赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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焦り

友 17

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スッキリ目覚めて 朝食を食べてたら なんか騒がしい声が聞こえてきた。

みんな???なんて顔をしてるが、
「そこをとおせー!!」すっごいボリュームの声に誰なのか気がついたのか苦虫を噛み潰したような顔になったよ。

『誰かわかる?』

『わからん』

「母さん!!イオリを」
「わかったわ!」
「アルベルト!いくぞ!!」
「当然です」

「イオリ!此方に来なさい!!」

なんか連携取れてんな~なんて呑気に思ってたらお母さんに腕を取られ急かされる。

「えっええ?」
「さぁー早く、桔梗も一緒に来てちょうだい」

何時もは使用人が使うドアから出て どこかの部屋にたどり着き 外に出た。その横には腰掛けに丁度いい石が置いてある。

「ちょっと失礼しますわ」

?なにごと なんて思ってたらお母さんがその石を持ち上げた。

「イオリ この下にある箱を取ってちょうだい」

慌てて 木の箱を手に持ちお母さんに見せると大きな石を元に戻した。細腕のお母さん、つまり女性なのに火事場の馬鹿力?って こんな時に使う言葉だ。

「さっ 行きましょう!!」

何処に行くかわからないけどついて行くしか無さそうだ。

「はい」
「ガゥ」

着いた先は・・火に焚べるまきを置いてる小屋だ。ちょっと こんな所になんの用事だ?などと思っているがお母さんは箱から取り出したカギを鍵穴に指して回した。当然カチャリと小刻みいい音が鳴る。

「さぁ!入って」

勢いよくドアを掛けて俺の腕を掴むお母さん。中に入ってもある物はまき・・・がない。
暗くて目がなれなかったが壁が一気に明るくなった。よく見れば壁に沿ってろうそくがありソレが一斉に火が灯ったのだ。

『ぉぉ~、桔梗 なんかすっげぇ~。何か魔法みたい』

『みたいでは無く その通りだ』

『やべぇ~なんか 魔法の国だな、イリュージョンしたみたい』

『魔法の国だからな』

「コッチよ イオリ」

コッチと約30歩で辿り着いた赤茶のドアノブを回し開けた先には落ち着いた雰囲気の部屋になってた。

「さ、安心して入って」

「ここは・・・どこですか?」

「うふふふっ、秘密よ。朝食の途中だったわね、しっかりと食べないとイオリは大きくなれないわよ」

ドレッサーの上にあった小さなベルを手に取るとチリンと鳴らすと俺達が入って来たドアから「失礼します」と、キリッとした年配女性が現れた。

「朝食の邪魔をされたの。この部屋で食べるから二人分 直ぐに準備してちょうだい」

「かしこまりました」

『ここってどこなの?』

『・・・まぁ、なんとなく分かるかも』

『教えてよ』

『確信が持てたら 教えてやる』

『そう、待ってる』

運ばれて来た豪勢な朝食にビックリしたよ。
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