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スローライフ 3ヶ月

お飾り職員は役立たず

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長い説明 ありがとうございました。


「では、頑張ってランクアップ目指してください。今回 受付をさせて頂きました私 ベリサと申します。何か分からない事などありましたらお気軽にお声をおかけ下さい」

最後まで丁寧なのはいいですね。でも、事務的で感情がない。

「ありがとうございました。分からないことがあればその時はお願いしますね。
では、失礼します」

 お礼をいって窓口を離れると、酔っ払いのおっさんがニヤニヤと気持ち悪い顔で笑って近づいて来た。

「よォ~ねーちゃん。冒険者でわかんねぇ~事があれば俺が色々教えてやるぜ」

お行儀の悪そうな人は、どこの世界にも居るもんですね。

「ありがとうございます。でも先程、窓口で色々と説明して頂いたので、今の所必要ありませんので失礼します」

関わりたくない時はキッパリと断る事が先決。

「おいおい、せっかくココでの常識を親切に教えてやろうってのになんだその態度は」

生憎こんな気持ち悪いおっさんに、自分から近づきたくはないので、貴方に教わる事は無い。

「そうなんですね、ご親切にありがとうございます。その都度 分からないことはご相談させていただきます」

頭の悪そうなおっさんに、相談は絶対にしない。

ニヤァーっと嫌な笑い顔で私の腕を掴もうとするが、アオトが私の腰を引き寄せた。

「勝手に触れるな」

「おいおい、青二才がご立派な騎士のつもりか?俺はCランクのズボッチだ。登録したばかりの奴が俺に敵うわけ無いんだから、その女置いてさっさと母ちゃんのオッパイでも飲んで寝んねしな」

明らかにバカにして見下した物言いをするおっさんに腹が立つ。

「新人は高ランクの冒険者様のお酌して挨拶するのが常識だ。俺様の酌をさせてやる、有難く思え」

そんな常識ある訳ないだろ。どんだけ身勝手常識だ。

「断る!バカバカしい」

「おいおい、大先輩に対してその態度はなんだクソガキ!俺様の様な大先輩の支持が無ければランクも上がれねぇって知らねえ馬鹿が」

おい!お飾り職員、窓口から傍観してねぇで 助けろ!このバカの言ってる事がすべて出鱈目なのは分かるが、アンタ達がそこから眺めてるだけなら、その通りなんだと信じる人も居るだろ。

「そこそこの実力者が常識ある者に繋がるかと言ったら 目も当てられない結果だな。
常識が無い者はそこそこ実力が有ろうともランクを上げるべきでは無い。
風紀を乱す者は残念な実力しか無い者と看做しランクを下げるべきだな」

おぉー。アオトよ。そこそこの実力から残念な実力になってる。言葉巧みにdisってますね。
登録して半刻も経たない人が言っていいセリフだとは思えないけど。アオトは本当の姿は聖獣だからOKなのか!?

目の前のおっさん、顔を真っ赤にして怒ってますよ。

「そこそこの実力だと。俺様はCランクのズボッチだァァァァ」

あらら、意味を理解してない。そこそこでは無く残念な実力者と言ってるのだよ。

背中に背負ってる剣を抜き取るとアオトに向かって振り下ろした。

おい!こんな所でそんな物 振り回していいのか!?お飾り職員 いいかげん止めろ!!

アオトは綺麗にターンを決める。
そのままおっさんの足を払い華麗にターンを決めておっさんの背後に。
よろめいてるおっさんの背中を思いっきり蹴りを入れたアオト。
そのまま前に倒れてしまったおっさんの手を踏みつけ手から剣が離れると素早く剣を遠くに蹴り飛ばし もう一度おっさんの背中を踏みつけたアオト。
その間 アオトは私の腰を1度離さなかった。
なんか 一緒に社交ダンス踊ってた気分で楽しかったよ。

ギルド職員が駆けつける間に終わった騒動なのだが、アオトはおっさんの背中を踏みつけたままギルド職員への説教をしだした。

「職員達は 私達がこの馬鹿に絡まれてるのを知っていながら、なぜ傍観していたのか説明しろ」

駆け付けたべリサと男性職員2名 計3名はお互いの顔を観ながら誰一人として口を開かない。

「喧嘩は御法度だなどと 言いながら争いごとの種は見て見ぬふりか。それとも、こんなやり方がココでの常識なのか」

誰が口を開くかお互いの肩と肩をぶっつけてる始末だ。
ほんと 事務的な職員はお飾り職員だ。

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