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チャプター10:「Intrigue&Irregular」

10-1:「戦闘後。邦人の行方と状況」

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 村の外での傭兵側からの襲撃を皮切りに始まり、苛烈さを見せた草風の村での戦闘は、納屋の一帯での攻防を最後に収まりを見せ始めた。
 合流した偵察捜索隊と呼応展開小隊は、村の中心部より少し外れた所にある、比較的損傷の軽微であった家屋とその周辺を避難区画と定めた。そしてそこを拠点として負傷者や村人達を収容、周辺の防護態勢を構築し、救護等各種活動を開始。
 さらに、集落の被害規模から偵察捜索隊と小隊だけでの対応は困難と判断され、さらなる増援、支援の要請が、月詠湖の国のスティルエイト・フォートスティートの宿営地へと発された。
 ――それから数時間が経過し、時刻が日にちを跨いだ頃に、増援部隊の車輛群が到着。
 それに伴い、草風の村では本格的な救護活動が開始された。



 避難区画とされた一帯の一角には病院天幕が設置されている。
 その内部には並んだ簡易ベッドにそれぞれ負傷者が寝かされ、そしてその間を、招集された衛生隊員等が急かしく動き回っていた。

「3番寝台の患者、血液検査終わったか?」

 その中で尋ねる声を発し上げる一人の衛生隊員の姿。
 一般入隊の身でありながら医師免許を持つ変わり者の隊員――峰だ。
 これまでその身分立場の貴重性から、五森の公国の分屯地で軟禁にも似た待機を命ぜられていた彼。しかしそんな彼も、隊の主たる活動の地が月詠湖の国側へ移ると予想された上で、つい昨日フォートスティートの宿営地へと移動して来ていた。
 そして今回の一件で息つく間もなく増援部隊の一員、そして貴重な医官代理としてこの草風の村に呼び寄せられ、負傷者の救護、治療処置等の活動の主導を取り、それ等に当たっていた。

「終わってます。今輸血準備中です」

 峰の呼び掛ける声に返したのは出蔵だ。

「峰、こっち――5番の消毒処理は終わったぞ」

 さらに衛生隊員、着郷が峰を呼ぶ姿がある。
 二人も峰同様、呼び寄せられ駆け付け、各種活動に追われている身であった。

「よし、縫合にかかる。君は次の患者の事前処置を」
「了解」
「出蔵。5番の追加の輸血パックも頼む――A型だ、間違えるなよ」
「A型了解」

 一つの処置や作業が終わればまた、すぐさま飛びつく様に衛生隊員等は次の手順に掛かって行く。

「――次、また一名搬送来るぞ」

 そこへ天幕内に陸曹が飛び込んで来て、声を発し上げる。新たな負傷者が運び込まれて来る報告だ。

「了解、10番寝台へ願います。着郷」
「10番、用意しとく」

 病院天幕内は展開以来この状況が続き、まさに修羅場といった様相を呈していた。



 病院天幕内で衛生隊員等が治療処置に追われている一方。外部――避難区画と定められた一帯も、喧騒に包まれていた。各種作業のために隊員が行き交い、そして車輛が出入りを繰り返している。
 その避難区画の一角に、指揮所として設営された業務用天幕があり、その中には数名の隊員の姿がある。
 その中心にいるのは長沼。増援部隊に同伴し草風の村へと到着した長沼は、穏原より引継ぎ先任者となり、この場の指導指揮を取っていた。そして今は神妙な面持ちで、傍に立つ隊員の報告の言葉を聞いている。

「――村の人口は60名程だそうですが、発見保護できたのは40名程。内12名が重症者です」

 隊員は手にしたメモ帳に視線を落とし、その内容――村人達の安否状況を長沼に伝えてゆく。

「犠牲者は?」
「今の所、住民の物と思しき遺体を10名分、回収しています。状況を鑑みるに、まだ増えると思われます」
「そうか……」

 痛ましい報告の内容に、長沼はその顔を険しくする。

「敵性勢力との接触は?」
「4度程、少数の敵との交戦報告がありましたが、一時間前に上がった報告が最後になります。それと、数名の生存者を確保拘束しています」

 長沼に告げられる各種報告。
 集結合流した隊は、その上で集落内の残敵の索敵掃討、及び生存者の発見保護のために、複数の分隊及び組を編成し、集落の各方へと発していた。
 内、残敵の索敵掃討に関しては、先の納屋での戦闘以降は大規模な戦闘は起こっておらず、傭兵残党との小競り合いのみが数軒発生したのみ。そしてそれも一時間前の報告を最後に鳴りを潜め、その事から集落の制圧安全化はほぼ成されたと見えた。
 一方、捜索の上での村人の生存者の発見はごく稀で、見つかり搬送されて来るのはほとんどがすでに息絶えた村人の体。
 身内、近しい人の変わり果てた姿に、生き残った村人達は哀しみ泣き崩れ、その光景が隊員等の心内を苦い物にしていた。

