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チャプター2:「凄惨と衝撃」
2-8:「作戦概要と巨大な逃走者」
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制刻からの報を受け、程なくして装甲小隊主力が、門――厳密には門であった崩落個所を越えて、町の内側へと乗り込んで来た。
「――見ていたぞ。最早、表現の言葉を探すのが億劫だ」
そんな、呆れとも感嘆とも知れない言葉を紡いだのは、峨奈だ。
制刻等は、装甲車両と各分隊が展開した一帯の真ん中で、鷹幅や峨奈等、主要陸曹と合流。相対していた。
「信じられん……」
鷹幅は周辺を見渡し、オーク達の死体や触手の死骸がそこかしこに散らばる凄惨な光景に、その整った童顔を険しくしている。
触手のモンスターに関しては念を入れ、隊員の手により携帯放射器が用いられ、焼却処理が行われている。
光景の凄まじさもそうだが、何より鷹幅等が驚き呆れる理由は、それ等がすべて制刻等によって成されたものである事。その方法が、制刻等の超常的な特異体質によるものであるという点であった。
加えて言えば、先の峨奈の「見ていた」という言葉にあるように、鷹幅や峨奈等は上空の無人観測機からの観測映像を通して、先に制刻等により触手達が無力化される光景を、リアルタイムで目撃していた。
「まぁカラクリは、俺等もよく理解ってはねぇですが」
その鷹幅等に、当人である制刻は、他人事のような様子でそんな一言を返す。
「まぁ、それをアテにして君等を投入した訳だからな。想定から遥かにぶっ飛んではいたが――よくやってくれた」
鷹幅が引き続き難しい顔を浮かべている一方。峨奈はそんな少し投げやりさを感じる台詞で、しかし制刻や策頼の行動、任務完遂を評価した。
「どうも」
それに制刻は代表し、変わらぬ淡々とした様子で返した。
「で――ここからだ」
峨奈はそこから切り替えるように言葉を発する。
「我々はこれより町の無力化、掌握を開始。並行して、先の子供達の言っていた人達の捜索を行う」
峨奈が紡いだのは、これよりの小隊の行動指針。
言葉と同時に峨奈は、手にしていたタブレット端末を、各員に見せるように持ち上げ示す。画面上には、上空の無人観測機が送って来る、上空から捉えた町の全景が映っている。
制刻等や、他主要陸曹の視線が向き、峨奈は映像を地図の代わりとし、画面をなぞりながら説明を始める。
概要はこうだ。
小隊は、町の東西にラインを形成する形で展開。町を南から北方向へ押し上げる算段だ。
町を四つのブロックに縦割りし、それぞれを各分隊が担当。障害を排除、クリアリングしつつ北上。同時に先の、子供達の言っていた人達を捜索する。
まず一番東側のブロックは、ハルボベイ――76式装甲戦闘車と、随伴する第14分隊が担当する。
続けて東から二番目。これは、エンブリー――89式装甲戦闘車と、随伴する第3分隊が担当する。
さらに東から三番目を、アンヴィルゲート――93式装甲戦闘車と、随伴の第2分隊が担当。
最後に一番西側を、オニキスポイント――73式装甲車と、随伴の第6分隊が担当する。
そしてその後方より、小隊本部班が高機動車で追従。現場指揮、後方野戦指揮所、迫撃砲陣地との調整等を行う。
「制刻予勤、君は私の第3分隊に同行して欲しい。策頼一士、君は浦澤三曹の第2分隊へ。そして、不測の事態発生の際には、急行し対応して欲しい」
各分隊の割り当てを説明した後に峨奈は、制刻と策頼に対して、個別に指示、要請する。
それは、超常現象。脅威存在に対する対応が可能である制刻等に、臨機応変な対応――一種の遊撃を要請するものであった。
基本から考えれば、隊員個人に要請するには、いささか過大な指示と思える。
「いいでしょう」
「了」
しかし制刻と策頼は、別になんでもない事といった様子で、それぞれ指示を承諾した。
「頼む。重迫撃砲は即応可能な状態で待機しているが、その捜索対象の人々がどこに身を潜めているかまだ分からない。砲撃支援は慎重な判断を願いたい」
峨奈は制刻等に向けて委ねる言葉を発すると、それから周囲の各員に向けて、注意事項の言葉を紡いだ。
「――ちょっといいか?」
敢日が言葉を挟んだのは、説明の言葉が一区切りしたタイミングであった。
「何か?」
