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焦り
親 18
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暖かなお茶とひざ掛け アルの温もりが残った上着 ぬくぬくしながら空を見上げてると隣でソワソワしてるアルが目の端にチラリと見えた。
?なんだと横を見るたびに目が合うこと3度目。気まずそうに目を逸らしてるアル。
「あの、やっぱり夜空を見るのはつまらないでしょ?部屋に入りますか?」
「つまらなくは無い。イオリと見る夜空は格別に美しく見える。気にするな」
気にするならって先っ気からソワソワしてて気になるって言えないなぁ~。でも俺はもう少しここに居たいしなぁ~。
「そのだな!・・・てを・・・」
大きな声で"そのだな!"なんて 切り出した割には失速してもモゴモゴ 何言っているのか全く分からない。それに 隣合って座ってるのに 微かに聞こえた てを?なんだ??
「あの、なんですか?良く聞こえないんだけど」
「・・・そのだな・・・・手を繋ぎたい」
「は?なんで?」
「ワゥ」
大人しく足元には居たい桔梗が無邪気に俺とアルの間に飛び乗って来た。
「ちょっ 桔梗 どうしたの?」
「桔梗も寒かったのかもしれない」
桔梗を撫でてたらアルの手が触れた。瞬間にパッと飛び降りる桔梗。
「手が冷たい」
俺の手をアルの大きな手で包み込まれてしまった。
『ちょっと 桔梗!!どおゆうこと?』
『察しの悪いイオリの手伝いをしたまで』
『はぁ~?』
冷たいと呟いたアルは俺の手を優しく撫でてる。
"伊織の手が冷たいね。" ばあちゃんやじいちゃんが俺の手を温める為に アルと同じように優しく手を摩ってくれたな。
「ありがとう」
「・・・イオリが風邪を引いては大変だからな」
「俺、そんなに弱くないですよ」
「そうか、だが 油断は禁物だ」
「そうですね、気をつけます」
だから、手を離して下さい。と、手を引くけどしっかりと手を握られてる。
「イオリの手は綺麗だな」
暗くてよく見えない。なのにな綺麗とか言うのか?
「見えないでしょ?」
「そうだな。でも、イオリの手は綺麗だと分かる」
「はぁー、そうですか、ありがとうございます」
綺麗だと断言するアルによく分からないままお礼を口にしつつもう一度手を引くけどしっかりと手を握ってるアル。仕方なくアルに手を預ける事にした。
「明日の午前中は神主様との面会。午後は仕立て屋のマーサとの面会がある。忙しいが大丈夫か?」
忙しいって そんなに忙しいことも無い、のんびりしたスケジュールだと思う。
「大丈夫ですよ」
「そうか。神主様との面会は私達も立ち合う」
「はい、宜しくお願いします」
ずっと アルが俺の手を摩ってくれてるおかげで手からゆっくりと伝わってくる温もりにウトウトしてくる。
知らず知らずの内にアルの肩に頭を乗せて眠りについてた。
?なんだと横を見るたびに目が合うこと3度目。気まずそうに目を逸らしてるアル。
「あの、やっぱり夜空を見るのはつまらないでしょ?部屋に入りますか?」
「つまらなくは無い。イオリと見る夜空は格別に美しく見える。気にするな」
気にするならって先っ気からソワソワしてて気になるって言えないなぁ~。でも俺はもう少しここに居たいしなぁ~。
「そのだな!・・・てを・・・」
大きな声で"そのだな!"なんて 切り出した割には失速してもモゴモゴ 何言っているのか全く分からない。それに 隣合って座ってるのに 微かに聞こえた てを?なんだ??
「あの、なんですか?良く聞こえないんだけど」
「・・・そのだな・・・・手を繋ぎたい」
「は?なんで?」
「ワゥ」
大人しく足元には居たい桔梗が無邪気に俺とアルの間に飛び乗って来た。
「ちょっ 桔梗 どうしたの?」
「桔梗も寒かったのかもしれない」
桔梗を撫でてたらアルの手が触れた。瞬間にパッと飛び降りる桔梗。
「手が冷たい」
俺の手をアルの大きな手で包み込まれてしまった。
『ちょっと 桔梗!!どおゆうこと?』
『察しの悪いイオリの手伝いをしたまで』
『はぁ~?』
冷たいと呟いたアルは俺の手を優しく撫でてる。
"伊織の手が冷たいね。" ばあちゃんやじいちゃんが俺の手を温める為に アルと同じように優しく手を摩ってくれたな。
「ありがとう」
「・・・イオリが風邪を引いては大変だからな」
「俺、そんなに弱くないですよ」
「そうか、だが 油断は禁物だ」
「そうですね、気をつけます」
だから、手を離して下さい。と、手を引くけどしっかりと手を握られてる。
「イオリの手は綺麗だな」
暗くてよく見えない。なのにな綺麗とか言うのか?
「見えないでしょ?」
「そうだな。でも、イオリの手は綺麗だと分かる」
「はぁー、そうですか、ありがとうございます」
綺麗だと断言するアルによく分からないままお礼を口にしつつもう一度手を引くけどしっかりと手を握ってるアル。仕方なくアルに手を預ける事にした。
「明日の午前中は神主様との面会。午後は仕立て屋のマーサとの面会がある。忙しいが大丈夫か?」
忙しいって そんなに忙しいことも無い、のんびりしたスケジュールだと思う。
「大丈夫ですよ」
「そうか。神主様との面会は私達も立ち合う」
「はい、宜しくお願いします」
ずっと アルが俺の手を摩ってくれてるおかげで手からゆっくりと伝わってくる温もりにウトウトしてくる。
知らず知らずの内にアルの肩に頭を乗せて眠りについてた。
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