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やりたい事
今できること 3
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アルのエスコートで今 使ってる部屋に連れて帰ってくれたけど、アルは仕事があるからとそのまま戻っていった。仕事に戻る前に「夜また来るからその時 一緒に夜空を見よう」わざわざ耳元で囁いていった。
『可愛いものだな』
耳を抑えて蹲ってる俺を見て 小さな子供に言うように桔梗が言ってきたので言い返した、「あの低音ボイスを耳元で直接聞いてみろ!誰でも腰砕けになる!!」
でも、桔梗は「声が低かろうが高かろうが関係ない」と、一刀両断して来た桔梗。
『アルベルトを意識するのはいい事だ』
『意識してない!!それに態と耳元で囁いて行くなんて・・・信じられない』
『ほぉ~』
ほおーって何?それにニヤニヤ笑ってない?顔を擦って騙してるけど絶対に笑ってるでしょ?
「俺は 」
ノックの音に言いたいことを飲み込み、どうぞと返事をすれば 入って来たのはお母さんだ。「一緒にお茶を飲みましょう」との事。
堅いクッキーと共にお茶を飲む事にした。
「あのね、神主様の邸が決まり 明日にでもイオリと暮らしたいとも仰ってるの。どうかしら?」
どうかしらって、神主様とは親子になったんだし一緒に暮らすのが当たり前だよな。
「そうなんですね。明日から父親と暮らすのか、楽しみ」
「親子ですものね。仲良くするのですよ。あぁ、そうそう 私や王妃の約束もあるでしょ?覚えてます」
忘れたら なんか大変そうだな。もちろん覚えてる。
「編み物ですよね」
「王妃や王女からの伝言です。今は城内も慌ただしく落ち着ける時が無いですが、必ず 編み物を教えて下さい。私も同じ気持ちです」
「ゆっくりと時間が出来たら是非とも、皆さんと一緒に編み物をしまょう」
なるべく明るく返事をしたけど頬を押さえてため息を吐いたお母さんの表情に愁いが見えるのは俺の目の錯覚か。
「はぁー、少し寂しくなるわね」
ハンカチを取り出して目じりを拭う姿に俺もなぜか泣けてくる。
「お母さんもお元気で」
「ええ、イオリもお身体に気をつけるのよ」
「はい」
困った事は すぐに相談に来るのよ。たまには遊びに来るのよ。一緒にお買い物に行きましょうね。色々と話して帰って行ったお母さん。
「俺 明日から 父親と一緒に暮らすのかぁ」
『そうだな』
また 俺の部屋に訪ねてきた人物が居るので、返事を返せば入って来たのは王様だ。
「すまぬな、時間も余りないから 茶は良い。ホルエインが邸を決めたと聞いてな。ソフィアには明日からでも一緒に住むと聞いたんだが」
「はい、親子ですから一緒に住むのが 当たり前かなって」
「そうか、それは素晴らしい考えだ」
「ありがとうございます」
「コレは嫌なら断ってくれても構わぬのだが、イオリには解読も続けて欲しいのだが頼めるだろうか」
「解読はさせてほしいと お願いしたかったんです。続けさせてください」
「良かった。ならば正式に私からの依頼として出す。そうすれば、毎日でも通ってこれるからな。それと、コレはわたしの私情になるのだがデイジーの話し相手もしてやって欲しい」
「俺が王妃様の話し相手に?」
「そうだ、私はコレから更に忙しくなるからな 話し相手になってやれん。少しでも デイジーとの時間が合えば、話し相手がいれば少しは気が紛れる、イオリの気が向けばでいい、頼めるか?」
「俺で良かったら 話し相手になります」
王様に頼まれてNOは言えない。
「では頼んだぞ」と 直ぐに出ていく王様。城を襲われた王様は本当に忙しいのだろう。そんな中でも大事な人の為に自ら動く王様。心から王妃様を愛してるんだろ。
宣言通りに夜にやって来たアルは余り時間が無いと言いつつも一緒に窓から見てる。
「あのさ、明日から父親と一緒に暮らすから」
「・・・そうか、逢いに行く」
「そう・・・・あのさ 総隊長とか凄いね。なんで辞めようとしたの?」
逢いに来てくれるのは嬉しいけど その後の言葉が見つからずに 何となく気になってた事を聞くことにした。
「番が見つからず 一応立場的な物もあって自分で探しに歩けないなら、少しでも自由に動き回れる様に、比較的 多くの国に行けるのならと本気で勉強と剣の腕を磨いてたら 総隊長に登りつめてた」
本気で証持ちを探してたら 総隊長に?そんな簡単に総隊長に慣れる世界では無い。近衛や騎士の下は兵士まだ居る中の頂点だ。どれだけ努力して自分の番を探す努力をしてきたのだろ。アルの番に対する思いがわかった。でも、番を見つけれないからと、そんなに簡単に辞める必要は無いのでは?