「さっき映像で確認した限りじゃ、他にも捕まってる住民が大勢居ただろう。そっちはどうなる?」
敢日は峨奈に質問の言葉をぶつける。
それは、先に無人観測機からの映像で確認した、町の真ん中で捕らわれ襲われていた、住民達についてだ。
吐き気を催す程の光景を思い返し、敢日は嫌悪感を露骨に表情に現しつつ、捕らわれの住民達の処遇を尋ねる。
「保護に、最善は尽くします」
敢日の質問対し、峨奈から返されたのは、そんな何か冷たさを感じる一言であった。
「何か含みがあるな?」
冷たく、そして何か引っかかる峨奈の言い回しに、敢日は眉を顰める。
「――先に観測したような形で捕縛されている住民の、保護には困難が伴うと予想されます。状況にもよりますが、綺麗な形での解決とは、行かないかもしれません」
その敢日に対して、峨奈はそんな言葉を返した。
「……覚悟をしとけってか」
「その認識で構いません」
より表情を顰めて、峨奈の示す所を口にする敢日。峨奈はそれを、端的に肯定した。
「それより、敢日さん。今更で、なおかつしつこいかもしれませんが、あまり無茶はなさらないように。制刻予勤に同行されると思いますが、であれば予勤の傍を。あるいは他の隊員でも、ともかく我々の傍を離れないように」
敢日は依然として難しい顔を作っていたが、それをよそに峨奈は話題を畳む。そして敢日に向けて、忠告の言葉を紡いだ。
「――私からは以上だ。鷹幅二曹、何かありますか?」
そこまでで峨奈は敢日とのやり取りを切り上げ、横に立つ、この場の最高階位者である鷹幅に尋ねる。
「あぁ……細かくは無い。ただ、各員くれぐれも慎重な行動を頼む」
鷹幅からは、念を押す言葉が各員に告げられる。
「他。何か質問は?」
最後に、周囲の各員に向けて問いかける峨奈。
各員からは、特に質問が上がる様子は無い。
「――いいだろう。各車各分隊、準備完了次第、作戦行動を開始する。かかれ――」
それを承諾、把握の旨と取り、峨奈は取り掛かるよう合図の言葉を発する。
それに陸曹の内何名かは、「は」、「かかります」、といった言葉で返答。他は簡易的な敬礼動作で了解の旨を返し、そして各員はそれぞれの行動に掛かるべく、解散して行った。
「…………」
そんな中。敢日は一人、未だ難しい顔をしてその場に立っていた。
「解放」
その敢日に、背中より声が掛かる。振り向けば、そこに他でもない制刻の姿があった。
「気乗りしねぇようなら、パスといくか?」
制刻は敢日にそんな言葉を掛ける。
おそらく、綺麗には行かない。最悪、やり切れない物を見る事が予想される今回の作戦。
それに参加しない事を提案する、提案だ。
実際、隊員ではない――立場は民間人である敢日に、参加の義務は無い。
「……いや。問題ない、行くよ」
制刻の、親友を案じての提案。しかし敢日はそれをやんわりと断り、同行する意思を言葉にした。
「お前の抑え役がいないと、どうなるか気が気じゃない」
そして、険しかった顔に無理やり皮肉交じりの笑みを浮かべ、そんな言葉を制刻にぶつける。
「んじゃ、行くか。俺の傍を、離れるなよ」
少し無理をしている事が感じ取れる様子であったが、制刻は敢日の意思を尊重。代わりにそう忠告の言葉を付け加えると、身を翻して歩き出す。
そして敢日も、ネイルガンを構え直して、それを追いかけた。
愛平の町の中心部より、やや南東寄り。町を南北に延びる、それなりの広さの町路がある。
住居家屋と思しき建物が町路に沿って並び、本来であれば閑静な様子の見られたであろう住居通り。しかしそのはずは、これまでのご多分に漏れず。魔物達の略奪、暴力の魔の手が及び、傷つき荒れ果て、見る影もなかった。
住民の往来もまるで無くなり、不気味な静寂が支配する一帯。
「ッ――!ハァッ……ッ!」
そんな静寂を、微かにだが割る音があった。
それは、独特の重々しさと。そして若干苦し気な様子が感じ取れる、声色。息遣い。
さらに、重量感が伝わり来る、やや荒々しい足音。
その正体。その音の主の姿が、住民の途絶えた町路上の一点にあった。
「ッ……!」
そこにあったのは、一つの巨大な存在。
その背丈は人間のそれを、数値にして200cmを優に超える。体躯は、全身が筋肉の鎧に覆われており、纏う簡易な軽装防具が不必要と思える程。そして特筆すべきは、濃い緑色で覆われたその肌、全身。顔はモンスターという表現がふさわしいまでに厳つい。
