ヴァーチャル美少女キャラにTSおっさん 世紀末なゲーム世界をタクティカルに攻略(&実況)して乗り切ります!

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Chapter8:「ファイナル・ベヒーモス」

Part52:「突然のラストチャプター」

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 ――アルスタライル太陽光発電所を巡る戦い。
 RP AF側の防衛迎撃作戦「オペレーション エイジ・パルセイション」は無事完遂され。
 現在は戦闘後処理と合わせて。ユートピア・デバイスの発動によって土壌の浄化が無事成功した、この周辺の土地の調査が始まっていた。


 「――ふぅぅ……」

 その決着が付けられた地、太陽光発電所施設近くの一角で。
 星宇宙は一息を着く時を迎えていた。

 置かれた木箱を椅子代わりに腰を降ろし。RP AF厚生隊の売店で所望したルートビア飲料などを口に、ひとときの休息の時間しており。

《星ちゃん、乙でした!》
《怒涛の展開だった》
《実況越えてもうドキュメンタリーの域だったね……》
《実際、通してガチ中のガチだったし……》
《マジの別の現実の世界の出来事なんだな、って見てても伝わって来た》
「ははは、だね」

 その傍ら、労いや感情吐露のコメントをウィンドウに流す視聴者の皆と。交流を交わしている。

「なんか、いきなり森や草原が「ワーっ」ってワケじゃないんだね?」
「あくまで土壌の回復だからな。それについてはこれからだよ。人々のがんばり次第さ」

 その近くでは、同じく飲料を片手に休息の時を過ごすモカとヨロズが。
 比較的高所である現在地から一望できる、周辺地域の光景を眺めながらそんな会話を交わしている。
 そしてまた別の近くでは、興味深げに飲料水をちびちび口にするラグラデオスに。淡々とした表情で、しかし可愛らしくクピクピと飲料を飲むFLHの姿もある。
 ファースに在っては、現在はToBの支部拠点との連絡にためにSV機の報へと外している。
 そして、

「――やぁ、お待たせ」

 向こうの通路より、ヴォートが歩み現れた。
 ヴォートに在っては大隊長、少佐と言う立場から。戦闘後の処理、調整に追われ。
 今しがたようやく区切りをつけ、この画へと戻り合流した所であった。

「お疲れ様、ヴォートさん」
「互いにな」

 星宇宙は合流したヴォートにまず労いの言葉を掛けつつ、彼用に用意していたルートビアを差し出し。ヴォートはそれに返しつつ、ルートビアを受け取り口を付ける。

「希望の星、生の祝福――改めて」
「二人とも、見事だった」

 そこへ、FLHからも言葉が挟まれる。それは、改めての二人の健闘活躍、役割を完遂を称えるもの

「自分等だけではない、皆のおかげだ――しかし、驚きだったな」

 それにヴォートはそう、多くの人々の存在・功績を示して返し。それからそんな呆れ交じりの一言を零した。

 ここまでの合間合間を利用して、星宇宙の側で判明した諸々の真相については。ヴォートにも一連の説明がなされていた。それを改めて思い返しての一言。

「……今更だけど、そうして俺等が選ばれたの?」

 そこで、星宇宙が思い立ちFLHにそんな質問をぶつける。

「時間、タイミング、条件」
「それらに、あらゆる都合」
「それに合致したのが君等二名だった」

 それに、FLHからされた回答はそんな言葉。

「聞こえはいいけど、ようはたまたま白羽の矢が立てられたってコトでは……?」
「それ取られても仕方がない、申し訳ない。この世界に誰かの手助けが必要であった」

 その回答のしかし実態に、星宇宙は少し鈍い顔でそんな言葉を返す。
 FLHはと言えばそれを否定するでもなく、素直に謝罪の言葉を返し。合わせての事実にあってを改めて発する。
 それに星宇宙はとまどいつつも、「まぁいいけど……」と自分は納得している旨を返した。

「あの子たちについて、聞いてもいいか?」

 そこへ続け、質問を割り入れたのはヴォート。その向こうには女子二人で姦しく会話を盛り上げているモカとヨロズの姿。
 またイレギュラーであった、彼女等について尋ねるものだ。

「彼女等は、あなた方への手助けのつもりだった」
「もとより彼女等というキャラクターにあった、元世界の共通認識をベースとして、自我を宿らせた」
「あなた方が元の世界で選んだ子たちだ、あなた方の相棒とするに最適と見た」

 それについて、FLHが答えたのはそんな回答説明。

「つまりモカとヨロズちゃんは……」
「〝繰世 よろず〟と〝路宵郷 もか〟――それぞれの音声合成ソフトキャラクターを基とするが、同時に独立した一つの存在と見ていいのか?」

 それに星宇宙が察し。ヴォートがそれを詳細に言葉にしてFLHにまた尋ねる。

「肯定となる」

 それにFLHは、また端的な肯定で答えた。

「……ちなみに、俺が女の子の体で。ヴォートさんも女子の体になれるのはなんでなの?っていうかFLHさんも女の子の体だし……?」

 ヨロズとモカにあっても、そういうものと納得するしかなく。
 星宇宙はまた注目点を変え、自分等が女の体になる、あるいは性転換を可能とする身になる。今に在ってはFLHの彼女?自身の容姿にも関わる所を尋ねる。

「これにあっては、偶然であった」
「君等のゲーム側のMODの影響が、現実世界の君等を呼ぶ段階で、特異に作用したようだ」
「また、私のAIは男性基本であったのだが」
「いずれにあっても、不思議だ」

