赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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やりたい事

今できること15

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頭を抱え ガタガタと震えながら"なんてことをしてしまったんだ"と涙をながす男性。

「ダリヤ、シェルの確認は取れてます。ほか2名だけとは思えんませんが、彼が言った2名は確認は取れてません」

医療班の責任者ヴァンさん、知らない人が多い中 知ってる人を見つけると先程の事がまたもや頭を振りあたふたする。

「ドーター、ルッタの確認が取れ  ない」

シーン静まり返った中男性の独り言とガタガタと震えるナターシャ嬢
そんなか 扉を開けて 1人の騎士が入って来てアルに向かって頷くと「申し上げたきことがございます」と声を上げた騎士に許可を与える王様の声が響く。

「聖魔法の宿舎 裏手の林を掘り返したところ数十名の遺体が発見、遺体の皮膚はありえない緑や赤に染まり何らかの薬が使われてる物と見られます。直ちに結界魔法を施し 病気などの蔓延を塞ぐ手立てをしております」

「なんてことを!!」

静かに瞼を綴じ 目を開けた時は厳しい表情をした王様。いつもと違い声をかけづらい雰囲気だ。

ざわざわと騒がしくなる場内。男性とナターシャ嬢は婆さんとリーズさんを見た。
成程2人なんだ。

「コチラで保護をしてる男でルッタと名乗ってた者が居る。その男の証言で ターナが開発した薬を売り捌けと言われ バラド国で売り捌いてた。その者も 殆ど意識朦朧としてたが ハシューム国から分けてもらった水を飲ませると僅かだが正常に戻った。自分の意思より他の者に言われたことが最優先事項の様に感じそのように動かなけらばならないと語ってる。そんな恐ろしい薬が世に出回ることは許し難い」

「仲間だと思ってた人に 貴方を批判した人を薬の実験に使ったの?酷い、くだらない理想郷の中でしか自分のプライドが保てなかった人達なんて可愛そう」

思ったまま 声に出してしまったけど怒られないから良いか。

「くだらない理想だと?この国を手に入れ私の国にすれば、私が王になれば 誰もが私に従う!!くだらない理想では無い!!」

俺の声に反応したのがリーズだ。

「リーズ!!貴様 私を王にすると約束しただろ!!王は私だ 聖魔法を第一に置くと!!逆らうものはターナの薬が有れば誰でも簡単に操れると!!!」

仲間割れしちゃったよ、王様も偉い人たちも大勢いるの分かってるはずだけど、もうどうでも良くなったのか、全部認めてる発言だけど。みっともないよ。

「アシス!アンタには王は無理だ 王子である私が王になるのが相応しいのだ」

「黙れ!」

王様の一喝で静まった。

「先程の発言をしかと 聞きました。ウチとは全く関係なく、単独の反逆罪としてリーズを処刑お願いしたい」

ジバルト王子の目は今にもリーズを突き刺す険しい目でリーズを見てる。

「リーズ 並びにハサルベル並びにアシスお主らは国家反逆罪として処刑、ターナは北のオロジロの奴隷とする。ナターシャ、ロン お前達は国外追放とする」

「「「「「「異議なし」」」」」」の声が響き渡る。

「うるさい うるさい うるさい!!!!!」
リーズの叫び声がこだますると 手枷のハマってる掌から王様に向かって火玉が放たれたがアルが剣を抜き弾いてた。

ドッッッッッッッッンンンンン。
バラバラバ

あちらこちらから悲鳴が響く。

一瞬の間で分からなかったが 俺は桔梗に飛びかかってこられて前のめりに倒れてしまい桔梗の下に護らてしまった。

『大丈夫か』
『うん』

「イオリ!桔梗 無事か?」

俺の側に駆け寄り俺と桔梗の無事を確認しに来てくれたのが父さんの声で安心して、掠れてるけど何とか声が出た。

「うん、大丈夫 桔梗が守ってくれたから」

返事をしながらも、桔梗の下から顔だけを上げて周りを見渡してみれば騎士達が素早く動いたのか 偉い人達や婦人や王様にそして、魔法を発動させたリーズの周りを取り囲んでる。

「連れて行け!!」

冷たいアルの声が響くと 騎士がリーズの両脇を持ち上げ無理引き摺られながらも出ていく。
その後ろをアシスやターナ達が連れ出され安全と分かると桔梗が俺の上から退いてくれたので立ち上がり周りの人の視線を辿ると壁の上に大きな穴が空き外が良く見えた。

『破壊力が凄い』

『本気で王を狙ったんだろうが、本気で狙うなら最も 人目がない所でするものだ。第一これしきの力で証持ちを狙うなど愚かな行為だな』

『あのぉ これしきの力って かなりの物だと思うけど』

『そぅ・か・・けが人が居なくて良かったよ』

『結界が張ってるからな』

呆気に取られてる間にも 審議調停が終わりゾロゾロと騎士に守られながらも部屋を出ていく者達。

「桔梗 イオリを守ってくれてありがとう」

アルは桔梗の労いのことばを掛け頭を撫でたり喉を撫でた後にアルにエスコートされて父さん達と部屋を出て 連れてこられたのはシンプルながらも大きな机とソファーとテーブルに天井まで届く本棚に本が1杯に詰まった本棚 どれも重厚感ある。

キョロキョロと見渡してると桔梗はそそくさと窓辺に行き日当たりがいい場所で寝そべった。

「私の執務室だ」

「失礼しまーす」

ノックして返事をする前に入って来たのはユージだ。

「全く 最後の最後でやらかしてくれたよ元バカおーじは、よっ 怪我は無いかイオリ、神主様」

「お久しぶりですね、ユージェット様。怪我は無いですよ」

「うん 大丈夫。久しぶりだね」

「どうぞ お掛け下さいお義父さん。イオリも直ぐにお茶が運ばれて来ますから」

俺とお父さんに椅子を進めた後、ユージに声をかけた。

「あのバカはどうした」

「簀巻きにして地下牢に入れたよ」

「報告 御苦労 」

さっさと 出て行けとばかりにドアを指さすけど ユージはそのままソファーに座ってしまった。
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