赤い糸の先

丹葉 菟ニ

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ココでの演習が後5日続くと聞いても俺には関係ない。執拗にアルに止められて仕方なしに2日程居たが、アルの行動に本気で嫌気がさして、人目がない所を掻い潜って脱走しております。

アルの行動はおかしい。ほかの団員と話てるだけで間に入って来て 事細かに何を話してたか聞き出すのだ。
それに、自分が居なかった時間に何をしてたこ事細かに聞きたがるし、ちょっと疲れる。

『桔梗どっちに進めばいい?』

『右手を真っ直ぐだ』

右手に真っ直ぐ進む。気持ちは急ぎたいけど、身体がついて行かない。

『もうバテたのか?体力が子供並みなのだから、無駄な抵抗せず番の側にいた方が良かったのでは無いか?」

『そう、それ、何その番って意味わかんない』

意味的はわかるけど、同性に使うのはおかしい、意味的になんか違うのかな?

『知らぬのか?同じ形の痣を持つ者どうし離れられない番の証は、伴侶の証とも言われてる。自分が無い物を片方が持ちあってるとも言われてる。イオリの場合、戦闘能力がない分アルベルトが多く持ってると思うぞ』

『嫌々、ちょっと待ってて。俺が願った事はしあわせな家庭だぞ。可愛い子供の居る家庭でなんで男なんだよ?可笑しいだろ』

『番が同性でも婚姻は認められるし、なぜか子もなせる。番の証を持つものは特別な存在とされてる。証を持つものは"この世を凌駕する強大な力を秘めてる"と、信じて疑うものは居ない。だから 証を持って生まれてきた者は必ず王家に届けを出さないと反逆罪と見なされ一家はもちろん親戚筋迄皆殺しと決まってる』

「俺そんな事知らない。それにさ証なんて持って無いから」

『身体の何処かを確認され無かったか?』

『・・・・された・・かも・・・背中』

『アルベルトの証とイオリの背中に有る証が番になるのだろうな。戻った方が賢明だと思うぞ』

「ヤダ、ちょっとほかの人と話しただけで 事細か聴き込むって好きじゃない」

『そうは言っても完全に包囲されたぞ』

『へっ ウソ』

枯れ木を踏みながらアルベルトが出てきた。

「イオリ、素直に戻ってくるなら怖がらせない。私の所に戻っておいで」

『かなり疲れてるだろ、無理をせずに素直に戻る事を進める』

「ちょっと他の人と話しただけで事細かに聞くとかウザい。そお言うの辞めてくれない?
それに1日何もする事ないのに部屋でゴロゴロして昼寝してゴロゴロしてましたとか、言わされるこっちの身にもなれよ!
自分の都合上かなにか知らないけど、勝手に留められてる理由って何?俺別に犯罪者じゃないね?捕まるような事した覚え全くない。
なら、俺が出て行っても可笑しくないよな?
出ていくから。お世話になりました。では」

言いたいこと言って歩き出すザザザザッと騎士達が一斉に飛び出して来て俺の回りを取り囲んだ。

後からゆっくりとしたら足音が近づいて来ると同時に背筋が凍る。

「イオリの言い分は分かった、他になにかあるなら今の内に言えばいい」

一言喋ってると同時に1度温度を下げてるだろうと疑いたくなる。
ガタガタと震えが止まらない、

「なっない・・けどさ、、」

「あぁ、まだなにかあったんだね。誰に話してるか分からないから取り敢えず私の方に向いてくれるかな」

無理無理無理無理無理無理 絶対無理

ガシ 
俺の肩に手を置いて操り人形の様に意図も簡単に向かい合わせにさせられたり

ヒォ~・・・・・

「さて、けどなにかな?」

器用に顔の筋肉だけで美しく笑って見えますが、目の奥でブリザード吹き荒れてます。

「けど、さ、 ・・・・こんな風に 俺が包囲される必要性って何かある?」

「無いですよ。言い分が有れば私はちゃんと聞く、だが私から離れることは許さない。逃げるな追うし取り囲む。それにちゃんと最初に怖がらせたくないと注意したよね」

更に笑を深めるアルベルト。綺麗花にはトゲが有るから気をつけろよ。と、じいちゃん言ってたけど、じいちゃん 世界が変わればトゲでは無く、切れ味抜群の鋭い刃物が付いておりす。




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