「なんで 辞めようなんてしたの?」
「他の国にいて、自分の番が酷い暮らしをしてたら救い出そうと思ってた。でも、なかなか見つからず、もしかして 私だけが番を求めてるだけで、相手は他の人を心から愛してしまい出て来ないのでは?とか、色々と思い始めたら 全てが無意味に感じてきて、辞めると辞表を出したんだが、他の者達が 俺を辞めさせたら自分達も辞めると嘆願書を出してしまった。だから今の私は大きな行事が無い限り 総隊長は休暇中だ」
努力して若くして掴み取った総隊長の座なのに、番が見つからない理由を色々と考えて、今の地位を全て簡単に捨てれるアルから番に対する強い想いが感じられる。
でも、今は・・・まだ、全部受け入れきれないけど 俺が・・証を持ってる俺が居るけど。
「コレからはどうするの?」
「弟も学園を卒業して帰ってくるしな、領地を任せて 私は総隊長の職務に復帰しようと思ってる」
「そっか、俺 弟さんにも妹さんにもあったこと無いな」
「帰ってきたら 紹介しよう」
本当は 親戚の皆様が集まってる時に来てたけど、俺の我儘で合わずじまいで帰らせてしまった。こんな俺に 会ってくれるかな?そんな不安になってても、繋いでる手が暖かくて穏やかに流れる時間が心地良くて アルの肩を枕に寝てしまった。
清々しく 目が覚め朝食を食べると父親が迎えに来てくれた。
『可愛いものだな』
耳を抑えて蹲ってる俺を見て 小さな子供に言うように桔梗が言ってきたので言い返した、「あの低音ボイスを耳元で直接聞いてみろ!誰でも腰砕けになる!!」
でも、桔梗は「声が低かろうが高かろうが関係ない」と、一刀両断して来た桔梗。
『アルベルトを意識するのはいい事だ』
『意識してない!!それに態と耳元で囁いて行くなんて・・・信じられない』
『ほぉ~』
ほおーって何?それにニヤニヤ笑ってない?顔を擦って騙してるけど絶対に笑ってるでしょ?
「俺は 」
ノックの音に言いたいことを飲み込み、どうぞと返事をすれば 入って来たのはお母さんだ。「一緒にお茶を飲みましょう」との事。
堅いクッキーと共にお茶を飲む事にした。
「あのね、神主様の邸が決まり 明日にでもイオリと暮らしたいとも仰ってるの。どうかしら?」
どうかしらって、神主様とは親子になったんだし一緒に暮らすのが当たり前だよな。
「そうなんですね。明日から父親と暮らすのか、楽しみ」
「親子ですものね。仲良くするのですよ。あぁ、そうそう 私や王妃の約束もあるでしょ?覚えてます」
忘れたら なんか大変そうだな。もちろん覚えてる。
「編み物ですよね」
「王妃や王女からの伝言です。今は城内も慌ただしく落ち着ける時が無いですが、必ず 編み物を教えて下さい。私も同じ気持ちです」
「ゆっくりと時間が出来たら是非とも、皆さんと一緒に編み物をしまょう」
なるべく明るく返事をしたけど頬を押さえてため息を吐いたお母さんの表情に愁いが見えるのは俺の目の錯覚か。
「はぁー、少し寂しくなるわね」
ハンカチを取り出して目じりを拭う姿に俺もなぜか泣けてくる。
「お母さんもお元気で」
「ええ、イオリもお身体に気をつけるのよ」
「はい」
困った事は すぐに相談に来るのよ。たまには遊びに来るのよ。一緒にお買い物に行きましょうね。色々と話して帰って行ったお母さん。
「俺 明日から 父親と一緒に暮らすのかぁ」
『そうだな』
また 俺の部屋に訪ねてきた人物が居るので、返事を返せば入って来たのは王様だ。
「すまぬな、時間も余りないから 茶は良い。ホルエインが邸を決めたと聞いてな。ソフィアには明日からでも一緒に住むと聞いたんだが」