――オークだ。
一体のオークが、町路上を駆けていた。
いや、正しく言えば一体――一人ではない。そのオークには同伴者がいた。
数は二人。
一人は、オークのその強靭な片腕の中に見える、小さな体。明るい肌色の顔が、微かに覗き見える。それは人間の子供であった。
オークはその片腕の腕中に、人間の男の子を抱きかかえていた。傍目にも、その強靭な腕っぷしでその子を傷つけまいと、細心の注意を払っている様子が見て取れる。
さらに同伴者はもう一人。オークのその巨大な背には、一人の成人男性の背負われる姿があった。厳密には、オークは男性を支えられてはおらず、自らの強靭な首周りに男性の両腕を回させ、自力でしがみ付かせている。その理由は、オークの両腕は先の子供と、そしてもう片腕に持つ〝得物〟により塞がっていたからだ。
オークのもう片腕に見えるは、鉈。いや――それは鉈と言っていいのか。なぜならそれは、刃渡りだけで1mを優に越えていたから。正しく表現すれば、鯨包丁と言った方が正しいかもそれなかった。
そんな姿様相のオーク、いや一行が。町路上を何か酷く急いた、必死の色で行く様子があった。
「ッ……ジューダ……俺は足手まといだ……置いていけ……!」
オークに背負われる男性から、苦し気な、痛々し気な声色で、訴える声が上がったのはその途中であった。
「つまらない冗談を言うな、サウセイッ!」
そんな男性の訴える言葉に答えたのは、他でもない男性を背負うオーク。男性の発した〝ジューダ〟というのは、オークを――彼を示す名であった。
ジューダは、オーク種特有の低く重い声で、しかし反した流暢な言葉使いで。背負う男性をサウセイと呼び、そして叱るように発し上げ返す。
そして同時に、チラと背後に視線を送るジューダ。
「――待ちやがレッ!」
「――裏切りモンがッ!」
ジューダ等の後方、数十m向こうに見えたのは、オークの集団であった。
数にして十数体。そのいずれもが、殺気立った様子で得物を振り上げ、駆けるジューダ達を追いかけてくる。そして同時に聞こえ来る、静止命令や罵倒の言葉。
そのオーク達は、紛れもないこの町を襲った侵略者達。
だが、ジューダからすれば同種族であるはず。しかしそのオーク達から、ジューダは現在害意を向けられ、追われていた。
「ッ――端からお前達のような、下種の同胞になった覚えは無いッ」
そんな追っ手であるオーク達からの罵声に、ジューダは忌々し気に、しかし静かに零すように吐き捨てる。
怒気を込めて吐かれた言葉であったが、しかしそこには同時に、若干息苦しげな色が。体力を損耗している様子が伺えた。
「ジューダ……!俺を置いて行くんだ!お前は身軽になるし……俺は、囮にくらいはなれるかもしれない……!」
そんなジューダの耳に、背負われるサウセイより再びの訴える声が届く。先のジューダの叱る言葉を受けてなおの、自らを置いて行くよう求める言葉。
よくよく見れば、サウセイの脚。纏う下衣の腿部分には、血が大きく滲み広がっている。これがサウセイが、ジューダに背負われ運ばれている理由であった。
「今はお前のいつもの冗談に、耳を貸す余裕は無い!しっかり掴まっているんだッ!」
だがジューダは、そんなサウセイの訴えを、再びの叱る言葉でピシャリと一蹴。そして釘を刺し、その重量のある体を運び続ける。
「ジューダおじちゃん……っ」
そのジューダに今度は前から、掻き消えそうな声量の、震える声が届く。それはジューダがその強靭な片腕に抱いている、男の子からの物だった。
ジューダが腕中に視線を落とせば、その中で身をすくめ、ジューダの胸板に縋り付き、そして怯えた瞳でジューダの顔を見上げる、男の子の姿があった。
「――大丈夫だティウくん。おじちゃん達に任せろッ」
確かめるまでもなく、状況に恐怖している男の子。
ジューダはそんな男の子をティウと呼びながら、安心させるための言葉を紡ぎ聞かせる。そして体力損耗により険しく苦し気に染まっていたその厳つい顔に、無理やり温和な笑みを作り、腕中の男の子に向けて見せた。
ジューダはそれから顔を起こし、逃走行動に意識を戻す。
ジューダ等の駆け抜ける町路は、その先でY字路を形作り、二方向へ分岐していた。ジューダは分岐を右方向へ行く判断を思い浮かべながら、程なくしてY字路一帯へと踏み込む。
「ッ――!?」
