赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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隊列 6

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連絡係 医療班 後方支援と呼ばれる人達が数名残り後は皆 中間地点と前線で戦う討伐隊らしく 朝か物々しく隊列を組んで出ていった。

キャンプ内から出るなと言われてる。
桔梗にも何度も俺をキャンプ内から出さないで欲しいと言っていた。その度に『イオリが出ないと何度も言えば私に執拗く付きまとって 言ってこない、なんとかしろ』と、桔梗に怒られて 渋々 繰り返す言葉に頷いて承諾してしまった。

『俺も少しは役立ちたい。負傷者の手当なら出来るから 手伝ってもいいよな?』

『確かに 怪我人も運び込まれるだろ。イオリ、誰彼と力を使うのでは無く 使う相手を見極めろ。相手は騎士なんだ多少のキズは名誉だ。イオリが使う力は重症者のみに使うべきだ。解ったな』

『あんな 光景初めてで気が動転してた。桔梗が指示を出してくれたなら 何とかなると思うから よろしく』

『仕方ない 力を使う相手を教えてやる』

「うん、お願い」

医療班と一緒に待機する事にした。

「こんにちは 俺もココで一緒に待機しててもいいですか?」

「イオリ君か、大歓迎ですよ」
「ちょっと待って下さい。動物は医療の現場で相応しくない」

「桔梗は別に汚く無いですよ、アルがちゃんとクリーンをしてくれてます」

「アルベルト様のクリーンなら正確に掛かってるだろう。どうぞ 入って下さい」

なんだろう ちょっとキツめの男の子から思いっきり睨まれてるんだけど。俺なんかしたっけ?

「私は医療班の責任者ヴァンです、よろしく」

「イオリです。足でまといかも知れませんが少しでもお役に立てるように頑張ります」

ここで知らなかった事を色々と聞けた。

全6団隊の半分が途中に待機するそうだ。
1団隊に医療班の人数は7名になるから21名の自己紹介はちょっと引いた。

この演習は3年に1度の大きな演習になり、全員が参加義務がある。アルベルトは父の跡を継ぐ立場で次期宰相殿で、ユージェットは父の跡を継ぐ立場で次期参謀長官としての今は下積みらしい。
知らなかった情報提供は嬉しいけど、全てが雲の上の存在過ぎて、どれも受け止めれないものばかりだった。

「はぁー、アルもユージェットさんも凄い雲の上の存在なんですね」

「そーだよ、やっとわかったか ばーか。今だけ珍しくてチヤホヤされてるってことちゃんと認識しろよな。それになアルベルト様は証持ちのんだよ、お前なんかお呼びでも無いんだよ。なに馴れ馴れしくアルベルト様の事を軽々しくアルとか失礼きまわりない!」

えっと、こいつワァガルだったけ?桔梗を汚いとか言った奴だよな。

「失礼にはならないと思います。アルベルトからアルと呼んで欲しいと頼めれたから希望通りにしてるだけで別に勝手に呼んでる訳では無いので」

「アルベルト様から希望された・・・嘘だ」

「あー すまないな。コイツ ずっとアルベルト様に恋してて、アルベルト様と同じ証の針打ち迄 考えてるバカなんだ」

針打ちって入れ墨の事?大事な身体に何してんだろ馬鹿だと思う。

「綺麗な体で産んでくれた両親に感謝しないとダメだぞ」

『その言葉は余りにも不適切だと思うぞ、誰しも証を持って生まれて来たい。親も証があれば一生安泰だと考えるから、綺麗な身体は誰もが望んでない』

『へっ?そうなの?綺麗な身体の方が良くない?』

『綺麗がイイと考える者が 何人居るか 』

『俺は綺麗な方がいい』

『イオリだけだろうな』

「へえーって 事はあんた綺麗な身体なんだ、それでもアルベルト様の側に。じゃ俺でもアルベルト様の・・・・」

『ライバルにもなりもせんのに、何を勘違いしたのか思い悩まされる』

キッと睨まれてるんだけど!
俺には関係ないっす。勝手に恋でも何でもしてくれ。何なら、自分に振り向かせて俺から引き剥がしてくれアルを!!
俺は是非とも応援するぜ。
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