28 / 57
チャプター2:「凄惨と衝撃」
2-18:「残酷の宴と断罪の鉄声」※
しおりを挟む
愛平の町の一角にある、ある一軒の家屋。そこは町に住まうある若い夫婦が暮らす家であった。
夫は町の騎士団の将来を期待された騎士、それを支える美しい若妻。羨まれる理想の夫婦であった。
しかしそんな夫婦にも、侵略の魔の手は伸びた。
町の陥落と共に、若い夫婦も魔物達の軍門に降り、虜囚の身となった。
そして夫婦は、魔物達の慰み物。甚振り楽しむための玩具として、魔物達のまえに差し出された。
夫婦は魔物に捕らわれ囲われる中でも、互いの愛を確かめ合い誓い合った。しかし……
「あぁっ……オーク様、オーク様ぁっ」
夫婦の住まい。その夫婦の営みの場であった寝室で、嬌声でオークの名の呼びながら、体を激しく動かす妻の姿がある。
そしてそれを囲い犯すは、町の支配者となったオーク達。オーク達は下卑た笑みで、ご自慢のモノを妻に突き込み突きつけている。
「ェぁ……ぁ……」
そんな光景から反れ、寝室の隅。そこには触手獣に拘束され締め上げられ、白目を剥き涎を垂らす騎士の夫の体があった。虫の息の様子で、しかし微かに残る意識で。夫は愛する妻が犯され、そしてオークに媚びる姿を見せつけられている。
そして寝室の各所には、ニヤニヤと下卑た笑みでその光景を眺め。それを肴に酒などを嗜むオーク達の姿が在った。
この残酷な光景は、魔物達の催しであった。
町を侵略する際に、騎士団の抵抗により魔物達もいくらかの被害を出していた。
今この場で行われているのは、その腹癒せ。そして晴れて町の支配者となった魔物達が、その支配欲、加虐心を満たすための出し物だった。
その犠牲として夫婦は引き出され、そしてこの残酷な舞台の玩具と成り果てたのであった。
「あぁっ、凄いぃっ……孕むぅ、オーク様の子を孕みますぅ……!」
誓い合ったはずの愛は、最早欠片も残っておらず。
妻は虫の息の夫には見向きもせずに、己を犯すオークに媚びる言葉を上げながら、腰をくねらせている。
その夫婦にとっては絶望だが。魔物達にとっては愉快でたまらない光景に、オーク達は下品に笑い、その娯楽を堪能していた。
が――その残酷な催しは、唐突なお開きを迎えた――突然の暴力と死によって。
「――ァぴぇッ」
媚びる嬌声を上げていた妻から、転じておかしな悲鳴のような一声が上がったのはその瞬間。
「――ハ?」
「エ?」
同時に、妻を囲い犯していた数体のオーク達は、素っ頓狂な声を上げる。オーク達がその一瞬で感じたのは、複数の何かが飛び抜けるような感覚。
いや、それは大事では無かった。
彼等にとっての問題は、目の前に見える物。
犯し楽しんでいたはずの、妻の顎より上が無い――爆ぜ弾けている。
いやそれだけではない、無いのはそればかりではない。
妻を囲っていた一体のオークの首。また一体のオークの両腕。果ては妻を串刺しにしていたはずの、オークのご自慢のモノが妻の下半身ごと。
その全てが大穴を開けたように、落ちあるいは欠損、損失。いずれのオークの身をも、掻き削ぎ赤黒い臓物を露出させている。
「ェ……ァ……ヒッ――」
そして、一体のオークがその凄惨な事態を最初に理解し。その獰猛な口から悲鳴を上げ掛ける。
――だがそれは、瞬間聞こえ届いた異質な唸り声に。そして、衝撃と質量の暴力の襲来に、掻き描き消された。
「――ギャぁッ!」
「ビゲッ!?」
「ギュケッ!?」
家屋の寝室の壁が盛大に破壊され踏み倒され、あまりにも巨大な何かが突っ込み踏み込み襲来。
明かしてしまおう、それは89式装甲戦闘車の巨体。
壁を体当たりで破り踏み込んできた装甲戦闘車が、オーク達を、並びにすでにミンチと成り果てていた妻だった物を。ゲギャッ、と強く拉げる音を上げて容赦なく跳ね飛ばして。あるいはキャタピラに巻き込み引き潰したのだ。