しかし、踏み込んだ瞬間にジューダはその足を止めた。そして彼は進路に選ぼうとしていた分岐右手の先を見て、その顔を忌々し気に顰める。
その先に見えたのは、こちらに向かい迫るオークの集団――すなわち敵の新手であった。
「ジューダ……左もだ……ッ!」
さらにそこへ、背負うサウライより促し示す声が届く。それに導かれ分岐の左手へ視線を移せば、そちらからもオークの集団が迫る姿が見える。
さらに背後、今来た町路からも追っ手。ジューダ等は、三方向の進路を完全に塞がれてしまっていた。
「ッ……!」
ならばと。
ジューダはY字路の中心。分岐の突起部に建つ一軒の家屋を見、町路を行く事を避け、家屋内を突っ切る算段を思い浮かべる。
しかし直後、その可能性すら脆くも崩れ去る。
その突出して建つ家屋の玄関口が、荒く勢いよく蹴り開かれ、そこからもオークが姿を現したのだ。
「いやがっタぞッ!」
現れた一体のオークは、ジューダ等の姿を見止めると、荒々しい声を上げる。そして直後には踏み切り飛び出し、その手にした斧を振り上げ、迷う事なくジューダ等に向かって襲い掛かって来る。
「オラァッ!」
そして間合いを詰めたオークは、振り上げた斧を容赦なくジューダに向けて振り下ろした。
――しかし。振り下ろされたオークの斧は、虚しく空を切った。
「ナ――!?」
体勢を崩しながら、驚愕し目を剥くオーク。
見ればジューダの体は、身を捻り半歩引いて、襲ったオークのリーチを逃れていた。
ジューダはその重量のある巨体。そしてサウライとティウを背負い抱えるというマイナス要素を物ともせず、瞬発的な動きで攻撃を回避してみせたのだ。
「――ギょぅッ!?」
そして、体勢を崩してつんのめったオークから悲鳴が上がり、オークの体は潰されるように地面に沈む。見ればジューダの得物である巨大な鉈のその先端が、オークの後頭部に落ちて叩き込まれ、オークの頭をかち割り潰していた。ジューダは回避行動と同時に鉈を振るい降ろし、襲い来たオークを無力化したのだ。
「――ッ!」
易々と襲い来たオークを退けて見せたジューダは、しかし反してその表情をより険しくしながら、叩き下ろした鉈をオークの頭から抜く。
そして顔を起こして、周囲に視線を走らせる。
背後、左右――現在身を置くY字路の各方向からは、いずれも追っ手のオークの群れが迫る姿が見えた。おそらくジューダ達の元まで、そう時間はかからない。ジューダ達は逃走経路をいずれも塞がれ、包囲されつつあった。
「ダメだ――」
最早、戦闘を回避しての突破は困難。
そう判断したジューダは、そこから判断を切り替え行動に移った。
ジューダは身を翻し、Y字路のほぼ真ん中に放置されていた荷車を見止めると、それに駆け寄る。
「サウセイ、降ろすぞッ」
そしてその背に背負っていたサウライの身を降ろし、荷車の上に横たえさせた。
「ッ……どうするんだ……?」
「このまま逃走は無理だ。迎え撃って連中の数を減らし、突破口を作るしかないッ」
疼く脚の傷に苦悶の色を浮かべながらも、サウセイは尋ねる。それにジューダはこれよりの策を言葉にして返す。
「ティウ君を」
そして腕に抱えていた男の子を降ろし、サウセイに抱かせ任せる。
「ティウ君、サウセイおじちゃんと居るんだ――サウセイ、これを」
ジューダはサウセイに抱き留められた男の子に、そう言い聞かせる。
それからジューダは、自身の腰に下げて携帯していたクロスボウを、サウセイに渡し彼の小脇に構えさせる。
「――ッ!ジューダ、後ろッ!」
そのサウセイから、警告の声が発されたのはその時。
そのサウセイの視線の先。ジューダの背後には、斧を振りかぶり襲い掛かる新手のオークの姿。
「――ギャァッ!?」
しかし――直後にはそのオークから悲鳴が上がる。そして見れば、オークの体はバッサリと斜めの軌跡で切断され、真っ二つになっている。
そしてそれに相対するは、巨大な鉈を振るい払うジューダの姿。
ジューダは襲い来たオークの気配を察知すると同時に、その巨体からは想像できぬ素早さで身を翻し、その勢いのまま鉈でオークを薙ぎ払ったのだ。
切断され二つになったオークの体は、切断面より血を吹き出しながら、ボトボトと地面に落ちて転がる。
「私が相手をする!身を守るんだ!」
しかしそれを成したジューダ自身は、屠ったオークには見向きもせず、振り返り背後のサウセイに向けて告げる。
