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焦り
友 5
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神様にお願いしてたのかな?
ノックの音にどうぞと声をかけると ドアを開けて入って来たグリーさん。
「読みたい物は見つかりましたか?」
「あの、まだ・・・」
「その絵本、懐かしいですね。その絵本は幼い頃アルベルト様がずっと肌身離さず、ずっと持ち歩いてました。少しの時間が有れば何度も読み返しておりました」
「やっぱり そうなんですね」
この絵本を何度も読み返しては神様にお願いしてたのかな。早く自分の番が見つかりますようにって。
幼い日のアルベルトに少し触れた感じがする。
「少し休まれてはいかがですか?」
グリーさんに進められてお茶を飲み お菓子を食べる。が、この世界の焼き菓子は硬い。
なんでこんなに 硬いの?歯が丈夫になるけど顎が疲れる。
でも、味は良いんだよな~。なんて、文句は言えないから黙って食べるしかない。
休憩を取ったあとは何を読もうかと本を探す。
『凄いよね専門書の数が半端ないよ』
『そうか、で、読みたい物は見つかったか?』
『うん。ゾロと古城の死体。コレかな?推理小説みたい』
『読みたい物が見つかってよかったな』
『うん。シリーズになってるから 長く楽しめそう』
ニヤッと笑う桔梗に俺も釣られて笑ってしまった。
『桔梗 絶対に笑ったよね』
『イオリがつまらなそうな顔でボーとすることが無くなると思ったからな』
『なにそれ?』
『そのままの意味だ』
やっぱり 桔梗は笑うんだな。俺の見間違いでは無かった事がわかった。
『あのさ、絵本の事 アルに聞いてもいいかな?』
『そうだな、聞きたいなら聞けばいい』
『そっか。聞いてみたいな』
ドアをノックしてるのでどうぞと、声をかけると入って来たのはアルだ。
「イオリ、疲れてないか?」
絨毯の上にペタリと座ってるから下から見上げる形になるけど。ノーネクタイで前ボタンを3つ程外してるアル、相変らずカッコイイな。
「その、すまない」
慌てて ボタンを留めるアル。
「誰の前でもそんな風に 開けてるの?」
「いや、流石にそれは失礼だからな。そんな事はしない」
「ふーん」
「いや!そのだな、イオリの前でも気をつける」
たださえ 男前なんだからそんなに色気を振りまかないで欲しい。
「ご飯ですよね。行きましょう」
「そうだな」
立ち上がると少しふらついた。
『大丈夫か?』
「イオリ!!やはり今日は無理しすぎだ」
アルに抱きかかえられてしまった。腹は空いてるのだ、このままベッドに運ばれたくはない。
「大袈裟です。ちょっと足が痺れただけで、無理なんてしてません」
「そうなのか?」
「そうなんです、足が痺れただけなんで 下ろしてください。ご飯 食べに行きましょう」
そっと 下ろしてくれたアル。
今日の夜空を見る時にでも絵本の事を聞こうと思ったけど アルから夕飯を食べたら直ぐに休む様に言い渡されてしまった。
桔梗からも 早めに休めって言われたから言うことを聞くことにした。
ノックの音にどうぞと声をかけると ドアを開けて入って来たグリーさん。
「読みたい物は見つかりましたか?」
「あの、まだ・・・」
「その絵本、懐かしいですね。その絵本は幼い頃アルベルト様がずっと肌身離さず、ずっと持ち歩いてました。少しの時間が有れば何度も読み返しておりました」
「やっぱり そうなんですね」
この絵本を何度も読み返しては神様にお願いしてたのかな。早く自分の番が見つかりますようにって。
幼い日のアルベルトに少し触れた感じがする。
「少し休まれてはいかがですか?」
グリーさんに進められてお茶を飲み お菓子を食べる。が、この世界の焼き菓子は硬い。
なんでこんなに 硬いの?歯が丈夫になるけど顎が疲れる。
でも、味は良いんだよな~。なんて、文句は言えないから黙って食べるしかない。
休憩を取ったあとは何を読もうかと本を探す。
『凄いよね専門書の数が半端ないよ』
『そうか、で、読みたい物は見つかったか?』
『うん。ゾロと古城の死体。コレかな?推理小説みたい』
『読みたい物が見つかってよかったな』
『うん。シリーズになってるから 長く楽しめそう』
ニヤッと笑う桔梗に俺も釣られて笑ってしまった。
『桔梗 絶対に笑ったよね』
『イオリがつまらなそうな顔でボーとすることが無くなると思ったからな』
『なにそれ?』
『そのままの意味だ』
やっぱり 桔梗は笑うんだな。俺の見間違いでは無かった事がわかった。
『あのさ、絵本の事 アルに聞いてもいいかな?』
『そうだな、聞きたいなら聞けばいい』
『そっか。聞いてみたいな』
ドアをノックしてるのでどうぞと、声をかけると入って来たのはアルだ。
「イオリ、疲れてないか?」
絨毯の上にペタリと座ってるから下から見上げる形になるけど。ノーネクタイで前ボタンを3つ程外してるアル、相変らずカッコイイな。
「その、すまない」
慌てて ボタンを留めるアル。
「誰の前でもそんな風に 開けてるの?」
「いや、流石にそれは失礼だからな。そんな事はしない」
「ふーん」
「いや!そのだな、イオリの前でも気をつける」
たださえ 男前なんだからそんなに色気を振りまかないで欲しい。
「ご飯ですよね。行きましょう」
「そうだな」
立ち上がると少しふらついた。
『大丈夫か?』
「イオリ!!やはり今日は無理しすぎだ」
アルに抱きかかえられてしまった。腹は空いてるのだ、このままベッドに運ばれたくはない。
「大袈裟です。ちょっと足が痺れただけで、無理なんてしてません」
「そうなのか?」
「そうなんです、足が痺れただけなんで 下ろしてください。ご飯 食べに行きましょう」
そっと 下ろしてくれたアル。
今日の夜空を見る時にでも絵本の事を聞こうと思ったけど アルから夕飯を食べたら直ぐに休む様に言い渡されてしまった。
桔梗からも 早めに休めって言われたから言うことを聞くことにした。
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