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上質な恋を
編み物 4
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優雅に始まった王妃様とのお茶会は俺の編んだストールを羽織ってるお母さんと幼い時から仲の良いお友達の婦人もご一緒だと紹介された。
・・・俺 そんなの聞いてない。
「初めまして イオリ様、 私 エリミアーノ・ジャンムークと申します。以後 宜しくお願い致します」
「初めまして イオリ様、私 マリアンヌ・ランダサムと申します。以後 宜しくお願い致します」
「初めまして伊織・ターネットと申します。隣に居ますのが シルバーウルフの桔梗とヒューナ鳥の百合です。以後 宜しくお願い致します」
テイムしてる子達も一緒に紹介しておくのが礼儀。挨拶は左手は後ろ右手はお臍の上に軽く腰を折り挨拶。
前の世界ならキザと見られても可笑しくないけど この世界では当たり前。
「フフっ やっと会えましたわ!」
ジャンムーク婦人の満面の笑み・・・なんだろ、退席したい。でも、話さないもの失礼なのでまずは、
「あの、ランダサム婦人はユージのお母様で?」
「そうなの!ユージとアシュからイオリ様のお話は聞かせて頂いております。編み物やお菓子作りもとてもお上手だとか」
趣味程度でそれほどでも無いですが、と謙遜はNGだとウルさんに指導されたばかり。俺の場合、編み物やお菓子作りはプロ級で謙遜は嫌味にしか聞こえないから辞めた方が良いと教わった。
「お恥ずかしいですが 皆さんに喜んで使って頂いております」
「ユージがレッグウォーマーなるものを欲しがって、私に編み物をして欲しいと 言ってきたのですが、レッグウォーマーなる物が分からなくて、今日は王妃殿下に無理を言って参加させてもらったの」
「そうなんですね。俺もその事を今日 王妃様にご相談があって」
「あら?そうなんですの。奇遇ですわね。私もルーラに編んで頂いたレッグウォーマーが気に入って手放せない。その事でイオリにお話があったの」
「私は違うけど、気になるわね?レッグウォーマーってなんですの」
ジャンムーク婦人もレッグウォーマーに食いついた。
「まずは、レッグウォーマーがどういった物かお見せしますわ」
王妃が立ち上がると少しスカートを引き上げた。
え?それってダメなんじゃねぇ?と、思ったのは一瞬で王妃様の足首にはレッグウォーマーが装備されてた。
ピンク色のレッグウォーマーは確かルーラ王女が編んでたものだ。
「まぁ! デイジーなんですのそれは」
婦人達は王妃様の足元に注目を集めてる。スっと裾を下ろすとニッコリと笑うと
「コレを1度は付けますと 外せませんわ!!この寒い冬をレッグウォーマー無しで過ごすなんて考えれない品物です!」
王妃様には興奮気味に俺に詰め寄ってくる眼力は半端ない。
「そうですか、ルーラ王女に教えてあげたかいがあります」
「そんなに 素晴らしい物なんですか」
「ええ、フレディ宰相も毎日付けてます。陛下がレッグウォーマーの事を聞くと、手放せないとか仰ていまして、自分にも欲しいと私に強請ってきましたので 今 ルーラに聞きながら編んでますの」
「そんなに!ユージは冬が苦手で かなりの冷え症だから わざわざ 私に手紙を送って来たのね」
うわぁ~、すっげぇレッグウォーマー ブーム到来がやって来てるよ。
「その、レッグウォーマーを商会の方が商品にしませんかってお話を頂いておりまして、その相談に乗って欲しくて」
婦人達の視線が獲物を狙う目に見えて慄いた。
『王都は冬でもかなり冷えるからな 流行るだろうな』
『へぇー そんなに冷えるんだ。だったら足元を温める物は流行るわなぁ』
「因みにどちらの商会なのですか?」
「レバンチィーノ商会です。ターネット家で従者をしてくれてるサラさんのお姉さんの旦那さんで」