そして視線を戻したジューダの目に映ったのは、目前までせまったオークの群れ。
それを迎え撃つべく、ジューダは得物である巨大な鉈を、薙ぎ振るいそして構えた。
「――見ていたぞ。最早、表現の言葉を探すのが億劫だ」
そんな、呆れとも感嘆とも知れない言葉を紡いだのは、峨奈だ。
制刻等は、装甲車両と各分隊が展開した一帯の真ん中で、鷹幅や峨奈等、主要陸曹と合流。相対していた。
「信じられん……」
鷹幅は周辺を見渡し、オーク達の死体や触手の死骸がそこかしこに散らばる凄惨な光景に、その整った童顔を険しくしている。
触手のモンスターに関しては念を入れ、隊員の手により携帯放射器が用いられ、焼却処理が行われている。
光景の凄まじさもそうだが、何より鷹幅等が驚き呆れる理由は、それ等がすべて制刻等によって成されたものである事。その方法が、制刻等の超常的な特異体質によるものであるという点であった。
加えて言えば、先の峨奈の「見ていた」という言葉にあるように、鷹幅や峨奈等は上空の無人観測機からの観測映像を通して、先に制刻等により触手達が無力化される光景を、リアルタイムで目撃していた。
「まぁカラクリは、俺等もよく理解ってはねぇですが」
その鷹幅等に、当人である制刻は、他人事のような様子でそんな一言を返す。
「まぁ、それをアテにして君等を投入した訳だからな。想定から遥かにぶっ飛んではいたが――よくやってくれた」
鷹幅が引き続き難しい顔を浮かべている一方。峨奈はそんな少し投げやりさを感じる台詞で、しかし制刻や策頼の行動、任務完遂を評価した。
「どうも」
それに制刻は代表し、変わらぬ淡々とした様子で返した。
「で――ここからだ」
峨奈はそこから切り替えるように言葉を発する。
「我々はこれより町の無力化、掌握を開始。並行して、先の子供達の言っていた人達の捜索を行う」
峨奈が紡いだのは、これよりの小隊の行動指針。
言葉と同時に峨奈は、手にしていたタブレット端末を、各員に見せるように持ち上げ示す。画面上には、上空の無人観測機が送って来る、上空から捉えた町の全景が映っている。
制刻等や、他主要陸曹の視線が向き、峨奈は映像を地図の代わりとし、画面をなぞりながら説明を始める。
概要はこうだ。
小隊は、町の東西にラインを形成する形で展開。町を南から北方向へ押し上げる算段だ。
町を四つのブロックに縦割りし、それぞれを各分隊が担当。障害を排除、クリアリングしつつ北上。同時に先の、子供達の言っていた人達を捜索する。
まず一番東側のブロックは、ハルボベイ――76式装甲戦闘車と、随伴する第14分隊が担当する。
続けて東から二番目。これは、エンブリー――89式装甲戦闘車と、随伴する第3分隊が担当する。
さらに東から三番目を、アンヴィルゲート――93式装甲戦闘車と、随伴の第2分隊が担当。
最後に一番西側を、オニキスポイント――73式装甲車と、随伴の第6分隊が担当する。
そしてその後方より、小隊本部班が高機動車で追従。現場指揮、後方野戦指揮所、迫撃砲陣地との調整等を行う。
「制刻予勤、君は私の第3分隊に同行して欲しい。策頼一士、君は浦澤三曹の第2分隊へ。そして、不測の事態発生の際には、急行し対応して欲しい」
各分隊の割り当てを説明した後に峨奈は、制刻と策頼に対して、個別に指示、要請する。
それは、超常現象。脅威存在に対する対応が可能である制刻等に、臨機応変な対応――一種の遊撃を要請するものであった。
基本から考えれば、隊員個人に要請するには、いささか過大な指示と思える。
「いいでしょう」
「了」
しかし制刻と策頼は、別になんでもない事といった様子で、それぞれ指示を承諾した。
「頼む。重迫撃砲は即応可能な状態で待機しているが、その捜索対象の人々がどこに身を潜めているかまだ分からない。砲撃支援は慎重な判断を願いたい」
峨奈は制刻等に向けて委ねる言葉を発すると、それから周囲の各員に向けて、注意事項の言葉を紡いだ。
「――ちょっといいか?」
敢日が言葉を挟んだのは、説明の言葉が一区切りしたタイミングであった。
「何か?」
「さっき映像で確認した限りじゃ、他にも捕まってる住民が大勢居ただろう。そっちはどうなる?」
敢日は峨奈に質問の言葉をぶつける。
それは、先に無人観測機からの映像で確認した、町の真ん中で捕らわれ襲われていた、住民達についてだ。
