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上質な恋を
編み物 9
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若い騎士の1人が ポットが乗ったワゴンを押して 入って来て お茶を入れてくれると退室した。
「この前のマドレーヌも美味かったがナッツの入ってるのも美味い」
手渡したマドレーヌを食べてくれるアルの顔の目の下に薄らとクマがある。
「口にあって良かった」
「顔を出せなくて悪い」
「忙しいんだろ。そんな中でさ無理して来るなよ 危ないだろ。それに来る暇があるなら少し休んだ方が良い。その方が俺も安心するから」
「俺はイオリに逢えないのが辛い」
目を細めて眩しいものを見るのうな目で俺を見てくるアル、二人っきりだけど恥ずかしくて顔を伏せてしまう。
「ピュピュピュッ」
アルが座ってた椅子の背に止まってたが、鳴きながら俺とアルの間に飛んできた。
「百合も心配だって言ってる」
「百合が言ってる言葉が分かるのか?凄いな イオリが聖女だと言われても信じられるな」
「聖女って、俺 男だけど?」
「そうだな、聖男とは聞いたことは無いな。男性だと聖人のなるのか?」
「聖人って知徳とか慈悲深いって意味だし、聖女は神聖な事績を成し遂げた人だから似て非なる物だと思うよ」
「ピュピュ」首を傾げて鳴いてる百合を指で先で撫でてやると気持ちよさそうに真ん丸な目を綴じる。
アルも指先で百合を撫で始めてしまった。常に毛繕いする百合の羽毛はフワフワしてて桔梗とまた違った手触りで気持ちいい。
「・・・本当に詳しいな。イオリはその 学校に行っていたのか?」
この世界の人ではないって教えたけど、その辺はちゃんと教えたこと無いな。大学院生になる予定だったけど
「大学生って分かる?」
「すまない」
義務教育など言っても通じないだろうな。
「・・・一通り習って、後は個人的に興味を持った物を専門的に習う機関?」
「イオリ見てて思うのだが、この世界より学問が進んでいるのだな」
確かに!とは、言いづらい。掛け算 割り算がこの国では最高学年!レベル低いとは言えない。
日本人は英語喋れない!って、思ってる人も英語苦手って!思ってる人も、実は海外からみたら、1番日本語がややこしいって言われてる。ひらがな、カタカナ、漢字。この3点を器用に使いこなして文字を書き、話をしてる日本人は凄いって思われてる。でも、この国の人は ほぼ言葉は一緒。少しニアンスが違うだけでほぼ一緒だ。
ただ、Polite or Frank のどちらかで良い。実に簡単である。
「魔法無かったし、貴族達の礼儀作法知らないし、歴史も分からない。ダンスレッスンは個人的趣味で習うものだったけどやってみると楽しい」
事実をどれだけ隠して俺に必要な講義が受ける必要があるか伝えないと。
本音を言えば、社交ダンスはやりたくない。でも、舞踏会や夜会だと アルは踊らないといけなくなる。ダンスの相手を俺がしないのであれば他の人とダンスしないと行けなくなる。その時俺が許せる?かと、考えて 無理!だった。嫌なダンスでも、覚えておけばアルが他の人と、踊る事が無いのだ。
「ダンスか、いつの日か一緒踊れると良いな」
「あ~・・・うん頑張るけど、足踏んずけても怒らない?」
「怒らない」
苦笑いしながらも 怒らないと言ってくれるアル。少し場が和んだ、言うなら今かな、
「あのさ、俺、お母さんとユージのお母さんと王妃さまとその幼馴染のジャンムーク婦人と会ったんだ、その物語を作りたいと言われて」
「会ったのか、・・・あの時の告白はイオリに送ったんだイオリの一存で決めていい」
「そのごめん 条件を付けてだけど了承しちゃった」
「条件?」
折り畳んで持ってきたから仮契約書を取り出して見せた。
「書物や劇の収入の2割をレッグウォーマーの事業に寄付する。と有るが どゆう意味だ?」
悪いことはしてないけど何となく顔を逸らしてる頬に手を添えられてアルの方の顔を強制的に戻された。
サラさんにレッグウォーマーの編み方を教えたことからお母さんが俺の代わりに交渉を引き受けてくれること。低価格で広めたい俺は告白劇を了承する代わりにそれで得たお金をレッグウォーマーを作る資金に少し回して欲しいと交渉した事を全部 話した。
「なるほど、確かにアレは温かくて手放せないからな」
手放せないとか言いつつ アルの足元にはレッグウォーマーはされてなかった。先程差し入れを持って行った時に、お父さんはレッグウォーマーをしててくれてた。
自然と足元を見てしまった俺に慌てたアル。
「今朝はしてたんだ。昼から外に出るユージがレッグウォーマーを貸せとしつこく付きまとわれて貸したんだ」
「確かにユージのお母さんもユージはかなりの寒がりだって言ってた。いま ユージのレッグウォーマーを編んでるから」
「ユージのを?」
眉間にシワを寄せて、渋面のアル笑いが込み上げてきた。
「ユージのレッグウォーマーを持ってればアルが貸さなくても良くなるだろ」
「それは分かるが、イオリがユージの為に編み物をわざわざしなくても」
なんと言ってアルを説得するべきか?そもそも 俺がお母さんの為に編み物をしてると知った時もそんな事言ってなかったよな?