 そのそれぞれにあってはMODの影響もあってか、しかし偶然らしかった。
 そしてFLHは自身の十代前半程の少女の体をくるくる見渡し、そこにあっては本当に不思議そうな顔を見せる。
 そこには無自覚の可愛さが醸し出されていた。

「私の思考プログラムがとても活性化します。これは「萌え」と定義できます」

 そんな所へ歩み寄って来たのはラグラデオス。彼女は自身より小柄なFLHの身を抱き留め捕まえながら、またどこで学習したのかそんなワードで自身の感情を表現し。

「やはり回収し、私の元で保管したいと思ってしまいます……っ♡」

 そしてFLHの可愛らしい顔に自身の頬を寄せながら。何かAIらしから妖しい笑みを声色で零す。

「恐怖を覚える」
「処置と救助要請の必要を感じる」

 しかし一方のFLHは、その愛らしい顔をどこか渋くそして青くし。そんな事を訴えて見せた。
 それにあっては星宇宙とヴォートは、生暖かい眼で見守っていた。

「ともかく、これでこの世界と宇宙は。本来あるべき形に戻ったと考えていいのか?」

 そしてそれはそれとして。
 ヴォートはそう、大きく気になっていた一点を聞き尋ねる。

「肯定。これで、君等に要請した役割の全ては完遂された――」

 それに、ラグラデオスに抱き捕まえられ顔渋くしていたFLHからは。
しかしまたそんな肯定の回答が返された。


「――さておき。希望の星と生の祝福。唐突になるがすまない」

 抱き着いていたラグラデオスの腕を抜け出し、惜しむ様子のラグラデオスを背後に放っておき。
 FLHが居住まいを直して星宇宙とヴォートへと相対し、改まった様子でそんな言葉を紡いだのはその時であった。

「急ぎになってしまうが。これより君等二人には、〝元の世界〟へと帰還してもらう」

「え!」
「!」
「ふぇ!?」
「っ!?」

 そして明かされ訴えられたのは、そんな唐突な驚きの旨。
 それを聞き、星宇宙とヴォートは元より。流石にそれを聞き留めたモカやヨロズも振り向き声を上げた。

「え、今すぐ!?……いや、戻りたいのは山々だけど、唐突過ぎない……!?」

 そして流石に唐突のそれに。星宇宙は少なからずの動揺を見せ。ヴォートにあっても微かに目を剥いている。

「理解している、すまない――しかし」
「「修復」により、今度は君等自身がイレギュラーとなってしまった――」

 それに謝罪しつつ説明するFLH。
 この宇宙世界は星宇宙とヴォート等の手によって「修復」された事により、「正常」な形を取り戻した。
 そしてそれにより、今度は星宇宙等が本当にイレギュラーとして残ってしまった。
 世界の修復力が正常に働き出した今、今度は星宇宙等の身にその「修勢力」が行ってしまう可能性があり。
 言ってしまえば星宇宙等は今、「身の消滅の危険」に晒されている状態だという。

「だから誤解しないで欲しい。帰還は、君等を廃絶するなどと言った理由ではない」
「君等の身の安全・維持に必要な事だ」

 唐突なそれに詫びつつ。
 しかし選択の余地はないと言った様子で、訴える言葉を紡ぎ寄越すFLH。

「理解はできるが――私の大隊はどうするッ?この段階で抜ける訳には……ッ」
「俺もファースさんとかに、話もできてないんだけど……っ」

 それを理解はしつつも、それぞれの抱えるこちらの世界での事情立場他から。また困惑の声を零すそれぞれ。

《えぇぇ……!》
《突 然 の 帰 還》
《いやこら拉致だよ》

 そして星宇宙の手元のコメントウィンドウにも、視聴者の皆の驚きや。反射のツッコミの言葉が流れている。

「別れにあってはすまない。しかし立場にあっての必要な要項は、全て私が引き継ぎカバーする、そこにあっては問題ない」

 それにあっても詫びる言葉を紡ぐが。合わせてFLHの側でなんとかするらしき言葉が返る。

「って言っても、いきなりだよっ!?」
「んな、急に……!」

 しかしそれに、モカやヨロズからも突っ込みの声が飛ぶ。

「!、っていうか、モカは!?」
「そうだッ、ヨロズにあってはどうなるッ?」

 そしてそこで星宇宙とヴォートは、一番大事な相棒についての懸念に思い当たり発する。
 彼女等はこの世界でもイレギュラーだが、現実に実体を持つでもない真に架空の存在なのだ。

「大丈夫だ、それにあっては」
「〝君等の望む形〟で配慮する」

「――すでに世界の修復の開始を観測している」
「時間は無い」

 その一番に懸念事項にあっては、FLHはそう確かに確約する様相で回答。
 しかし次には急く様子を見せ、断ずる色でそう一言を寄越す。

「――あっ!」
「ッ!」
「ふぁ!」
「っ!」

 そして瞬間。
 星宇宙、ヴォート、モカ、ヨロズの四人の身体を。
 ゲームのウィンドウスクリーンの発光と同系統の、眩い光が演出を伴う形で纏い包む。

「突然となってしまいすまない」
「〝また後程、コンタクトを取る〟」

「無事の、帰還を――」

 そして際に、ほとんど一方的なものとなってしまった謝罪と伝える言葉をFLH寄越し。
 最後にFLHが寄越したのは、願い祈る意の一言。

 それを聞いた直後。
 一層強い発光のベールが皆を包み。


 そして、星宇宙の意識は暗転するように消え落ちた――
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