「……邦人の確認はできたのか?」

 心苦しい光景を思い返しながらも、長沼は次の言葉を隊員に発し尋ねる。
 肝心の隊の目的である、邦人の所在安否についてだ。

「現在の所、それらしき人物は確認されていません」

 隊員の口からは邦人の所在安否は確認されていない旨の言葉が返される。
 それを聞いた長沼は、邦人の発見保護に至れなかった事にうなだれるべきか、あるいは犠牲者の中に邦人の姿が無かった事を安堵するべきか、複雑な心境を浮かべていた。

「失礼します。長沼二曹、よろしいですか」

 そこへ天幕の出入り口を一人の隊員が潜り踏み入って来て、長沼に声が掛けられる。
 入って来た隊員は威末であった。

「大丈夫だ。どうした」
「村の村長さんの処置が終わったそうです。容態も少し回復し、いくらかは話ができるそうです」
「了解。行こう」

 威末の報告を受けた長沼は、その場を他の立ち会っていた陸曹に任せ、天幕を発った。



 先の負傷者の治療処置のために展開された病院天幕の横には、隣接して処置の終わった負傷者達を収容しておくための大型天幕が併設されていた。
 長沼は主要な陸曹に声を掛けて伴い、その収容用天幕を訪れ、入り口を潜る。
 内部には簡易ベッドが等間隔で並び、それ等には村長セノイを始め、治療処置の終わった村人達が寝かされていた。そして負傷者達の傍にはそれぞれ、身内や知り合いらしき者達の付き添う姿も見て取れる。

「失礼。通ります」

 長沼等はそんな村人達の合間を縫って通り、奥側に寝かされる村長セノイの元へと辿り着く。セノイは長沼等の到着を待っていたのか、簡易ベッドの上で半身を起こして、会釈をし長沼等を迎える様子を見せた。

「村長さん、ウチの上長を連れて来ました。この人と話をしてください」

 そのセノイに、まず面識のある威末がその横に立ち、声を掛け告げる。そして威末は横に立っていた長沼と場所を変わる。

「はじめまして。私はこの場の指揮官を代行しています、長沼と申します」
「こちらこそ。私はこの草風の村で村長をやらせてもらっている、セノイです」

 紹介長沼は威末と変わりその場に立ち、セノイと対面。まず自身の姓と身分を名乗った。それに対してセノイも己の身分と名を名乗る。

「経緯はお伺いしてます。お体の方は、大丈夫ですか?」

 続け長沼はセノイに向けて、容態を尋ねる言葉を投げかける。

「えぇ、正直まだ傷は痛むが……しかし、少しだけホッとしています」

 それに対してセノイは、まだ少し衰弱の見られる言葉で、しかし笑みを浮かべて返して見せた。

「お怪我を負われている身の所へ申し訳ありません。少しでもいいので、お話をさせていただけないかと思いまして」
「構いません、私からも望んだ事です。あなた方とは、お話をしたいと思っていた」

 一命は取り留めたとはいえ、傷は浅くなく衰弱の見られるセノイに、長沼は謝罪の言葉を述べ、それから対話を要望する旨を告げる。それに対してセノイは自身も対話を望む姿勢である事を返した。

「ありがとうございます。――さて、ではどこから話すべきか……」
「ならまずは、あなた達について教えて欲しいのだけれど」

 何を最初に話すべきか考えようとした長沼の元へ、端から声が飛び掛けられた。長沼始め各員が視線を声の方向へ向ければ、そこには村人の女、ゼリクスの姿があった。
 天幕内の端にある簡易ベッドの傍に立つ彼女。簡易ベッドには村人の男性ケルケの寝かされた姿もあり、ゼリクスがケルケに付き添っていた様子が伺える。
 そのゼリクスのキリっと釣り上がった目が、今は長沼等へと向けられていた。

