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焦り
親 3
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高かった日も ゆっくりと傾き始めた空をベンチに座り眺める。
15歳は働けないのか。
簡単に 住み込みで働ける場所を なんて考えてた自分が愚かに思えてくる。
あの時・・・もっと しっかり神様の話を聞いてなかったのか。もっと話し合うべきだった。と、グルグルと同じ事ばかを思う。
『風が出て来たな。身体を冷やしては風邪を引く。家に入れ』
『ほんと 少し肌寒いな』
長袖のシャツ1枚では寒い昼間は暖かったのに夕暮れは冷え込んでくるな。
そんな事を思っていると 肩から背中にかけてフワリと温もりを感じた。
驚き振り返れば アルが俺に上着を掛けてくれたのだ。
「その、なんだ 寒くなったから」
「上着ありがとございます。とても暖かいです」
思った事を素直に言っただけだが「そうか」と 言って立ち去るアル。
『上着貸してもらちゃった』
『ふん、詰めの甘い奴だな』
『?なにが』
『なんでもない。気にするな、ソレよりも部屋に入った方がいい。今晩は冷え込みそうだ』
『そうだね』
昼と夜の寒暖差がある。秋が近づいてるのだろう。季節の変わり目が苦手で、直ぐに体調を崩しやすいばあちゃんを思い出す。
元気にしてるかな。
俺は 少し 落ち込んでます
-・-・-・-・-・-・-・
イオリがリビングを出て直ぐに後を追ったアルベルト。
何故、私も誘ってもらえないのかと 悲しくなりながらも、イオリの数メートル後ろを着いて歩く。
庭の散策が好きなのか?と思えば 休憩するために置かれてる椅子に座り空を見ているイオリ。
何を思い空を見上げてるのか、その表情は悲しそうだ、聞いてみたいような気がするが、後ろを付けていたなどと みっともなくて側に行けないのだ。
いつまでも 座って動かないイオリ。
だんだんと冷え込み初めて 頬に当たる風が肌寒いさを感じる。
イオリの着ている服は長袖のシャツだけ。
風邪を引いてしまうと 無意識に自分の着ている上着を脱ぎ イオリの肩にかけた。
驚いた顔のイオリと目があってしまったが、後には引けず正直に 寒くなったからというと、パッと花が咲いた様な笑顔で御礼を言われた。
思わず抱き締めたい衝動を堪え 背を向けて 「そうか」としか 言えなかったが、私としては大収穫だ。イオリに笑顔で御礼を言われたのだ。
コレで少しは近づけたのかもしれない。
15歳は働けないのか。
簡単に 住み込みで働ける場所を なんて考えてた自分が愚かに思えてくる。
あの時・・・もっと しっかり神様の話を聞いてなかったのか。もっと話し合うべきだった。と、グルグルと同じ事ばかを思う。
『風が出て来たな。身体を冷やしては風邪を引く。家に入れ』
『ほんと 少し肌寒いな』
長袖のシャツ1枚では寒い昼間は暖かったのに夕暮れは冷え込んでくるな。
そんな事を思っていると 肩から背中にかけてフワリと温もりを感じた。
驚き振り返れば アルが俺に上着を掛けてくれたのだ。
「その、なんだ 寒くなったから」
「上着ありがとございます。とても暖かいです」
思った事を素直に言っただけだが「そうか」と 言って立ち去るアル。
『上着貸してもらちゃった』
『ふん、詰めの甘い奴だな』
『?なにが』
『なんでもない。気にするな、ソレよりも部屋に入った方がいい。今晩は冷え込みそうだ』
『そうだね』
昼と夜の寒暖差がある。秋が近づいてるのだろう。季節の変わり目が苦手で、直ぐに体調を崩しやすいばあちゃんを思い出す。
元気にしてるかな。
俺は 少し 落ち込んでます
-・-・-・-・-・-・-・
イオリがリビングを出て直ぐに後を追ったアルベルト。
何故、私も誘ってもらえないのかと 悲しくなりながらも、イオリの数メートル後ろを着いて歩く。
庭の散策が好きなのか?と思えば 休憩するために置かれてる椅子に座り空を見ているイオリ。
何を思い空を見上げてるのか、その表情は悲しそうだ、聞いてみたいような気がするが、後ろを付けていたなどと みっともなくて側に行けないのだ。
いつまでも 座って動かないイオリ。
だんだんと冷え込み初めて 頬に当たる風が肌寒いさを感じる。
イオリの着ている服は長袖のシャツだけ。
風邪を引いてしまうと 無意識に自分の着ている上着を脱ぎ イオリの肩にかけた。
驚いた顔のイオリと目があってしまったが、後には引けず正直に 寒くなったからというと、パッと花が咲いた様な笑顔で御礼を言われた。
思わず抱き締めたい衝動を堪え 背を向けて 「そうか」としか 言えなかったが、私としては大収穫だ。イオリに笑顔で御礼を言われたのだ。
コレで少しは近づけたのかもしれない。
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