悩んでると 突然部屋に入って来たユージの手にはアルのレッグウォーマーがにぎられてた。
「やっほー、イオリ 差し入れありがとうなぁ~、団員のみんな 喜んでるよ。それと、アルの借りてたレッグウォーマー ありがとうな 。もぉ~、最高これ。冬の必需品だよな!これ無くして冬は越せねぇ~」
意気揚々と話してるユージの足には濃い紫で編まれたレッグウォーマーを見つけた。
「そうなんだ。その ユージのレッグウォーマーは?」
「家に寄って、暖かいお茶を飲んでココに戻ってこようとしたら、母さんが丁度 出来たからと言って手渡してくれたんだ。イオリがルーナ王女に教えたんだろ?それを王妃がおそわって、母さんが王妃に教えてもらったんだと。後 2つ3つ 編んで欲しいと頼んで来た」
鼻歌でも歌い出しそうなユージもレッグウォーマーの虜になったみたいだ。
「この前のマドレーヌも美味かったがナッツの入ってるのも美味い」
手渡したマドレーヌを食べてくれるアルの顔の目の下に薄らとクマがある。
「口にあって良かった」
「顔を出せなくて悪い」
「忙しいんだろ。そんな中でさ無理して来るなよ 危ないだろ。それに来る暇があるなら少し休んだ方が良い。その方が俺も安心するから」
「俺はイオリに逢えないのが辛い」
目を細めて眩しいものを見るのうな目で俺を見てくるアル、二人っきりだけど恥ずかしくて顔を伏せてしまう。
「ピュピュピュッ」
アルが座ってた椅子の背に止まってたが、鳴きながら俺とアルの間に飛んできた。
「百合も心配だって言ってる」
「百合が言ってる言葉が分かるのか?凄いな イオリが聖女だと言われても信じられるな」
「聖女って、俺 男だけど?」
「そうだな、聖男とは聞いたことは無いな。男性だと聖人のなるのか?」
「聖人って知徳とか慈悲深いって意味だし、聖女は神聖な事績を成し遂げた人だから似て非なる物だと思うよ」
「ピュピュ」首を傾げて鳴いてる百合を指で先で撫でてやると気持ちよさそうに真ん丸な目を綴じる。
アルも指先で百合を撫で始めてしまった。常に毛繕いする百合の羽毛はフワフワしてて桔梗とまた違った手触りで気持ちいい。
「・・・本当に詳しいな。イオリはその 学校に行っていたのか?」
この世界の人ではないって教えたけど、その辺はちゃんと教えたこと無いな。大学院生になる予定だったけど
「大学生って分かる?」
「すまない」
義務教育など言っても通じないだろうな。
「・・・一通り習って、後は個人的に興味を持った物を専門的に習う機関?」
「イオリ見てて思うのだが、この世界より学問が進んでいるのだな」
確かに!とは、言いづらい。掛け算 割り算がこの国では最高学年!レベル低いとは言えない。
日本人は英語喋れない!って、思ってる人も英語苦手って!思ってる人も、実は海外からみたら、1番日本語がややこしいって言われてる。ひらがな、カタカナ、漢字。この3点を器用に使いこなして文字を書き、話をしてる日本人は凄いって思われてる。でも、この国の人は ほぼ言葉は一緒。少しニアンスが違うだけでほぼ一緒だ。
ただ、Polite or Frank のどちらかで良い。実に簡単である。
「魔法無かったし、貴族達の礼儀作法知らないし、歴史も分からない。ダンスレッスンは個人的趣味で習うものだったけどやってみると楽しい」
事実をどれだけ隠して俺に必要な講義が受ける必要があるか伝えないと。