「ゼリクス」

 ゼリクスから長沼等に向けて発せられた要求の言葉は、少し不躾さを感じさせる物であり、セノイは彼女のそれに対して、少し咎めるように言葉を送る。

「あぁ、その辺りの説明はまだだったのか?」

 対する長沼はさして気にした様子は見せず、そして傍にいた威末に尋ねるように言葉を発する。

「えぇ。名乗る事はしたんですが、切羽詰まってましたから、詳しい説明は後回しになってました」

 それに威末は、先の戦闘時の状況を思い返しながら、説明の言葉を告げる。

「成程。それではまず、私達の事をご説明しなければなりませんね」

 それを聞き、長沼は最初に自分等の身分正体の説明の必要がある事を理解し、言葉にする。

「私達は日本国隊。日本という国の、有事組織です」

 そして長沼はセノイ始め村人達に向けて、改めて自分等の組織名を名乗って見せた。

「ニホン……の部隊……。さっきもそう言っていたわね」

 長沼の改めての名乗りを聞いたゼリクスは、その名称を反芻。先に地下空間で威末が名乗った名称を思い返しながら呟く。

「傭兵――いや、ここまでの規模な所を見ると、どこかの軍隊なのか?」

 それに続け、声が上がる。ゼリクスに付き添われ簡易ベッドに横たわっていたケルケが、半身を起こす様子を見せ、そして尋ねる声を投げかけて来た。

「厳密には私達は軍を名乗ってはいないのですが――説明が難しいのですが、それに類する組織と考えて頂ければと思います」

 村人達からの投げかけに対して、そう説明して求める長沼。
 その何か特異さ、及び漠然とした物を感じさせる説明に、セノイ始め村人達は少し疑問を感じるような表情を見せる。
 長沼はその反応も無理は無いと考えたが、しかし日本及び日本国隊の抱える、特異で複雑な事情を今、事細かく説明する事はさすがに憚られた。

「とにかく、軍隊のような物なんだな……?でも、ニホンなんて国は聞いた事が無いな……」

 幸い村人達はそこに少しの異質さを抱きつつも、深く追求する事はせずに、受け入れてくれたようであった。そして村人達の中からケルケが、次の疑問の言葉を発する。

「それも無理はありません。私達の国は、遠く離れた所にあるものですから」

 対して長沼はそう説明する。必要以上の混乱を招かないため、あえて日本が別世界に存在する国である事の説明は、この場では控える事とした。
 一連の説明は少し漠然とした物であったが、村人達はとりあえずそれを受け入れる様子を見せた。

「――それで、そのニホンって国の軍隊が、どうしてこの村に?何が目的?」

 そしてその上で、ゼリクスが次の疑問を投げかけて来た。その彼女の眼には、まだ若干の警戒の色が見て取れる。

「そう警戒しないで――まぁ、無理も無いかもしれないが」

 そんなゼリクスを見止め、威末は宥め求める言葉を投げかける。

「私達は人の――国民の捜索の最中なんです――」

 長沼は村人達に、邦人――自分等の国の国民が、この紅の国に迷い込んでいるらしき情報を得ている事。状況から、その邦人を発見保護する必要性があると判断し、そのためにこの紅の国へと入り、各町や村を巡り捜索活動を行っている事を説明。
 そしてその途中で偵察捜索隊がこの村に、そして襲撃の現場に遭遇。邦人が村に存在する可能性、そして村そのものへの救援。各観点から介入に必要性を見止め、そして介入し現在に至る事を告げて見せた。

「成程、そういう事でしたか」

 長沼の説明に、セノイはこの場に日本国隊が居る理由について、納得した様子を見せる。

「その上でお尋ねしたいのですが、皆さんは次の人物に心当たりはありませんか?」

 そのセノイ達村人に向けて長沼は発しながら、手元に用意していたメモ帳に視線を落とす。そしてそこに記された、チナーチよりもたらされた邦人――水戸美の名前、及び外見的特徴。そしてその邦人が勇者一行に身を寄せているらしい事などを、村人達に伝えた。

「ミトミ……黒髪で背が高めの女の子。それに勇者一行……」
「間違いなく、あの子だな」

 その邦人の特徴を聞いた村人達の中から、二つの声が上がる。声の元は、天幕内の中程でそれぞれ簡易ベッドに座り、あるいは横たわる二人の男女。傭兵達に囲われて窮地に陥っていた所を、偵察捜索隊に救われた、ネイとネウフの二人だ。
 勇者ファニール達のナイトウルフ討伐の際に、水戸美の危機の訴えを受けて、その元に駆け付けた身である二人。その二人は長沼からその尋ね人の詳細や勇者の名を聞き、すぐにそれが水戸美やファニール達を示す物である事に察しを付けた。

