赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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隊列 11

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帰還演習はまだ終わってない。
なので予定変更もなく始まった。でも少し違っていたのが、本調子なのは俺だけではない、負傷者も大勢 居るので馬車に乗って進んでる。

馬車に乗れと言われて最初は乗ったが、サスペンションが無いのだろう。思いっきり揺れる、その揺れがダイレクトにお尻と腰にダメージを与えられ続けられては、大人しく乗って居ることが出来なくて、早々に降りて歩く決意をする。

ヨタヨタと歩く隣にはユージェットと桔梗が寄り添ってくれるが、申し訳なくて先に進んでくれとお願いすると「頼む 一緒に居させて欲しい。ニューヘンにだけは行きたくない、何がなんでも回避をしたいから 嫌がらずに俺と一緒に居て」と、逆にお願いされてしまっては断る訳にも行かずに、ゆったり のんびりと進んでる。

「俺のペースだと一日半ではつかないと思いますよ?それでも僕と一緒に進むつもりですか?」

「一緒がいい!予定通りの王都入りでは無く俺は無事にイオリと王都入りするのが目的だから」

俺と一緒が良いとか俺を見張ってるとしかおもえない。

ヨタヨタと歩いてると木の根に足を取られて転けてしまう寸前で ユージェットさんの腕に助けられた。
ずっと足の裏が痛くて痛くて 歩けないけどユージェットさんには迷惑をかけれないと頑張ってた。

「おっと 大丈夫?少し休もうか」

ハイっと渡されたの鞄の中から取り出したコップと水差し。
普通にコップに水を注いで手渡された。
飲んでみるとやっぱり普通の水だ。

確かなんて言うだったけ?この頃はゲームなんてしなかったし、高校ではシューティングに凝ってた、RPG系は中学迄だったからすんなり出てこない。でも知らないと気持ち悪い。

「その鞄の無限収納なんですか?」

「知らないの?コレはマジックバック。無限には収納できないよ。無限収納なんてチートなんてこの世界に5本の指に入る貴重チートだから、間違いなくお金持ちだよ」

「へえー、バックには収納に限りがあるんですか?」

「あるよ?コレは軍 つまり騎士達の為に使われる1番でかいヤツ。ジェネラルオークなら20頭は入るヤツだよ」

自慢気に話し来るけどイマイチ良く分からないので、適当に相槌を打っておく。

「うーん?本当にこのバックの凄さわかってる?ミスリル5枚の価値があるんですよー」

「ミスリルって物凄く貴重ですよね」

「・・・イオリ?質問、1番小さな貨幣と1番大きな貨幣を言ってみて?」

なんか嫌な質問だな・・・ミスリルがあるって事はミスリルが一番大きな貨幣になる筈だよね?ならば小さな貨幣は?

『桔梗 教えて』

『知らないなら知らないと正直に答えた方がイイと思うぞ』

『桔梗お願い!』

呆れてるのか 渋々教えてくれた。

「えっと・・・・鉄が1番小さくミスリルが1番大きい、ミスリルなんて 一生 生きてても自分の手に持って見ることなんて出来ませんよね」

「うんー、そうだね」

疑いの目を向けるのは良してくれる?

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