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上質な恋を
夜の冒険 2
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そっと 教会に近づきそっとドアを開けると どこにも引っかからずに抵抗なく開いたドアの隙間に身体を滑り込ませて教会の中にすんなりと入れた。
『鍵とか掛けてないんだ。なんか物騒』
『ふむ、確かにその通りだな』
『桔梗 サリーに会ってくるね』
サリーの会えるように 願いながらも 手を合わせて頭を下げる。
スーッと意識が遠のくと 「お久しぶりです」と 金髪の女性が目の前に立ってた。
「お久しぶりです サリーさん。今日はお願いがあって会いに来たんです」
「そうなんですね。まずはお茶をどうぞ」
パンパンと手を叩くと机にソファー が出てくる。ガラガラとワゴンを押してきたサリーはケーキとお茶を入れると俺の前に座った。
「今日はどのようなご要件ですか?」
「はい、俺 どうしても欲しいものがあって 錬金術を使いたいんです」
「なるほど、闇魔法が欲しいんですね」
話が早くて助かる。
「そうなんです。貰えませんか?」
「そうですね、1つお願いがありますが よろしいでしょうか?」
やっぱりなぁ~。ただな訳ないか。神様のお願いってなんだろ。
「俺で 出来ることなら」
「大丈夫ですよ。来年 ルミ国の戴冠式に出席して欲しいのです」
戴冠式って 新国王の誕生の席だろ?俺なんかが主席出来るのか?
「うふふふ、大丈夫ですよ。貴方は証持ち、証持ちは重要視されますし、アルベルトさんの番だと大々的に発表すれば ちゃんと呼ばれます。だから出席して下さい」
「出席すればいいだけなんですよね?」
「そう、出席すればいい それだけです」
なんか含みのある言い方だよな?出席するだけ 闇魔法が貰えるなら貰いたいけど ホントにそれだけ?
「出席してくれればそれだけで 伊織さんの欲しい闇魔法を差し上げますよ。そうですね 魔法の使い方が分からずに苦労をしてますよね?ナビ付きで 付けて上げますがどうでしょう?」
「待遇良すぎません?」
「そんな事ありませんよ。伊織さんに何不自由ない生活をして貰わないと ララが犯した誤ちも 私の誤ちも許していただけませんからね」
はぁー、確かにな。岩の上に居ったおっさんと間違われて、色々と手違いはあったものの 今は楽しくそれなりにやってる。桔梗に父さん 家で働いてくれてる人達も俺の家族だ。それにお父さんにお母さん 王様や王妃様にお城で働いてる人達。それとアル。会えただけでも嬉しくて幸せに感じる。
「伊織さん そろそろお戻りになった方がよろしいでしょう。少し付け足しておきましたので 直ぐにでもお使いになれますよ。また、お困りになったらお越しください。では またお会いしましょう」
急に足元が無くなり一気に落下する感覚に悲鳴を上げたつもりだけで声も出ない。
『イオリ、気がついたか?』
頬に暖かい温もりを感じて振り返ると桔梗が頬をペロリと舐めてた。
「桔梗、サリーに会えたよ」
『そうか、闇魔法は貰えたか?』
「うん、貰えたけど 交換条件だった」
『交換条件?』
「そう、ルミ国の戴冠式に出席しろって」
『おかしな交換条件だな?他に何か言ってたか?』
「出席するだけでいいって」
『そうか、ルミ国に行くのにイオリだと片道2週間だな、長いな転移魔法が使えればいいが』
「転移魔法!!なんか凄いね。本格的な魔法だ。俺にも使えるかなるかな?」
『行ったこともない場所に転移は無理だ。それよりも アルベルトに見つかると めんどうだ。さっさと帰るぞ』
ふふふ、桔梗はアルの怒られながらの注意がかなり嫌いなんだな。
