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せつない涙

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引っ越し&同棲 と押し切られる形でとりあえずは頷いたが、何時にするかは黙ってたら 来週とか訳の分からないことを言い始めたので来月末と答えた。

痛む腰も昼過ぎには僅かながらも回復してきた。
兎にも角にも 先ずは家に帰り次の引っ越し先は諦めるとしても アリアーナちゃんを預け場所を探さないと!
ベッドから立ち上がるも最初はちょっとふらついたけど なんとかなると 1歩踏み出せば、パソコンをカタカタやっていたアリィールが
サッと俺を見て「大分 回復して来たな」なんて言いやがる。

「誰のせいだ!!」と、怒鳴り返せたらスッキリするのに 言えない。

「トイレ位は1人で行ける」

「そう、俺は買い物に行くけど何かリクエストあるか?」

「無いです」

「そう、じゃ行ってくるから」

軽く上着を羽織出ていくのを確認して暫くすると家に帰った。

「アリアーナちゃん!!!!会いたかったよ、物凄く会いたかった」

私も会いたかった と、脳内でアリアーナちゃんの声が響く。
思わず ポロリと1粒の涙から積を切ったかの様にボロボロと涙が次から次に溢れる。

結婚したかった。純粋なまま結婚したかった。俺も魔法使いになりたかった。アリアーナちゃんの旦那様になりたかった。
なんで?こんな事に?犯されるわ、写真か動画を撮られてるわ、同棲されられるわ。いい事なんて何も無い。更に最悪なのはアリアーナちゃんと離れて暮らさないといけない事だ。身を切られる思いとは正しくこの事だろう。

感傷に浸ってると チャイムと同時に携帯が鳴り響く。

携帯の画面には隣の男。コチラは無視して玄関を開ければ隣の男だ。

「何も出来ない奴がなに勝手に帰ってんだ。ほら来いよ」

腕を掴まれズルズルと引き摺られ隣に逆戻り。

「大人しく寝とけ」

「ちょっ、大丈夫なので 家に帰ります」

「あ"あ"」

ビック付きながらもなんとか思い付いた事を口にした。

「えっと・・・・着替え」
「ほら、コレでいいな」

近くのコンビニで買ってきた新品の下着を手渡されてしまった。

「ありがとう」

貰ったらお礼を言うがのは当たり前の精神でついつい口を付いて出たがすぐに後悔した。
台所でカトコトとやってる間に俺は倉庫を探すことにした。




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