吐き気を催す程の光景を思い返し、敢日は嫌悪感を露骨に表情に現しつつ、捕らわれの住民達の処遇を尋ねる。
「保護に、最善は尽くします」
敢日の質問対し、峨奈から返されたのは、そんな何か冷たさを感じる一言であった。
「何か含みがあるな?」
冷たく、そして何か引っかかる峨奈の言い回しに、敢日は眉を顰める。
「――先に観測したような形で捕縛されている住民の、保護には困難が伴うと予想されます。状況にもよりますが、綺麗な形での解決とは、行かないかもしれません」
その敢日に対して、峨奈はそんな言葉を返した。
「……覚悟をしとけってか」
「その認識で構いません」
より表情を顰めて、峨奈の示す所を口にする敢日。峨奈はそれを、端的に肯定した。
「それより、敢日さん。今更で、なおかつしつこいかもしれませんが、あまり無茶はなさらないように。制刻予勤に同行されると思いますが、であれば予勤の傍を。あるいは他の隊員でも、ともかく我々の傍を離れないように」
敢日は依然として難しい顔を作っていたが、それをよそに峨奈は話題を畳む。そして敢日に向けて、忠告の言葉を紡いだ。
「――私からは以上だ。鷹幅二曹、何かありますか?」
そこまでで峨奈は敢日とのやり取りを切り上げ、横に立つ、この場の最高階位者である鷹幅に尋ねる。
「あぁ……細かくは無い。ただ、各員くれぐれも慎重な行動を頼む」
鷹幅からは、念を押す言葉が各員に告げられる。
「他。何か質問は?」
最後に、周囲の各員に向けて問いかける峨奈。
各員からは、特に質問が上がる様子は無い。
「――いいだろう。各車各分隊、準備完了次第、作戦行動を開始する。かかれ――」
それを承諾、把握の旨と取り、峨奈は取り掛かるよう合図の言葉を発する。
それに陸曹の内何名かは、「は」、「かかります」、といった言葉で返答。他は簡易的な敬礼動作で了解の旨を返し、そして各員はそれぞれの行動に掛かるべく、解散して行った。
「…………」
そんな中。敢日は一人、未だ難しい顔をしてその場に立っていた。
「解放」
その敢日に、背中より声が掛かる。振り向けば、そこに他でもない制刻の姿があった。
「気乗りしねぇようなら、パスといくか?」
制刻は敢日にそんな言葉を掛ける。
おそらく、綺麗には行かない。最悪、やり切れない物を見る事が予想される今回の作戦。
それに参加しない事を提案する、提案だ。
実際、隊員ではない――立場は民間人である敢日に、参加の義務は無い。
「……いや。問題ない、行くよ」
制刻の、親友を案じての提案。しかし敢日はそれをやんわりと断り、同行する意思を言葉にした。
「お前の抑え役がいないと、どうなるか気が気じゃない」
そして、険しかった顔に無理やり皮肉交じりの笑みを浮かべ、そんな言葉を制刻にぶつける。
「んじゃ、行くか。俺の傍を、離れるなよ」
少し無理をしている事が感じ取れる様子であったが、制刻は敢日の意思を尊重。代わりにそう忠告の言葉を付け加えると、身を翻して歩き出す。
そして敢日も、ネイルガンを構え直して、それを追いかけた。
愛平の町の中心部より、やや南東寄り。町を南北に延びる、それなりの広さの町路がある。
住居家屋と思しき建物が町路に沿って並び、本来であれば閑静な様子の見られたであろう住居通り。しかしそのはずは、これまでのご多分に漏れず。魔物達の略奪、暴力の魔の手が及び、傷つき荒れ果て、見る影もなかった。
住民の往来もまるで無くなり、不気味な静寂が支配する一帯。
「ッ――!ハァッ……ッ!」
そんな静寂を、微かにだが割る音があった。
それは、独特の重々しさと。そして若干苦し気な様子が感じ取れる、声色。息遣い。
さらに、重量感が伝わり来る、やや荒々しい足音。
その正体。その音の主の姿が、住民の途絶えた町路上の一点にあった。
「ッ……!」
そこにあったのは、一つの巨大な存在。
その背丈は人間のそれを、数値にして200cmを優に超える。体躯は、全身が筋肉の鎧に覆われており、纏う簡易な軽装防具が不必要と思える程。そして特筆すべきは、濃い緑色で覆われたその肌、全身。顔はモンスターという表現がふさわしいまでに厳つい。
――オークだ。
一体のオークが、町路上を駆けていた。
いや、正しく言えば一体――一人ではない。そのオークには同伴者がいた。
数は二人。
一人は、オークのその強靭な片腕の中に見える、小さな体。明るい肌色の顔が、微かに覗き見える。それは人間の子供であった。