「ご存じで?」
「はい。おそらく彼女達の事でしょう――」

 長沼の尋ねる声。それに対してネイ達同様に、その探し人が水戸美達であると気付いたセノイ。そしてセノイ達村人は説明を始める。
 まず彼等は、村が数日前にはナイトウルフの騒動に見舞われていた事を軽く説明。その最中に、魅光の王国の勇者ファニール達が数日前にこの村を訪問、そしてナイトウルフの討伐を買って出、成し遂げて見せた事。その中には珍しい道具を使い一役買った、不思議な女の存在もあった事。そしてそれが、長沼が述べた名前、特徴がそれと合致する事を述べて見せた。

「当たりだ」

 セノイ達村人の説明を聞き、長沼の横で威末が呟く。

「その方たちは、今もこの村に?」
「いえ。ナイトウルフ討伐を成し遂げたその日には、村を発たれました」
「そうですか……」

 邦人がすでに村を発ち、追いつき保護する事が叶わなかった事に、少し落胆の色を見せる長沼。しかし今回の集落襲撃に巻き込まれたという、最悪の事態は避けられた事に、同時に安堵した。

「ちなみに、その人達がここからどういう行路を辿るか等は、分かりますか?」
「えぇ、聞いております。確か、露草の町と凪美の町を経由して、隣国の笑癒の公国に向かうと」

 続けて、その邦人達一行の行く先を尋ねる長沼。セノイはそれに応え、この地域に存在するのであろう、各町や国の名を上げて見せる。

「地図は?」
「あります」

 長沼は背後に立つ隊員等に尋ねる。それに一人の陸曹が答え、この世界で調達された地図を取り出して広げ、長沼に見せる。

「露草――凪美――」

 広げ差し出された地図に視線を落とし、聞いた町の名を口に出しつつ、その名を地図の中に探す。そしてそれぞれの町の名と位置を見つけ、長沼は地図上に指先を走らせて、それらを結ぶ。

「予測と同じだな――その彼女達は、今どのあたりか予想は付きますか?」

 邦人達のその行路は、隊が予測した物と同じであった。その事を呟き、そして長沼は再びセノイ達に尋ねる。

「そうですな。彼女達は歩きの旅のようでしたから……今は露草の町と、凪美の町の間当たりでしょう」

 長沼の質問に、セノイは推測の言葉を上げる。

「この二つの町の間か」
「追いつけそうですかね?」
「先回りすればいい。この、凪美の町の先で網を張ろう」

 陸曹が疑問の声を上げ、長沼は地図に視線を落としながら答える。
 邦人の現在位置、辿ると思われる行路が判明し、それを元に長沼等は、邦人を回収するための算段を交わす。

「――接触できそうだな」

 邦人の所在が判明し、接触への光明が見えた事から、長沼は言葉と共に小さく息を吐いた。



「セノイさん、皆さん。ありがとうございます。――そして、申し訳ないのですがもう一点、お伺いしてもよろしいでしょうか」

 地図から視線を上げて、周りセノイ始め村人達に向けて礼を言う長沼。しかし長沼は、そこから続けてセノイ達に、さらなる質問の許可を求めた。

「えぇ、構いません」

 対して了承の言葉を返すセノイ。そのセノイの表情は、そこから少し険しく神妙な物と変わる。

「村を襲った傭兵共の正体。そして、村が襲われた理由ですな――?」

 そしてセノイは、先んじて長沼の質問に察しを付け、発して見せた。

「この国の政府――商議会が魔王軍と繋がっている。商議会の雇った傭兵が、口封じに差し向けられた。――そっちの兄さんの口からは、そんな事を聞いた」

 それに対して、長沼の横に立つ威末が、天幕の端に視線を向けながら発した。
 天幕端の簡易ベッドには、偵察捜索隊が最初に保護した村人――未だ目覚めぬイノリアの寝かされる姿があった。
 威末はイノリアのその姿を見ながら、彼が保護した時に訴えていた事を、思い返し口にする。

「差し支えなければ、詳しくお聞かせ願えますか?」

 そして長沼は要望の言葉をセノイに向ける。

「えぇ。どこから話しましょうか……あなた方は、この国が良くない内情にあることは、御存じですかな?」

 セノイは長沼の要望を承諾。少し考えた後に、まず長沼等に向けて質問を投げかける。

「はい。漠然とではありますが、聞き及んでいます――」

 隊は、事前の情報収集でこの紅の国が安定しているとは言えない内情にある事。さらには月詠湖の国で遭遇した野盗に関わる各種案件から、この国が野盗行為や人身売買に関与している疑いがある事を掴んでいた。長沼はそれ等の事を思い返して、セノイに告げる。

