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Extra Ausgabe
伯爵令嬢、奮闘中《16》制圧
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私の準備が整うのと時を同じくして、クリム様の方も大方詰めていたようだ。
ここで聞ける情報は聞き出したのだろう。
後は確保してから、ということだな。
2階の手摺で時を待ち、1分程が経ったとき、クリム様がニッコリと笑った。
それが『行け』という合図だと思ったのはただの勘だ。
だが、ここ一番の私の勘は外れない。
その事だけには絶対の自信があるのだ!
直ちに突撃体勢を整え、体を後ろに逸らし、反動をつける。
と、同時に勢い良く飛び出した!
カーテンは大きくしなり、私はテロリスト目掛けて一直線に飛んで行く。
まず狙うのは、ナイフを持つ男。
首謀者から抑えるのは効果的だ。
他のザコの戦意を喪失させるからね。
音もたてず着地すると、そのまま床を蹴って飛び上がり、ナイフを持つの男の遥か頭上から、踵を遠慮せず打ち下ろすっ!!
必殺脳天蹴りーーー!
打ち所が悪ければ、本当に死んでしまうけどその時はごめんね!
私の必殺技は綺麗に決まり、男は声もなく床に沈んでいく。
その男に潰されるように、人質も床に倒れたけど、まぁそれはほっとこう。
次は爆薬男。
首謀者の撃沈に驚いた爆薬男は、持っていたマッチを落とし唖然とした。
私は、すかさずボニーを取り出し、スライドを引く。
そして、安全装置を外して、男のこめかみ横を狙い引き金を引いた。
すると、いつもより手にかかる負担が少ないのに気づく。
その反面、威力は格段に上がっていた!
私のボニーが成長している!!
あ!感動のあまり、爆薬男を確認し忘れていた……。
見ると、こめかみスレスレを飛んで行った弾は、男の意識を飛ばして気絶させている。
まぁ、当然だよな……。
白目を向いて後ろに倒れる男には目もくれず、私はクリム様に駆け寄った。
「クリム様!!御無事……ですね!」
「もちろん。アンナが守ってくれるって信じていたよ。流石だな。ものの数秒で制圧とは。子供達は役にたったろう?」
「はい!!……ですが……いろいろ謎が多くて。どうしてここにあるのかとか、なぜリリアンヌ様が持っていたのか……とか?」
クリム様はふふ、と笑って一度私から視線を外した。
そして、近衛兵に指示を出しテロリスト達を拘束すると、また私に微笑みかける。
「すまないね。私が君の銃をメンテナンスに出したんだ」
「え!クリム様が??ど、どうして?」
「そうだなぁ……必要だと思ったし、何よりアンナが一番喜ぶことって……これしか思い浮かばなかったからかな」
「クリム様………」
私の為に、私のことを考えて……?。
お忙しいのに、そんなことをしてくれていたとは。
うっ………涙が出そう。
あ、それでリリアンヌ様が持っていたのは何で?
そう思った私の疑問には、本人が答えてくれた。
「何故か?と言われるとそれはね?」
「リ、リリアンヌさまっ?」
「ふふふ………」
リリアンヌ様は、やれやれと頭を抱える陛下と、呆然とした殿下の間をすり抜けて、私の元へやって来た。
何だろう、この、含み笑い。
まるで、私を驚かせるのを楽しみにしているような……。
「アンナ・オズワルド。あなたのお父様、ユリウス・オズワルドと私の母、ファビー工房のファビアンヌ・オーレリィが古くからの友人なのは御存知かしら?」
「ああ、はい。ファビー工房はボニーとクライドが生まれたところで……」
おや?
今何て言った??
私の母……ファビアンヌ・オーレリィ!?
待て!ひょっとして、これは!?
私の口は、顎が外れそうなくらいだらしなく開いた。
それを見たリリアンヌ様は、それはそれは楽しそうにお腹を抱えて笑ったのだ。
ここで聞ける情報は聞き出したのだろう。
後は確保してから、ということだな。
2階の手摺で時を待ち、1分程が経ったとき、クリム様がニッコリと笑った。
それが『行け』という合図だと思ったのはただの勘だ。
だが、ここ一番の私の勘は外れない。
その事だけには絶対の自信があるのだ!
直ちに突撃体勢を整え、体を後ろに逸らし、反動をつける。
と、同時に勢い良く飛び出した!
カーテンは大きくしなり、私はテロリスト目掛けて一直線に飛んで行く。
まず狙うのは、ナイフを持つ男。
首謀者から抑えるのは効果的だ。
他のザコの戦意を喪失させるからね。
音もたてず着地すると、そのまま床を蹴って飛び上がり、ナイフを持つの男の遥か頭上から、踵を遠慮せず打ち下ろすっ!!
必殺脳天蹴りーーー!
打ち所が悪ければ、本当に死んでしまうけどその時はごめんね!
私の必殺技は綺麗に決まり、男は声もなく床に沈んでいく。
その男に潰されるように、人質も床に倒れたけど、まぁそれはほっとこう。
次は爆薬男。
首謀者の撃沈に驚いた爆薬男は、持っていたマッチを落とし唖然とした。
私は、すかさずボニーを取り出し、スライドを引く。
そして、安全装置を外して、男のこめかみ横を狙い引き金を引いた。
すると、いつもより手にかかる負担が少ないのに気づく。
その反面、威力は格段に上がっていた!
私のボニーが成長している!!
あ!感動のあまり、爆薬男を確認し忘れていた……。
見ると、こめかみスレスレを飛んで行った弾は、男の意識を飛ばして気絶させている。
まぁ、当然だよな……。
白目を向いて後ろに倒れる男には目もくれず、私はクリム様に駆け寄った。
「クリム様!!御無事……ですね!」
「もちろん。アンナが守ってくれるって信じていたよ。流石だな。ものの数秒で制圧とは。子供達は役にたったろう?」
「はい!!……ですが……いろいろ謎が多くて。どうしてここにあるのかとか、なぜリリアンヌ様が持っていたのか……とか?」
クリム様はふふ、と笑って一度私から視線を外した。
そして、近衛兵に指示を出しテロリスト達を拘束すると、また私に微笑みかける。
「すまないね。私が君の銃をメンテナンスに出したんだ」
「え!クリム様が??ど、どうして?」
「そうだなぁ……必要だと思ったし、何よりアンナが一番喜ぶことって……これしか思い浮かばなかったからかな」
「クリム様………」
私の為に、私のことを考えて……?。
お忙しいのに、そんなことをしてくれていたとは。
うっ………涙が出そう。
あ、それでリリアンヌ様が持っていたのは何で?
そう思った私の疑問には、本人が答えてくれた。
「何故か?と言われるとそれはね?」
「リ、リリアンヌさまっ?」
「ふふふ………」
リリアンヌ様は、やれやれと頭を抱える陛下と、呆然とした殿下の間をすり抜けて、私の元へやって来た。
何だろう、この、含み笑い。
まるで、私を驚かせるのを楽しみにしているような……。
「アンナ・オズワルド。あなたのお父様、ユリウス・オズワルドと私の母、ファビー工房のファビアンヌ・オーレリィが古くからの友人なのは御存知かしら?」
「ああ、はい。ファビー工房はボニーとクライドが生まれたところで……」
おや?
今何て言った??
私の母……ファビアンヌ・オーレリィ!?
待て!ひょっとして、これは!?
私の口は、顎が外れそうなくらいだらしなく開いた。
それを見たリリアンヌ様は、それはそれは楽しそうにお腹を抱えて笑ったのだ。
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