赤い糸の先

丹葉 菟ニ

文字の大きさ
上 下
124 / 192
やりたい事

今できること 9

しおりを挟む
王様 それは王政が面倒を見たくないと名言してるのと一緒の事だ。

「一国の王たるものが、希少な聖魔法を蔑ろにすると そお仰るのですな!」

強気に王様を見据えるアシス爺さん。でもさ、勝ち目ないよ あの場にお母さんもいたし王様や王妃もいたし 騎士も居たのを忘れてるのかな?

「聖なる力をおいそれと使えない、怪我人が居たなら運んで来れば良い、俺達が動く必要はない、我々の希少な力で助けてやるからミスリル貨1枚払えと、私はこの耳で聞いた。そんなにおいそれと使えずに秘匿するばかりでは王政としても庇いきれん。今日をもって聖魔法を解体するしかあるまい」

「かい・・・?そっっっなん!!」

前のめりになり何とか言葉を探すが 全く言葉が出てこないアシス爺さん。完璧に忘れてたんだ。

「そんな事と、言われてもなアシス、聖魔法は確かに希少だ だからと言ってその者だけが特別ではない。誰もが特別で誰もが大切な人が居る。自分達だけが特別だと思うな」

「違う!!あの場に居たのは大した力も持たないものばかりで、いっぱい いっぱいだったんだ、もっと力が発揮 出来るものがあの場に居れば・・・」

「あの場に運ばれて来たものは確かに火傷 切り傷 言い方は悪いが 適切な治療をすれば治るものを治して力尽きたのか?治療魔法で全く問題ないな。この先聖魔法を持った者が出て来ても治療魔法として向かい入れる、但し希望者のみだ。強制はしない」

「馬鹿な!!聖魔法を冒涜するのか!!聖魔法だ!完全治療だ!!完全再生する力を舐めるな!!」

「1度力を使えば、魔力の回復は何日かかる?そんな者に無理やり光魔法省に留めとくは出来ない。それに今 聖魔法に所属してるものは皆自白した。アシスの指示で密輸をしたとな。バラド国からの献上品までしていたとも報告が上がってきている。ハサルベル辺境伯の名とともに」

ハサルベル辺境伯と呼ばれた人物がだれなのか直ぐにわかった。見るからに腹が弛んだおじさん。確か 外から入ってくる時に正門検査してくれた人だ。

「わっワタワタワタワタワタワタワタ」

すっげぇ 同様の仕方だな。明らかにしてましたって感じだな。検査員なら献上品を盗むのって簡単そうだけど 献上品の目録とかは書き換え無理だろ?

「無理に話さなくても良いハサルベル辺境伯証拠は揃っている。しかも今回の賊もお主が招き入れてたからな。言い逃れ出来ないだろう」

「違っ!!リーズ王子が」

「みっともないぞ!ハサルベル辺境伯、証拠も揃ってると言われて人に罪を擦り付けるなど迷惑だ」

俺に剣を突きつけた王子が鼻先で笑い飛ばしてハサルベル辺境伯に苦情を言ってるけど、こんな時に嘘言っても仕方ないと思うんだけど。

「バラド国からの献上品なら目録にも細工しやすいだろうリーズ王子 国賓として1度国から持ち出し目録をすり替える。もちろん目録に書かれてない物でもハサルベルが見て見ぬふりをする。アシスの所に目録に書かれてない物を手渡し、聖魔法の子達に品物を国外で売りに出てた。しかも献上品以外にも マシュー厶領の農家を買収して綿や糸等も一緒に。自白も取れてるし他の領でも同じ手口でやってるとも証言がとれてる」

「いいががりですな」

「目録をだけでは無い。バラド国から輸入されるものが一昨年から極端に半減 バラド国にも直接調査を入れて目録と輸入の数があってないことは確認済みだ」

「私の名を態々 犯罪としてでってち上げてるんだ」

「でっち上げであって欲しい。でなければバラド国との交友関係にヒビしか入らん」

「流石は陛下、良くわかってらっしゃる。無実の罪に囚われこの様な侮辱を味わってるんです。既に交友関係は破綻してますがね」

「破綻か、それは我が国としても回避したい所だが ジバルト王太子」

ズラリと並んだ騎士の間から出てきのたは黒髪のロングヘヤー ツヤツヤしてて細面の男らしい顔つき。アルと同い歳なのかな?って思った。

「ジバルト王太子!私の無実を晴らしに態々 足を運んでくれたのか」

「黙れ、自国でも妙な噂が立ち始め調査を進め 全てリーズ貴様の指示でやっていた証拠も抑えた。目録を書き換え本物を燃やしたな?アレは魔法紙だ燃やされたり破られたりしても一時すれば術者の元に帰ってくるように仕掛けられてた。しかも証拠と一緒にな」

ジバルト王太子の手に持ってた紙をリーズ王子に投げた。
ソレを拾い見るリーズは狂ったように「違う!!コレは俺じゃない!!騙されてる」震えながら叫び始めた。

「今 私がココに居るのも その証拠を得て陛下に貴様を捕えるため書状を送った日の夜、大それたことをやらかしてくれた」

叫んでるリーズ王子を無視して 厳しい声で語るジバルト王太子。なるほど 悪い事をしてた証拠は揃ってて 後は捕まえるだけだったんだ。捕まえるなら サッサと捕まえてくれたら良かったのに。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

モルモットの生活

麒麟
BL
ある施設でモルモットとして飼われている僕。 日々あらゆる実験が行われている僕の生活の話です。 痛い実験から気持ち良くなる実験、いろんな実験をしています。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

神官、触手育成の神託を受ける

彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。 (誤字脱字報告不要)

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...