赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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戸惑い

痣 5

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日が登る前に目が覚めたのは腹が減ったから。

今何時だと辺りを見渡しても真っ暗で何も見えなかったかが、段々と目が慣れてくるとそれなりに目が慣れてくる。
腹を擦るも腹はが満たされることはなく 情けなくも腹の虫が鳴る。

「腹減ったぁー」

少し考えたけど、このままここに居ても仕方ないと部屋を抜け出す。

「桔梗はどこだよ」

フラフラと歩き回る事も失礼かと思いながら階段を下りて1つの部屋に何となく入った。
大きな窓を開けて外に出る。空を見上げると地球で見る満月と三日月の青い月が並んで空に浮かんでる。

月が2つとか変だよ。月は1つでいいじゃん。
ボッーと見上げてると、サッーと風が吹き抜ける。

『こんな所で何をしてる』

『月が2つなんだなって』

『青の月が半分以上 欠けてるな。寒くなるはずだ。黄の月が出て青の月が欠けてる 次に上がってるくる赤の月で本格的な雪の季節がやって来る』

『へぇー、月の色で季節が変わるの?』

分かるような分からない。月の満ち欠けと月の色で季節が変わる。そんな世界が俺がコレから住む世界なんだ。

『1年通してあるのが黄、青の月が春から夏、赤の月が秋から冬。赤と青の月の出方や欠け具合で季節の変わり目を見る。4年に1度は黄と赤と青の月が3つ揃って1週間 空を明るくする』

月の色や形で季節を見るのか、変わってるな。

『俺のいた所は月が1つだった。月の色で季節を知ることなんて無かった』

『月で分からないと不便だろ?』

『星で分かるから。星座があるから・・・星座って云うのがあってね 星と星を線で繋いで色んなものを表すんだ。季節毎に星座が替わり春夏秋冬を感じてた』

『星を線で繋ぐとは面白い発想だな。それは誰が見ても分かるものなのか?』

『そうだな。難しいけど、天体観測とかして皆で星を見たな。じいちゃんは苦手だったけど、自分の星座っ てあって自分の産まれた月の星だけは知っていて アレが双子座なんだぞって 教えて貰ったな』

『月によって星座があるのか。イオリは何時いまれたんだ?』

『俺は 12月だな。・・・じいちゃんとばあちゃんは毎日 最高のプレゼントだって喜んでくれた』

『?誕生日とは生まれたものがプレゼントを貰うのでは無いのか?』

『くっふふふ!そうだね。確かにその通りだよ!』

俺の誕生日はクリスマスだ。だからか、祖父母は毎年 私達に最高のプレゼントだと「生まれてきてくれてありがとう」と、感謝の言葉と共にケーキを食べたな。
じいちゃんとばあちゃん、元気にしてるかな?

「イオリ!!!」

窓から身を乗り出し いきなり叫んでるのはアルだ。

「いいか!そこから1歩も動くな!!」

アルが叫んだ事で 所々部屋の灯りが灯り、何となく 申し訳ない。
パジャマ姿のまま窓から飛び出して来たアルはそのまま俺を抱きしめて来た。しかも遠慮無く抱きしめるものだから、身体が悲鳴を上げる。

「痛!痛い 痛い 痛い 馬鹿力離せ!」

「あぁぁぁ 悪い 大丈夫か?」

謝りながら離れるも腕はガッチリ掴まれてしまってる。

「イキナリなんですか?こんな夜中に大声を出して」

そのに現れたアルの御両親にしっかりとパジャマの上に上着を羽織ってる。

「起こしてしまいすみません。もう、大丈夫なのでおやすみ下さい」

「そうも いかないだろ。イオリ 先ずは中に入りなさい風邪を引いては大変だ」

自分の上着を掛けてくれるお父さんにお礼をいい そのまま部屋に通される。

「身体が冷えてしまってる。アルベルト火を起こしなさい」

「なんか すみません」

俺が大声を出して 起こしてしまった訳では無い。俺が悪いとは思わないが 何故か すんなりと謝ってしまうのが可笑しいなと思う。

「こんな時間に何をしてた」

「空を見てました」

間違った答えを言っては居ない。確かに桔梗と月と星の話をしてたから。

「空・・・」

「あの、俺は大丈夫なので お休み下さい」

両親はお互いの顔を合わせて 溜息を吐く。

「空を見てたの?そろそろ 寒くなるものね、冬支度が必要になるわ。近い内に色々と準備が必要よね、近い内に色々談しましょう。アルベルト、私達は先に休ませて貰うわね」

おやすみなさいと 出ていた。
徐々に温まる部屋にホッとするが、飲み物が欲しくなるし 腹の空腹が増す。

「・・・・・・」

何より 一緒に居ても全く話の糸口が見えない。

どうしたらいいんだ?
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