また明かせば、先のオーク達が爆ぜた理由は、装甲戦闘車からの機関砲投射によるもの。
――そして、間髪入れずにその備える機関砲が、また室内に向けて遠慮なく方向を上げた。
「――キャっ」
「ピュェッ」
唸り、旋回しての薙ぎ撃ちを開始した機関砲は、体当たりで宙に浮いていたオーク達の身をまず紙切れの如く千切り四散させ。
「ナん――ピョゥ!?」
「ビュッ!?」
さらに、残酷な凌辱の光景を肴に、囲い楽しんでいた室内のオーク達を、端から浚えミンチと変えてゆく。
「ぁ゜っ」
果てに。触手獣に締め上げられていた夫を、触手獣ごと弾き四散させ。命と引き換えに絶望より解き放った。
89式装甲戦闘車は、機関砲の掃射でその一室内を浚え終え。唸り声を鳴り止ませる。
よくよく見れば、その装甲戦闘車の車体の上。前面の傾斜装甲の上に寝そべるように乗る何かが見える。
それは白目を剥き泡を吹き、虫の息の一体のオーク。
否。さらによく観察すれば、その下にそのオークの首根っこを掴む別の存在がある。
3分隊分隊長の、峨奈だ。
峨奈は装甲戦闘車の車体上に仰向けに寝そべる様に乗り、そして捕縛したものである死に体のオークを肉の盾とし、家屋の破片類を凌ぐ姿を見せている。
この家屋への突入案を企てたのは、峨奈自身。
そして彼は突入後に即応するため、自らデザントの真似事を実行するに至ったのであった。
「っと」
峨奈は、虫の息のオークを肉盾として構えたまま、車上より器用にするりと降り立つ。
「ぅぁ……ビャッ!?」
そして直後に響くは重い発砲音、そして近場を這いつくばっていたオークの断末魔。
見れば峨奈の片手には、突き出し向けられたM870MCSショットガン。峨奈は間髪入れずに、まだ息の残るオークの一体を撃ち抜き屠ったのであった。
「ギャッ」
「ひギッ!?」
峨奈はまだ息のあるオーク達を的確に見つけては、ショットガンでその頭を、あるいは股間を撃ち抜き、屠ってゆく。
「た、タスけ……ギェぅッ!」
さらに、這いつくばり逃走しようとしていたオークの背に、食らいつくように銃火の線が撃ち込まれた。
それにあっては峨奈ではなく、その背後。
89式装甲戦闘車の車長キューポラ上に半身を出し、93式5.56mm小銃を構える髄菩の姿が在る。そのフルオート射撃がオークをまた屠ったのだ。
「――チッ」
その髄菩は小銃の銃身を跳ね上げながら、またも胸糞悪い光景に出くわした事に、舌打ちを討つ。
その眼下では、装甲戦闘車の突入に続いて踏み込んできた3分隊の隊員らが、クリアリングに掛かってゆく姿が見える。
しかしすでに、その家屋の一室内にまともに動く敵は残っていなかった。
「ふぅむ」
その中で、峨奈はすでに用済みとなった肉盾のオークを、放っぽり捨ててショットガンで撃ち抜き始末し。それから零しつつ、室内に観察の視線を流す。
峨奈が見止めるは、肌色でオークの亡骸と辛うじて分別できる、この住居の夫婦の肉片。
抵抗を諦め、魔物に媚びに行った妻の末路。少なくとも絶望からは解き放たれた夫の果て。
実はこの家屋での残酷な催しは、先行した分隊の偵察が目撃して報告を上げており。峨奈も事前に知る所であった。
「かわいそうに」
魔物達の残酷な宴の生贄となった夫婦に、峨奈はそんな言葉を零す。
しかし言葉に反して峨奈のその声色と表情は、あまりに飄々としており。それが本心からではなく、体面上発せられた言葉である事は明らかであった。
「……ごっ――ギュぅッ!?」
そして、一応の手向けとでも言うつもりか。峨奈は、傍を這い密かに逃げようとしていたオークの頭を踏みつけ沈めると。その股間をまたショットガンで撃ち抜き、そのオークをオスとして終わらせた。
「――ハァ」
そんな様子を、砲塔キューポラ上より見下ろしていた髄菩は。すでに嫌悪感を一々感じるのも億劫だと言う様子で、溜息を吐く。
