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スローライフに不穏な足音
素直な気持ち
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家に帰ってもソワソワと落ち着きのない3人の中でも1番落ち着かないのが アオトだ。
「ねぇ~てしてし君、テイムしたら一緒に暮らさなくても呼んだら来てくれるって 知ってた?」
大袈裟に肩が揺れるアオト。
「・・・・・ああ、そうだ」
「常に一緒に居なくてもいいんだって」
固い声を出すアオトにうつむき加減で私に向き合うアオト。
「そうだ・・・」
「ふーん、それだけ?」
「黙っていたことは謝る」
寂しそうに言われたら 虐め過ぎたと反省する。そもそも、呼べば来てくれるって事を隠されてたのが嫌で 別に一緒に暮らすのは、嫌ではない、私も楽しく生活してる。
「なんで ホントの事を言ってくれなかったの」
俯くアオトがソロリと顔を上げた。
今にも泣きそうなアオトの顔色も悪く心配になる。
「初めは、我の領地に結界を張ってる者がいると知った時は腹が立った。結界の側で結界を張ったものが出て来るのを待った。
出てきたのがミホ1人だったのが最初の驚きだ。
距離をとって背後から見てたが ゆっくり歩きながら採取してるだけ、座った時に 背後から声を掛けても 驚いただけで、無闇に攻撃してこない。勝手にステイタスを見ても納得できなかった。
謎が深まるだけのミホだったが、ミホが綺麗で惹かれた。
自然と側を離れたくなくて、ミホが無知だと知ってテイムの事をしっかりと教えずに我が側に居られないかと・・・ミホが上手いことテイムした者が常に側に居るのが当たり前なのだと勘違いしてくれた事を喜んでた、すまない」
思い出しながらも ポツポツと語るアオトの声が固い。
アオトと契約した時から自然とアオトが側にいたから、1人で勘違いしただけだと言われたらその通りだ。
深く考えなかった私にも悪いし、アオトも反省してるのか 落ち込みも酷い。
言い訳もせずに正直に話すアオトはすまないと頭を下げる。
「はぁ、確かに私も勘違いで勝手に思い込んでたよ。この世界での事に無知だから。
間違ってたら、それを正してくれないとアオト達のこと信じられないよ」
「・・・本当に悪かった」
「ごめんなさい。でもね、僕も初めてミホを見た時にキラキラで綺麗なミホに一目惚れしちゃって ミホの側に居たくて・・・ごめんなさい」
「・・・1度失った信頼はなくなるのは分かってたんですが、どうしても言えなかった。私もミホの側に居たくて。申し訳ありません」
アオトに続きコウキにユキナと謝る。こんな私の側に居たいと言ってくれる3人とも今にも泣きそうだ。
きっと私に出てきけって言われるのを怖がってるのだろう。
「私が勘違いしてたらちゃんと正してくれる?」
「ミホが間違ってたらね」
「信頼回復に務めるのは当たり前です」
答えのはコウキとユキナだけ。
「アオトはどうなの」
「それは・・・無理にこの世界に当てはまらなくてもいいと思う。ミホが余りにも理不尽な考えだったりすれば正してやるが、ミホはミホのままでいて欲しいと我は思っている」
「それは、私が勘違いしたままでもいいって事なの」
聞き方が意地悪かったのか、アオトの顔色が更に青くなる。
「すまない。言い方が悪かった。
間違っていたら 正してやるが、無理にこの世界に当てはまらなくてもいいと思うと言ったのだ」
へえー ムリに私の思いを変えなくても良いってことなんだ。それは私の考えを認めてくれるってことなんだ。
それは素直に嬉しい。
「私は私のままでいいってことだよね」
「出会った時のままでいて欲しいと思っている」
「そうだよね。ミホが変わっちゃうのは嫌だもん。ずっと今のままのミホでいて」
「アオトの言う通りですね。ミホは今のままでいて欲しいです」
この世界では無知の私。前の世界のままの考え方や価値観もそのままでもいいと言ってくれるの3人。
「そっか ありがとう。そんな風に思っててくれるのは私としても嬉しい。
でもね、この世界の常識はちゃんと知っておきたいから教えてね」
コクと頷くアオト。そろそろ許してあげないと今にも倒れそうだ。
「許してあげる」
ふらりと動いたかと思うと勢いよく近寄って来たアオトに思いっきり抱きしめられた。
「うっ、よかっ・・・」
かなり緊張してたのか、それとも私に嫌われる事を思ってたのか、私には分からないけど抱きしめるアオトの腕が強くて 微かに聞こえて来る声に安堵がにじんでた。
アオトが落ち着いたのが分かったのかユキナとコウキがアオトだけ狡いと、良くわからない抗議をしてきて ユキナとコウキにも抱きしめられた。
ユキナは私を 抱きしめ「すみませんでした」
と言って 気が済むとコウキと変わった。
「ねぇ~ ミホ、僕ね考えたんだけど、僕達とお付き合いしない?きっと、毎日楽しいよ」
!!!とんでもない提案。
彼氏いない歴数十年の私に3人同時にお付き合い?!