本音を言えば、社交ダンスはやりたくない。でも、舞踏会や夜会だと アルは踊らないといけなくなる。ダンスの相手を俺がしないのであれば他の人とダンスしないと行けなくなる。その時俺が許せる?かと、考えて 無理!だった。嫌なダンスでも、覚えておけばアルが他の人と、踊る事が無いのだ。
「ダンスか、いつの日か一緒踊れると良いな」
「あ~・・・うん頑張るけど、足踏んずけても怒らない?」
「怒らない」
苦笑いしながらも 怒らないと言ってくれるアル。少し場が和んだ、言うなら今かな、
「あのさ、俺、お母さんとユージのお母さんと王妃さまとその幼馴染のジャンムーク婦人と会ったんだ、その物語を作りたいと言われて」
「会ったのか、・・・あの時の告白はイオリに送ったんだイオリの一存で決めていい」
「そのごめん 条件を付けてだけど了承しちゃった」
「条件?」
折り畳んで持ってきたから仮契約書を取り出して見せた。
「書物や劇の収入の2割をレッグウォーマーの事業に寄付する。と有るが どゆう意味だ?」
悪いことはしてないけど何となく顔を逸らしてる頬に手を添えられてアルの方の顔を強制的に戻された。
サラさんにレッグウォーマーの編み方を教えたことからお母さんが俺の代わりに交渉を引き受けてくれること。低価格で広めたい俺は告白劇を了承する代わりにそれで得たお金をレッグウォーマーを作る資金に少し回して欲しいと交渉した事を全部 話した。
「なるほど、確かにアレは温かくて手放せないからな」
手放せないとか言いつつ アルの足元にはレッグウォーマーはされてなかった。先程差し入れを持って行った時に、お父さんはレッグウォーマーをしててくれてた。
自然と足元を見てしまった俺に慌てたアル。
「今朝はしてたんだ。昼から外に出るユージがレッグウォーマーを貸せとしつこく付きまとわれて貸したんだ」
「確かにユージのお母さんもユージはかなりの寒がりだって言ってた。いま ユージのレッグウォーマーを編んでるから」
「ユージのを?」
眉間にシワを寄せて、渋面のアル笑いが込み上げてきた。
「ユージのレッグウォーマーを持ってればアルが貸さなくても良くなるだろ」
「それは分かるが、イオリがユージの為に編み物をわざわざしなくても」
なんと言ってアルを説得するべきか?そもそも 俺がお母さんの為に編み物をしてると知った時もそんな事言ってなかったよな?
悩んでると 突然部屋に入って来たユージの手にはアルのレッグウォーマーがにぎられてた。
「やっほー、イオリ 差し入れありがとうなぁ~、団員のみんな 喜んでるよ。それと、アルの借りてたレッグウォーマー ありがとうな 。もぉ~、最高これ。冬の必需品だよな!これ無くして冬は越せねぇ~」
意気揚々と話してるユージの足には濃い紫で編まれたレッグウォーマーを見つけた。
「そうなんだ。その ユージのレッグウォーマーは?」
「家に寄って、暖かいお茶を飲んでココに戻ってこようとしたら、母さんが丁度 出来たからと言って手渡してくれたんだ。イオリがルーナ王女に教えたんだろ?それを王妃がおそわって、母さんが王妃に教えてもらったんだと。後 2つ3つ 編んで欲しいと頼んで来た」
鼻歌でも歌い出しそうなユージもレッグウォーマーの虜になったみたいだ。
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