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焦り
友 8
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言い争うのも めんどくさいと言われるがまま なすがままになるってる。
私が看病する!と、ガンとして譲らないアルはテーブルの上で書類を片付けながらも こまめに布を濡らしては額に置き、俺のパジャマを着替えを手伝い、食事を食べさせてくれる。
慣れてないことが窺える手つきでも俺のためにも一生懸命にしてくれるアル。
そして、目が覚める度に近くに居てくれるのは心強い。
「アル」
「すまない、起こしてしまったか?」
「ううん 大丈夫」
「熱がまだ下がってない」
だろうな。まだ、身体がダルい。
身体を起こすとアルが素早く背中を支えて 水を飲ませてくれる。
「ありがとう」
「早く 良くなれ」
「うん」
俺が風邪を引くとばあちゃんとじいちゃんが交代で看病してくれたな。じいちゃん ばあちゃんに会いたい。
親離れ子離れって言うけど俺 全く出来てないな。ただ甘えて 好き勝手にしても、じいちゃんもばあちゃんもオレがしたいようすればいいって言ってくれた。
居心地がいい場所で ずっとぬくぬくと育ってきたんだ。自分でもやれる事が多くあった筈なのに 恩返ししたいとか 思ってたけど、じいちゃんもばあちゃんも元気だからって、先延ばしにしてた。でも、実際は先に死んだのは俺だ。先延ばしにては行けなかった。
じいちゃんばあちゃんに会いたい。
会って、ずっと甘えてごめんって謝りたい。
もっと、ありがとうって伝えたい。ちゃんと自分の口で伝えたい。
「どうした?どこか痛むのか?」
「俺さ じいちゃんとばあちゃんに育てられたんだ。じいちゃんとばあちゃん どちらにも恩返し出来ないままだ・・・」
「そうか、辛かったな」
「会いたいよ・・ヒック ・・会いたい」
ボロボロと泣く俺を黙ったまま抱き締めてくれていたアル。
泣き止んでも 何も聞かれないまま 食事を取らせてくれて薬を飲んで寝かせてくれた。
次の日 アルの看病のおかげなのかスッキリ起き上がれたけど ベッドから出ることは許してくれないアルと父さんと母さんそれにグリーさんも皆してぶり返したらどうする?!と、俺をベッドに押し込める。
『過保護すぎる』
『当然の決断だと思うぞ』
『良くなったのに』
『今だけかもしれない』
『俺の身体だから良くわかる。治った』
『勝手に夜の冷え込む中 外に行く者の言うことは誰も聞かないと思うぞ』
グゥッ 確かに、その通りだけどさ。もう少し俺の味方になってくれても・・・。
手に持ってる借りた本を大人しく読むしかない。が、ソファーに深く座り足を組んで書類を読み耽るアル。自然な姿で格好付けて無いけど絵姿の様になってる。
って、そんなことじゃ無くて・・熱のせいでポロッとじいちゃんばあちゃんの事 言っちゃったけど 何も聞いてこないアル。
死んだのは俺だっ。て、話せないし 聞いてこないのは有難い。けど、なんにも思う所は無いのかな?ホントに思わないなら助かる。
私が看病する!と、ガンとして譲らないアルはテーブルの上で書類を片付けながらも こまめに布を濡らしては額に置き、俺のパジャマを着替えを手伝い、食事を食べさせてくれる。
慣れてないことが窺える手つきでも俺のためにも一生懸命にしてくれるアル。
そして、目が覚める度に近くに居てくれるのは心強い。
「アル」
「すまない、起こしてしまったか?」
「ううん 大丈夫」
「熱がまだ下がってない」
だろうな。まだ、身体がダルい。
身体を起こすとアルが素早く背中を支えて 水を飲ませてくれる。
「ありがとう」
「早く 良くなれ」
「うん」
俺が風邪を引くとばあちゃんとじいちゃんが交代で看病してくれたな。じいちゃん ばあちゃんに会いたい。
親離れ子離れって言うけど俺 全く出来てないな。ただ甘えて 好き勝手にしても、じいちゃんもばあちゃんもオレがしたいようすればいいって言ってくれた。
居心地がいい場所で ずっとぬくぬくと育ってきたんだ。自分でもやれる事が多くあった筈なのに 恩返ししたいとか 思ってたけど、じいちゃんもばあちゃんも元気だからって、先延ばしにしてた。でも、実際は先に死んだのは俺だ。先延ばしにては行けなかった。
じいちゃんばあちゃんに会いたい。
会って、ずっと甘えてごめんって謝りたい。
もっと、ありがとうって伝えたい。ちゃんと自分の口で伝えたい。
「どうした?どこか痛むのか?」
「俺さ じいちゃんとばあちゃんに育てられたんだ。じいちゃんとばあちゃん どちらにも恩返し出来ないままだ・・・」
「そうか、辛かったな」
「会いたいよ・・ヒック ・・会いたい」
ボロボロと泣く俺を黙ったまま抱き締めてくれていたアル。
泣き止んでも 何も聞かれないまま 食事を取らせてくれて薬を飲んで寝かせてくれた。
次の日 アルの看病のおかげなのかスッキリ起き上がれたけど ベッドから出ることは許してくれないアルと父さんと母さんそれにグリーさんも皆してぶり返したらどうする?!と、俺をベッドに押し込める。
『過保護すぎる』
『当然の決断だと思うぞ』
『良くなったのに』
『今だけかもしれない』
『俺の身体だから良くわかる。治った』
『勝手に夜の冷え込む中 外に行く者の言うことは誰も聞かないと思うぞ』
グゥッ 確かに、その通りだけどさ。もう少し俺の味方になってくれても・・・。
手に持ってる借りた本を大人しく読むしかない。が、ソファーに深く座り足を組んで書類を読み耽るアル。自然な姿で格好付けて無いけど絵姿の様になってる。
って、そんなことじゃ無くて・・熱のせいでポロッとじいちゃんばあちゃんの事 言っちゃったけど 何も聞いてこないアル。
死んだのは俺だっ。て、話せないし 聞いてこないのは有難い。けど、なんにも思う所は無いのかな?ホントに思わないなら助かる。
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