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焦り
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アルに腕を引っ張られるが桔梗は俺の足を押してアッチだと教えてくれる。動けずに居るとアルは更に腕を引っ張る
「イオリ!!」
腕を取られてるのでそのまま力を込めてアルを誘導する。が、ビクともしない。
「そっちはダメ」
「遠まりだ」
遠回りだと言った後に悲鳴が響き渡った。
キャー!
火の手が回ってるぞ!向こうに避難しろ!
アルが進もうとした方から叫び声が聞こえてくる。
前からは兵士が走ってやって来た。
「アルベルト様!ご無事で何よりです。南口はまだ火が回ってません。急ぎ避難して下さい」
「西口の方に火が回ってる急げ」
「この道をますぐ行け!桔梗、イオリ頼んだぞ」
人が走り込んで来る波を逆走する兵士達の後を追うアル。
『アルベルトは大丈夫だ!急いで建物から出るぞ!』
そうだよね!アルは強いから。大丈夫、きっと大丈夫だ。
出口を目指して桔梗と走ってたがいきなり桔梗がピタリと止まった。
『動くな!』
『なんで 早く外に』
『危険だ!コッチに来るんだ』
いきなり方向転換をして 一室に入った桔梗は窓に近づいたので俺も釣られるように窓に近づき外を見た。
やっと出口から出れたと思ったら、大勢の兵士が剣を片手に待ち構えて、出てくる人を片っ端から捕らわれてる光景にあ然としてしまった。
『ふん!誰だか知らんが、相当 姑息な真似をした者が居るようだ』
「アルは?!アルは無事なの?」
『番を得たんだ今まで以上に強い事は分かってる、無事だろ。問題はコレからどうするかだ』
「あっ!お母さん!!」
出口から出たお母さんとアンネッタさんが兵士に捕らわれていく。
「何とかならない?」
『なんとかと言われても イオリは戦闘能力は無い。どうにもならないだろうな』
無いものは無い。それは認める!でも、このまま見てる事なんて出来ない。何とかならないかと 頭を捻るがいい案が浮かばない。
『焦る気持ちは分かるが、必ず何処かで形成が逆転する。今はココで大人しく隠れてる方が良い』
『俺はここから動くなってこと?』
『その通りだ』
戦闘能力も無い上にここから動くなとも言われたら俺は少なからずショックを受けてしまう。
ココからなんて益々助けれない。どうすればと、外を見てたら枝が風に揺れて兵士に当たった。枝が当たった兵士は鬱陶しそうに木の枝を払う。
これだ!
俺には緑の手があったよな!
上手く草や木を操り救出とか出来ないか?
ダメ元でやってみたいけど、魔法なんてどうやって発動させれば良いのかわからん。
ここは神頼み スタイル。
膝を付き両手を合わせて握り 目をつぶって 草や木に必死に語りかけた。
大事な人達が捕まった。お願い 力を貸して。兵士達の動きを封じて欲しいと。
『なるほど、腕力で戦えないイオリなりの戦い方か、なかなかやるな』
木の枝が伸び剣を奪い、兵士が奪い返そうとすれば枝がしなり兵士を張り倒す。そして、草が伸びて兵士達を次々と拘束していった。
捕らわれた人達は何が起こってるのか分からず、目を大きく見開かれてるが 次々と拘束されてる縄を作って行く枝に「ありがと」と声をかけて行く。
奇妙な光景だが、俺は大満足だ。
草縄に捕らわれた兵士達は1箇所に集められた。
くっそ!必ず居るはずだ!!イオリを必ず私の所に連れて来い!!
何処から大声で俺の名を呼んでる人が居る。が「俺がイオリです。」と名乗り出たいとは思えない傲慢な声に聞こえた。
『・・・まさかな、こんな愚かな事をして迄欲しかったのか?』
心当たりが有るのか 呆れた感じで独りごちる桔梗には侮蔑が滲んでた。
『知ってる人なのか?』
『いや、直接は知らないが噂で聞いたことは有る嫌われ者だ。多分この火事と爆発に関係してる1人だ気を付けて隠れてろ』
とんでもない人だと分かった。素直に桔梗の言う通りにする事にした。
・-・-・-・-・-・-・
火を消さなければと駆けつけた兵士と共に消化に当たる。
何かを撒かれてるのか 火の回りが早い。
消化する者と、人が残って無いか確認する者に分けて兵士を素早く動かす。
火は水魔法が得意とするもの達に消化に当たらせるが、思っていた物よりも酷くはない。ある程度 消化を確認すると後を兵士に頼み1番気になる爆発音がした場所に急ぐ。
徐々に聞こえてくる金属の擦れや切り合う音が大きくなる。
「イオリ!!」
腕を取られてるのでそのまま力を込めてアルを誘導する。が、ビクともしない。
「そっちはダメ」
「遠まりだ」
遠回りだと言った後に悲鳴が響き渡った。
キャー!