オークはその片腕の腕中に、人間の男の子を抱きかかえていた。傍目にも、その強靭な腕っぷしでその子を傷つけまいと、細心の注意を払っている様子が見て取れる。
さらに同伴者はもう一人。オークのその巨大な背には、一人の成人男性の背負われる姿があった。厳密には、オークは男性を支えられてはおらず、自らの強靭な首周りに男性の両腕を回させ、自力でしがみ付かせている。その理由は、オークの両腕は先の子供と、そしてもう片腕に持つ〝得物〟により塞がっていたからだ。
オークのもう片腕に見えるは、鉈。いや――それは鉈と言っていいのか。なぜならそれは、刃渡りだけで1mを優に越えていたから。正しく表現すれば、鯨包丁と言った方が正しいかもそれなかった。
そんな姿様相のオーク、いや一行が。町路上を何か酷く急いた、必死の色で行く様子があった。
「ッ……ジューダ……俺は足手まといだ……置いていけ……!」
オークに背負われる男性から、苦し気な、痛々し気な声色で、訴える声が上がったのはその途中であった。
「つまらない冗談を言うな、サウセイッ!」
そんな男性の訴える言葉に答えたのは、他でもない男性を背負うオーク。男性の発した〝ジューダ〟というのは、オークを――彼を示す名であった。
ジューダは、オーク種特有の低く重い声で、しかし反した流暢な言葉使いで。背負う男性をサウセイと呼び、そして叱るように発し上げ返す。
そして同時に、チラと背後に視線を送るジューダ。
「――待ちやがレッ!」
「――裏切りモンがッ!」
ジューダ等の後方、数十m向こうに見えたのは、オークの集団であった。
数にして十数体。そのいずれもが、殺気立った様子で得物を振り上げ、駆けるジューダ達を追いかけてくる。そして同時に聞こえ来る、静止命令や罵倒の言葉。
そのオーク達は、紛れもないこの町を襲った侵略者達。
だが、ジューダからすれば同種族であるはず。しかしそのオーク達から、ジューダは現在害意を向けられ、追われていた。
「ッ――端からお前達のような、下種の同胞になった覚えは無いッ」
そんな追っ手であるオーク達からの罵声に、ジューダは忌々し気に、しかし静かに零すように吐き捨てる。
怒気を込めて吐かれた言葉であったが、しかしそこには同時に、若干息苦しげな色が。体力を損耗している様子が伺えた。
「ジューダ……!俺を置いて行くんだ!お前は身軽になるし……俺は、囮にくらいはなれるかもしれない……!」
そんなジューダの耳に、背負われるサウセイより再びの訴える声が届く。先のジューダの叱る言葉を受けてなおの、自らを置いて行くよう求める言葉。
よくよく見れば、サウセイの脚。纏う下衣の腿部分には、血が大きく滲み広がっている。これがサウセイが、ジューダに背負われ運ばれている理由であった。
「今はお前のいつもの冗談に、耳を貸す余裕は無い!しっかり掴まっているんだッ!」
だがジューダは、そんなサウセイの訴えを、再びの叱る言葉でピシャリと一蹴。そして釘を刺し、その重量のある体を運び続ける。
「ジューダおじちゃん……っ」
そのジューダに今度は前から、掻き消えそうな声量の、震える声が届く。それはジューダがその強靭な片腕に抱いている、男の子からの物だった。
ジューダが腕中に視線を落とせば、その中で身をすくめ、ジューダの胸板に縋り付き、そして怯えた瞳でジューダの顔を見上げる、男の子の姿があった。
「――大丈夫だティウくん。おじちゃん達に任せろッ」
確かめるまでもなく、状況に恐怖している男の子。
ジューダはそんな男の子をティウと呼びながら、安心させるための言葉を紡ぎ聞かせる。そして体力損耗により険しく苦し気に染まっていたその厳つい顔に、無理やり温和な笑みを作り、腕中の男の子に向けて見せた。
ジューダはそれから顔を起こし、逃走行動に意識を戻す。
ジューダ等の駆け抜ける町路は、その先でY字路を形作り、二方向へ分岐していた。ジューダは分岐を右方向へ行く判断を思い浮かべながら、程なくしてY字路一帯へと踏み込む。
「ッ――!?」
しかし、踏み込んだ瞬間にジューダはその足を止めた。そして彼は進路に選ぼうとしていた分岐右手の先を見て、その顔を忌々し気に顰める。
その先に見えたのは、こちらに向かい迫るオークの集団――すなわち敵の新手であった。
「ジューダ……左もだ……ッ!」
