきている宝物も、キラキラで可愛いものばかりだ。
「桃色……ピンクの髪飾り、可愛いと思うよっ!でも、大事なものだし、申し訳なくて……」
「三左くんに使って貰えたら、妹も喜ぶよ。もちろん僕もだけど!あ、そうだ、付けてあげる!」
たみおくんは、僕の正面に座り、お皿の少し下にちょこんと髪飾りを付けた。
そして、一歩離れて「うん」と頷いた。
「似合うよ!」
僕は真っ赤になって照れた。
……カッパが真っ赤になったら、何色になるんだろう。
なんてことも少し脳裏を掠めたけど、そんなことすぐに忘れた。
「ほ、ほんと?」
「凄く可愛いと思うよ!」
たみおくんはニッコリと笑い、僕もつられて笑ったんだ。
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