「どうして レッグウォーマーを知ってらっしゃるの」
「サラさんにレッグウォーマーの編み方を教えて、甥っ子にプレゼントしたところ 手放せなくてしまったようで、それをみた旦那さんが商品になると。それで、サラさんのお礼の手紙の文の中にレッグウォーマーを作ってる人と合わせてくれと」
王妃様やお母さんは扇子開いたり閉じたりとしてる。
「レバンチィーノ商会ですか、悪くない話しね」
ジャンムーク婦人は指先を軽く顎に乗せてポツリと呟く「えぇそうね」返事を返したのはユージのお母さん。
「でも、忙しくなる時期にイオリの体調を崩さないか心配ね」
お母さんは俺の体力を心配してくれる。大丈夫だけど 何気なく呟いてくれた気持ちが素直に嬉しい。
「そうね・・・」
王妃様も 心配しすぎたと思う。
「でも デイジー このレッグウォーマーが広まれば毎年 寒さで体調を崩す人が減るわ。身体の弱い子供やお年寄りには過ごしやすくなるわ」
え?ジャンムーク婦人の言葉に驚いた。
『ねぇ 、体調を悪くする人が多く居るほど、そんなに寒いの?』
『寒いな。年寄りや小さな子供も体力が無いからな。冬に体調を崩すとなかなか治らず そのまま 酷くなる人は多い』
「俺は 少しでも暖かくなるなら、商品にしたいと思います。低価格で温かく過ごしやすくしてあげたいです」
「そうね」
一言呟いたお母さんは、お茶を1口飲むと覚悟を決めたように口を開いた。
「そのお話 私に預からせて頂けませんか?」
「え?」
「大丈夫、安心しなさい。イオリの代理として 私が 商会の方とのお話をすすめます。イオリの希望は低価格で平民に広めたい。他には何かあります?」
「お母さん!任せてもいいの?」
「ええ、その代わり 私はイオリの代理人です。最終的な了承のサインはイオリ自身ですること。分かりましたか?」
「はい。分かりました」
「楽しみですわ!」
『難しい交渉はソフィアに任せてれば間違いなくイオリの希望が通るだろ。良かったな』
『うん』
レッグウォーマーが広まってら少しは過ごしやすくなるといいな。
・・・俺 そんなの聞いてない。
「初めまして イオリ様、 私 エリミアーノ・ジャンムークと申します。以後 宜しくお願い致します」
「初めまして イオリ様、私 マリアンヌ・ランダサムと申します。以後 宜しくお願い致します」
「初めまして伊織・ターネットと申します。隣に居ますのが シルバーウルフの桔梗とヒューナ鳥の百合です。以後 宜しくお願い致します」
テイムしてる子達も一緒に紹介しておくのが礼儀。挨拶は左手は後ろ右手はお臍の上に軽く腰を折り挨拶。
前の世界ならキザと見られても可笑しくないけど この世界では当たり前。
「フフっ やっと会えましたわ!」
ジャンムーク婦人の満面の笑み・・・なんだろ、退席したい。でも、話さないもの失礼なのでまずは、
「あの、ランダサム婦人はユージのお母様で?」
「そうなの!ユージとアシュからイオリ様のお話は聞かせて頂いております。編み物やお菓子作りもとてもお上手だとか」
趣味程度でそれほどでも無いですが、と謙遜はNGだとウルさんに指導されたばかり。俺の場合、編み物やお菓子作りはプロ級で謙遜は嫌味にしか聞こえないから辞めた方が良いと教わった。
「お恥ずかしいですが 皆さんに喜んで使って頂いております」
「ユージがレッグウォーマーなるものを欲しがって、私に編み物をして欲しいと 言ってきたのですが、レッグウォーマーなる物が分からなくて、今日は王妃殿下に無理を言って参加させてもらったの」
「そうなんですね。俺もその事を今日 王妃様にご相談があって」
「あら?そうなんですの。奇遇ですわね。私もルーラに編んで頂いたレッグウォーマーが気に入って手放せない。その事でイオリにお話があったの」
「私は違うけど、気になるわね?レッグウォーマーってなんですの」