《――近隣の分隊、もしくは車輛ユニット。こちらはエピック、応答願う――ッ!》
そんな所へ、身に着けるヘッドセットや車載無線から、張り上げられた声が響いたのはその時であった。
《こっちは規模のデカい、強力な敵の陣地と遭遇し交戦中。応援が必要だ、急行願うッ!》
その声は敢日の物、寄こされたのは応援要請の通信。どうやら困難な状況に直面したらしい。
「峨奈三曹」
それを聞き、髄菩は眼下の峨奈に声を降ろす。
「あぁ――エピック、こちらはジャンカー3ヘッド。要請を受信した、こちらから向かう。少しの間踏ん張れ」
峨奈は髄菩の呼びかけに端的に答え、そして自身のヘッドセットに向けて呼びかける言葉を。そして自分等で応援に向かう旨を、紡ぎ送る。
《頼む!エピック、終ワリ!》
それに無線の向こうの敢日は荒々しく端的に返し。そして向こうより通信を終えた。
「――さて、行こうか」
通信を終え、峨奈は3分隊各員や、髄菩に向けて促す声を発する。
それを受け、3分隊各員は近場のドアを破り。一室を抜け出て行く。
「――藩童、出せ」
そして、髄菩はどこかウンザリした様子で操縦手の藩童に告げ、停車していた装甲戦闘車も行動を再開。
一室の床に散らばる家屋の破片、家具の破片、そしてオーク達だった肉片等。全てを踏み潰し蹴散らして、並び隔たる家屋の壁を全て破り踏み倒して。要請に応えるべく増援へと向かった。
夫は町の騎士団の将来を期待された騎士、それを支える美しい若妻。羨まれる理想の夫婦であった。
しかしそんな夫婦にも、侵略の魔の手は伸びた。
町の陥落と共に、若い夫婦も魔物達の軍門に降り、虜囚の身となった。
そして夫婦は、魔物達の慰み物。甚振り楽しむための玩具として、魔物達のまえに差し出された。
夫婦は魔物に捕らわれ囲われる中でも、互いの愛を確かめ合い誓い合った。しかし……
「あぁっ……オーク様、オーク様ぁっ」
夫婦の住まい。その夫婦の営みの場であった寝室で、嬌声でオークの名の呼びながら、体を激しく動かす妻の姿がある。
そしてそれを囲い犯すは、町の支配者となったオーク達。オーク達は下卑た笑みで、ご自慢のモノを妻に突き込み突きつけている。
「ェぁ……ぁ……」
そんな光景から反れ、寝室の隅。そこには触手獣に拘束され締め上げられ、白目を剥き涎を垂らす騎士の夫の体があった。虫の息の様子で、しかし微かに残る意識で。夫は愛する妻が犯され、そしてオークに媚びる姿を見せつけられている。
そして寝室の各所には、ニヤニヤと下卑た笑みでその光景を眺め。それを肴に酒などを嗜むオーク達の姿が在った。
この残酷な光景は、魔物達の催しであった。
町を侵略する際に、騎士団の抵抗により魔物達もいくらかの被害を出していた。
今この場で行われているのは、その腹癒せ。そして晴れて町の支配者となった魔物達が、その支配欲、加虐心を満たすための出し物だった。
その犠牲として夫婦は引き出され、そしてこの残酷な舞台の玩具と成り果てたのであった。
「あぁっ、凄いぃっ……孕むぅ、オーク様の子を孕みますぅ……!」
誓い合ったはずの愛は、最早欠片も残っておらず。
妻は虫の息の夫には見向きもせずに、己を犯すオークに媚びる言葉を上げながら、腰をくねらせている。
その夫婦にとっては絶望だが。魔物達にとっては愉快でたまらない光景に、オーク達は下品に笑い、その娯楽を堪能していた。
が――その残酷な催しは、唐突なお開きを迎えた――突然の暴力と死によって。
「――ァぴぇッ」
媚びる嬌声を上げていた妻から、転じておかしな悲鳴のような一声が上がったのはその瞬間。
「――ハ?」
「エ?」
同時に、妻を囲い犯していた数体のオーク達は、素っ頓狂な声を上げる。オーク達がその一瞬で感じたのは、複数の何かが飛び抜けるような感覚。