帰るぞと言いながら出口に向かってる。
桔梗と一緒に怒られない為にも早く帰ろうと桔梗の後を追った。
そっとドアを開けて外に出ると 桔梗に跨り 来た道を帰る。木々が立ち並ぶ道を駆けてると グルルルと低い唸り声が聞こえる。
『クッ こんな時に面倒な!!』
4つ光る目 その後ろにも6つの光る目がある。
「あのさ、どうする?」
『緑魔法で縛り上げてくれ』
「なるほど!!」
手を合わせて祈る気持ちで イメージを膨らませる。一体一体を蔦で前足と後ろ足を縛り動けなくさせる。が2匹を捕まえ損なった。1匹が桔梗を目掛けて飛び掛ってきた。
桔梗はヒラリと避けたけど上に乗ってた俺は後ろにそのまま落ちた。
「ぅわあ~!!痛ぁ~」
『イオリ!!』
「グルルル」
「おい!!大丈夫か?!」
ピー、ピー、ピー 見回りの騎士達に見つかり1人が持ってた笛を思いっきり吹き、2人は剣を鞘から抜き構えた。
魔法の火の玉がフワフワと浮かび辺りが明るくなるりよく見える。真っ黒なイヌが涎を垂らし唸り声を上げて威嚇してくる。
『犬なの?』
『グルファだ。あいつに歯は鋭く噛まれると肉を1発で引きちぎる威力がある。骨も関係なく噛み切ってしまう。絶対に噛まれるなよ』
桔梗の説明にブルッと震えた。
引きちぎるってなに?骨も噛み切ってしまうとか無いよ。
走ってくる足音にはチラッと振り向くと笛の音に駆けつけて来た1人が異変を察知して空に黄色い火の玉を打ち上げた。
その間にも2人が剣を抜くとグルファが飛び掛ってきた。
剣を振るうがカスリもせずに交わされて1人の腕に噛み付こうとしたが、桔梗に首を噛まれてそのまま押さえつけられてしまう。
一体が襲われてる隙に一体が動き俺めがけて襲って来たが、騎士が剣を振り 俺から少し軌道がそれてクルリと一回転して身軽に着地した。
「ガッルルル、グルルル」
その間も騎士達は次々と集まってくる。
まだ動ける一体と睨み合う騎士と、桔梗が押さえつけてる一体に縄を掛けてる騎士 蔦につかまってるグルファを捕らえてる騎士と自然に別れてる。
『イオリは早く立て』
動ける様になった桔梗が俺の傍に戻って来て俺に動けと言ってきたけど ヨタヨタとしか動けない俺。情けないが、腰を強く打ってヨタヨタとしか動けない。
『鍵とか掛けてないんだ。なんか物騒』
『ふむ、確かにその通りだな』
『桔梗 サリーに会ってくるね』
サリーの会えるように 願いながらも 手を合わせて頭を下げる。
スーッと意識が遠のくと 「お久しぶりです」と 金髪の女性が目の前に立ってた。
「お久しぶりです サリーさん。今日はお願いがあって会いに来たんです」
「そうなんですね。まずはお茶をどうぞ」
パンパンと手を叩くと机にソファー が出てくる。ガラガラとワゴンを押してきたサリーはケーキとお茶を入れると俺の前に座った。
「今日はどのようなご要件ですか?」
「はい、俺 どうしても欲しいものがあって 錬金術を使いたいんです」
「なるほど、闇魔法が欲しいんですね」
話が早くて助かる。
「そうなんです。貰えませんか?」
「そうですね、1つお願いがありますが よろしいでしょうか?」
やっぱりなぁ~。ただな訳ないか。神様のお願いってなんだろ。
「俺で 出来ることなら」
「大丈夫ですよ。来年 ルミ国の戴冠式に出席して欲しいのです」
戴冠式って 新国王の誕生の席だろ?俺なんかが主席出来るのか?
「うふふふ、大丈夫ですよ。貴方は証持ち、証持ちは重要視されますし、アルベルトさんの番だと大々的に発表すれば ちゃんと呼ばれます。だから出席して下さい」
「出席すればいいだけなんですよね?」
「そう、出席すればいい それだけです」
なんか含みのある言い方だよな?出席するだけ 闇魔法が貰えるなら貰いたいけど ホントにそれだけ?
