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焦り
親 13
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自信があったのにな 口に合わなかったのだろう。確かめるために、俺も1口食べるけど 変わりがない。けど、やっぱり ばあちゃんが作ってくれる方が美味いって思う。
「美味い」
「美味しいわ!!初めてよ、こんなにも生地がフワフワで美味しいケーキ!!いくらでも食べれるわ!!」
へ?美味しいのか?!
良かったぁ~。
「お口に合って良かったです」
『美味しいって。良かったぁ~桔梗も食べてみる?』
『そうだな。では、1口』
桔梗の前に1口サイズのホットケーキを手に掴み 口の前に差し出すと パクとかぶりついた。
『コレは美味いな もう一口』
尻尾を軽やかに振りながらもう一口と要求して来る桔梗に クスッと笑いながらもう1切れ差し出す。そんな姿を見ていたアルが「羨ましい」と、ボソッ呟く声は母親と桔梗にしか聞こえてなかった。
「とっても美味しいわ、他に作れる物があるの?」
「俺で作れるのは クッキーとかケーキかな?」
「イオリはお料理ができるのね!素敵だわ、今度 親しい方達をお呼びしてお茶会をしたいと思ってたの。イオリの手作りのお菓子を出したいの、頼めるかしら?」
「俺は素人なので コックさんに頼んだ方が良いのでは?」
「私は今日食べた このお菓子を自慢したいのよ。ダメかしら?」
ただのホットケーキを自慢したいとか・・・よく分からん。
「はぁー・・・このお菓子をですか?ただのホットケーキですよ」
「ただのホットケーキなんて、イオリにしてみたら 食べ慣れた物かもしれないけど、このお菓子は 柔らかくて 甘くて 美味しいわよ!自慢できるお菓子よ!自信をもって」
なんだか最後は力説で自慢できるお菓子とか言われちゃった。
「そうですか。なら、お茶会の時にまた 作りますね」
「ええ、よろしくね」
「余り イオリを疲れさせないで下さい」
「わかってます。でもね・・・必要な事でしょ?」
何かを言いかけて 口を噤んだ?と思いつつも、呑気に「お茶会にお菓子は必要だよな。」と桔梗に話し掛けてた。
「ごちそうさま」
ペロリとホットケーキを食べてくれたアルにばあちゃんが良く口にしていた「お粗末さまでした」が、自然と出たが アルは眉間にシワを寄せた。
「最高に美味かった、簡単に粗末などと言うな」
あれ?怒られた??
桔梗が、アルの側に行きガウゥと ひと鳴きするとアルは慌てたように言い直してきた。
「いや、そのだな 簡単に謙遜することは無い。このホットケーキは最高に美味かった」
「そうですよ。アルベルトが 甘いお菓子を完食してるなんて、子供の頃以来なのよ」
「ぅん?子供の頃以来・・・って、やっぱり甘い物が苦手ってことですよね?」
グッと、なにかを飲み込むアル。
「母さんは黙ってて貰えますか?」
「あら?オホホホッ 、私の記憶違いだったかしら。ごめんなさい、残りはお部屋で頂きますわ」
半分残ってるホットケーキだけを手に持ちリビングを出ていくお母さんと桔梗。
ちょっと待って!!俺を置いて行かないでぇー!!
「美味い」
「美味しいわ!!初めてよ、こんなにも生地がフワフワで美味しいケーキ!!いくらでも食べれるわ!!」
へ?美味しいのか?!
良かったぁ~。
「お口に合って良かったです」
『美味しいって。良かったぁ~桔梗も食べてみる?』
『そうだな。では、1口』
桔梗の前に1口サイズのホットケーキを手に掴み 口の前に差し出すと パクとかぶりついた。
『コレは美味いな もう一口』
尻尾を軽やかに振りながらもう一口と要求して来る桔梗に クスッと笑いながらもう1切れ差し出す。そんな姿を見ていたアルが「羨ましい」と、ボソッ呟く声は母親と桔梗にしか聞こえてなかった。
「とっても美味しいわ、他に作れる物があるの?」
「俺で作れるのは クッキーとかケーキかな?」
「イオリはお料理ができるのね!素敵だわ、今度 親しい方達をお呼びしてお茶会をしたいと思ってたの。イオリの手作りのお菓子を出したいの、頼めるかしら?」
「俺は素人なので コックさんに頼んだ方が良いのでは?」
「私は今日食べた このお菓子を自慢したいのよ。ダメかしら?」
ただのホットケーキを自慢したいとか・・・よく分からん。
「はぁー・・・このお菓子をですか?ただのホットケーキですよ」
「ただのホットケーキなんて、イオリにしてみたら 食べ慣れた物かもしれないけど、このお菓子は 柔らかくて 甘くて 美味しいわよ!自慢できるお菓子よ!自信をもって」
なんだか最後は力説で自慢できるお菓子とか言われちゃった。
「そうですか。なら、お茶会の時にまた 作りますね」
「ええ、よろしくね」
「余り イオリを疲れさせないで下さい」
「わかってます。でもね・・・必要な事でしょ?」
何かを言いかけて 口を噤んだ?と思いつつも、呑気に「お茶会にお菓子は必要だよな。」と桔梗に話し掛けてた。
「ごちそうさま」
ペロリとホットケーキを食べてくれたアルにばあちゃんが良く口にしていた「お粗末さまでした」が、自然と出たが アルは眉間にシワを寄せた。
「最高に美味かった、簡単に粗末などと言うな」
あれ?怒られた??
桔梗が、アルの側に行きガウゥと ひと鳴きするとアルは慌てたように言い直してきた。
「いや、そのだな 簡単に謙遜することは無い。このホットケーキは最高に美味かった」
「そうですよ。アルベルトが 甘いお菓子を完食してるなんて、子供の頃以来なのよ」
「ぅん?子供の頃以来・・・って、やっぱり甘い物が苦手ってことですよね?」
グッと、なにかを飲み込むアル。
「母さんは黙ってて貰えますか?」
「あら?オホホホッ 、私の記憶違いだったかしら。ごめんなさい、残りはお部屋で頂きますわ」
半分残ってるホットケーキだけを手に持ちリビングを出ていくお母さんと桔梗。
ちょっと待って!!俺を置いて行かないでぇー!!
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