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シャー芯
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昼休みにデパートの文房具売り場でシャーペンの芯を購入した。
内藤に頼んでしまえば良かったと、手の中のプレゼント仕様になってるシャー芯を見つめながら先程のやり取りを思い出す。
『シールにしますか?袋にしますか?』
スーツ姿の私に顔を赤くさせながらも業務を全うさせようとしてる若い女性の視線を鬱陶しく思いながらレジの上に置かれてるセロハンテープの横の店のロゴが入ったテープに手を伸ばしてる女性。私物なら店のロゴの入ってるシールで十分だが、コレは一応プレゼントだ。箱に入れてラッピングにリボンの1つでも掛けてもらいたいが、たかだか 200円もしない品物に箱に入れてリボンをするだろうか?そもそも、シャープペンシルの芯を入れる箱があるだろうか?自分には聞いた事もない。箱はないにしても袋にリボンをかけて欲しい。その位は許されるだろう。
「袋で、それはプレゼントにするのでリボンを頼みたい」
「へ?あの、こちらを・・・ですか?」
シャー芯を両手に持ち ずい と前に押し出して確認を取ってくる女性の店員。
「ああ、それをだ」
戸惑う店員を完全無視を決め込む為に目の前で腕を組むと「少々お待ち下さい」とレジの下を覗き込んだ。
しばらくすると小さな紙袋を手にどれがよろしいでしょうかと、聞かれた。背景が白に水色の可愛らしい象があちらこちらにプリントされてるもの、ブルーで白のハートが散らばってるもの。赤いチェック柄 3つを見せられて 私もなにを血迷ったのか象のプリントされた物に指さしてしまった。
「かしこまりました。おリボンはどの色でお作りしましょうか?」
赤、青、黄色、ピンクの幅の細い布生地のテープ状の物 4種を見せられて「ピンクで」と、考えずに勝手に口からオーダしてしまった。
店員は かしこまりました と手早く必要な長さのテープをハサミで切るとクルクルとリボンに作り上げて真ん中に両面テープを付け 紙袋にポンと取り付け余分なテープは切りとり「コチラでよろしいでしょうか?」と、確認してきた。
「ああ、問題無い」
丁寧に1番小さなレジ袋に入れてもらい 受け取ったのが数分前だ。
頭の片隅には やり過ぎと思う自分と コレでもプレゼントだと思う自分の葛藤だ。
コレが数万のものなら ラッピングにリボン そしてそそれを渡す自分。
誰でも喜ぶ演出をしてみせることで、上手くこの世の中を渡り歩いてきたのだ。そのくらい朝飯前で できて当然。なのに、どんなパターンを考えても上手く渡せる自信が無い。そもそも、なぜ 象の絵柄を選んでしまったのか?それさえも謎だ。
「お買い物は終わりましたか?」
両手に紙袋を下げた内藤が声を掛けてきた。
「あぁ」
手の中で持て余してる象柄の袋を見てるはずなのにわざとらしく聞いてくるこいつに腹がたつ。
「では、社に戻りますよ」
「わかってる」
お前に言われなくても仕事が山積みなのはわかってる。
素直にクルマに乗り込み内藤の運転で社に戻った。
内藤に頼んでしまえば良かったと、手の中のプレゼント仕様になってるシャー芯を見つめながら先程のやり取りを思い出す。
『シールにしますか?袋にしますか?』
スーツ姿の私に顔を赤くさせながらも業務を全うさせようとしてる若い女性の視線を鬱陶しく思いながらレジの上に置かれてるセロハンテープの横の店のロゴが入ったテープに手を伸ばしてる女性。私物なら店のロゴの入ってるシールで十分だが、コレは一応プレゼントだ。箱に入れてラッピングにリボンの1つでも掛けてもらいたいが、たかだか 200円もしない品物に箱に入れてリボンをするだろうか?そもそも、シャープペンシルの芯を入れる箱があるだろうか?自分には聞いた事もない。箱はないにしても袋にリボンをかけて欲しい。その位は許されるだろう。
「袋で、それはプレゼントにするのでリボンを頼みたい」
「へ?あの、こちらを・・・ですか?」
シャー芯を両手に持ち ずい と前に押し出して確認を取ってくる女性の店員。
「ああ、それをだ」
戸惑う店員を完全無視を決め込む為に目の前で腕を組むと「少々お待ち下さい」とレジの下を覗き込んだ。
しばらくすると小さな紙袋を手にどれがよろしいでしょうかと、聞かれた。背景が白に水色の可愛らしい象があちらこちらにプリントされてるもの、ブルーで白のハートが散らばってるもの。赤いチェック柄 3つを見せられて 私もなにを血迷ったのか象のプリントされた物に指さしてしまった。
「かしこまりました。おリボンはどの色でお作りしましょうか?」
赤、青、黄色、ピンクの幅の細い布生地のテープ状の物 4種を見せられて「ピンクで」と、考えずに勝手に口からオーダしてしまった。
店員は かしこまりました と手早く必要な長さのテープをハサミで切るとクルクルとリボンに作り上げて真ん中に両面テープを付け 紙袋にポンと取り付け余分なテープは切りとり「コチラでよろしいでしょうか?」と、確認してきた。
「ああ、問題無い」
丁寧に1番小さなレジ袋に入れてもらい 受け取ったのが数分前だ。
頭の片隅には やり過ぎと思う自分と コレでもプレゼントだと思う自分の葛藤だ。
コレが数万のものなら ラッピングにリボン そしてそそれを渡す自分。
誰でも喜ぶ演出をしてみせることで、上手くこの世の中を渡り歩いてきたのだ。そのくらい朝飯前で できて当然。なのに、どんなパターンを考えても上手く渡せる自信が無い。そもそも、なぜ 象の絵柄を選んでしまったのか?それさえも謎だ。
「お買い物は終わりましたか?」
両手に紙袋を下げた内藤が声を掛けてきた。
「あぁ」
手の中で持て余してる象柄の袋を見てるはずなのにわざとらしく聞いてくるこいつに腹がたつ。
「では、社に戻りますよ」
「わかってる」
お前に言われなくても仕事が山積みなのはわかってる。
素直にクルマに乗り込み内藤の運転で社に戻った。
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