いや、それは大事では無かった。
彼等にとっての問題は、目の前に見える物。
犯し楽しんでいたはずの、妻の顎より上が無い――爆ぜ弾けている。
いやそれだけではない、無いのはそればかりではない。
妻を囲っていた一体のオークの首。また一体のオークの両腕。果ては妻を串刺しにしていたはずの、オークのご自慢のモノが妻の下半身ごと。
その全てが大穴を開けたように、落ちあるいは欠損、損失。いずれのオークの身をも、掻き削ぎ赤黒い臓物を露出させている。
「ェ……ァ……ヒッ――」
そして、一体のオークがその凄惨な事態を最初に理解し。その獰猛な口から悲鳴を上げ掛ける。
――だがそれは、瞬間聞こえ届いた異質な唸り声に。そして、衝撃と質量の暴力の襲来に、掻き描き消された。
「――ギャぁッ!」
「ビゲッ!?」
「ギュケッ!?」
家屋の寝室の壁が盛大に破壊され踏み倒され、あまりにも巨大な何かが突っ込み踏み込み襲来。
明かしてしまおう、それは89式装甲戦闘車の巨体。
壁を体当たりで破り踏み込んできた装甲戦闘車が、オーク達を、並びにすでにミンチと成り果てていた妻だった物を。ゲギャッ、と強く拉げる音を上げて容赦なく跳ね飛ばして。あるいはキャタピラに巻き込み引き潰したのだ。
また明かせば、先のオーク達が爆ぜた理由は、装甲戦闘車からの機関砲投射によるもの。
――そして、間髪入れずにその備える機関砲が、また室内に向けて遠慮なく方向を上げた。
「――キャっ」
「ピュェッ」
唸り、旋回しての薙ぎ撃ちを開始した機関砲は、体当たりで宙に浮いていたオーク達の身をまず紙切れの如く千切り四散させ。
「ナん――ピョゥ!?」
「ビュッ!?」
さらに、残酷な凌辱の光景を肴に、囲い楽しんでいた室内のオーク達を、端から浚えミンチと変えてゆく。
「ぁ゜っ」
果てに。触手獣に締め上げられていた夫を、触手獣ごと弾き四散させ。命と引き換えに絶望より解き放った。
89式装甲戦闘車は、機関砲の掃射でその一室内を浚え終え。唸り声を鳴り止ませる。
よくよく見れば、その装甲戦闘車の車体の上。前面の傾斜装甲の上に寝そべるように乗る何かが見える。
それは白目を剥き泡を吹き、虫の息の一体のオーク。
否。さらによく観察すれば、その下にそのオークの首根っこを掴む別の存在がある。
3分隊分隊長の、峨奈だ。
峨奈は装甲戦闘車の車体上に仰向けに寝そべる様に乗り、そして捕縛したものである死に体のオークを肉の盾とし、家屋の破片類を凌ぐ姿を見せている。
この家屋への突入案を企てたのは、峨奈自身。
そして彼は突入後に即応するため、自らデザントの真似事を実行するに至ったのであった。
「っと」
峨奈は、虫の息のオークを肉盾として構えたまま、車上より器用にするりと降り立つ。
「ぅぁ……ビャッ!?」
そして直後に響くは重い発砲音、そして近場を這いつくばっていたオークの断末魔。
見れば峨奈の片手には、突き出し向けられたM870MCSショットガン。峨奈は間髪入れずに、まだ息の残るオークの一体を撃ち抜き屠ったのであった。
「ギャッ」
「ひギッ!?」
峨奈はまだ息のあるオーク達を的確に見つけては、ショットガンでその頭を、あるいは股間を撃ち抜き、屠ってゆく。
「た、タスけ……ギェぅッ!」
さらに、這いつくばり逃走しようとしていたオークの背に、食らいつくように銃火の線が撃ち込まれた。
それにあっては峨奈ではなく、その背後。
89式装甲戦闘車の車長キューポラ上に半身を出し、93式5.56mm小銃を構える髄菩の姿が在る。そのフルオート射撃がオークをまた屠ったのだ。
「――チッ」
その髄菩は小銃の銃身を跳ね上げながら、またも胸糞悪い光景に出くわした事に、舌打ちを討つ。
その眼下では、装甲戦闘車の突入に続いて踏み込んできた3分隊の隊員らが、クリアリングに掛かってゆく姿が見える。