「出席してくれればそれだけで 伊織さんの欲しい闇魔法を差し上げますよ。そうですね 魔法の使い方が分からずに苦労をしてますよね?ナビ付きで 付けて上げますがどうでしょう?」
「待遇良すぎません?」
「そんな事ありませんよ。伊織さんに何不自由ない生活をして貰わないと ララが犯した誤ちも 私の誤ちも許していただけませんからね」
はぁー、確かにな。岩の上に居ったおっさんと間違われて、色々と手違いはあったものの 今は楽しくそれなりにやってる。桔梗に父さん 家で働いてくれてる人達も俺の家族だ。それにお父さんにお母さん 王様や王妃様にお城で働いてる人達。それとアル。会えただけでも嬉しくて幸せに感じる。
「伊織さん そろそろお戻りになった方がよろしいでしょう。少し付け足しておきましたので 直ぐにでもお使いになれますよ。また、お困りになったらお越しください。では またお会いしましょう」
急に足元が無くなり一気に落下する感覚に悲鳴を上げたつもりだけで声も出ない。
『イオリ、気がついたか?』
頬に暖かい温もりを感じて振り返ると桔梗が頬をペロリと舐めてた。
「桔梗、サリーに会えたよ」
『そうか、闇魔法は貰えたか?』
「うん、貰えたけど 交換条件だった」
『交換条件?』
「そう、ルミ国の戴冠式に出席しろって」
『おかしな交換条件だな?他に何か言ってたか?』
「出席するだけでいいって」
『そうか、ルミ国に行くのにイオリだと片道2週間だな、長いな転移魔法が使えればいいが』
「転移魔法!!なんか凄いね。本格的な魔法だ。俺にも使えるかなるかな?」
『行ったこともない場所に転移は無理だ。それよりも アルベルトに見つかると めんどうだ。さっさと帰るぞ』
ふふふ、桔梗はアルの怒られながらの注意がかなり嫌いなんだな。
帰るぞと言いながら出口に向かってる。
桔梗と一緒に怒られない為にも早く帰ろうと桔梗の後を追った。
そっとドアを開けて外に出ると 桔梗に跨り 来た道を帰る。木々が立ち並ぶ道を駆けてると グルルルと低い唸り声が聞こえる。
『クッ こんな時に面倒な!!』
4つ光る目 その後ろにも6つの光る目がある。
「あのさ、どうする?」
『緑魔法で縛り上げてくれ』
「なるほど!!」
手を合わせて祈る気持ちで イメージを膨らませる。一体一体を蔦で前足と後ろ足を縛り動けなくさせる。が2匹を捕まえ損なった。1匹が桔梗を目掛けて飛び掛ってきた。
桔梗はヒラリと避けたけど上に乗ってた俺は後ろにそのまま落ちた。
「ぅわあ~!!痛ぁ~」
『イオリ!!』
「グルルル」
「おい!!大丈夫か?!」
ピー、ピー、ピー 見回りの騎士達に見つかり1人が持ってた笛を思いっきり吹き、2人は剣を鞘から抜き構えた。
魔法の火の玉がフワフワと浮かび辺りが明るくなるりよく見える。真っ黒なイヌが涎を垂らし唸り声を上げて威嚇してくる。
『犬なの?』
『グルファだ。あいつに歯は鋭く噛まれると肉を1発で引きちぎる威力がある。骨も関係なく噛み切ってしまう。絶対に噛まれるなよ』
桔梗の説明にブルッと震えた。
引きちぎるってなに?骨も噛み切ってしまうとか無いよ。
走ってくる足音にはチラッと振り向くと笛の音に駆けつけて来た1人が異変を察知して空に黄色い火の玉を打ち上げた。
その間にも2人が剣を抜くとグルファが飛び掛ってきた。
剣を振るうがカスリもせずに交わされて1人の腕に噛み付こうとしたが、桔梗に首を噛まれてそのまま押さえつけられてしまう。
一体が襲われてる隙に一体が動き俺めがけて襲って来たが、騎士が剣を振り 俺から少し軌道がそれてクルリと一回転して身軽に着地した。
「ガッルルル、グルルル」
その間も騎士達は次々と集まってくる。
まだ動ける一体と睨み合う騎士と、桔梗が押さえつけてる一体に縄を掛けてる騎士 蔦につかまってるグルファを捕らえてる騎士と自然に別れてる。
『イオリは早く立て』
動ける様になった桔梗が俺の傍に戻って来て俺に動けと言ってきたけど ヨタヨタとしか動けない俺。情けないが、腰を強く打ってヨタヨタとしか動けない。
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