赤い糸の先

丹葉 菟ニ

文字の大きさ
上 下
171 / 192
上質な恋を

罰と禁止で 6

しおりを挟む
ポッポッポ と頬を染め始めた王妃に王女様も何故か遠くを見つめポッと頬を赤らめ始めた。

フーン 王女様も憧れの人でも居るのか?たしか 7歳だったはず、アイドルや漫画のヒーローをカッコイイって騒いでる年頃だと思えば可愛い恋ってところか。
でもさぁ~、ずーっと 頬を紅くされてても俺としては困るんですけど、俺がなんと声を掛けたらと迷ってると桔梗が、「フゥ」と 一声鳴いたら2人の意識が戻って来てくれた。

『ありがとう 桔梗』

『2人の言葉に踊らされて 部屋を勝手に出たことがバレた時の方が面倒だ』

『だよねぇ~。特にアルにバレたら・・・想像しただけでも うんざりするよな』

眉間の縦じわに額に怒りの血管浮かび上がらせて、怒りながらの注意はなかなか神経的に疲れるのだ。

『その通りだ。想像しただけでも疲れる』

「あら、ルーナ 頬を赤くしてどうしたの?っ、もしかしてルーナ 貴方 好きな方が居るの?」

「ちっ違います!!そんな 」

耳まで赤くしてしまった王女。
可愛いなぁー、まだ子供だった時の初恋思い出すなぁー。

「アルの姿を思い出すと何となくイメージが沸いてきたので その通りに編んで見ようと思います」

周りに言いふらしたい子もいれば、自分だけの秘めた思いにしたい子居る。俺は後者の方だったから何となく王女の気持ちがわかる。
バレてないと信じて行動をしてみても結局はバレてたと大きくなって ばあちゃんから聞いた時は物凄く恥ずかしかったかけど、それはそれでいい思い出になるから、今はそっとしといてあげて欲しい。

まだ どんな模様にするか決まってないけど でまかせを口にした。

「あら、イメージだけで決まったの?わたしが一緒なら少しの間 なら部屋の外に出れるかもと思っての提案だったのよ?本当に姿を見に行かなくていい?」

そりァ~ 王妃が一緒なら部屋の外に出ても誰にも止める者は居ないはずだけど・・・うーん、あまい誘惑だよな。

「ぐるぐる」

『やめとけ。絶対にいい結果にはならない』

『でもなぁ~、見つからなければ・・・』

『絶対に部屋から出るなよ!アルの注意を聞きたいのか』

喉を鳴らしながら アルの小言が聞きたいのかと言ってくれた桔梗の頭を撫でながら『いや、アルの小言は聞きたくない』と 返した。

「気持ちは嬉しいけど ごめんなさい」

「そぅ、残念ね」

なにを理由に残念なのか聞きたい気もすけど、分からないままにする方がいい様な気がして手元の編み物に集中する事にした。

「想い人を一目見れば、こんなのが絶対に似合うってピンと来やすいのよ」

「お母様の仰りたいことは分かりますが、お部屋を勝手に出て叱られるのはイオリなんですよ」

良いものを作って欲しいと思う王妃なりの気遣いなんだろうけど、本当にアルの小言は聞きたくないから甘い誘惑はやめてと思ってると、王女が王妃をとめてくれた。

「そうね、叱られたくない無いわよね」

良かった 諦めてくれた。甘い誘惑も止み 黙々と時間が許す限り 編み物をつづけた。



2人が帰っても 1人黙々と編み 夕飯を食べた後も黙々と編み続けてると、「いい加減にやめて寝るぞ」と、桔梗に止められてベッドに入った。

『そうだ、闇魔法って王さまの保護下に入るんだってね』

『そうなのか?』

『知らなかったの?』

『知らん』

『今以上に 俺の周りの護衛が強固になるなんてやだ』

『だったら黙ってろ。無闇矢鱈と良いものを作って怪しまれるな』

「だな」

桔梗にギュッと抱き着くとぬくぬくと暖かく 目を酷使してたためか直ぐに寝付いた。


暫くすると控え目なノックの音に気がついた桔梗。頭を上げてたのと同時に部屋に入ってきたのはアルベルトだ。

「起こしてしまって済まない。イオリは・・・気持ちよさそうに寝てるな」

「クゥゥン」

手をのばし柔らかなな髪を梳いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

モルモットの生活

麒麟
BL
ある施設でモルモットとして飼われている僕。 日々あらゆる実験が行われている僕の生活の話です。 痛い実験から気持ち良くなる実験、いろんな実験をしています。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

神官、触手育成の神託を受ける

彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。 (誤字脱字報告不要)

処理中です...