「その通りです。加えて商議会――この国の政府は昨今怪しい動きを見せ、さらには国内でも妙な失踪が相次いでいます――私はそれらについて探るため、この国の中央府――紅風の街の商議会にて、かつての部下に調査を託しました」
「かつての部下?」

 説明が始まり早速の所で、長沼が気になるワードを聞き留め、疑問の声を上げる。

「村長の、商議会議員時代の部下さ」

 そこへ、天幕端の簡易ベッドのケルケから説明の言葉が飛ぶ。
 話によれば村長セノイは、数年前までは国の政府組織、商議会の議員であり、そこで派閥の一つを率いる立場にいたとの事であった。

「ほう、村長さんはこの国の政府の要人だったのか」
「今は隠居したただの老いぼれさ。歳には敵わん……」

 なされた説明に威末は感心する言葉を上げたが、対するセノイ自身は、どこか自嘲気味に言葉を零した。

「続けましょう――その部下から、ひと月ほど前に便りが届きました。その時の便りに記されていたのが、魔王軍関係者らしき者を確認したとの報でした」
「魔王軍の、関係者ですか?」

 長沼は聞き留めたワードを復唱する。

「えぇ、便りの記載によれば、どうにも獣人――それも種の定かではない者だったとの事。さらに部下は、何か異質な物を感じたとの事でした」
「――魔王軍の基幹の者かも」

 セノイの詳細を説明する言葉が一区切りした所で、天幕の端から、静かな声色で紡がれた言葉が聞こえ来る。村の女、ゼリクスの物だ。

「基幹?」

 紡がれたゼリクスの言葉に、威末が振り向き疑問の一言を発する。

「魔王軍の主力や中核を成す、幹部や将に類する魔族や魔物達は、皆強大な力や魔力、能力を有すると聞くわ。ユレン――その部下の子は、それを感じ取ったのかも……」

 疑問の言葉に対して、ゼリクスは変わらぬ静かな声で紡ぎ、説明して見せた。
 それを聞き届けた後に、セノイは言葉を再開する。
 そのセノイの部下は、それ等の事から不審を抱き、その魔王軍関係者の疑いがある者の近辺を調査。結果は当たり――その者は魔王軍から送り込まれた者である事という事実が、追報によりセノイ達の元へもたらされた。
 さらに、その魔王軍の者は、この地翼の大陸への侵攻に先だった下調べ、並びに内部からの工作活動のためにこの地に訪れている事。
 そして、商議会はその魔王軍の者に活動の場を提供し、それ等の活動に協力しているとの事実も届けられたという。

「それに伴って、不審な失踪を始め各件も、商議会が関与している事が判明したわ」

 そこでゼリクスが説明を引き継ぎ、静かにしかし険しい顔で発する。
 隊も遭遇した各地で活動する野盗被害は、商議会が支援する、この大陸に対する破壊工作活動の一環である事。不審な失踪は、商議会の活動を知った者や、商議会の活動の上で存在しては都合の悪い者が、口封じや始末に遭ったものであるとの事だ。

「真っ黒だな。そして政府が主犯で裏には魔王軍とは、また大きな話だ」

 そこまでの説明を聞き、威末は驚きというよりも呆れに近い口調で発して見せた。

「魔王軍は各地で快進撃を続け、こちらの旗色は良くない」
「商議会は、今から魔王軍側に媚びを売り協力し、この大陸が陥ちた後の立場を保障してもらうつもりなのよ――全ての企みはそのため」

 そこでケルケが、続けゼリクスがそれぞれ忌々し気な口調で、商議会が魔王軍に協力する理由を述べて見せる。

「人類側の連合体を見限り、魔王の軍勢に与する国が少なからず現れているというお話は、私達も聞いています」

 以前に、自由や河義等が勇者のハシアから聞き及んだ、この世界の人類側が抱える問題に関する話は、隊員等にも報告周知されていた。ケルケ達が発された言葉から、長沼はその事を思い返して口にする。

「えぇ。しかし我が国がそのような状況になろうとは……議会に身を置いていた立場としては、お恥ずかしい話です……」
「村長がそのように苛まれる必要はありません!臆病風に吹かれ、醜態を晒しているのは今の商議会の奴等だ!」
「村長が現役であったならば、まず国の中枢に、魔王軍の手の者など、立ち入らせる事すら許さなかったはずです」

