赤い糸の先

丹葉 菟ニ

文字の大きさ
上 下
47 / 192
戸惑い

痣 17

しおりを挟む
アルベルト side

イオリのステータスはハッキリ言ってしまえばどうでもいい。私が知りたいのは番の証 そして 年齢と誕生日それだけだ。


-・-・-・-・-・-・-・
イオリのステータスは驚きのものだったが 私にしてみればそんなも事は粗末な事実に過ぎない。

イオリ自身に危険性が及ぶ物は隠してしまえばいい事だ。それより何より 一瞬でイオリの心を掴んだ神主、名前はホルエイン ・ターネット。私の剣術の師匠であり歴史の教師でもあった。
イオリは一目 師匠を見た瞬間に抱きついてしまった。イオリの安心しきった 顔を見れば私にはまだ何か 足りないものがある事は分かるが、抱きつくのはやめて欲しい。

そうそうに引き剥がし教会での 用事を済ませてしまいたい 気持ちに駆られた。

神主が 教師を引き受けたいと申し出た時は 断る言葉を考えたが イオリの嬉しそうな声と顔を見たら 引き受けるしかなかった。
なぜ、そこまで 神主に懐くのか?私に足りないものはなんなのか。早急に見極める必要があるな。

軽く打ち合わせをして 教会を後にしたが、・・・イオリは黙ったままだ。
今まで 私につきまとう女性も男性も自ら 何処に行こうと 希望を口にしてたが、イオリは何も言ってこない。

面倒臭いと言われない為には どうやってイオリの行きたい場所を聞き出すか・・・・・悩むが一向に言葉が浮かんで来ない。みっともなく焦っていると、やっと イオリから声を掛けてくれたと内心ホッとするも さっさと1人で帰ると言い出す始末だ。

何故だと問えば「この後 誰かと待ち合わせなんでしょ?」と 真顔で言ってくる。

私はそんな事は言っていないし 勿論待ち合わせなど するはずも無い。

「誰が そんな出鱈目を言った?」

「誰もそんな事 言ってませんよ。アルが辺りを見回してたから 俺かそう思っただけです。違うんですか?」

あー、俺のあせりがイオリの勘違いに結び着いたのだろう。情ない、今更 どこに行きたいかなど聞けやしない。イオリに行きたい場所を聞き出せもしない、第一に今以上に飽きられてしまう。

「あっ、大丈夫ですよ。アルがどこで誰とよろしくやってても 構いません。どうぞ、お好きに 過ごして下さい。でわ」

は?ちょっとまて!!その 言葉の意味はなんだ?裏を返せば 自分も誰かとよろしくやるのか?! 
許せぬ!

「俺がどこで 誰とでもよろしく やるつもりもは無いが、イオリはどこでも 誰とでもよろしくやるのか?」

「あの、俺の話では無くてですね、 アルの話を・・
「待ち合わせなどしてない。誰ともどこかで よろしくするつもりもない。イオリはコレからどうしたかったのだ?」

イオリの真意を聞かなければ 私の気持ちが落ち着かない。

「どうしたかった と 聞かれても・・・お金ないから真っ直ぐに アルさんの家に帰るつもりでしたよ?」

顔が強張り 泣きそうになってるが イオリの声と言葉で無いと 納得出来ない。
しっかりと私の目を見つめて 答えるイオリの答えに嘘偽りは無さそうだ。

そうだった。王都に来たもの初めて、当然 回りは知らない人ばかりだ。そんな 中でイオリが不貞をなどと、考えなくても分かりそうなものを、イオリに悪いことをしてしまった。


「溜め息を1つ吐くと1つ しあわせが逃げますよ?」

なに?!!
溜め息 1つで幸せが1つ逃げるだと!?そんな 話は聞いた事が無いが どうも聞き逃せない。私の幸せはイオリと共に居る事だ。それさえもままならいのは、ため息と共に幸せを逃がしてたのか?!

「そんなに 溜め息は吐いていないぞ」

「朝から確実に 10回以上は溜め息を吐いてますね。幸せ10個は確実に逃がしてますから」

ググッ なんたる失態。
自ら 幸せを逃してたとは。しかも たった半日だけで既に幸せ10個も!
だからか?!だから、私の思う通りに事が運ばないのか?!
クソっ もう二度と 溜め息は吐かん!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

モルモットの生活

麒麟
BL
ある施設でモルモットとして飼われている僕。 日々あらゆる実験が行われている僕の生活の話です。 痛い実験から気持ち良くなる実験、いろんな実験をしています。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

神官、触手育成の神託を受ける

彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。 (誤字脱字報告不要)

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...