無理だぁーーー。
しかも、麗人とイケメン×2、好みがかけ離れてる。私が好きなのは渋い男性だ!
しかも、コウキの提案の前に2人には告られて返事待ちの状態!
「コウキ、私とアオトはミホの返事待ちなので、今はミホを惑わす事は辞めて下さい。
ただ、今の提案も魅力的ではありますね。誰も振られるこは無いですからね」
「えー抜け駆けはダメだよ!でもいい案でしょ でしょ でしょ~!!」
「うむ、複雑だが いい案ではあるな」
いい案?!いい案では無い!!
さっきまで、顔色悪くしてまで反省してたアオトまでいい案とか・・・・。
付いていけない!!
スルーだ!無視だ!!
「間違ってたらちゃんと言ってね。さてと、お昼 温かい素麺でいい?」
「ええ、その・・・手伝います」
しつこく後を付いてきて「いい案でしょー」と、訴えるコウキに お昼は「いらないのね」と 聞くと訴えてを辞めたコウキはテレビの前を陣取ってテレビを付けた。
「ミホ・・・その、今のままココに居ても・・・」
「いいわよ。まぁ、アオトが嫌なら・・・」
出ていってもいいよ。続きの言葉が言葉として出てこない。
私こそ出ていかれると寂しい。
今更 1人にしないで欲しい。
選ばないのに いて欲しい 矛盾してる。
「出ていきたくない。我はミホの側に居たいからな」
3人は素直なままの気持ちを言葉にする。でも、私は狡い。言いたくないことや答えたくないことは無視を決め込む。
このままで 良いのか?
いや、良くないな。
「ねぇ~てしてし君、テイムしたら一緒に暮らさなくても呼んだら来てくれるって 知ってた?」
大袈裟に肩が揺れるアオト。
「・・・・・ああ、そうだ」
「常に一緒に居なくてもいいんだって」
固い声を出すアオトにうつむき加減で私に向き合うアオト。
「そうだ・・・」
「ふーん、それだけ?」
「黙っていたことは謝る」
寂しそうに言われたら 虐め過ぎたと反省する。そもそも、呼べば来てくれるって事を隠されてたのが嫌で 別に一緒に暮らすのは、嫌ではない、私も楽しく生活してる。
「なんで ホントの事を言ってくれなかったの」
俯くアオトがソロリと顔を上げた。
今にも泣きそうなアオトの顔色も悪く心配になる。
「初めは、我の領地に結界を張ってる者がいると知った時は腹が立った。結界の側で結界を張ったものが出て来るのを待った。
出てきたのがミホ1人だったのが最初の驚きだ。
距離をとって背後から見てたが ゆっくり歩きながら採取してるだけ、座った時に 背後から声を掛けても 驚いただけで、無闇に攻撃してこない。勝手にステイタスを見ても納得できなかった。
謎が深まるだけのミホだったが、ミホが綺麗で惹かれた。
自然と側を離れたくなくて、ミホが無知だと知ってテイムの事をしっかりと教えずに我が側に居られないかと・・・ミホが上手いことテイムした者が常に側に居るのが当たり前なのだと勘違いしてくれた事を喜んでた、すまない」
思い出しながらも ポツポツと語るアオトの声が固い。
アオトと契約した時から自然とアオトが側にいたから、1人で勘違いしただけだと言われたらその通りだ。
深く考えなかった私にも悪いし、アオトも反省してるのか 落ち込みも酷い。
言い訳もせずに正直に話すアオトはすまないと頭を下げる。
「はぁ、確かに私も勘違いで勝手に思い込んでたよ。この世界での事に無知だから。
間違ってたら、それを正してくれないとアオト達のこと信じられないよ」
「・・・本当に悪かった」
「ごめんなさい。でもね、僕も初めてミホを見た時にキラキラで綺麗なミホに一目惚れしちゃって ミホの側に居たくて・・・ごめんなさい」
「・・・1度失った信頼はなくなるのは分かってたんですが、どうしても言えなかった。私もミホの側に居たくて。申し訳ありません」
アオトに続きコウキにユキナと謝る。こんな私の側に居たいと言ってくれる3人とも今にも泣きそうだ。