「はい、親子ですから一緒に住むのが 当たり前かなって」
「そうか、それは素晴らしい考えだ」
「ありがとうございます」
「コレは嫌なら断ってくれても構わぬのだが、イオリには解読も続けて欲しいのだが頼めるだろうか」
「解読はさせてほしいと お願いしたかったんです。続けさせてください」
「良かった。ならば正式に私からの依頼として出す。そうすれば、毎日でも通ってこれるからな。それと、コレはわたしの私情になるのだがデイジーの話し相手もしてやって欲しい」
「俺が王妃様の話し相手に?」
「そうだ、私はコレから更に忙しくなるからな 話し相手になってやれん。少しでも デイジーとの時間が合えば、話し相手がいれば少しは気が紛れる、イオリの気が向けばでいい、頼めるか?」
「俺で良かったら 話し相手になります」
王様に頼まれてNOは言えない。
「では頼んだぞ」と 直ぐに出ていく王様。城を襲われた王様は本当に忙しいのだろう。そんな中でも大事な人の為に自ら動く王様。心から王妃様を愛してるんだろ。
宣言通りに夜にやって来たアルは余り時間が無いと言いつつも一緒に窓から見てる。
「あのさ、明日から父親と一緒に暮らすから」
「・・・そうか、逢いに行く」
「そう・・・・あのさ 総隊長とか凄いね。なんで辞めようとしたの?」
逢いに来てくれるのは嬉しいけど その後の言葉が見つからずに 何となく気になってた事を聞くことにした。
「番が見つからず 一応立場的な物もあって自分で探しに歩けないなら、少しでも自由に動き回れる様に、比較的 多くの国に行けるのならと本気で勉強と剣の腕を磨いてたら 総隊長に登りつめてた」
本気で証持ちを探してたら 総隊長に?そんな簡単に総隊長に慣れる世界では無い。近衛や騎士の下は兵士まだ居る中の頂点だ。どれだけ努力して自分の番を探す努力をしてきたのだろ。アルの番に対する思いがわかった。でも、番を見つけれないからと、そんなに簡単に辞める必要は無いのでは?
「なんで 辞めようなんてしたの?」
「他の国にいて、自分の番が酷い暮らしをしてたら救い出そうと思ってた。でも、なかなか見つからず、もしかして 私だけが番を求めてるだけで、相手は他の人を心から愛してしまい出て来ないのでは?とか、色々と思い始めたら 全てが無意味に感じてきて、辞めると辞表を出したんだが、他の者達が 俺を辞めさせたら自分達も辞めると嘆願書を出してしまった。だから今の私は大きな行事が無い限り 総隊長は休暇中だ」
努力して若くして掴み取った総隊長の座なのに、番が見つからない理由を色々と考えて、今の地位を全て簡単に捨てれるアルから番に対する強い想いが感じられる。
でも、今は・・・まだ、全部受け入れきれないけど 俺が・・証を持ってる俺が居るけど。
「コレからはどうするの?」
「弟も学園を卒業して帰ってくるしな、領地を任せて 私は総隊長の職務に復帰しようと思ってる」
「そっか、俺 弟さんにも妹さんにもあったこと無いな」
「帰ってきたら 紹介しよう」
本当は 親戚の皆様が集まってる時に来てたけど、俺の我儘で合わずじまいで帰らせてしまった。こんな俺に 会ってくれるかな?そんな不安になってても、繋いでる手が暖かくて穏やかに流れる時間が心地良くて アルの肩を枕に寝てしまった。
清々しく 目が覚め朝食を食べると父親が迎えに来てくれた。
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