 村長の己を恥じる言葉に、しかしケルケやゼリクスは庇う声を上げた。

「すまないな……ともかく、そういった国があるのも事実ですが、しかし多くの国々は魔王軍の脅威に懸命に抵抗しています。それを裏切り寝返る行為は、許される者ではありません。私は部下にさらなる調査を命じました。しかし……」

 セノイはそこで声のトーンを再び落す。聞くに半月程前を最後に、その部下との音信は途絶。さらに時を同じくして、先に話されたナイトウルフの被害が巻き起こり出したと言う。それにより、それ以上の商議会に対する調査は頓挫。どころか、普段の生業にも影響が出始め、さらには村は孤立し始めた。
 周辺の町に駐留する警備隊に出した対応要請は、漠然とした理由で突っぱねられ、その事からセノイ達は、警備隊にも商議会の息が掛かっている事。そしてナイトウルフの活性化が、商議会からの工作である事を察した。
 しかしそこへ偶然にも現れたのが、邦人――水戸美とファニール達勇者一行であったという。彼女等の手に寄りナイトウルフの脅威は取り除かれた。
 そしてそれを同じくして、セノイ達は自分達のみでの活動の限界を判断。まだ集められた証拠や情報は不完全ではあったが、それを国外へと持ち出し知らせる事を決めた。

「しかしそのタイミングで、口封じのための襲撃が来てしまったって事か――しかし、村ごと葬り去ろうとするとは、また乱暴だな」

 そこまでを聞き、そして威末はそこから先、自分等も遭遇した事態を思い浮かべて発する。そして商議会側の取った大胆で乱暴な行為に、感心しないといった風な言葉を零した。

「彼奴等は、すでにそれくらいは隠蔽できるまでの、準備や手回しを成しているのでしょう。……私の対応は、遅すぎた……」

 セノイは発し、そして手を討つ事が後手に回ってしまった現実に、悔いる言葉を零した。

「痛ましい事になってしまったが、まだ終わってしまったわけではないです。長沼二曹――」

 そのセノイに威末はフォローの言葉を入れ、そして長沼に振り向く。

「あぁ――村長さん。その一連の案件は、私達の方から月詠湖の国に持ち込み、伝えましょう」
「この件が明るみに出て、周辺の国々が動き介入すれば、事態の解決が望めますかね」

 長沼はセノイに向けて、伝達を肩代わりする旨を伝える。そして威末は、それにより一連の事態の解決される事を期待する言葉を発する。

「えぇ……であればいいのですが……」

 しかし長沼言葉に、対するセノイは歯切れの悪い言葉を零す。

「そう簡単には、いかないかもしれないのよ――」

 そして背後から、ゼリクスの声が聞こえ来た。

「どういうことだ?」

 その言葉に、威末は疑問の声を上げる。

「皆さんは、この紅の国の成り立ちや立ち位置というのは、御存じですかな?」

 威末の疑問の声に、しかしセノイはそんな質問の言葉で返す。

「?――えぇ、大まかには。確か、周辺国家の緩衝地となるべく、独立した国であると」

 長沼はその質問に肯定し、事前の情報として得ていた、この国の背景事情を口にする。
 それを聞いたセノイは、そこから続けて長沼等に説明の言葉を紡ぐ。
 セノイの言葉によれば、この紅の国、そして国境を接する三大国の間では、紅の国の緩衝地帯としての機能を保つための、条約が定められているとの事であった。
 そしてその中に、紅の国政府――商議会からの正式な、そして必要と見止められる事由無い限り、周辺各国は紅の国への軍の派遣、及び進駐を一切禁止するとの事項があるとの事だ。

「そんな事を言っても――その政府が魔王軍を誘致し、この地を危機に晒しているんでしょう?村もその一環でこうして被害に遭っている。最早条約に囚われている場合じゃないのでは?」

 なされた説明に、しかし威末がそれを疑問視し、訴える言葉を上げる。

「そうなんだけど――」

 そこへケルケから、歯がゆそうな声が零される。
 政府商議会と魔王軍を関係づける情報は、今の所その調査に赴いたセノイの部下からの便りによる物のみ。ナイトウルフ騒ぎや今回の村への襲撃も、偶発的な野生生物被害や、あくまで紅の国内部に限る事件と判断される可能性もあり、その裏の魔王軍の存在、関係と結びつけるには弱い物であるらしい。
 そして明確な証拠の無いまま――例えば月詠湖の国が紅の国に介入した場合、それは条約に反した不当な介入と、周辺各国に判断される可能性があるという。
 最悪、他の二大国や周辺各国はそれに武力対応で応じ、軍事衝突の可能性もあるとの事であった。