きっと私に出てきけって言われるのを怖がってるのだろう。
「私が勘違いしてたらちゃんと正してくれる?」
「ミホが間違ってたらね」
「信頼回復に務めるのは当たり前です」
答えのはコウキとユキナだけ。
「アオトはどうなの」
「それは・・・無理にこの世界に当てはまらなくてもいいと思う。ミホが余りにも理不尽な考えだったりすれば正してやるが、ミホはミホのままでいて欲しいと我は思っている」
「それは、私が勘違いしたままでもいいって事なの」
聞き方が意地悪かったのか、アオトの顔色が更に青くなる。
「すまない。言い方が悪かった。
間違っていたら 正してやるが、無理にこの世界に当てはまらなくてもいいと思うと言ったのだ」
へえー ムリに私の思いを変えなくても良いってことなんだ。それは私の考えを認めてくれるってことなんだ。
それは素直に嬉しい。
「私は私のままでいいってことだよね」
「出会った時のままでいて欲しいと思っている」
「そうだよね。ミホが変わっちゃうのは嫌だもん。ずっと今のままのミホでいて」
「アオトの言う通りですね。ミホは今のままでいて欲しいです」
この世界では無知の私。前の世界のままの考え方や価値観もそのままでもいいと言ってくれるの3人。
「そっか ありがとう。そんな風に思っててくれるのは私としても嬉しい。
でもね、この世界の常識はちゃんと知っておきたいから教えてね」
コクと頷くアオト。そろそろ許してあげないと今にも倒れそうだ。
「許してあげる」
ふらりと動いたかと思うと勢いよく近寄って来たアオトに思いっきり抱きしめられた。
「うっ、よかっ・・・」
かなり緊張してたのか、それとも私に嫌われる事を思ってたのか、私には分からないけど抱きしめるアオトの腕が強くて 微かに聞こえて来る声に安堵がにじんでた。
アオトが落ち着いたのが分かったのかユキナとコウキがアオトだけ狡いと、良くわからない抗議をしてきて ユキナとコウキにも抱きしめられた。
ユキナは私を 抱きしめ「すみませんでした」
と言って 気が済むとコウキと変わった。
「ねぇ~ ミホ、僕ね考えたんだけど、僕達とお付き合いしない?きっと、毎日楽しいよ」
!!!とんでもない提案。
彼氏いない歴数十年の私に3人同時にお付き合い?!
無理だぁーーー。
しかも、麗人とイケメン×2、好みがかけ離れてる。私が好きなのは渋い男性だ!
しかも、コウキの提案の前に2人には告られて返事待ちの状態!
「コウキ、私とアオトはミホの返事待ちなので、今はミホを惑わす事は辞めて下さい。
ただ、今の提案も魅力的ではありますね。誰も振られるこは無いですからね」
「えー抜け駆けはダメだよ!でもいい案でしょ でしょ でしょ~!!」
「うむ、複雑だが いい案ではあるな」
いい案?!いい案では無い!!
さっきまで、顔色悪くしてまで反省してたアオトまでいい案とか・・・・。
付いていけない!!
スルーだ!無視だ!!
「間違ってたらちゃんと言ってね。さてと、お昼 温かい素麺でいい?」
「ええ、その・・・手伝います」
しつこく後を付いてきて「いい案でしょー」と、訴えるコウキに お昼は「いらないのね」と 聞くと訴えてを辞めたコウキはテレビの前を陣取ってテレビを付けた。
「ミホ・・・その、今のままココに居ても・・・」
「いいわよ。まぁ、アオトが嫌なら・・・」
出ていってもいいよ。続きの言葉が言葉として出てこない。
私こそ出ていかれると寂しい。
今更 1人にしないで欲しい。
選ばないのに いて欲しい 矛盾してる。
「出ていきたくない。我はミホの側に居たいからな」
3人は素直なままの気持ちを言葉にする。でも、私は狡い。言いたくないことや答えたくないことは無視を決め込む。
このままで 良いのか?
いや、良くないな。
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