しかしすでに、その家屋の一室内にまともに動く敵は残っていなかった。
「ふぅむ」
その中で、峨奈はすでに用済みとなった肉盾のオークを、放っぽり捨ててショットガンで撃ち抜き始末し。それから零しつつ、室内に観察の視線を流す。
峨奈が見止めるは、肌色でオークの亡骸と辛うじて分別できる、この住居の夫婦の肉片。
抵抗を諦め、魔物に媚びに行った妻の末路。少なくとも絶望からは解き放たれた夫の果て。
実はこの家屋での残酷な催しは、先行した分隊の偵察が目撃して報告を上げており。峨奈も事前に知る所であった。
「かわいそうに」
魔物達の残酷な宴の生贄となった夫婦に、峨奈はそんな言葉を零す。
しかし言葉に反して峨奈のその声色と表情は、あまりに飄々としており。それが本心からではなく、体面上発せられた言葉である事は明らかであった。
「……ごっ――ギュぅッ!?」
そして、一応の手向けとでも言うつもりか。峨奈は、傍を這い密かに逃げようとしていたオークの頭を踏みつけ沈めると。その股間をまたショットガンで撃ち抜き、そのオークをオスとして終わらせた。
「――ハァ」
そんな様子を、砲塔キューポラ上より見下ろしていた髄菩は。すでに嫌悪感を一々感じるのも億劫だと言う様子で、溜息を吐く。
《――近隣の分隊、もしくは車輛ユニット。こちらはエピック、応答願う――ッ!》
そんな所へ、身に着けるヘッドセットや車載無線から、張り上げられた声が響いたのはその時であった。
《こっちは規模のデカい、強力な敵の陣地と遭遇し交戦中。応援が必要だ、急行願うッ!》
その声は敢日の物、寄こされたのは応援要請の通信。どうやら困難な状況に直面したらしい。
「峨奈三曹」
それを聞き、髄菩は眼下の峨奈に声を降ろす。
「あぁ――エピック、こちらはジャンカー3ヘッド。要請を受信した、こちらから向かう。少しの間踏ん張れ」
峨奈は髄菩の呼びかけに端的に答え、そして自身のヘッドセットに向けて呼びかける言葉を。そして自分等で応援に向かう旨を、紡ぎ送る。
《頼む!エピック、終ワリ!》
それに無線の向こうの敢日は荒々しく端的に返し。そして向こうより通信を終えた。
「――さて、行こうか」
通信を終え、峨奈は3分隊各員や、髄菩に向けて促す声を発する。
それを受け、3分隊各員は近場のドアを破り。一室を抜け出て行く。
「――藩童、出せ」
そして、髄菩はどこかウンザリした様子で操縦手の藩童に告げ、停車していた装甲戦闘車も行動を再開。
一室の床に散らばる家屋の破片、家具の破片、そしてオーク達だった肉片等。全てを踏み潰し蹴散らして、並び隔たる家屋の壁を全て破り踏み倒して。要請に応えるべく増援へと向かった。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲
俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。
今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。
「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」
その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。
当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!?
姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。
共に
第8回歴史時代小説参加しました!
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる