赤い糸の先

丹葉 菟ニ

文字の大きさ
上 下
121 / 192
やりたい事

今できること 6

しおりを挟む
疲れてるならそのまま休めばいいのに一目でも逢いたいと 態々来てくれルア。
疲れてるアルに何かしてあげれる事は無いかと朝から悩んで桔梗に相談したけど・・・。

『逢いたいと来るんだ 特別に何かしなくてもイオリはアルベルトを癒してやれてる』

と、理由の分からない発言をして、テラスに来た鳥と戯れてる。
シルバーウルフを恐れずに頭の上に止まったりフサフサの毛並み顔を突っ込んだりして遊んでる鳥を眺めながら着替えを手に取った。

相談する相手を間違えたかも。

「おはようございますイオリ様」

「おはようございますルーシーさん」

「あらあら、桔梗様はリューナ鳥と仲が宜しいのですね」

リューナ鳥って言うんだ。大きさはニワトリを少しでかくした感じ、顔は白 嘴は黄色、首回りは赤く尾羽根が薄紫とグラデーションのかかった珍しい鳥だ。

「珍しい鳥で見れたら素敵な人としあわせな結婚ができるとか、独り者はいい人に巡り会えるとか言われ 皆さん婚約鳥とか婚期鳥などと言われてますよ」

「婚約鳥・・・」

「イオリ様は素敵な方がいらっしゃるから 桔梗様の婚期が近づいてるのかしら」

かぁー っと顔が赤くなった俺の所にリューナ鳥が飛んできた、その後を追ってきた桔梗の背に止まった。

「ピューーー」

「美味しいパンでよろしいですか?リューナ鳥さん」

「ピュー」

「「返事しましたね」」

俺とルーシーさんの声が重なり 2人で笑い合って朝食に向かった。

桔梗の頭に止まってるリューナ鳥を 皆初めて見たと朝から家の中は大騒ぎだ。
特にサラはリューナ鳥に必死に手を合わせてた。

「私も初めて見ました。桔梗さんのお陰ですね」

桔梗の隣で パンを細かくした物を突きながらた食べてる。

「リューナ鳥もローランさんのパンが美味しいのかな さっきからルーシーさんに何度も強請ってる」

ルーシーさんがリューナ鳥のご飯を準備したから この人に強請れば また貰えると学習したのか 皿の中がカラになればルーシーさんの足元まで行き「ピユピユ」と鳴く。

「夕飯に多めにパンを焼くか」

賑やかな朝食を食べて城に向かうが桔梗から離れようとしないリューナ鳥。

『懐かれてしまった。イオリ この鳥に名前を付けてやってくれ』

『俺にじゃなくて桔梗に懐いたんだろ?だったら桔梗が名前を付けてやれば良いだろ』

『いや、私にでは無くイオリにだ。勝手にイオリに近づくなら本気で噛み付くと言ってるから近づかないだけだ』

桔梗がリューナ鳥に噛み付いたら洒落にならん。

『ちょっと それは凶暴すぎ』

『コイツは別名 婚約者なんて言われてるがそんなにめでたい鳥では無いぞ』

「おはようございます、申し訳ございません。一応 身分証をお願いします」

ポケットから取りだして海中時計型の身分証を見せ 城の中に入っていった。
そして、俺の到着を待ってたウルさんは目を輝かせてる。

「おはようございます。イオリさん 桔梗さんそして お初に御目にかかります。ウルフム・ドドールと申します」

リューナ鳥に丁寧に挨拶をするウルさんに「ピュピュ」可愛らしく鳴くリューナ鳥。
「あいさつを返して下さった」と、感激してるのウルさん。俺は「そうですねぇ~」と、遠い目になった。

「イオリさん 是非リューナ鳥のお名前をおしえて頂けないでしょうか」

『名前を付けてやれ。コイツはイオリには危害は加えないと私に誓ったからな』

今?
ジーッとリューナ鳥を見つめるグラデーションが綺麗だけど顔が白い、白。

『百合とかどうかな?純粋とか威厳の意味が有るけど』

「ピュピュッ、ピュー」

『おおー 俺の名前百合でいいぜ。だ、そうだ』

『オス?だったの』

「エット、この子の名前 は百合です」

「おおー、百合さんですね。よろしくお願いします」

雄に可愛らしい名前をつけちゃった。

暗く沈んでた城で働いてる独身の者達が百合を一目でも見ようと城の中で働いてるものが浮き足立った。

何時も通りに地下室に行き椅子に座ると 紅茶を入れ 去っていくウルさんを確認して、桔梗と向き合った。

『うーん、俺さ百合と出会ってないんだけど、どこで出会ってる?』

『出会ってないな。コイツは遠くで見てて気になってたんだと。そして、イオリが緑魔法を使ったイオリを気に入って従魔になりたいと私に訴えて来た』

『そうなんだ。なんで緑の魔法が決めてになったんだ?』

『うむ・・・あそこまで派手に緑魔法を使える奴はいないから面白いと思った』

『従魔になってるのに 話せないの?』

『話せない方が普通だ、契約を結べば 話さなくてもなんとなく感じ合うものだ』

『俺と桔梗が話せてるのは?』

『サリーからの依頼でもあるからな、私が頼んだ』

『そうなんだ。俺は桔梗と話せてよかった。話せた方が楽しいしね』

『私もイオリと話せて良かったと思ってる』

桔梗と少し話して いつも通りの作業に戻った。お昼前にウルさんが来て 王様がお昼から話したい事が有るから来て欲しいと言われて了承した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

モルモットの生活

麒麟
BL
ある施設でモルモットとして飼われている僕。 日々あらゆる実験が行われている僕の生活の話です。 痛い実験から気持ち良くなる実験、いろんな実験をしています。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

神官、触手育成の神託を受ける

彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。 (誤字脱字報告不要)

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...