ジャンムーク婦人もレッグウォーマーに食いついた。
「まずは、レッグウォーマーがどういった物かお見せしますわ」
王妃が立ち上がると少しスカートを引き上げた。
え?それってダメなんじゃねぇ?と、思ったのは一瞬で王妃様の足首にはレッグウォーマーが装備されてた。
ピンク色のレッグウォーマーは確かルーラ王女が編んでたものだ。
「まぁ! デイジーなんですのそれは」
婦人達は王妃様の足元に注目を集めてる。スっと裾を下ろすとニッコリと笑うと
「コレを1度は付けますと 外せませんわ!!この寒い冬をレッグウォーマー無しで過ごすなんて考えれない品物です!」
王妃様には興奮気味に俺に詰め寄ってくる眼力は半端ない。
「そうですか、ルーラ王女に教えてあげたかいがあります」
「そんなに 素晴らしい物なんですか」
「ええ、フレディ宰相も毎日付けてます。陛下がレッグウォーマーの事を聞くと、手放せないとか仰ていまして、自分にも欲しいと私に強請ってきましたので 今 ルーラに聞きながら編んでますの」
「そんなに!ユージは冬が苦手で かなりの冷え症だから わざわざ 私に手紙を送って来たのね」
うわぁ~、すっげぇレッグウォーマー ブーム到来がやって来てるよ。
「その、レッグウォーマーを商会の方が商品にしませんかってお話を頂いておりまして、その相談に乗って欲しくて」
婦人達の視線が獲物を狙う目に見えて慄いた。
『王都は冬でもかなり冷えるからな 流行るだろうな』
『へぇー そんなに冷えるんだ。だったら足元を温める物は流行るわなぁ』
「因みにどちらの商会なのですか?」
「レバンチィーノ商会です。ターネット家で従者をしてくれてるサラさんのお姉さんの旦那さんで」
「どうして レッグウォーマーを知ってらっしゃるの」
「サラさんにレッグウォーマーの編み方を教えて、甥っ子にプレゼントしたところ 手放せなくてしまったようで、それをみた旦那さんが商品になると。それで、サラさんのお礼の手紙の文の中にレッグウォーマーを作ってる人と合わせてくれと」
王妃様やお母さんは扇子開いたり閉じたりとしてる。
「レバンチィーノ商会ですか、悪くない話しね」
ジャンムーク婦人は指先を軽く顎に乗せてポツリと呟く「えぇそうね」返事を返したのはユージのお母さん。
「でも、忙しくなる時期にイオリの体調を崩さないか心配ね」
お母さんは俺の体力を心配してくれる。大丈夫だけど 何気なく呟いてくれた気持ちが素直に嬉しい。
「そうね・・・」
王妃様も 心配しすぎたと思う。
「でも デイジー このレッグウォーマーが広まれば毎年 寒さで体調を崩す人が減るわ。身体の弱い子供やお年寄りには過ごしやすくなるわ」
え?ジャンムーク婦人の言葉に驚いた。
『ねぇ 、体調を悪くする人が多く居るほど、そんなに寒いの?』
『寒いな。年寄りや小さな子供も体力が無いからな。冬に体調を崩すとなかなか治らず そのまま 酷くなる人は多い』
「俺は 少しでも暖かくなるなら、商品にしたいと思います。低価格で温かく過ごしやすくしてあげたいです」
「そうね」
一言呟いたお母さんは、お茶を1口飲むと覚悟を決めたように口を開いた。
「そのお話 私に預からせて頂けませんか?」
「え?」
「大丈夫、安心しなさい。イオリの代理として 私が 商会の方とのお話をすすめます。イオリの希望は低価格で平民に広めたい。他には何かあります?」
「お母さん!任せてもいいの?」
「ええ、その代わり 私はイオリの代理人です。最終的な了承のサインはイオリ自身ですること。分かりましたか?」
「はい。分かりました」
「楽しみですわ!」
『難しい交渉はソフィアに任せてれば間違いなくイオリの希望が通るだろ。良かったな』
『うん』
レッグウォーマーが広まってら少しは過ごしやすくなるといいな。
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