赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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戸惑い

ため息

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リビングに通されて グリーさんにお茶を入れてもらった。
グリーさん 見た目は優しい爺ちゃんにしか見え無いのに 行動がとんでもなく大胆だ。

「夕飯前ですが 少しお摘みになると宜しいですよ」

出されたのは可愛らしいプチケーキが3つ乗ってる。

「いただきます」

とりあえず お礼は言ったものの 食べる気は全くない。

『どうしたらいいと思う?』

『どうしたらいいとは?』

『ここから出て行くには』

『出ていったとして行くあてはあるのか?』

『ないよ。無いけどさ 俺はアルと番とかじゃないから!神様に消してもらわないと』

『明日にでも 教会に連れて行ってもらえ。そして、サリーと良く話し合え。私に言えることはこんな事だけだ』

いきなりノックも無しに入って来たのはアルは少し慌ててる様だ。

「イオリ!!ここに居たのか。良かった」

「すみません」

「謝ることは無い。居たのならそれでいい。具合はいいのか?」

「ぐっすり 寝たので」

「そうか、良くなったのなら 問題ない」

そんなやり取りをしてる間にも隣に座ったアルに、??と なりながらも 出されたケーキを進めてみる。

「良かったらどうぞ」

手を付けてないケーキを差し出す。もしかして ケーキが食べたかったのではと思ったからだ。

「イオリが食べるといい。私は甘い物は苦手なんだ」

ケーキ目的では無かったのか。
座る所なら いっぱいあるのに 態々俺の隣に座ったって事は、番の証がなにか関係してるのか?
1日も早く 神様に消してもらう必要がありそうだ。


「あの、明日は教会に行きたい・・ので、外出します」

グリーさんの腹切りならぬ首切りを避けたい。外出したらそのまま帰ってくるつもりも無い。

「私も一緒に行こう」

「なんで?」

「私も 教会に行きたいからだ。前に約束しただろ」

確かにそんな事を行っていたけど、俺と一緒に行かなくても。

『教会の場所知らないだろ?一緒に行けば探す手間が省けるだろ」

確かにその通りだけど、余り一緒に居たいと思える人ではないな。 神様の手違いで俺に執着し始められても困る。さっさと終わらせたい。

「そうでしたね。では、明日一緒に」

「ああ」

一緒に 教会に行くだけなのに 嬉しそうにしてるアルに ため息しか出なかった。

「お茶をどうぞ」

「ありがとう グリー」

お茶をアルに出し一礼して出ていくグリーさんを目で追い 完全に部屋を出て行っていた事を確認して 切り出した。

「あの!グリーさんって・・感情豊かな人だよね」

「グリーがどうした?」

なんか 陰口たたいてるみたいで好きではない。けど、首切りする人ってヤバくね?って思うんだよね。

正直に聞くか それとも 誤魔化すか。
どうする?
俺って なんか ため息ばかり付いてる。
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