火の手が回ってるぞ!向こうに避難しろ!
アルが進もうとした方から叫び声が聞こえてくる。
前からは兵士が走ってやって来た。
「アルベルト様!ご無事で何よりです。南口はまだ火が回ってません。急ぎ避難して下さい」
「西口の方に火が回ってる急げ」
「この道をますぐ行け!桔梗、イオリ頼んだぞ」
人が走り込んで来る波を逆走する兵士達の後を追うアル。
『アルベルトは大丈夫だ!急いで建物から出るぞ!』
そうだよね!アルは強いから。大丈夫、きっと大丈夫だ。
出口を目指して桔梗と走ってたがいきなり桔梗がピタリと止まった。
『動くな!』
『なんで 早く外に』
『危険だ!コッチに来るんだ』
いきなり方向転換をして 一室に入った桔梗は窓に近づいたので俺も釣られるように窓に近づき外を見た。
やっと出口から出れたと思ったら、大勢の兵士が剣を片手に待ち構えて、出てくる人を片っ端から捕らわれてる光景にあ然としてしまった。
『ふん!誰だか知らんが、相当 姑息な真似をした者が居るようだ』
「アルは?!アルは無事なの?」
『番を得たんだ今まで以上に強い事は分かってる、無事だろ。問題はコレからどうするかだ』
「あっ!お母さん!!」
出口から出たお母さんとアンネッタさんが兵士に捕らわれていく。
「何とかならない?」
『なんとかと言われても イオリは戦闘能力は無い。どうにもならないだろうな』
無いものは無い。それは認める!でも、このまま見てる事なんて出来ない。何とかならないかと 頭を捻るがいい案が浮かばない。
『焦る気持ちは分かるが、必ず何処かで形成が逆転する。今はココで大人しく隠れてる方が良い』
『俺はここから動くなってこと?』
『その通りだ』
戦闘能力も無い上にここから動くなとも言われたら俺は少なからずショックを受けてしまう。
ココからなんて益々助けれない。どうすればと、外を見てたら枝が風に揺れて兵士に当たった。枝が当たった兵士は鬱陶しそうに木の枝を払う。
これだ!
俺には緑の手があったよな!
上手く草や木を操り救出とか出来ないか?
ダメ元でやってみたいけど、魔法なんてどうやって発動させれば良いのかわからん。
ここは神頼み スタイル。
膝を付き両手を合わせて握り 目をつぶって 草や木に必死に語りかけた。
大事な人達が捕まった。お願い 力を貸して。兵士達の動きを封じて欲しいと。
『なるほど、腕力で戦えないイオリなりの戦い方か、なかなかやるな』
木の枝が伸び剣を奪い、兵士が奪い返そうとすれば枝がしなり兵士を張り倒す。そして、草が伸びて兵士達を次々と拘束していった。
捕らわれた人達は何が起こってるのか分からず、目を大きく見開かれてるが 次々と拘束されてる縄を作って行く枝に「ありがと」と声をかけて行く。
奇妙な光景だが、俺は大満足だ。
草縄に捕らわれた兵士達は1箇所に集められた。
くっそ!必ず居るはずだ!!イオリを必ず私の所に連れて来い!!
何処から大声で俺の名を呼んでる人が居る。が「俺がイオリです。」と名乗り出たいとは思えない傲慢な声に聞こえた。
『・・・まさかな、こんな愚かな事をして迄欲しかったのか?』
心当たりが有るのか 呆れた感じで独りごちる桔梗には侮蔑が滲んでた。
『知ってる人なのか?』
『いや、直接は知らないが噂で聞いたことは有る嫌われ者だ。多分この火事と爆発に関係してる1人だ気を付けて隠れてろ』
とんでもない人だと分かった。素直に桔梗の言う通りにする事にした。
・-・-・-・-・-・-・
火を消さなければと駆けつけた兵士と共に消化に当たる。
何かを撒かれてるのか 火の回りが早い。
消化する者と、人が残って無いか確認する者に分けて兵士を素早く動かす。
火は水魔法が得意とするもの達に消化に当たらせるが、思っていた物よりも酷くはない。ある程度 消化を確認すると後を兵士に頼み1番気になる爆発音がした場所に急ぐ。
徐々に聞こえてくる金属の擦れや切り合う音が大きくなる。
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