さらにそこへ、背負うサウライより促し示す声が届く。それに導かれ分岐の左手へ視線を移せば、そちらからもオークの集団が迫る姿が見える。
さらに背後、今来た町路からも追っ手。ジューダ等は、三方向の進路を完全に塞がれてしまっていた。
「ッ……!」
ならばと。
ジューダはY字路の中心。分岐の突起部に建つ一軒の家屋を見、町路を行く事を避け、家屋内を突っ切る算段を思い浮かべる。
しかし直後、その可能性すら脆くも崩れ去る。
その突出して建つ家屋の玄関口が、荒く勢いよく蹴り開かれ、そこからもオークが姿を現したのだ。
「いやがっタぞッ!」
現れた一体のオークは、ジューダ等の姿を見止めると、荒々しい声を上げる。そして直後には踏み切り飛び出し、その手にした斧を振り上げ、迷う事なくジューダ等に向かって襲い掛かって来る。
「オラァッ!」
そして間合いを詰めたオークは、振り上げた斧を容赦なくジューダに向けて振り下ろした。
――しかし。振り下ろされたオークの斧は、虚しく空を切った。
「ナ――!?」
体勢を崩しながら、驚愕し目を剥くオーク。
見ればジューダの体は、身を捻り半歩引いて、襲ったオークのリーチを逃れていた。
ジューダはその重量のある巨体。そしてサウライとティウを背負い抱えるというマイナス要素を物ともせず、瞬発的な動きで攻撃を回避してみせたのだ。
「――ギょぅッ!?」
そして、体勢を崩してつんのめったオークから悲鳴が上がり、オークの体は潰されるように地面に沈む。見ればジューダの得物である巨大な鉈のその先端が、オークの後頭部に落ちて叩き込まれ、オークの頭をかち割り潰していた。ジューダは回避行動と同時に鉈を振るい降ろし、襲い来たオークを無力化したのだ。
「――ッ!」
易々と襲い来たオークを退けて見せたジューダは、しかし反してその表情をより険しくしながら、叩き下ろした鉈をオークの頭から抜く。
そして顔を起こして、周囲に視線を走らせる。
背後、左右――現在身を置くY字路の各方向からは、いずれも追っ手のオークの群れが迫る姿が見えた。おそらくジューダ達の元まで、そう時間はかからない。ジューダ達は逃走経路をいずれも塞がれ、包囲されつつあった。
「ダメだ――」
最早、戦闘を回避しての突破は困難。
そう判断したジューダは、そこから判断を切り替え行動に移った。
ジューダは身を翻し、Y字路のほぼ真ん中に放置されていた荷車を見止めると、それに駆け寄る。
「サウセイ、降ろすぞッ」
そしてその背に背負っていたサウライの身を降ろし、荷車の上に横たえさせた。
「ッ……どうするんだ……?」
「このまま逃走は無理だ。迎え撃って連中の数を減らし、突破口を作るしかないッ」
疼く脚の傷に苦悶の色を浮かべながらも、サウセイは尋ねる。それにジューダはこれよりの策を言葉にして返す。
「ティウ君を」
そして腕に抱えていた男の子を降ろし、サウセイに抱かせ任せる。
「ティウ君、サウセイおじちゃんと居るんだ――サウセイ、これを」
ジューダはサウセイに抱き留められた男の子に、そう言い聞かせる。
それからジューダは、自身の腰に下げて携帯していたクロスボウを、サウセイに渡し彼の小脇に構えさせる。
「――ッ!ジューダ、後ろッ!」
そのサウセイから、警告の声が発されたのはその時。
そのサウセイの視線の先。ジューダの背後には、斧を振りかぶり襲い掛かる新手のオークの姿。
「――ギャァッ!?」
しかし――直後にはそのオークから悲鳴が上がる。そして見れば、オークの体はバッサリと斜めの軌跡で切断され、真っ二つになっている。
そしてそれに相対するは、巨大な鉈を振るい払うジューダの姿。
ジューダは襲い来たオークの気配を察知すると同時に、その巨体からは想像できぬ素早さで身を翻し、その勢いのまま鉈でオークを薙ぎ払ったのだ。
切断され二つになったオークの体は、切断面より血を吹き出しながら、ボトボトと地面に落ちて転がる。
「私が相手をする!身を守るんだ!」
しかしそれを成したジューダ自身は、屠ったオークには見向きもせず、振り返り背後のサウセイに向けて告げる。
そして視線を戻したジューダの目に映ったのは、目前までせまったオークの群れ。
それを迎え撃つべく、ジューダは得物である巨大な鉈を、薙ぎ振るいそして構えた。
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