「間違えば最悪、魔王軍の前に、大陸内の国同士で戦争が始まってしまう」

 苦々しい口調で続け発するケルケ。
 現在、どの国も対魔王戦線への出兵でただでさえ体制に不安を抱えている。そんな中で戦争内乱のリスクがある行動には、どの国も躊躇いを見せるであろうとの事であった。

「ま。魔王軍側からしてみれば、そうやってこの大陸内が混乱に陥るのも、歓迎的なことなんでしょうけど」

 さらにケルケの説明に補足するように、ゼリクスが静かにそしてどこか冷めた様子で呟いた。

「気持ち悪い話だな」
「その魔王軍にとって、複雑な事情のこの国、この地は、内部工作の絶好の隠れ蓑という事ですか」

 成された説明に、威末は言葉通り気持ち悪そうに言葉を零し、長沼は感心と呆れの混じった言葉を紡ぐ。

「どうにか、他国の介入、保護を実現する術はない物ですかね?」
「難しいわ……。さらなる、確固たる証拠を掴めれば、各国の対応を招けるかもしれない。でも、今の私達にはそんな力は無い。それに何より――」

 続け尋ねた長沼の言葉に、ゼリクスの説明の言葉が紡がれる。

「――……時間が……無い……」

 そこへゼリクスの言葉に割り入り引き継ぐように、天幕内に、これまでしなかった掠れるような声が割り入り上がった。
 長沼等隊員、そして村人達は一斉に声の方向、天幕の一角へ視線を向ける。
 そこにあった簡易ベッドの上。そこに、それまで眠っていた村人イノリアの、目を覚まして状態を起こそうとしている姿があった。

「イノリア!」
「イノリア!気付いたんだ……!」

 その姿に、村人の男女、ネウフとネイがそれぞれ声を上げる。そして比較的軽傷であるネイは、自身の座っていた簡易ベッドを飛び降り、イノリアの傍に駆け寄る。

「時々意識は戻ってた……朦朧としてて、何もできなかったけどな……」

 言いながら、イノリアは上体を起こして天幕内を見渡す。

「誰が……やられた……?」
「……まだ分かってない……子供たちは無事だったけど、戦いに出た皆は、多くがやられて、まだ見つかってない人もいる……」
「ッ、そんな……」

 イノリアの尋ねる言葉に対して、ネイは悲観の表情を作って発し伝える。そしてそれを聞いたイノリアの表情は、ショックで強張り、青くなる。

「糞……畜生ッ!」

 しかしそのショックはやがて怒りへと変わり、彼は拳を握り、それを簡易ベッドに叩き付けた。

「お兄さん、落ち着いて。傷が開く」

 威末は、手負いのイノリアのそんな姿行為を見止め懸念し、イノリアの簡易ベッドの傍へと周り、彼を宥める。

「まだ横になってた方がいいよ」

 そして寄り添っていたネイが同様に宥め、イノリアの体を抑えて促し、彼を再び簡易ベッドへ横たわらせた。

「すまない……だが、いつまでもこうしてはいられない。奴等はまた来るぞ……」

 イノリアは簡易ベッドへ体を預けながらも、言葉を発する。
 今回の、商議会に雇われた傭兵による、この草風の村への口封じのための襲撃は、隊の介入により不完全に――言い切れば失敗に終わった。
 しかし商議会がこれで手を引く事等考えられず、すぐにでもまた、次の手勢による襲撃が村へ差し向けられるであろう事を、イノリアは訴えた。

「分かってる……奴等がこのまま、放っておいてくれるわけは無い……」
「でも、それこそどうするの?ただでさえ申し訳程度の戦力の小さな村。その上多くが犠牲になって、生き残った皆も深手を負ってるわ。……もう到底守れる状態じゃない……」

 イノリアのその言葉に、ネイは顔を暗くして承知している言葉を零す。
 そしてゼリクスが、村の現状を訴える。
 村の置かれた現実、状況の困難さが突き付けられ、村人達の表情は一様に暗く、険しくなる。

「……奴らめ……!」

 先に村人達を説いて見せたセノイも、現実を前に同様の様子を見せる。そしてついにはその顔に剣幕を見せ、事の元凶たる商議会と魔王軍に向けた、悪態の言葉を吐いた。

「再度の襲撃か――防護、迎撃態勢を整える必要があるな」
「偵察行動も必要でしょう」

 そんな村人達の一方、長沼や立ち会っていた各陸曹等は、相談の言葉を交わし合っている。

「――皆さんありがとうございます、状況は分かりました。私達の方で、対応を取らせていただきたいと思います」

 そして長沼は、セノイに向き直り、そして天幕内の皆に向けて言葉を発した。
「――……はい?」

 しかし、長沼のその言葉の示す所がすぐには呑み込めなかったのか、セノイは若干目を見開き、疑問の言葉を零す。

「あぁ。もしかしたら、少しご迷惑をお掛けしてしまうかもしれませんが――」

 そのセノイの言葉を懸念の色と取った長沼。
 それに対して長沼は、村への展開及び防護態勢構築の上で、少し迷惑や不自由を掛けてしまうかもしれないが、村を守るために承諾をもらいたい事。そして、その上で可能な限りの配慮に努める事を説明した。

「そんな、迷惑など……!いえ、そうではないのです……!」

 長沼のそこまでの説明に、そこでようやく理解の及んだセノイは、自身が長沼に誤解を与えている事に気付き、慌て返す。

「……君達、どうしてそこまでしてくれるんだ?」

 そしてセノイの言葉を引き継ぐように、ケルケが尋ねる声を上げた。

「君達の目的である、その国民の彼女の居所は掴めたんだろう?もう、この村に関わる必要はないはず……」

 続け、疑念の声を上げるケルケ。

「必要も何も――こんな状況に出くわして、放っておけるとでも?」

 それに対して、威末が逆に問う声を返す。

「この村は孤立し、周辺からの応援保護が望めず、その上で今も脅威に晒されている――知り得た以上、放っておくことはできません」

 続け、長沼が言葉を紡ぐ。

「善意だって言うの?――少し人助けをするのとは、話が違うのよ?」

 今度はゼリクスから、警告にも似た色の言葉が飛ぶ。

「もちろん、心得ています」

 対する長沼は端的に返す。

「加えて言えば、その政府と魔王勢力の繋がり、企みは、私達にとっても脅威と成り得るからです」

 しかし消えぬ村人達の訝しむ顔色。
 それを見止めた長沼は村人達に、自分達が月詠湖の一地域で長期に渡る見積もりの展開を行っている事。その上で、この紅の国を起点に行われている各国地域に対する各種工作、及び将来的に予想される魔王軍の進出は、自分達にとっても脅威と成り得ること。
 それ等脅威に対する予防措置として介入の必要性を見止め、村の保護もその一環であるという、利害的な面を説明して見せた。
 その説明に対して、村人達は半分は納得した様子を見せたが、しかしまだどこか釈然としない色を見せている。

「――何より、それが私達組織の役割だからです」
「役割?」
「はい。救うべくはできる限りを、取れるあらゆる手段を用いて救う。戦闘はもちろん、それに限らずの救護、保護、支援を。――それが私達、日本国隊の任務であり、使命なのです」

 そんな村人達に、長沼は最後に、毅然とした口調でそう述べて見せた。

「使命――」
「……何か、軍隊としては変わってるわね」

 長沼の言葉に、感心、あるいは特異なものを見る視線を向ける。
 おそらく戦争以外の軍事作戦という概念が、まだこの地では活発でないのであろう事か発せられたと思しき彼等の言葉。

「そうかもしれません」

 しかし日本国隊が、軍に類する組織として少し異質な面を持つこともまた事実であり、長沼はその事をから、村人達に対して肯定の一言を返した。

「唐突に現れた私達を、すぐに信用いただく事は、難しいかと思いますが」
「いえ、とんでもありません!願っても無い事です……!」

 それから長沼の発した言葉に、セノイは慌て返す。しかしその顔には未だ、戸惑う様子が浮かんでいる。

「少し、色々起こり過ぎだわ……整理させて……」
「目まぐるしい夜だな……」

 そして村人のゼリクスやケルケから、そんな言葉が零され聞こえて来る。
 見れば、村人達の顔には困惑と共に、疲労の色が浮かんでいた。

「本日の話は、ここまでにしましょう。皆さん、ご無理をさせて申し訳ありませんでした。よくお休みください」

 村人達のその様子を見止めた長沼は、話し合いをそこで終わりとする一言を発する。
 その言葉でその場はお開きとなった。
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